080121masakia
正木淳郎「情報の濫用とマスメディアの正確性について」
テレビ、新聞、インターネットなどのマスメディアは日常生活に多大な影響をもたらす。そんな中で、インターネットや電子機器が急速に発展し、掲示板での誹謗、中傷や誤った情報が世間に広まってしまうことが問題となっている。
上記の問題を大きく二つに分けて考えいこうと思う。
1つ目は、インターネット掲示板の誹謗、中傷である。この問題は発展すると殺人事件や重大な事件につながってしまう恐れがある。掲示板での不適切な表現の削除などはされてきてはいるが、手の届かない部分もある。そういった部分には、法的規制などの大きな枠組みで対処することである。法的規制の例を、あげてみる。
・青少年有害社会環境対策基本法(案)
第1条から第8条において「近年の我が国社会における急激な情報化の進展、過度の商業的風潮のまん延等により、青少年有害環境のもたらす弊害が深刻化し、かつ増大している」と指摘し「青少年の性若しくは暴力に関する価値観の形成に悪影響を及ぼし、又は性的な逸脱行為、暴力的な逸脱行為若しくは残虐な行為を誘発し、若しくは助長する等青少年の健全な育成を阻害するおそれのある社会環境」から青少年を保護することは「国、地方公共団体、保護者、国民の責務」であると定めている。
第9条には「この法律の適用に当たっては、表現の自由その他の国民の基本的人権を不当に侵害しないように留意しなければならない」と定められている。
第14条から19条では主務大臣(2000年案では総務庁長官)または都道府県知事が必要と認めた場合はセンターを通じて事業者の商品・役務の供給に対して監督・指導を行うことができ、従わない場合は改善勧告を行い事業者名を公表することができると定められている。なお、事業者の反論権は(「指導・勧告は刑事罰や行政上の制裁行為には当たらない」との理由で)認められていない。
など。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9D%92%E5%B0%91%E5%B9%B4%E6%9C%89%E5%AE%B3%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E7%92%B0%E5%A2%83%E5%AF%BE%E7%AD%96%E5%9F%BA%E6%9C%AC%E6%B3%95(青少年有害社会環境対策基本法(案)Wikipedia)
詳しくみていくと、色々な問題が見えてくる。憲法21条で保障されている表現の自由を侵害する恐れがある。この法案の第9条は努力規定であり、公権力が国民の表現の自由を侵害した際の救済措置が保障されていないからである。また、法案のさまざまな部分が曖昧という問題がある。例えば、有害か無害かという判断の基準は主務大臣の判断に任されている。などなど、様々な問題がある。この法案は国会でまだ成立していないが、いずれはするだろうといわれている。
法的規制を行うことは、犯罪が減る可能性はあるが、表現の自由など個人の自由が制限されてしまうことになってしまう。法的規制を行う際には、ある一部の意見だけの法案では皆納得しないし、いろいろな弊害が起こってしまう。皆の意見が取り入れられた法案をつくる事がこの問題の解決につながってくると思う。
2つ目は、誤った情報が世間に広まってしまうことです。マスメディアの影響は多大なものなので、誤った情報が広まってしまうと世間は混乱してしまう。そういった世の中では、どの情報が正確でどの情報が誤った情報なのかを見極める能力を身につけることが重要になってくる。それにはメディアリテラシーの促進が効果的である。
メディアリテラシーとは情報メディアを批判的に読み解いて、必要な情報を引き出し、その真偽を見抜き、活用する能力のことである。「情報を評価・識別する能力」とも言える。
しかし、この能力はそう簡単に身につくものではないと思う。小さい時からメディアリテラシー教育を受けてくることが重要だと思う。メディアリテラシー教育の例としては、地元の放送局と協力して生徒らが自らの手で番組を制作し放送することである。イギリス、オーストラリア、カナダのメディアリテラシー教育はカリキュラムに取り入れるよう国の政府が指定している。
日本のメディアリテラシー教育は欧米にはまだまだ及ばない。日本の情報機器が発展している今、日本は発展させる順番を間違えてしまったと思う。今後、メディアリテラシー教育が発展することでこれらの問題が解決につながることを願う。