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朱偉幸「環境問題を臨む北京オリンピック及び改善対策について」

 

2008年夏季オリンピックは北京で開催されるので、最近、インターネット上のいろいろなオリンピックに関するニュースに注目し始めて、大量の報道の中で、北京はオリンピックを行う実力があるとか、初のオリンピックとして中国全土が沸騰しているなどの賛美記事が多いだが、逆に北京オリンピックに対する疑問、さらに批判的な声も少なくない、大会前の中国が最も世界に問われていることは環境問題だ。

その北京に疑っている問題の中に、いくつ代表的な記事に注目する必要がある。記事1、イギリス水泳代表選手団は、北京の大気汚染が選手へ悪影響を与えることを懸念し、ぎりぎりまで日本の大阪で最終調整を行なうことを発表した。記事2、大気汚染や食品の安全性への懸念からか、直前合宿地として、主に欧米勢を中心に約20ヵ国が日本での最終調整を希望している。そのうち8か国は受け入れ先も決定した。記事3、大気汚染については、ドイツの週刊誌が「屋外競技は深刻な健康被害を受け、特にマラソンでは世界新記録は出ない」と報道した。オーストラリアのオリンピック委員会は、北京の大気汚染に対する懸念から、同国の選手に対してぎりぎりまで現地入りしないようにアドバイスしていたことが明らかになった。 記事4スイス馬術連盟は馬術競技会場となる香港までの長時間移動や高湿度な気候が馬に悪影響を与えるとして不参加を決定。このようなことなので、欧米諸国ともに二十何カ国の代表選手は北京オリンピック開催する前に日本で集結と訓練を行うことを発表した。原因として世界中の人々がまた中国の環境問題に不安を持って、世界のエリート選手たちは北京の空気を心配しているから。急速な経済発展とともに中国の環境破壊がますます深刻になってきて、さらにオリンピックの直前にも、指摘される声が消えない。

批判な声はほぼ北京市の大気汚染に集中している。世界銀行が公表した報告書によれば、全世界で大気汚染が最も深刻とされている20の都市のうち、16は中国にある。それについて、中国都市の汚染も相当深刻になってる。さらに、北京はその中において、大気汚染状況が一番ひどいと世界各国に指摘されし、大気汚染問題はオリンピック選手として一番不利な要因とされている。来年のオリンピックに参加する選手の体調に影響するだけではなく、観衆にも危害をもたらすことになるかもしれない。北京の空気中に含まっている有害物の本は車と工場の排気が一番大きいと見られている。医学的調査によると、大気中に浮遊している微粒子が、人間の肺に侵入することによって、人体の各器官に、例えば、心臓の血管に入り込み、血液の流れに伴って人体を周遊する。選手は精力的な運動するため、吸入する空気の量も非常に多いので長期的にこのような環境で生活すると死亡率が高くなる。一体どんな原因で厳しい汚染状態になってしまうのか、以下のように分析してみる。
 まず、地理の要因が考えれば北京は三方を山に囲まれる地勢だし、南東部だけに平野部が広がるという、ちり取りのような地形になる。市街地の周囲には高層ビルが林立し、それらがまた小さな盆地を形成している。このように、地理的環境による気象条件は大気の流動にとっては甚だ不利だと思う。経済成長の過程で、市街地では自動車の排ガスやばい煙などが年を追うごとに急増し、それらによって深刻な大気汚染がもたらされた。長年にわたって処理を行ってはきたが、全体的に言って大気汚染が深刻化する動きはまだ効果的に抑制されてはいない。さらに北京地域の「霧」の日はますます増え、空はいつもどんよりとしている。そのためある人は、北京の太陽はまるでかすみがかかった月のように見える時も多いと言った。特に冬は市街地のどの高層ビルの上に立って周囲を見渡しても、広大な北京の町はいつも厚い霧の中にすっぽりと包まれているように見える。それは環境が人類に報復したからかな。もっと環境の問題点をしぼれば、ばい煙、自動車排ガス、ほこりが北京の空気の質を悪くしている三大汚染源だが、その中で最も深刻な問題がばい煙と自動車排気だ。北京は毎年二千八百万トンの石炭を燃やしており、現時点では世界で最も多く石炭を燃やす首都となっている。いくつの現状を通して、北京はオリンピックを行わなくても、本格的な環境改善をしなければならないだろう。

どういうことで北京オリンピック開催計画の中に最大の特色として、「グリーン五輪」という理念を打ち出し、環境保護のアピールで大会の成功を招致する方針とする。それは中国政府が世界の批判を受け入れ、誠に改正していく決心を世界に表明している。 

