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「中国の地方行政改革」(財団法人自治体国際化協会北京事務所、2003年6月)より
「改革開放以降の中国における行政改革の経過を一口で表すと、ミクロ管理型行政から、試行錯誤しながらも市場経済の運営に合致したマクロ監督行政に移行してきたプロセス」(はじめに)
「各企業はそれぞれの生産計画を提出し、所管政府部門からの承認を得ることとなる。企業から県、市、省、中央へと決裁が流れ、逆に中央から省、市、県、企業へと承認手続が流れていた」(2頁)
「地方政府は、それぞれ各地方における自らが管理する企業や産業の育成・発展に血道を上げるようになった。・・・・また、末端レベルでも郷鎮企業が多数起業され、現地の特産品や特殊技術を活用した商品が市場に溢れることとなった」(3頁)
「中央直属の大規模国有企業等が、こうした地方政府による企業保護政策の犠牲となった」(同)
「地方への権限委譲により、経済の迅速な発展がもたらされた反面、このような地方保護主義の台頭による様々な弊害も」(4頁)
「社会経済の問題点は、政府が直接企業を管理するため、企業の利益と政府の利益を直結していることから生じたものであった。これを克服するには、政治・行政と企業活動とを分離する必要があった。そのため、政府は、行政の効率化を進めながら、企業の直接管理を改めるための行政改革を実施した」(同)
「1993年に中央政府は三回目の改革を行った。その目的は、政治と企業活動の分離(政企分離)である。企業活動の最大の障壁となっていた政府部門による企業の直接管理をやめさせ、また、そのことで多数のマンパワーを要していた行政機関の簡素化に取り組んだ」(7頁)
「1994年から始まった地方行政改革では、各地の経済発展レベル、人口、面積などの状況に応じて、中央機構編制委員会が、省級党政機構の設置数を決定した。一般的な省級地方政府の機構数を55(直轄市は75前後)とし、経済発展の程度により、55から加減された。なおこれらの機構数には、人民代表大会、政治協商会議、裁判所、検察院、民主党派、人民団体機構の工作機関、省政府の地方駐在機関、上級政府の直接管理機関は含まれない」(7-8頁)
「省級政府の平均的な機構数77を53に削減。このため中央政府は各地方政府に対し、公文書により平均で約13削減するよう指示した」(8頁)