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会津地方の街づくり運動
〜女性による街づくり〜
国際社会学科2年 渡部恵
私の故郷である福島県の会津地方は、磐梯山、猪苗代湖、飯盛山など美しく雄大な自然環境に恵まれ、また鶴ヶ城、白虎隊で名高い飯盛山、喜多方の軒を連ねる蔵作り、会津仏教文化発祥の地である慧日寺史跡、平成8年国宝に指定された薬師三尊を有する勝常寺など多くの貴重な歴史文化遺産が残された地域である。一方で、会津地域全体、特に中山間部の町村において、高齢化、少子化、過疎化が進んでおり、また大型店舗の進出により商店街の衰退化が地域の大きな問題になっている。
私は、会津地方の中心である
アネッサクラブは、約400年以上続いた大町通りで、「自分と店とまちづくり」をテーマに商店街の女性達が立ち上がり、モール化する
ここでアネッサクラブの基本活動について、詳しく説明していくことにする。「のきさきギャラリー」とは、店の一角をギャラリーに見立て、昔から伝わる家の調度品や民芸品などを季節にあわせたテーマをもって飾り、歴史ある商人文化を見てもらい、そこからふれあいが生じ、元気で楽しい街並みづくりを行っていく活動である。「四つのどうぞ運動」とは、各店が自分の店でできること(お茶・いす・トイレ・荷物の一時預かり、その他、傘や駆け込み)を表示し、市民や観光客が入りやすい雰囲気を出し、もっと商店街を身近に感じ、利用してもらおうとする活動である。「クリーンデー」とは、毎月1日にクラブ会員が行う清掃活動である。「花と緑のストリート推進」とは、通りを花と緑で飾りハーブとケナフと「里帰りの梅」等で「いやしの空間」を演出するという活動である。「アネッサ十日市」とは、毎月10日に会員各店独自の売り出しやもてなしをする活動である。
アネッサクラブは、上で述べたように女性中心に創られた団体であるため、会創設当初は、各家庭に対する遠慮や夫の反対で、積極的に参加できない会員もいたが、様々な行事を重ねる毎に、周囲の人達が活動を認め、また以前まではあまり交流のなかった商店街同士の交流が深まるきっかけとなり、商店街の協力体制ができてきていると言えるだろう。そして、このクラブの面白い点は、店の一角の小さなギャラリーと店から自分達の街や通り、そして会津を表現した点にあると思う。活気が無くなった自分達の商店街の改革の必要性を感じ、一つ一つ検討・実践し、考えを形にしていく、だけど、無理はせず自分達のできる範囲で、楽しみながら街づくりをしていくという“あねさま”達のパワーは、新しい街づくりの形なのではないかと思う。
最後にアネッサクラブが地域に与えた影響について述べようと思う。アネッサクラブの活動は、おもてなしの心を大事にしており、観光客が店に入りやすい雰囲気を作り、再び会津に来たいという人達を生み出しただけでなく、市民が楽しく・元気に暮らせ、人と人とが交流できる街をつくったのではないだろうか。また、この“あねさま”達の活動は、会津と同様に不況で活気がなくなった商店街の女性達に勇気を与え、自分の市町村でも同じように街づくりをし、商店街を活性化しようとする人達を生み出していると私は考える。そして、彼女達の活動は行政とも関わり、観光振興などへの主体的参加や街並みづくりの推進、男女参画社会づくりの推進と役割の幅を広げ、保守的な考えの人の多い「会津」という地域に、女性による地域活性化運動という新しい風を吹き込んだのではないだろうか。
アネッサクラブの“あねさま”達の活動は、まだまだ発展途中かもしれない。しかし、会津に帰り、街で彼女達の活動を見るたびに、会津の女性のパワーと会津の歴史の素晴らしさを感じることができる。私は同じ会津出身の女性として、アネッサクラブの活動をとても誇りに思うと同時に、この活動を通してもっと会津を全国に知ってもらい、たくさんの人達に会津に来てもらいたいと思う。私はこれからも、会津の“あねさま”達に注目し、会津の再発展を見守っていきたい。
出典・参考
http://homepage2.nifty.com/k-shirou/info/aizutiki.HTM
会津地域の概要
http://www.anessa-club.jp/about.html アネッサクラブ
http://omisebatake-isico.com/link/sisetu47.html 話題の商店街 Anessa Club
http://www.syoutengai.or.jp/melma/vol46.html 全国商店街振興組合連合会 あきんどPLAZAメールマガジン
http://www.ashita.or.jp/ 財団法人あしたの日本を創る協会
[1] 商店街の活性化、歴史と格式ある商人文化を通した「ふれあいのまちづくり」の推進を目指して活動している。「アネッサクラブ」の「アネッサ」とは、会津の言葉で商いをする「おかみさん」を意味する「アネサマ」をもじった表現からきている。