030514shoki 初期セミナー「インターネットと政府情報」講義メモ 中村祐司

 

政府情報関連HPの紹介→

2003511日付の朝日新聞朝刊に「『未来の投資家』育つかな」「金融基礎知識副教材配布へ 中高生対象に金融庁 資産運用の利点とリスクも明示」と題する記事が掲載された。記事によれば、「中学生や高校生を対象とした投資教育に、金融庁が乗り出す。今夏、金融の基礎知識を学校で教えるための副教材を発行し、インターネットで配布する」としている。「副教材では、銀行や証券会社、保険会社などの役割、株式市場の仕組みなどを、図解を使って分かりやすく説明する。資産運用の利点とリスクも明示する。新しい金融商品やペイオフなど、金融を巡る最新情報も盛り込み、定期的に更新していく」「政府は『貯蓄から投資へ』の移行を促し、証券市場の活性化を図る方針を打ち出している」「米国で個人投資家が育つのは、NPO(非営利組織)などが小学校から投資の知識を教えているからだ、ともされる。金融庁は『正確な知識を身につけた個人投資家が増えれば、市場は活性化するはずだ』と期待をかける」

 

そこで、金融庁のページhttp://www.fsa.go.jp/

における

http://www.fsa.go.jp/qanda/qanda.html

「金融早わかりQ&A」を紹介したい。「とにかく分かりやすい説明を心がけ」たとある。「銀行などについて」「保険会社について」「証券会社について」「その他」となっている。質問数は項目ごとに異なるが、いずれも素朴な質問が並んでいる。そこで銀行については5つの質問、保険については2つ、証券については5つ、その他については1つ(いずれも最初からの質問順)に目を通してみた。すんなりとは読めないものの、確かに「分かりやすい」説明が心掛けられており、キーワードを把握しながら、質問全部を読み通せれば、金融に関する基本知識を身に付けることができるように思われる。

 

そこで、以下、質問内容と回答のポイントを記しておく→

 

なぜ金融機関だけが公的資金を投入されるのか?→預金の保護であって救済ではない。元本1,000万円についても金融機関から徴収する保険料によって賄われる。金融機関には公共的な役割がある。

 

金融機関の行員の給料は高過ぎなのでは?→基本的には金融機関の経営上の判断の問題。国による監視。平均給与横ばい。旧経営陣は退陣。

 

不良債権処理をなぜ急ぐのか?→銀行の経営困難は借り手企業の残存を意味する。中長期的に、日本経済の再生に繋がる。

 

不良債権残高はいくらか?→023月末現在で全国銀行の不良債権は43.2兆円。今後はより正確に。

 

「銀行等保有株式取得機構」設立の目的は?→銀行が保有する株式の下落は金融システムの安定性に影響を与える。株式保有制限との関係。市場売却を補完するセーフティネットとして。「銀行等の株式等の保有の制限等に関する法律」に基づく。銀行等保有株式取得機構は市場原理を歪めないような仕組みになっている。

 

生命保険会社の経営状態は?→生命保険会社の基本的な収益は、利益差(保険契約者に約束した予定利率と実際の運用利回りとの差)、死差益(予定した死亡率と実際発生した死亡率の差)、費差益(業務を運営する上で予定した経費と実際の経費との差)。こうした基礎利益の状況から、逆ざや(利差損)を補った上でなお利益が出ているという点にも留意が必要。

 

金融審議会での生命保険の予定利率引下げの議論は?→各保険会社に必要な対応を求めるとともに、行政当局としても、必要な制度整備につき検討中。

 

「証券市場の改革促進プログラム」とは?→「証券市場は、資産の効率的な運用を目指す投資家と事業展開に必要な資金を調達する企業とを直接結びつける、わが国経済の活力ある成長のために欠かせない重要なインフラ」「国民共有の財産」。「誰もが投資しやすい市場の整備」「投資家の信頼が得られる市場の確立」「効率的で競争力のある市場の構築」の3本柱。

 

証券に関する税制の大幅改善の中身は?→「貯蓄から投資へ」の流れを加速し、個人投資家の積極的な市場参加を促すため。「株式譲渡益・配当、株式投資信託分配金について、国税・地方税とも源泉徴収のみで納税が完了する仕組み(申告不要)を導入するとともに、証券会社から税務当局への年間取引報告書の送付を不要とする」「全ての株式の譲渡益・配当、株式投資信託の分配金について、一律に5年間は、税率を10%に軽減する」「株式投信の償還・解約差損について、株式譲渡益との損益通算を可能とする」「特定口座については、従来預け入れることのできなかった、投資家自身が株券を保管しているいわゆるタンス株券についても、預け入れることができるようにする」

 

