<資料1>

「イラク北部のザホ近郊で13日、トルコ軍の戦闘機が武装組織、クルド労働者党(PKK)の拠点を空爆した。これとは別に・・・・イラク北部の廃集落をトルコ軍のヘリコプターが攻撃したと伝えた。」

071114日経「トルコ、イラク北部空爆」)



<資料2>

「パキスタンの政治混乱でムシャラフ政権が崩壊したり、弱体化したりした場合、50発といわれる核兵器や核関連物資・情報が国際テロ組織アル・カイーダやイスラム原理主義組織に流出するのではないかという懸念が米政府内に広がっている。パキスタンにはイランや北朝鮮に核を拡散させた前歴があるうえ、現在の核管理の実態は米国もきちんと把握しておらず、政治混乱が深まるにつれ、核危機が顕在化する可能性は高い。」

「パキスタンは1998年に隣国のインドに対抗する形で核実験を強行し、イスラム圏では初の核保有国家となった。当初は、印パ紛争での核使用の可能性が懸念されたが、米同時テロ後の2004年になって、核開発の責任者だったカーン博士が『核の闇市場』の存在を認めパキスタン発の核拡散の実態が明らかになった。・・・・・

 ▽米国の同盟者として『テロとの戦い』に協力してきたムシャラフ大統領は・・・・。しかし、今後ムシャラフ政権が崩壊し、内戦あるいは無政府状態になった場合、核を管理する軍のたががゆるみ、パキスタンが再び核を流出させる恐れは否定できない。・・・・

 民主党の・・上院外交委員長は・・『世界で2番目にイスラム教徒人口の多い国家が破綻国家となり、核兵器を持った(イスラム)原理主義者の手中に落ちるという悪夢を防がなくてはならない』」

071114読売「パキスタン混乱 核流出 米が懸念 管理状況を厳重監視へ」)



<資料3>

「注目されるのは、英独首脳が、制裁の具体的な中身まで言及したことだ。ブラウン首相は、制裁措置には、石油・ガス関連投資制限や、金融部門も含めるべきだと明言した。メルケル首相は・・・制裁強化のために、独企業のイランとの取引を制限する用意があることを示唆した。

 イラン核問題をめぐる国連安保理での議論は、新決議案作成に、中国、ロシアが抵抗することで、停滞してきた。」

071114読売「イラン核問題 英独仏そろって『制裁強化』」)



<資料4>

中国の楊外相が13日、テヘラン入りし、イランのモタッキ外相、アフマディネジャド大統領と相次ぎ会談した。イラン核問題を中心に話し合った模様だ。

 中国を含めた安保理常任理事国とドイツは19日にイラン核問題について高官協議を開催する予定で、イラン側は、楊外相との会談を通じ、自国の核開発への理解を求め、追加制裁発動の回避を狙ったものとみられる。」

(071114読売「中国楊外相がテヘラン入り」)



<資料5>

「グリーン前国家安全保障会議上級アジア部長は・・・『・・・北朝鮮とシリアの協力が真実と仮定すれば、の話』とことわったうえで、ブッシュ政権がとりうる選択肢として@核拡散ではイランをめぐる国際社会の結束を優先させ、北朝鮮に対しては6者協議による『外交路線』を続行A拡散の脅威を重視し、6者協議を凍結する『強硬路線』に転換B6者協議は続けつつ、北朝鮮に過去の取引を完全に申告させるように国連や国際原子力機関(IAEA)などを通じた圧力も高める中間策―の三つを挙げた。」

071109朝日「米 沈黙、深まる謎 イスラエルのシリア空爆 標的 建設中の核施設? 対北朝鮮政策に影響も」)



<資料6>

南北首相会談14日から3日間の日程でソウルで行われる。10月の南北首脳会談で採択された『南北関係発展と平和繁栄のための宣言(南北首脳宣言)の履行計画を協議し、経済協力事業の具体化を目指す。」

071114読売「きょうから南北首脳会談 経済協力 具体化目指す」)



<資料7>

政治手法の強権化や貧困層の増大などを理由に、野党側は大統領への退陣要求を一段と強めている。民主化を求める民衆に『バラ革命』でできたサアカシェビリ政権は041月の発足以来最大の政治危機を迎えた形だ。」

「同大統領は、北大西洋洋条約機構(NATO)や欧州連合(EU)への加盟などの親欧米路線を掲げ、経済でも腐敗防止や競争原理に基づく市場化を進めた。この結果、欧米から一定の投資を引き入れ、04年以降には59%台の高度成長を数字の上では実現した。

