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高橋真理「市町村合併の現状」

 

私は今回、この授業で学んだ市町村合併について深く興味を持ちました。その理由として、私が住んでいる市は、数年前に隣の市町と合併しました。その頃の私は合併について深く考えたことがなくなんとなく過ごしてしまいました。しかし合併した現在、私たち住民にとって何か実際に感じ取れるメリットがあったのかと考えたときに何もないのではと思いました。また、隣町は合併の話はあったのですが、結局合併せずに今に至っています。私たちの町はなぜ合併したのか、また隣町はなぜ合併にいたらなかったのかがきになり、身近に体験した市町村合併について二つの町を比べながら調べたいと考えました。

 

まず、現在の私の市である茨城県古河市は旧古河市と、旧総和町、旧三和町が合併してできたものです。現古河市は、総人口145,232人で世帯数が53,987世帯です。位置としては、茨城県の最西端で関東平野のほぼ真ん中に位置しています。また、東京・上野駅から電車で60分で来ることができるために、東京のベッドタウンとして発展してきた都市です。しかし現在は都心回帰の影響により、ベッドタウンとしての役割は薄くなり人口が減少していますが、茨城県では6番目に人口が多い都市となっています。また古河市は、県西地区で唯一東京大都市圏に所属している市でもあります。2005年に総和町三和町と新設合併ということで合併しました。次に、合併した町についてです。総和町は国道4号と新4号バイパスが走っているために交通としての利便性があるため、工業地化が著しくあります。合併前の総和町の総人口は49,240人でした。合併前の三和町の人口は38,994人です。

一般的な市町村合併のメリットは、まずサービスの多様性について当てはまると思います。特に旧三和町は農業を営む世帯がほとんどなので、東京のベットタウンとなっている古河市と合併することにより大きなメリットとなります。住民の利便性の部分についても、旧古河市には大きい体育館がなく大きな催し物の会場に困っていました。しかし旧総和町には大きい体育館と陸上競技場、温水プールがあります。合併することで旧古河市民もそれらを利用することができるようになります。また、古河市は茨城で東北新幹線が通過している唯一の場所であることから古河に新幹線の駅を設立するという計画が立てられていました。その東北新幹線は古河市総和町を通っているのですが土地の利用上、駅を設立するのであれば総和町がある辺りに設立することとなっていました。駅を設立することによりその周辺は活性化されますます発展します。しかし調べていくうちに、この合併の大きな目的は、古河市の財政難を打破するものであると分かりました。古河市は当時財政が大赤字の状態でした。ところが旧総和町は、大きな工業団地があり、国から補助金が出ていました。また、総和町は自営業を営む世帯が多いために、税金もかなり納められていました。しかし、すんでいる住民の数は少ないがために総和町は財政が黒字でした。そこで、古河市は合併をすることにより自分の財政難を緩和させようと合併をしたがりました。実際に、古河市は合併に対してものすごく意欲的でしたが、総和町の住民などは特に強い反対を示し、最後の最後まで反対だったそうです。住民投票を行いましたが、古河市民と総和町民の人数では勝てるわけがなく、合併したのです。

それによって総和町に住んでいた人々は、合併前よりも行政サービスが薄くなってしまっていると思います。これは私自身、実際に体感して思ったことです。例えば教育の面に関してですが、私たちが住んでいた総和町は海外に姉妹都市をもっています。私は中学生のときに、その姉妹都市である中国に訪問という形で参加することができました。私が中学生の時は合併していなかったので、町の中学校から決まった人数が輩出されることになっていました。総和町の各中学校(3校)から4名ずつの計12名で参加しました。費用は5泊で3万という値段で残りは全て町によって負担してもらえました。しかし、合併し古河市の中学は9校になってしまったために各中学校(9校)から2名の計18名となり、費用も5〜8万になってしまいました。また、成人式においても合併前はお楽しみ企画として、ディズニーのチケットがもらえたりという企画もあったようですが、合併してからそのような企画もなくなってしまいました。しかし、今年から駅前のイルミネーションにお金をかけたり、新しい大きなホールを設立する予定が浮上したりと、3市町が合併したはずが1市だけがよくなっているような気がしてなりません。この問題はとくに市町村合併をする上で、考えるべきだと思いました。

さらに、このような中心部のみ発展し周辺部が取り残されることを恐れて合併に至らなかった隣町(境町)ケースについて考えたいと思います。まず、境町総和町と違い決して財政が良いわけではなく、実際には合併しないままだと町として活動できなくなるような状態だそうです。境町岩井市猿島町との合併案が挙がっていました。しかし、境町の場合は候補として上がった岩井市という市から少し離れていました。合併するとやはり人口が一番ある市に市役所などが集中してしまい、境の住民はとても不便になってしまうこと、中心部のみの発展などのデメリットを考えて合併はしなかったそうです。さらに、猿島町は現在も上水道が完備されてない地域もあるほどの町です。しかし境町は、かなり昔に上水道は完備され現在は下水道の設置工事が行われています。もし合併するならば、下水道施設のための予算は猿島町の上水道の設置の予算となってしまい、下水施設は中途半端になってしまいます。さらに、公共料金の問題も発生します。市町村合併のデメリットで多く上がる財政的に差がある合併は難しいというのは境町のような状態であるのだと思いました。以上の理由により境町は住民投票をして反対になったために、合併せずに現在もちいさな町ながら、頑張っています。

しかし実際のところ、境町は経営難ということもあり、どこか周辺の市町村でないのかと調べてみました。すると、さらに市町村合併の問題が見えてきました。まず境町の隣にある五霞町との合併の話があったことがわかりました。五霞町は工業団地があるため、財政は黒字であるそうです。しかし、五霞町境町との合併のは反対をしており、さらには隣町とはいっても利根川をはさむために細かな行政機関の設置にも困るために、合併に至らないそうです。また五霞も、埼玉の幸手市という市との合併を希望していますが、幸手市の住人は茨城の町と合併はしたくないと反対しているために、話は進んでいないようです。

以上に事より市町村合併においてはもっと慎重になるべきだと思いました。