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仲田 好孝 「スポーツが及ぼす様々な影響」

 

 200712月、「TOYOTAプレゼンツFIFAクラブワールドカップジャパン2007」が開催された。アジア代表やヨーロッパ代表といった、大規模に地域分けされた中で勝ち抜き続け、最終的に日本に集合した(もっとも、浦和レッズは日本のクラブチームなのではあるが)。そして集合した7チームは、代表の名に恥じない試合を存分に行った(筈である)。

 

さて、開催国の日本では浦和レッズ(アジア代表)が3位という結果を残した。そこへ辿り着く迄には十分な時間があり、少なくとも何らかの影響を及ぼしたと考えられる。今回はそのようなスポーツが及ぼす影響について調査・議論を行いたいと考えている。

 

 本題に入る前に、今回の題材である「スポーツ」について簡単にまとめておく。スポーツは、人間によって考案された施設や技術、ルールに沿って営まれる、遊戯・競争・肉体面向上の要素を含む身体を使った行為のことをいう。有名な競技としては、サッカーや野球といったものが挙げられる。一般的に世界三大スポーツイベントと呼ばれるものがある。それは「オリンピック」、「ワールドカップ」、「ツール・ド・フランス」である。当然これらに限らず、様々な規模に分けられながら、現在も様々なスポーツイベントが世界中で開催されている。日本国内では「ジャパンカップ(自転車)」や「Jリーグ(サッカー)」が、海外の国では「プレミアリーグ(サッカー)」や「UEFAチャンピオンズリーグ(サッカー)」が例として挙げられる。

 

 以上の知識を踏まえながら、これより本題に移るとする。はじめにスポーツが及ぼすものとして考えられることとして、どのようなものがあるか調査を行った。その結果、政治面や経済面が多く見られた。そしてその中で注目すべき内容があった。それは「ドーピング問題」、「賭博問題」、「暴力問題」、そして「環境問題」などといった、悪影響として捉えられる内容である。ここからは上記に挙げた問題について考えたい。

 

 ドーピング問題はスポーツが抱える問題の中でも深刻な部類と考えられている。例えば1994FIFAワールドカップでの、ディエゴ・マラドーナ追放が挙げられる。この問題は、意図的か否かという2種類に分けたりすることもできる。近年は野球で騒がれているので、より規制される可能性も考えられる。

 

 賭博問題はサッカーくじ、競馬などといった公認されているものや競技または違法賭博において、借金をしてしまう程の投資で起こっているのが一般的である。スポーツ賭博で生じた借金により、財産を失う者がいることは事実である。また、関連する問題として八百長問題が挙げられる。これは舞台となる場合がある為である。合法・違法問わず、賭博が行われる限りは終わることのない問題である。

 

 暴力問題は、スポーツにより多くの人々(選手と観客が一般的)が興奮状態となっていくことにより発生する可能性がある。ほんの小さなきっかけによるものが暴動へと発展してしまうのである(当然、スポーツに限ったことではない)。形は暴動とは限らない。例えば、1994FIFAワールドカップにおいてオウンゴールを記録した選手が、帰国した際に射殺されてしまったというような、殺人事件という形である。このような凶悪犯罪に発展する例は少ないが、状況次第ではいつ起きても不思議ではない問題と考えられる。また、前述の賭博が関わってくる可能性も考えられる。

 

 環境問題は、世界でも様々な問題として騒がれている。特に有名な問題としては、やはり地球温暖化が挙げられるであろう。このような有名な問題が存在したりするので、スポーツが関わる問題はあまり知られていないかもしれない。しかし、実際は様々な問題に関わっているのである。現代ではこの問題こそ、最も考えるべき問題ではないかと考えられる。

 

 スポーツが環境に関わるものとしては、スポーツ活動そのものやスポーツ施設が挙げられ、そこから様々な問題が発生する。大きく言えば、「生態系の撹乱」である。そして「大気汚染」、「水質汚染」、「土壌汚染」、「生活侵害」などといった問題に分けられ、それぞれ関わりを持っている。

 

スポーツを行う際には少なからず場所を必要とする。施設を建てればそこに生息する生物は少なからず他の場所で生きていかなければならない。また、その場所をそのまま利用した場合においても、そこに多くの人間が集まる為、何らかの問題が考えられる。体験した例を挙げると、ロードレースが開催された場所において、ゴミの散乱が確認された。車による排気ガスや、出店による加熱調理において発生する煙、そして喫煙からは大気汚染が考えられる。また、住民は多くないものの一般道で開催されたので、彼らには生活面で何らかの影響があったと考えられる。幸い、水質汚染らしきものは確認されなかった。

 

 今年中国で開催されるオリンピックにおいても、様々な問題が考えられる。日本が大きく関連している内容としては、「人権問題」である。中国の歴史教育によって対日精神を持つ人々が、日本人選手にブーイングを行う可能性が考えられる。日本が関わっていない、またはそれ程関わっていない問題も十分ある。中国では大気汚染が深刻であり、これにより選手にどれだけの影響を及ぼすかが計り知れない。特に長時間動き続ける競技、例えばマラソンやサッカーでは大きな影響が懸念されるであろう。更に水質の問題もある。水が不足しているらしいので、輸入する可能性がある。そうでない場合においても、水質が安全であるかどうかはまだわからず、薬を混入すると考えられる。特に水泳競技で多大な影響を及ぼすのではないか。開会直前まで現地入りを行わないと決めている国もある。「食」においても安全であるかどうかという指摘があり、飲料水をはじめとして、あらゆるものを自国から空輸するかどうかという考えもある。他にも、オリンピック開催による新たな施設の建設から生じる、「立ち退き」などといった中国国内における人権問題の一種がある。経済面においても、施設の完成度及び維持に掛かる費用の問題があり、破綻しないかどうか不安である。開催までの時間はまだあるが、中国側がどれ程検討したところで、解決は不可能であると考えられる。ただし改善は可能であると考えられ、開催時までに悪影響がどれ程軽減されるかが一応期待として残る。

 

 今回、様々な調査に基づいて得られた情報を見る限りでは、様々な問題が確認することができた。また、今回の調査により得られなかった情報においても、別の問題が確認されると考えられる。こうした結果から考えた結論を言えば、スポーツに関わる問題は半永久的に起きる可能性が十分にあるということであり、それらを何とかして解決しようと何かしらの行為を延々と続けるという、繰り返しの歴史を刻むということである。

 

 

 

 

 

参考文献

[1] スポーツ – Wikipedia –

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%84

[2] IOCスポーツと環境マニュアル

  http://www.joc.or.jp/eco/pdf/ioc_sportsandeco_manual.pdf

[3] JOC – 北京2008 –

  http://www.joc.or.jp/beijing/