 だが、親欧米路線は、旧ソ連構成国のグルジアを自らの影響圏と見るロシアの反発を招き、グルジアの特産品であるワインの輸入禁止や交通遮断などの制裁につながった。これらが競争原理重視と共に弱者を直撃して経済格差を拡大、失業率は14%近くにもなる。」

071109朝日「グルジア非常事態宣言 大統領に強権批判 野党 退陣要求強める」)



<資料8>

「欧州ではエネルギー産業などの民営化が進むが、ロシアのガスプロムによる天然ガス供給停止を目の当たりにしてエネルギー安全保障論も高まっている。欧州連合(EU)は通信や郵便、電力など公共サービス部門の域内での競争を促進する一方、域外企業を警戒する姿勢も強めている。外資買収で電力・ガス会社の独立性が損なわれる場合には欧州委員会が経営に介入する条項を設ける動きもある。

 『外資買収を政府が阻止するのは非常に限定的なケース』(独政府筋)とみられ、例えば日本企業が欧州の製造業を買収する際に発動されることはまずなさそう。とはいえグローバル化の急速な進展を不安視する国内世論に配慮した一連の動きは、欧州への投資誘致に悪影響を及ぼすとの指摘もある。」

「独仏では外資流入に対する警戒感が強まっているが、企業の国際競争力を高めるには、ある程度の競争促進が欠かせない。独仏は、国内産業の保護と競争力強化とのジレンマに悩んでいる。

 ドイツでは、経済団体が外資買収阻止策の立法化を目指す政府への支持を表明。・・・・・・▽背景には、競争促進によるメリットが国民生活で実感できないことがある。例えば通信・航空分野では域内での競争激化で料金は低下したが、サービス改善は大きく遅れている。ドイツテレコムは通信障害が頻発し、エール・フランス航空は荷物の紛失・破損が多発する。

 競争による『負の面』が強調され、『グローバル化に反対する雰囲気が出始めている』・・・・・・。競争と秩序のバランスをどう取るかが課題となる。」

071114日経『外資による敵対的買収防止 欧州で政府介入の動き 保護と競争でジレンマ』)



<資料9>

「『治療費を知らされたとき、私は死刑宣告を受けたと思った。50万j(5700)かかると言われたからだ』。住宅の安全性を検査する会社を個人で営むジェイコブさんは健康に自信があったこともあり、医療保険に加入していなかった。一般的な病気をカバーするだけで月1000jもの高額な保険料がかかるからだ。▽手術をあきらめかけていた時、テレビで『メディカル・ツアー』の存在を知った。・・・・・713日にニューデリーで受けた手術は無事成功し、10月には仕事に復帰した。

 ・・・・往復の航空運賃などを含め手術にかかった経費は26000j(296万円)米国で手術を受けた場合の5だった。・・・海外で治療を受ける米国人はこの数年で急増し、昨年は50万人に達した。」

「米国には『国民皆保険制度』が無く、個人で民間の保険会社や組合・団体が提供する医療保険に加入する必要がある。公的医療保険は連邦政府による高齢者(65歳以上)・障害者対象の『メディケア』と、連邦・州政府の貧困層(年収15000j程度)向け『メディケイド』などはあるが、これらのカバー範囲は全国民の27(8000万人)に過ぎない。

 高額な医療費や保険料を背景に、全国民の16%に当たる約4700万人が医療保険に加入していない。高齢者や貧困層の増大が医療費の高騰を招き、保険会社は保険料を引き上げ、中小企業や低所得者の保険加入を困難にしている―との悪循環が背景にある。

 経済協力開発機構(OECD)の昨年の発表によると、米国の国内総生産(GDP)に占める医療費の割合は日本のほぼ2倍の153%。主要国では最も手厚いにもかかわらず、多くの人々が満足な医療を受けられない皮肉な状況にある。」

医療保険制度改革は対テロ戦争と並び、次期大統領選の行方を左右する最重要課題だ。」

「米国の医療保険は1965年にジョンソン大統領(民主党)がメディケアとメディケイドを導入するまで、すべて民間の保険会社が運営していた。97年に児童向け医療保険(SCHIP)が導入され、民間保険の加入が困難な貧しい家庭の子供も公的保険でカバーされるようになった。65年以来の大改革となり、現在は660万人が助成対象になっている。

