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宇都宮市はゴミの有料化を導入すべきか」

 

国際学部国際文化学科

080545Z舛谷駿

 

私が宇都宮に来て最初に驚いた事は、家庭用ゴミ袋が透明または半透明のポリ袋なら何でもいいという事であった。地元では燃えるゴミ、燃えないゴミ専用のゴミ袋があり、それを買ってゴミを出さなければいけなかった。私にはこれが普通の事だったので、なおさら驚かされた。地域によって指定のゴミ袋がある所とない所があるという事を知り、そういった問題について興味がわいたのでこれをテーマにした。

 

「家庭系ゴミ有料化」とは、簡単に言えばその地域のゴミ袋を指定の袋にするという事である。有料化の徴収方法として、ゴミの排出量に関係なく世帯につき一定額を負担する「定額制」、ゴミの排出量に応じて処理手数料を負担する「従量制」、指定袋が一枚目から有料になる「単純方式」、一定枚数の指定袋を無料配布し、それを上回る場合に有料で販売する「超過量方式」、一定枚数までは原価で販売し、それを上回ると高い価格で販売する「二段階方式」がある。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B4%E3%83%9F%E5%95%8F%E9%A1%8C (Wikipedia「ゴミ問題 進むゴミ収集の一律有料化・指定袋導入」)

 

ゴミ袋とは元々現在の宇都宮市のように、透明または半透明のポリ袋なら何でもよかった。しかし近年、ゴミ排出量の大幅な増加が問題になってきたため、ゴミの減量と資源化を促進するために、「家庭系ゴミ有料化」の考えを導入する地域が出てくるようになった。

200812月現在、家庭系ゴミ有料化は全国の約8割の自治体で導入されているという。しかしこれは比較的人口の少ない地域が大半を占めており、都市などの人口が多いような地域全国806市区に占める比率は51.0%と、思っていたより進んでいないことがわかる。栃木県内においては、足利市鹿沼市矢板市、さくら市、那須烏山市において家庭系ゴミ有料化が導入されている。徴収方法は「単純方式」であり、指定ゴミ袋は大袋1枚につき40円で売られている。(足利市60円、那須烏山市は20円。)それに比べ宇都宮市では家庭系ゴミ有料化は導入されていない。

http://www2.toyo.ac.jp/~yamaya/zenkoku_yuryoka0812.pdf#search='家庭系ごみ有料化 栃木' (有料化事例集「全国都市の家庭ごみ有料化状況」)

 

 

私は、自宅のゴミ袋として約50枚入りの透明なポリ袋を約200円で買っている。つまり、大袋1枚につき約4円という事になる。これは上の5つの市と比べると、ゴミ袋にかける金額に約10倍の差があることになる。例え10円単位の値段だとしても、頻繁に使用するゴミ袋が、同じ県内にいながら金額が10倍も違うというのは問題である。

 

 家庭系ゴミ有料化による一番のメリットは、ゴミの排出量の減少である。千葉県野田市では、有料化する前の年までのゴミ排出量は一人当たり約1000gであったが、導入した年からは一人当たり約700gにまで減少した。また、全てを有料化するわけでなく、例えば可燃ゴミの袋のみを有料化して、不燃ゴミの袋を無料にすることで各家庭のゴミの分別がきちんと行われるようになった事や、住民のゴミに対する関心が増えた事などのメリットもある。(矢板市では可燃ゴミのみ有料化されており、不燃ゴミや資源ゴミなどは無料である)ゴミ袋を買うことで、ゴミを多く出す人はそれだけの経済的負担を負うことになり、逆にゴミの排出量が少ない人は経済的負担も減ることになる。こうした応分の負担をすることで、住民の全員が公平になることも期待されている。

 デメリットとしては、低所得者への負担の増加や、ゴミ有料化といっても元々ゴミ処理自体が住民税で行われているため、二重課税だという住民からの反対、苦情などの増加がある。また、路上への放棄、コンビニエンスストアのゴミ箱への家庭系ゴミの持ち込み、スーパーなどに設置してある資源回収ボックスをゴミ箱として使うなどの不法投棄の問題もある。さらに、最初は有料だからとゴミの量を増やさないよう努力するが、徐々に「ゴミ袋を買う」ということに慣れてきてしまい、また同じようにゴミを排出して最終的には有料化される前とゴミの排出量が同じになってしまう、リバウンド現象も問題になっている。しかし、ゴミ袋を買うことに徐々に慣れる事による住民からの反対意見の減少、不法投棄などに対するゴミのパトロールの強化が始まるなど、デメリットの一部は解消されつつある。

 

 まず有料化自体、良いことなのかどうかがはっきりしない。成功すれば、ゴミの排出量は大幅に減るという。市民のゴミへの意識も良くなる。しかし、ゴミの排出量が減るのは一時的で、すぐ元に戻ってしまったのでは経済的負担が増えるだけで、全く意味がない事と言える。果たして宇都宮市は家庭系ゴミ有料化を導入すべきなのだろうか、考えてみた。

 

まず単純に経済的な問題についてだが、今まで1枚のゴミ袋にかけていた金額が10倍も上がってしまうというのは、長い目で見ればそれは宇都宮市民にとって大きな負担となるであろう。極端な話、透明のポリ袋なら何でもいいという事で、スーパーのレジ袋でもゴミ袋として使えるのである。誰だって安く済むならそれにこしたことはないはずである。

また、私は宇都宮で生活を始めて約一年経つが、未だにゴミ有料化の必要性を感じるようなゴミについての大きな問題を耳にしたことがない。それどころか、昨年宇都宮市で「第2回もったいない全国大会 in うつのみや」が行われるなど、ゴミ・環境問題について積極的な活動をしており、他の地域より少し進んでいるといったイメージがある。

 

しかし、もし実際に有料化を導入したらどうなるかを考えたら、有料化に対する見方が変わった。もし有料化が導入されたら、私はゴミを増やさないように努めるだろう。まず過剰包装や、街で配られるパンフレットなどを、最低限で抑えてもらう。そうすることで、ゴミの量が減り、必要な指定ゴミ袋も減るからである。また、スーパーのレジ袋も有料化が導入されれば、「ゴミ袋」ではなくただの「ゴミ」になる。スーパーにはマイバックなどを持っていく事でレジ袋を貰わずに済み、結果的にはゴミを増やさずに済むのである。経済的負担は増えてしまうが、ゴミを増やさないように考えて生活できるようになるというのは、環境問題や資源問題が深刻になっている現在、とても大切な事なのである。

 

ゴミ有料化は様々な問題を抱えており一概に良いとは言い切れないが、経済的な負担やゴミの排出量などの現実的な問題でなく、今の人々の意識を変えるという意味では、導入されるべき制度なのかもしれないと思った。