グリーンオリンピック(エコロジーオリンピック)”は2008年北京オリンピックの三大テーマの1つだ、“環境に優しい、快適な環境”という意識の高揚だけでなく、開催都市である北京を“環境に優しく、生態環境を重視する都市”に変化させるという狙いがある。この狙いを実現するため、政府側が以下のように、いくつの環境保護政策を打ち出して、全力に環境問題に取り組んでいる。

(1)環境整備:環境改善のため、北京市政府は巨費を投じて都市環境の整備を行う。これには主に大気汚染処理、汚水処理、風塵防除、騒音防除、固体廃棄物処理などの分野が含まれる。事例として、二酸化炭素などを大量に排出する中国の工業を牽引してきた巨大な製鉄所、首都鉄鋼集団が、ついに首都の北京から引っ越さなければならない。それは北京の大気を「オリンピック基準」まで改善することを、中国は国際社会と約束したから。

(2)環境保護材料:北京市政府はオリンピック関連の全ての資材に関して厳格な環境保護基準を設定している。全ての資材について、それら環境保護基準を満たしていなければ採用しないとしている。特にオゾン層保護のアピールは「グリーン五輪」の重要な理念だ。北京五輪の準備段階において、北京オリンピック組織委は、フォルクスワーゲン中国、コカコーラ、マクドナルド、海爾(ハイアール)などの協賛企業と環境保護の面で交流を行い、これら企業に対し各自の領域でのオゾン層保護を呼びかけてきた。これらオリンピック協賛企業は全力を尽くし、ともに「オゾン層に優しいオリンピック」を建設していくことを表明している。

(3)環境保護エネルギー:2008年北京オリンピック開催にあたり、北京市政府は都市エネルギーの主要エネルギーを石炭から“低排出型”燃料もしくはクリーンエネルギーに転換する。またオリンピック設備ではできる限りソーラーエネルギー、風力、地熱などを利用し、エネルギー消費を減少させる。
(4)省エネルギー建築:2008年北京オリンピックのために、北京市は多くの競技場を建設、またインフラを整備する予定があり、そのため大量のエネルギーを消費することとなる。北京市政府はこれらの建築には可能な限り省エネルギー技術を使用して、環境汚染が激しい石炭発電への依存度を減少させる方針となる。 

(5)都市庭園緑化:“グリーン化及び生態都市の建設”は、既に北京市政府及び全市民の共通目標となっているといえる。北京市政府は、都市緑化率40%以上などの具体的指標を設定している。
(6)環境保護設備:2008年北京オリンピックでは環境保護を非常に重視しているため、北京市はオリンピックで使用する全ての設備が必ず環境保護基準に適合するように規定した。

(7)自動車排気ガス対策:研究結果によって、北京の大気の七三・五%の炭化水素、六三・四%の一酸化炭素、四六%の窒素酸化物が自動車排ガスによるものであることが判明した。特に暖房を使用しない季節における自動車排ガス汚染の占める割合はさらに高くなる。しかも、自動車のガス排出位置が低いため、実際の環境の濃度に対する分担率は七〇%以上に達する。自動車排ガスは北京の大気汚染中、増え方が最も速い汚染源とされれいる。北京市は2007から、汚染指数が基準を超えている自動車の販売を全面的に規制するようになった。さらに市政府は、北京市の「軽自動車汚染物質排出基準」に符合し、規格に合ったクリーン燃料使用の自動車に対してグリーン環境保全マークを張ることにした。北京市が同年の一月一日に施行を開始した「軽自動車汚染物質排出基準」は、中国の現行の基準より最も厳しいランクになる、これまでの各大都市でも自動車汚染を抑制する最高の基準となった。市環境保護局の専門家の説明では、この基準はヨーロッパで1992年に施行されたECE83−01基準のレベルに相当するという。この基準の実施によって、自動車排ガス中の窒素酸化物、炭化水素、一酸化炭素などの汚染物質が八〇%に減る望みがあると予測されている。

 今後1年間で、北京市と周辺地域の大気汚染を著しく改善するのは極めて困難だと思うが、しかし、オリピックだけのためではなく、中国の持続可能な社会発展になるように、そして隣国と世界各国の良い生態循環のために中国は環境改善に努め続けていくはずだと思う。また、今年のオリンピック以後、2010年に上海世界博覧会(上海万博)が開催する。そして上海万博のテーマ「より良い都市、より良い生活(Better City, Better Life)」の中に、グリーン万博の意味も含まれているかもしれない。これから、中国は国際的イベントを通して、環境改善に加速させる方針をもっと確実に固めることとともに、具体的な改善策と改善成果が切実に感じられていくだろう。

 

 

 

 

参考文献:

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

北京2008オリンピック組織委員会ホームページhttp://www.beijing2008.cn/

http://www.epochtimes.jp/jp/2007/08/html/d31812.html