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仮定。

「京都議定書のCO2排出量が1990年比で6%削減された場合、地球温暖化解決への影響は?」

導入

環境問題がピックアップされるようになったのは最近の出来事ではないが、ここ数年で地球温暖化という新たな環境問題が巷で騒がれるようになった。実は温暖化自体してるかどうか、科学者と政治家の間で揺れているのだが、私はデータに基づいた立場から述べようと思う。

京都議定書は簡単に言うと「地球温暖化を止めるために、その原因となる温室効果ガスを世界中で削減させよう」という約束をしたものだ。地球温暖化問題の解決をめぐる国際会議は何度も行われているが(例:締結国会議(COP)は2008年時点で14回開催された)、1997COP3で採択された京都議定書は、2012年までにCO2排出量を1990年比で6%削減することを世界に宣言したもので、特に注目を集めた(実際公布されたのが2005年なのは、それまでロシアとアメリカが合否の判断を発表しなかったため)。

温室効果ガスが6種類ある中でCO2の削減がよく取り上げられるのは、CO2の削減が温暖化防止のために最も効果的※2である、という考えからきている。IPCCの報告によると、温暖化の原因は93%が人間によるもので、そのうち約50%が二酸化炭素の増加によるものだという。何を基準に増加が原因としているかは不明だが。

統合報告書の概論http://www.env.go.jp/earth/ipcc/4th/ar4syr.pdf

 

では具体的に。日本は1990年時のCO2排出量に対し、さらにそこから6%の削減を2012年までに達成すると世界に約束した。さて、ここから6%削減の意義を考えてみたい。

日本の削減公約の前に、京都議定書では先進国全体で5.2%の削減を目標に置いていた。6%、5.2%いずれにしても微々たる数値という印象を受ける。具体的には1990年時、CO2の排出量は125500万tであり、そのうちの6%減をすると目標数値は約118000万t。2007年時点でのCO2排出量は137000万t、そこから目標数値には1億9000万tの削減が必要であり、現在から13.8%の削減が必要である。

CO2の排出 http://www12.ocn.ne.jp/~take03/j13co2.htm

1割余りともなると少しは現実味を帯びてきただろうか。

現在より13.8%のCO2を削減した場合、世の中はどう変化するだろうか?

単純に私たちの生活レベルを90年当時に徐々に近づけていくのが一番わかりやすいが、それは実にナンセンスで対策ではない。今、一番注目を集めている対策は、排出権取引により他国の削減値を購入するという仕組みである。削減を命じられた多くの国は、省エネの導入やエネルギーの効率化を進めることにより目標値達成を目指している。日本の場合1970年代から産業における、省エネを始め環境に対する配慮がとられていたため、90年時には大幅な削減が完了していたため、排出権取引による削減が行われるものと予想される。お金を惜しまないならば、この対策が一番利に叶っており、今と変わらない生活ができるだろう。

しかし2012年には無事達成できたとして、2013年度以降、排出権取引による削減がセオリーになれば倍返しでCO2の排出が進むのではないか?と懸念する。理論上では削減が達成されたとしても、日本の排出量は増える一方にあり、国民もなんのそのの内に終わってしまう。一般国民は車には乗り放題で、エアコンも付け放題である。ことに、90年比で排出量が増加しているのは、企業部門は0%に止まり、家庭部門が30%の増加にあるのだ。CO2の排出http://www12.ocn.ne.jp/~take03/j13co2.htm

さらに6%の削減というのはあくまで、地球温暖化防止の道のりの一つにすぎない。2050年には半減がうたわれるなかで、自力で6%達成できないようでは今後が危うい。

もし排出権取引以外で6%が達成されるならば、近年ブームの省エネよりも社会システムの整備がされるのではないだろうか。

例えば勝手な想像で、現在家庭からのCO2排出量の3割はガソリンから出ているのだが、公共交通機関のみ走れる道路を設けることや、また家庭電気量からは4割近くなのだが、年間のリミッターを搭載した電化製品が登場するなどを考えてみる。非常に迷惑な話だが。

 

CO2の排出量が90年比で6%削減された場合、数値的にはほとんど変わることがない。

文中でも述べたように、たかが0.004%である。「1%中の1%を削減しようとしている※2」とも言われるくらいだ。しかし、それでも削減が厳しいと言われる6%を達成することは、2013年度以降、の削減を行う上で大きなポイントになると考える。CO2削減の構想としては初めは、技術面での削減が行われ、次にリサイクルが促進されるなどの社会システムが整えられ、最後に文明の変化が訪れて、完了するものと考えている。日本は世界に先駆け、技術面による削減行い、実際それだけでは達成が叶わないところまでやってきた。日本の場合、もし自力で6%が達成されるとすれば、3Rが限りなく促進されることや、必要最小限の働きをする商品、制度が登場し、徹底してエネルギーの無駄やロスをなくした社会が整えられていることだろう。

 

 

1CO2には温室効果係数が小さいながら自然環境中で寿命が長いこと、赤外線の波長帯域に強い吸収帯を持つため、より温暖化を進める性質がある。

2:「温暖化を食いものにする人々」宝島社より

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私たちの暮らしに与える影響

そのCO2だが、主な発生源は化石燃料由来のものと、森林破壊やバイオマスなどの生物体から発生するものに分けることができる。化石燃料の消費によるCO2はその内の7割以上を占めているため、削減

 

日本は2005年時点で、1990年比より7.8CO2排出量が増加した。これは実質13.8%の削減をしなければ、ならない意味だ。

 

世界のCO2排出量 262億トン /2007

米国 21.6%中国 17.7%ロシア 6.3%日本 4.5%インド 3.8

エネルギー消費の影 http://www12.ocn.ne.jp/~take03/j13co2.htm