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「パチンコ蔓延による損害」

 

浜秀人(宇都宮大学国際学部国際社会学科3年)

 

日本ではパチンコ産業が大きな市場を形成していて日本の産業構造全体から見ても巨大なマーケットである。どこに行ってもパチンコ屋はあり一番身近にあるギャンブル型レジャーである。身近なレジャーであるパチンコだが最近では、依存症やパチンコ絡みの犯罪といったことを耳にする。ここではパチンコによるマイナス面に注目してみたいと思う。

 

 

1、ギャンブル大国

 

 パチンコは法律的にはあくまでメダルゲームということになっていて、パチンコ屋ではパチンコ、スロットがあり、遊技するのに玉やメダルを借りる。貸し玉、貸しメダルと呼び、玉1個4円、メダル1枚20円で客に貸してゲームをさせる。その結果、勝てば景品に交換するという営業である。現実的には違法行為とされているのだが、景品を景品交換所で現金に換えれることからパチンコはギャンブルとなっている。

 

 パチンコは1920年に登場し、発展していった。日本全国にあるパチンコ店の総数は16504軒(2003警視庁調べ)で都市部に限らず、小さな市町村にでもパチンコ店がある。ほとんどの店で年中無休、朝から夜まで営業している。パチンコ店の年間売り上げは全店で27兆8千億円(レジャー白書2002)。この額は自動車業界をしのぎ、日本の主要産業である。

 

 パチンコ参加人口は約1930万人(レジャー白書2002)。2000万人近いファンがいるギャンブルとなると、日本人の多くが熱中している関心事といえる。

 

 

2、パチンコのギャンブル性

 

 年々パチンコはギャンブル性が高くなっている。そのために規制がされるが、規制と、ギャンブル性の高い機種の開発の繰り返しである。規制されてもその条件を満たした、ギャンブル性の高い機種が開発される。今のパチンコは2,3時間ほどで、数万円が動く。スロットに関しては、一日に10万円単位の勝ち負けも珍しくなく、今は撤去されてしまった機種だが一日で100万円勝つことができるものもあった。少額で長い時間楽しめるレジャーではなくなってきている。

 

 

3、経済・文化的損失

 

 パチンコ人口は2000万人にのぼり、日本人の余暇の過ごし方は文化的活動よりパチンコを楽しむ人も非常に多いと思われる。少なからず、スポーツ、音楽、出版など文化産業への影響はあると考えられる。

 

 パチンコ絡みの犯罪や事件は増加している。パチンコで遊ぶ金ほしさの強盗から、パチンコに熱中した親による幼児放置といったことがたびたびニュースになっている。またパチンコに限らず、ギャンブルの依存性から借金をする人も多い。社会の安定や経済活力を阻害する一部の要因にもなっている。

 

 いたるところに「パチンコ」というネオンと看板がある。美観を喪失させ、住環境にも影響を与えている。

 

 大学生や実質的には高校生がパチンコに夢中になり勉学を放棄している現状がある。同時に自立心や労働意欲も失うものも多い。将来を担うどころか、フリーターになってしまったり、路頭に迷うケースもあり、社会貢献や順応が心配される。

 

4、まとめ

 

 パチンコは今や大衆娯楽として定着していると思う。30兆円産業といわれ、パチンコ屋も増えていて、それだけパチンコをしている人が多いのを象徴している。またパチンコ業界の人が長者番付に名を連ねていたがパチンコ産業が栄えている証拠だろう。

 

パチンコは楽しい余暇の過ごし方であると思うが、あまり熱中しすぎることは危険であると感じた。平日であってもパチンコ屋には人が大勢並び開店を待っていたり、子供をつれている母親をみたり、パチンコにはまりすぎて、留年した先輩がいたりする。問題はいろいろありそうだと感じた。

 

 

参考サイト

日本遊技関連事業協会 http://www.nichiyukyou.or.jp/

社会安全研究財団 http://www.syaanken.or.jp/

中央調査社 http://www.crs.or.jp/

P-WORLD  全国パチンコ店情報 http://www.p-world.co.jp/