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市町村合併について                          

鎌田 拓也

 

 

1.            市町村合併の目的

 

市町村合併をするに至ってさまざまな目的が存在するが、ここでは、平成の大合併と呼ばれるものの目的について簡潔に述べる。政府が掲げる合併推進の目的は、地方分権に対応して基礎自治体の財政力を強化できる、モータリゼーションの進展に伴う生活圏の広域化に対応できる、政令指定都市や中核市・特例市になれば権限が移植される、という3つが挙げられている。しかし、この合併については、住民発議で誘導できる制度はあっても合併の是非を問う住民投票が法制化されていない、合併の決定はあくまで議会の決定のよって確定するので必ずしも多数の住民の支持を得ずして合併が行われている、合併に関する特例法は存在するが分割や分立に関する特例法が存在しない、といったような批判も存在する[i]

 

2.            合併によるメリット・デメリット

 

合併についてはメリットとデメリット両方存在するが、ここではまず一般的にいわれるメリットについて述べたいと思う。

メリットについては、まず住民生活の利便向上が挙げられる。これは、通勤・通学、また通院や買い物などの行動圏域は従来の行政区画を超えている場合が多いが、行政区域が拡大することにより住民票の写しの交付などの窓口サービスが勤務地や外出先などの近くで利用できるようになる。また、文化会館、図書館、スポーツ施設などの各種公共施設については、それまで利用に制限がある、利用料金に差が出るなどした隣町の施設についても同じ条件での利用が可能となる。ただし、近隣の自治体で公共施設の共同利用や近接地域の住民への施設開放を行うことも可能である。次に、住民サービスの高度化が挙げられる。合併により住民の価値観が多様化し、それにより市町村行政に求められる機能も高度化・複雑化しているが、専門知識を備えた職員を確保することにより専門的かつ高度な住民サービスを提供することができるようになる。また、組織力が拡充し、組織が活性化することにより、様々な行政課題に対応できる政策形成能力の向上につながります。他にも重点的な投資による基盤整備の推進、広域的観点に立った街づくりと政策展開、権限の拡大、行財政の効率化、地域のイメージアップと総合的な活力の強化、国・県の財政支援、などといったものが挙げられる。

次に一般的なデメリットについてあげていきたいと思う。

デメリットについてはまず、端々の地域が廃れることが挙げられる。庁舎の存在する地域は市町村の目も届き、各種事業が実施される。しかし、周辺部においては強く事業実施を要望しても取り残されてしまうことはほぼ確実であり、中心部と周辺部の格差が拡大しがちである。また、それまで行ってきた地域づくり活動が継承されず、その成果が省みられなくなってしまうことになる。次に、行政サービスの低下が挙げられる。役所や公共施設が党のくなり不便になってしまう。いくら効率化によって行政サービスが高度化するとはいえ、それは長期的に効果を発揮するものであり、また、直感的には感じられにくいものである。分庁舎方式で各級自治体役場に各部署を分散させる方式をとった場合、申請や手続きのたびにその部署を有する遠く離れた文鳥に足を運ばなくてはならなくなってしまう。さらに、意見が通らなくなるというのもある。これは、比較的大きな詩と小さな町村が合併した場合、両者の産業に大きな差があると、小さな町村の産業は軽視されがちである。また、市長選挙や市議会選挙において、大きな市とひとつの人口が他の町村を上回ってしまうことがよくあるのである。当選には旧町村議会とは比べ物にならない票数を必要とするため、旧町村内で候補者を調整しても数名の議員しか当選させられず、議会の主導権を旧市側に握られてしまう例が多い。また、合併により開票所までの距離が遠いことで繰り上げ投票時間を設定する必要が出てきてしまう。他にも、市町村行政と地域住民との距離の拡大、住民・事業負担の増大、といったものがあげられる。[ii]

 

3.            市町村合併における問題点

 