それでも公的保険の対象は全国民の4人に1人程度に過ぎない。残りは民間の保険会社と契約するため、米国の医療現場には市場原理が強く反映されている。保険会社は利益を追求するため、リスクのある病人よりも健康な人を優先して加入させる傾向がある。また、高齢化や医療技術の高度化、医療過誤への厳しい監視などを背景に、医療費は年々高騰。保険会社は保険料の値上げや保険対象の縮小などで対処しており、中産層の企業や個人が保険から一層遠のくという悪循環がある。」

071113毎日「皆保険化めぐり論争 途上国へ手術ツアー」)



<資料10>

「『2010年から満額年金を受給できる年齢を62歳から67歳に引き上げる』との方針を明らかにした。働く高齢者が増えるよう促し、労働力不足を補う狙い。産油国のノルウェーは好景気で労働力が不足しており『高齢者と女性の就労拡大を政策の軸に据える』という。

 ノルウェーの公式の年金受給開始年齢は現在も67歳だが、62歳で退職しても同じ満額年金を受け取れるため62歳で退職する人が多い。一方で原油高で潤う同国は実質成長率が年3%と高めで、労働需給が逼迫(ひっぱく)している。」

071114日経「ノルウェー 年金受給開始年齢引き上げ 財務相、高齢者就労促す」)



<資料11>

「ジンバブエだけではない。アフリカの多くの国で、指導者は利権や権力の維持に腐心し、国づくりを放置している。・・・・・その状態を「(おおやけ)の欠如」と呼ぶ。

 かつてアフリカの多くは農産物輸出国だった。しかし、指導者は農業などに関心はなく、育成策と取らなかった。その結果、ほとんどの国で農業はやせ細った

 農業だけでない。ジンバブエでは水や電力も不足していた。・・・公共用水や電力確保の努力をしなかったためだ。

 産油国のナイジェリアは、原油高で年に500億jの外貨収入があり、国内総生産(GDP)の成長率は7%にも達している(05)。しかしその多くは政府の中で使途不明のまま消え、国民の大多数は貧困にあえいでいる。

 警察は治安に関心がなく、教師の給料は遅配が当たり前だ。スーダン、赤道ギニア、アンゴラ・・・・。アフリカ産油国ではどこも同じような現象が起きている。・・・・・・

 現代アフリカの最大の問題は、新植民地主義や累積債務などではない。『公の欠如』なのだ。」

071110朝日「国を壊す ジンバブエの場合 国造りより権力に執心」)



<資料12>

「党の組織部門に見込まれた若手は、責任ある地位を与えられ、思想性や決断力、統率力を試される。総合能力に合格点がつけば、出世の道は大きく開ける。・・・

 腐敗が目に余る中国共産党が、つぶれそうでつぶれないのはなぜか。

 理由のひとつは、優秀な人材を登用した後、何度もふるいにかけて選別し、厳密な『身体検査』を行い、精鋭として育て上げる体系的な人事制度にある。カギは組織性と長期戦略だ。

 無能な人間が上に立ったら独裁体制が持たないことを、党指導部は重々承知している。出世は実力だけでは決まらない。門閥や人脈も物を言う。ただ、能力が低ければ、親の七光りがあろうとも、重要ポストには就かせない。冷徹な権力維持機能が体制を永らえさせている

 もちろん、民意に基づく指導者選出ではないという決定的な欠陥はある。型にはまった優等生一色という弊害も出よう。しかし、是非はともあれ、開発独裁型政治において、現行システムは当面、有効に機能すると見るべきだろう。

 中国の科挙制度は約1300年にわたって皇帝の専制支配を支えた。共産党支配下、選抜されたエリートは党に恩義を感じ、忠誠を尽くす。用意周到な幹部育成と、先を見据えた人事構想。それは形を変えた『科挙』なのかもしれない」

071113読売。藤野彰「中国細見 長期戦略の若手抜擢 共産党流『科挙』で人材育成」)



<資料13>

キーワード:医療保険、年金、負担、公共サービス、受益者、戦争、平和、国家間交渉、外交、環境、エネルギー、暴力、グローバリゼーション、ボーダレス、国境、民営化、大きな政府か小さな政府か、ガバメントからガバナンスへ、安全、貿易自由化、保護貿易、外資、世論、地域、企業の国際競争力、格差、都市と地方、中央と地方、少子高齢化、仕事・雇用、賃金、通信、核危機、国連、超大国、分権と集権、相互依存、国力、人事、成長発展、教育、官僚組織、人材、国際人、独立、貧困、富、強権、民主化、汚職・腐敗、同盟、競争原理、市場化、市場の失敗、政府の失敗、政権、政策、政権内部対立、意思決定、言論、軍政、移民、労働移動、ものづくり、食糧、社会基盤(インフラ)、自由と規律