日本版401(K)とは?→確定拠出年金=「企業又は個人が掛金を拠出し、個々の加入者が個人毎に区分された年金資産の運用方法を自己責任により決定し、掛金とその運用収益の合計額を年金又は一時金として受け取る年金」。企業型年金と個人型年金。国民年金の第3号被保険者(サラリーマンの専業主婦)や公務員は加入できない。老後(原則60歳以上)や、障害者となった場合又は死亡した場合に給付を受けることが可。

 

「投資クラブ」とは?→「(ママ)人数が集まり、株式等に関する知識を学習し、その結果の実践として投資を行うことを目的とする」

 

「ETF」とは?→Exchange Traded Fund:上場投資信託。「特定の物価指数の構成銘柄と同様の現物株式を集めて受益証券を取得し、また、一定口数の受益証券と現物株式の交換を行うことが可能な投資信託」。市場においてリアルタイムで売買が可能。リスクが分散。「投資家に対して利便性の高い株式投資の手段」

 

「IMF」による金融特別検査、査察とは?→IMF(国際通貨基金)と世界銀行が行っている「金融セクター評価プログラム」(FSAP)。一国の金融システムを総合的に評価する作業で、検査や査察といった性格のものではない。

 


 

以下は、この時間に受講生が紹介したHPのアドレス→

  

高橋伸嘉による紹介

 

外務省の政府開発援助(ODA)紹介ページ

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/index.html

ここを見ると、日本が世界の中でいかにODAにお金をかけている国かがわかる。総額では常に世界で1位か2位。全体に占める割合も大きい。このページには、乗っていなかったが、アジア諸国に対する援助額は他の援助国を大きく引き離しているだろう。また、国際機関(国連等)への出資という面でも、経済的には大きな貢献をしていると思われる。

目線を予算へと向けてみると、意外なことに気づかされる。ODAの予算を省庁別にした表を見ると、ほぼすべての省庁に予算つけられている。逆に言うと、省庁ごとにばらばらな国際協力活動を行っているということになる。さらに、このページは外務省が作成しているため、他の省庁での予算の使われ方が分からない。警察庁のように、ちゃんとホームページ上に項目を作っているところもあれば、総務省のように探せば探すほど迷路に入り込んでしまうところもある。

違う項目を見てみよう。最近の日本経済の不況に影響され、ODAもその評価や透明性を厳しく求められている。税収の減少や、不況対策のための支出の増大などにより、援助総額も減額されている。予算の表を見てみると、軒並み減額している。そのような中で、いかに効果的で効率的な活動をするかが問われているのである。

そこで、「ODAの透明性・効率性の向上について」という平成1011月の文書を見てみると、国民の支持と理解を得るために取り組んでいくとかいてある。その中で、疑問が残るポイントを以下に列挙してみる。

     援助計画策定の時点で、実際に影響を受ける現地の人々の声を拾うシステムが確立されていない

     同列に比較しづらいため、コスト意識が現場に浸透しづらいこのような事業で、どのように費用対効果を評価するか明確でない

     国民への説明責任は明記されているが、現地への説明責任には触れられていない

     各省庁・実施機関の横の連携について、具体的な提案がない

     有償資金協力について、外部機関のチェックをとりいれていない

     在外公館(外務省)の強化だけを盛り込み、具体的な活用方法がしめされていない

全体的に感じるのが、外務省の縄張り意識である。広い意味での外交であるから、外務省が音頭をとることは自然だと思える。しかし、国民の支持と理解を得るために作成・改良されてきた上記のホームページに他省庁の活動は載せていない。また、川口外務大臣の諮問機関である「変える会」が提案した援助庁への一本化に反対し、在外公館の機能強化を唱えている。このような縦割りの意識の省庁がはたして、効率的な連携をとることができるのか、疑問が残る。

              ある外務官僚は『政策評価・独立行政法人評価委員会政策評価分科会』http://www.soumu.go.jp/hyouka/seisakunaiyo/020618_2.htmlで堂々と、まだ評価できる資料は23しかそろっていないと言っている。はたして、4年間何をしていたのだろう。

              このような外務省が、政府開発援助大綱の見直しで中心となっている。もっと外部の声もとりいれて、これから10年間、日本のODAの指針となるようなしっかりとした大綱を作ってほしい。そのためにもっと見やすく、たくさんの情報を提供していってほしい。

 

 

山領佐津紀による紹介

 

おくすり110番

ハイパー薬事典 薬の名前で検索でき、どんな薬かが分かります。

お薬110番のモバイル版です。携帯電話から検索できるのでとても便利です。

http://www.okusuri110.com/i/ http://www.okusuri110.com/j/ http://www.okusuri110.com/e/

 

薬辞苑 

薬辞苑の中のコンテンツをいくつか紹介します。

今話題の薬やあれこれ→今、巷で話題の薬やあれこれについて

薬のうなぎと梅干し→薬と食べ物の食べあわせがわかる

薬のこれって本当?→薬についてのさまざまな情報を検証します

ちょっと読んでおくだけでも、楽しくためになります。