合併による問題としては、市町村の組み合わせ、合併後の新庁舎の位置、新市町村の名称、議員定数の扱い、関係市町村の財政問題、合併を希望する市町村の文化の違い、といったものがあげられる。この中で市町村の組み合わせは最大の問題点といえる。これは多くの場合、都市圏内、郡内などの組み合わせにより枠組みが決まっていた。他にも、地区懇談会を開催して市長が私案として提示し合意を取り付けたケース、いくつかのパターンを示してアンケートで民意を問うたケースなどがある。しかし、中にはこじれて住民投票にまでもつれこんでしまったケースも存在する。これには、最終的に主張の判断が問われた。また、関係市町の財政問題も当該市町村の内部ではかなり問題視された場合がある。市町村の地方債・基金の残高状況を含む財政状況そのものは対住民にも公表され、また、横の比較可能な形で決算結果は公表されている。ところが、土地開発公社の財政状況、あるいは第三セクターへの慢性的な支出金・借入金など、市町村の普通会計に属さない領域での隠れ負債があるのではないかとの疑念が生じており、また、「貯金」といえる基金についても、「合併が決まる以前から予定されていた事業」と強弁しつつ「新市町村に持っていかれたら損」とばかりに合併前に駆け込み事業を行ったり、地方団体に配布したりする例も見られた。

 

4.            市町村合併のメリット・デメリットの実例

 

ここで、実際の事例についてあげてゆきたい。ここでは主にデメリットのほうについて北海道の石狩市を例に触れてゆきたい。

まず、上記にある端々の地域が廃れることについて、石狩市は2005101日、旧石狩市と旧厚田村、旧浜益村の3つが合併したのだが、南北に細長い地形と住宅密集地が南部簿地域に集中していたことも相まって、北部の旧厚田村や旧浜益村で顕著にこの傾向が表れてしまった。また、意見が通らなくなることについても、厚田・浜益両村は漁業を中心とした村であったのに対し、旧石狩市は札幌のヘッドタウンと商業の町であった。しかし、石狩市の人口は両村合わせた数の10倍以上であり、両村の意見はほとんど通らなくなってしまった。

  また、栃木県那須塩原市も200511日に塩原町・西那須野町・黒磯市が新設合併してできたものである。しかし、この合併は旧西那須野町の住民は合併に反対していたのに、強引に合併させられた。これにより、旧黒磯市の借金を背負わされることになってしまったということになってしまった。また、「黒磯」の市名を消す必要があったのかなどという問題点も挙げられている。[iii]

 

5.            考察

 

今回の調査を経て、自身の市町村合併に対しての認識が甘かったことを思い知りました。メリットにおいてもそうであるが、特にデメリットや合併の際の問題点を考えると、合併前の各市町村の駆け引きや思惑などにより、合併は自分の思うものより難しく、そして複雑なものであるというのを思い知った。地元の合併においても、知り合いの話やインターネットサイトを参考にするなどの方法で調べてみたが、上にあげた問題は代表例であり、実際には問題点はさらに存在し地元の、特に旧西那須野町住民からの合併に反発する声は大きかったらしい。また、私は住民の意見を無視した合併がひょっとしたら過疎・過密化を引き起こしているようにも思う。今後、合併をする際にはもっと住民の意見をよく聞いて、慎重に協議してもらいたい。



[i]ウィキペディア「日本の市町村の廃置分合」(2012年1月10日参照) http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E5%B8%82%E7%94%BA%E6%9D%91%E3%81%AE%E5%BB%83%E7%BD%AE%E5%88%86%E5%90%88

[ii]市町村合併のメリット・デメリット論 http://www.city.suzuka.mie.jp/gyosei/plan/gappei/index3.html

[iii]Chakuwiki 平成大合併の悲劇/関東

http://wiki.chakuriki.net/index.php/%E5%B9%B3%E6%88%90%E5%A4%A7%E5%90%88%E4%BD%B5%E3%81%AE%E6%82%B2%E5%8A%87/%E6%9D%B1%E4%BA%AC#.E6.9D.B1.E4.BA.AC