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地方分権一括法の成立(99.7.8.「地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律」

(*改正対象となった475法律を1本の法律として一括して取り扱った。)

施行は200041

 

<特に改正地方自治法について>

(1)        国の関与の在り方

     自治事務→  〇助言又は勧告 〇資料の提出の要求          

            〇協議 〇是正の要求(内閣総理大臣に加えて、各大臣

              が直接自治体に対しこれを要求でき、自治体がその要求に

              従うべきことも明文化)改正地方自治法第245条の5

 

     法定受託事務→〇助言又は勧告 〇資料の提出の要求 〇協議 

            〇同意 〇許可、認可又は承認 〇是正の指示 

            〇代執行

            (ただし裁判所における判断を経た後)*地方議会

            の条例制定権あり

            第1号法定受託事務(国から都道府県・市町村への法定受託

              事務)

            第2号法定受託事務(都道府県から市町村への法定受託

              事務)

 

   (法定受託事務の定義「国が本来果たすべき役割に係るものであっ 

    て、国においてその適正な処理を特に確保する必要のあるもの」

法定受託事務は地方自治体の事務なのに?)

 

   都道府県が国と並んで市町村に対する関与機関に(自治事務の場合

   は是正勧告、法定受託事務の場合は是正指示)。新設の第11章第1    

    節「普通地方公共団体に対する国又は都道府県の関与等」

 

(2)        地方議会の議員定数に人口段階に応じた上限設定

   人口減少にともない定数の法定上限を超えた場合には次の選挙での

   減少を義務付け。改正地方自治法第90

 

(3)        議案・修正動議の提出権を議員定数の8分の1から12分の1

 改正地方自治法第112条A、第115条の2

 

「地方分権推進委員会最終報告」2001614日)

 

「地方分権改革推進会議の中間報告」2002618日)

 

地方分権改革推進会議の最終報告」20021030日)

(*現在に至るまで存続)

 


三位一体改革とは、

○国から地方への補助金の削減○国が分配する地方交付税の削減○税源移譲(国税の一部を地方税に振り替える)

 

「国が国税などとして集めたお金を地方自治体に配分する際、使い道などを細かく決めてきた方式を見直し、自治体に独自の課税権や自由な事業の展開を認めるための改革」

しかし、中央集権体質が壁(総務省:交付税の配分権を失いたくない。国土交通省など:地方での事業の決定権限を維持したいから補助金削減に全面反対。財務省:補助金などを確実に削る見返りがない限り、地方に税源は譲りたくない。(2003610日付日本経済新聞より)

 

2003年度当初予算で、

国の歳入81.8兆円の内訳は国税41.8(兆円)、公債金36.4、その他3.6

国の歳出81.8の内訳は、地方交付税など17.4、国庫支出金12.3、その他の歳出35.3、国債費16.8

地方の歳入86.2の内訳は、地方税など32.9、地方交付税(特別会計借入金を含む)18.1、国庫支出金12.3、地方債15.1、その他6.9

200363日付朝日新聞朝刊)

 

<自民党と民主党の総選挙公約について>

国と地方の借金総額は700兆円以上

 

自民党:「リフォーム派」。06年度までに補助金約4兆円の廃止・縮減などを行い、交付税を見直し、地方へ税源を移譲する。

 

―自民党のマニフェスト―

「2006年度までに補助金について約4兆円の廃止・縮減等を行い、交付税を見直し、地方へ税源を移譲する「三位一体改革」の具体化を進める」 

「地方の自立を促すため、地方の裁量を広げ、実情を踏まえて効率的に事業を実施できるよう、交付金化、統合補助金化といった補助金改革を推進する」

「補助金等の改革とあわせて全国一律の規制を、地方の実情に合わせて設定できるような規制緩和や許認可権限の移譲を進める」 

 

民主党:「新築派」。国から自治体への18兆円のひも付き補助金を4年以内に全廃し、一部は税源移譲、一部は一括交付金に。その後5年以内に一括交付金を廃止して、すべての財源を地方に移譲する。廃止補助金のうち12兆円を一括交付金にする。5.5兆円分を所得税から地方住民税に税源移譲する。

「いまの地方交付税も地方が自由に使い道を決められるが、配分基準は複雑で総務省の裁量が入りやすい。結果的に地方の政策を誘導する『交付税の補助金化』が指摘されている」「都市と地方の税収格差は、どう調整するのか」(2003115日付朝日新聞朝刊より)

 

―民主党のマニフェスト―

「つかい道が不必要に制限されている総額約20兆円におよぶ国の補助金のうち、約18兆円分を廃止し、地方自治体ごとの責任と自覚によって使途を決められる「一括交付金」にします。廃止する約18兆円の補助金のうち、約5.5兆円分を所得税から地方住民税に税源移譲し、約12兆円を一括交付金とする案を軸に、全国の改革派知事・市町村長とも協力して、税財源移譲をすすめます。政権獲得後、予算措置でできる部分から個別補助金の廃止=一括交付金化を開始します。さらに、平成17年夏までに関係法律の改正をすすめ、平成18年度には、補助金の廃止を約18兆円にまで拡大します。なお、国から地方への財源移譲に当たっては、住民による行政に対する評価や監視態勢の整備を行うとともに、国が率先して実施する入札改革などの談合防止策や、行財政改革による行政経費の節減を、地方自治体にも求めていきます」

「任期中に、中央省庁の権限を限定して、地方自治体との間の権限配分を明確にすることなどを内容とする地方自治確立に関する法律案、また、施策の決定に住民が参加し意思を反映するために最も重要な「情報公開」「住民の直接参加」を強化するための「住民自治推進基本法案(仮称)」や「住民投票法案」を国会提出し、その成立をめざします」