031201 jichi

 

―地方自治法等の一部を改正する法律案の概要―*いつの?

1. 地方自治法の一部改正

(1)直接請求の要件緩和

@ 解散・解職の直接請求の署名収集要件の緩和

  有権者数40万(人口が概ね50万)以上の団体を対象

A        条例の制定改廃請求において、請求代表者に対し議会審議の場での意見陳述機会を保障

(2)住民監査請求制度・住民訴訟制度等の充実

@        住民監査請求制度

・ 監査委員による暫定的な停止の勧告制度の充実

・ 審査手続の充実(専門家への意見聴取、監査時の意見聴取の場への請求人の立会)

A        財務関係職員に対し長が賠償命令を発することができる期間を延長(現行3年→5年)

B        住民訴訟制度

・ 訴訟類型の再構成(被告:長や職員個人→執行機関)

・ 原告勝訴時の弁護士費用の公費負担をすべての訴訟類型に拡大

(3)中核市の指定要件の緩和

・ 人口50万以上の市について、面積要件を廃止

 

2. 市町村の合併の特例に関する法律の一部改正

(1)合併協議会に係る住民発議制度の拡充と住民投票制度の導入

@        合併協議会の設置についての住民投票制度の導入

「合併協議会の設置に係る住民発議が行われても合併協議会設置に至らない場合が多いことに鑑み、自主的な市町村合併の推進という観点を踏まえ、地域住民の意向がより反映されるよう、住民発議による合併協議会設置の議案が議会で否決された場合に、長からの請求又はそれがなかった場合に行われる住民からの直接請求により、合併協議会の設置について、住民投票を行うことができることとし、過半数の賛成があった場合には当該議案について議決を経たものとみなすこととする」

A        合併協議会設置協議についての議会審議における請求代表者又は同一請求代表者への意見陳述機会の保障

B        請求代表者又は同一請求代表者の合併協議会への参加

C        住民発議により設置された合併協議会における市町村建設計画の作成等の状況の通知・公表

(2)税制上の特例措置の拡充

@        不均一課税をすることができる期間の延長(3年→5年)と同期間における課税免除の特例の創設

A        事業所税の課税団体の指定の延期(最長5年)

 


 

―西尾私案(02111日)―

 

「基礎的自治体が規模拡大することを踏まえて、基礎的自治体内部における住民自治を確保する方策として内部団体(法人格を持つものとするかどうかについては要検討)としての性格を持つ自治組織を基礎的自治体の判断で必要に応じて設置することができるような途を開くことを検討する必要がある」

 

「平成173月の合併特例法の期限までに、目指すべき規模の基礎的自治体に再編成されなかった地域が残る可能性もあり、これをどのように取り扱うかということが問題となる」

 

「現行の合併特例法の失効後は、同法と異なる発想の下に、一定期間さらに強力に合併を推進することとする。具体的には、合併によって解消すべき市町村の人口規模(例えば人口○○)を法律上明示し、都道府県や国が当該人口規模未満の市町村の解消を目指して財政支援策によらず合併を推進する方策をとるものとする」

 

     それでも合併に至らなかった場合、以下の2つ(ア、イ)か、あるいは両方を提案→

ア 事務配分特例方式

・一定の人口規模未満の団体について、これまでの町村制度とは異なる特例的な制度を創設することとする。

・この団体は、法令による義務付けのない自治事務を一般的に処理するほか、窓口サービス等通常の基礎的自治体に法令上義務付けられた事務の一部を処理するものとする。通常の基礎的自治体に義務付けられた事務のうち当該団体に義務付けられなかった事務については、都道府県に当該事務の処理を義務付けるものとする。これにより、都道府県はいわば垂直補完をすることになる

・都道府県は当該事務を処理する責任を有するが、その事務を近隣の基礎的自治体に委託するか、広域連合により処理するか、直轄で処理するかを選択するものとする。

・組織や職員等については、事務の軽減に伴い、極力簡素化を図ることとする。例えば、長と議会(又は町村総会)を置くものとするが、議員は原則として無給とすることなどを検討する。また、助役、収入役、教育委員会、農業委員会などを置かないことを検討する

 

イ 内部団体移行方式(包括的団体移行方式)

・例えば人口××未満の団体は、他の基礎的自治体への編入によりいわば水平補完されることとする。名称は、旧町村のままとすることも可能とし、一定期日までにこの編入先の基礎的自治体の内部団体に移行するものとする。編入先の選択については、当該市町村の意見を聴いて、都道府県知事が当該都道府県議会の議決を経て決定する

 


 

―地方分権一括法における市町村の合併の特例に関する法律(合併特例法)の改正の主な内容―

1999716日交付・原則として同日施行。合併特例法は05331日までの時限法)

 

<住民発議制度の充実>

「全ての関係市町村で同一内容の直接請求が行われた場合には、各市町村長に対し合併協議会設置協議について議会への付議を義務付け」

<知事による合併協議会設置の勧告>

「知事が公益上必要と認める場合に関係市町村に合併協議会の設置の勧告をする場合には、関係市町村の意見を聴き、勧告したことを公表」

<地域審議会の設置>

「合併前の関係市町村の協議により、旧市町村の区域ごとに、新市町村長の諮問により審議又は意見を述べる審議会(地域審議会)を置くことが可能

 

 

―上記合併特例法における合併推進のための財政措置―

1.普通交付税による措置

「合併後10カ年度は、合併がなかったものと仮定して毎年算定した普通交付税の額を保障。さらに5カ年度は激変緩和措置」

2.特別交付税による措置

3. 合併特例債等による措置

(1)合併市町村のまちづくりのための建設事業に対する財政措置

「合併後10カ年度は市町村建設計画に基づく特に必要な事業の経費に合併特例債を充当(95(公営企業に係るものは100))。元利償還金の70%を普通交付税措置」

(2)合併市町村振興のための基金造成に対する財政措置

「旧市町村単位の地域振興・住民の一体感醸成のため行う基金造成に対し合併特例債を充当(95%)。元利償還金の70%を普通交付税措置

(3)合併推進のための建設事業に対する財政措置

「合併重点支援地域において合併に関係する複数の市町村が連絡調整して一体的に実施する公共施設及び公用施設の整備事業に対して合併推進債を充当(90%)。元利償還金の50%を普通交付税措置

(4)都道府県が行う合併支援事業に対する財政措置

「合併重点支援地域等において都道府県が行う合併市町村の一体化を促進するために必要な道路、街路、農道等の整備事業に対して合併推進債を充当(90%)。元利償還金の50%を普通交付税措置

4. 国費による補助