060426shoki

 

―世界における日本の位置づけ その1―

国境を越えるネットの拡大は急速だ。アクセスメディア・インターナショナルの予測では、00年に3億人弱だったネット利用者は、06年末には10億人に達する。・・・・情報に限らず、ヒト、モノ、カネ、あらゆる分野でのグローバル化が、国境の壁を低くする。▽巨大化する金融資本の自由な移動、エイズウイルス(HIV)や鳥インフルエンザといった様々な感染症の拡大、地球環境汚染、内戦や地域紛争による難民の流出・・・・。▽伝統的な『主権』国家が自己完結的にコントロールできる領域は、確実に狭まりつつある

「アフガニスタンではタリバーン政権を倒したが、各勢力が群雄割拠する状況が続く。イラクでも旧フセイン政権は倒したものの、シーア派とスンニ派の対立が激化し、武装勢力のテロも続いている」

「新勢力として想定されているのは、ブラジル、ロシア、インド、中国。4カ国の頭文字をとって、米ゴールドマン・サックス社が03年にBRICsと名づけ、注目された」

「新たな国家の役割は、『経済の国境を広げていくこと』であり、その課題は、『国際的なルール作りに影響力を行使し、グローバルな企業活動の基盤を支えること』だ。▽国内産業を国際競争の荒波から『保護』するための、防壁としての国家。国民を囲い込んで、『国民経済』を増進することに励む守護神。そんな伝統的な国家像は、もう面影がない

「国家はもう、緊密な国際協調なしに市場の大海を泳いでいくことは望めなくなった」

アジアは世界で最も経済成長が進み、国際社会での重みが増していく地域だ。アジアで共感を得られなければ、日本の対外戦略も国際社会で空回りしかねない。逆に日本がこの地域で共感を増し、近隣諸国が共生していく触媒になれれば、日本だけでなくアジア全体の果実も大きくなる」「ソフトパワー」「グローバリゼーションの弊害である格差や環境破壊とどう克服し、途上国での持続可能な開発に結びつけていくか」「政策力

060423朝日。「新戦略を求めて―第1章 世界の中の日本―」)

 

 

―世界における日本の位置づけ その2―

13億人を抱える中国と労働力不足が深刻なロシア・・・中ロ接近は最近の情勢を読み解くキーワードだ」

「ロシア国営のガス会社ガスプロムは今年二月、南米に代表団を派遣。ベネズエラからブラジル、ボリビア、アルゼンチンと南米大陸を縦断するガスパイプライン敷設計画で協力の用意があることを表明した」

「イラン核問題では、経済制裁の発動を訴える米欧に対し、中ロが一貫して制裁反対にまわり協議が停滞、その間にイランが着々と実績を重ねる構図が続いている。▽資源を武器に失地回復をもくろむロシアと、経済発展を背景に影響力拡大を狙う中国

060416日経「激動する世界―変わる力学―」)