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吉田あかね 「格差社会是正への“再チャレンジ推進会議”について」

 

ここ数年、日本国内における収入の格差が広がってきている、という話をよく耳にするようになった。人生の

「勝ち組」、「負け組み」、2006年の流行語にもなった「格差社会」。事実、増加しているフリーターやニート、

格差を数値化したジニ係数の拡大結果、テレビや雑誌でもてはやされるようになった、お金持ちの生活を楽しむ  お嬢様“セレブ”、など、格差社会が成立していると言える要因は様々に存在している。小泉政権の「構造改革」によって、より格差は広がった、との声も聞かれる。そこで立ち上がったのが、安倍晋三官房長官(2006年3月当時)を議長とする「再チャレンジ推進会議」である。格差是正のための国会の動きについて調べてみた。

 

まず、「再チャレンジ推進会議」の正式名称は、「多様な機会のある社会 推進会議」である。これを聞いて、

まず疑問に思うのが、“多様な機会”とは何か、ということである。内閣のホームページによると、この会議によって決められた支援対象者は、フリーター、ニート、非正規労働者、多重債務者、事業失敗者など、@長期デフレ等による就職難、経済的困窮からの再チャレンジを必要とする者。次に、再就職を目指す子育て女性、配偶者からの暴力被害者、就職を希望する障害者、家庭環境に恵まれない子供、犯罪被害者、社会復帰を目指す罪を犯した者などの、A機会の平等化を必要とする者。最後に、団塊世代などの定年後のB行き方の複線化を必要とする者。など、大きく三つに分けられている。ここでは、働き方にからめて見ていきたいので、@を取りあげることとする。

さて、@の人たちに限ってみると、“多様な機会”とは、どんな立場にある人にも、就職する場が与えられているという意味であることが分かるだろう。これをふまえると、この会議を設置した趣旨が理解できる。

 

趣旨

多様な機会が与えられ、何度でも再挑戦が可能となる枠組みを作っていくことは、内閣の重要政策課題であるとの認識の下、こうした再挑戦の仕組みについて政府全体として取り組むため、内閣に「多様な機会のある社会」推進会議を設置する。

 

この、“多様な機会”をどうやって作っていくかについて、2006年5月30日の中間とりまとめの公表資料をみると、事業に失敗しても再起できるよう(資金調達)、健康を害しても職場復帰できるよう(職場復帰)、不本意の就職をした若者が再チャレンジできるよう(再就職)、出産・育児が一段落した女性が再就職できるよう(職場復帰)、再チャレンジ支援策を活用!!再チャレンジがしやすく、勝ち組、負け組みを固定しない社会へ!!人生の各段階で多様な選択肢が用意されている社会へ!!再チャレンジを可能とする柔軟で多様な社会の枠組みの構築のために、人生の複線化を提唱。具体例として、@新卒一括採用の見直しA正規、非正規労働者間の均衡処遇 とある。従来の新卒一括採用を見直し、フリーターやニートにも幅広く就職の門戸を開ければ就職難は無くなり、また、パートタイムの人たちにも、社会保険を平等に適応させることによって、正規・非正規労働者平等な処遇が受けられる、ということだろう。

 

これだけ見てみると、フリーターが正社員への道を支援してくれ、パートタイムや契約社員、派遣社員が正社員と同等の待遇を受けられて、「再チャレンジ推進」はなんてすごいのだろう!!と思うが、問題もあるようである。

新聞各紙を見てみると、この政策は現実を無視している、労働関係の法律改正なしには問題は解決しない、などの意見があるようである。しかし、公表資料には、「労働契約法(新法)の制定、パートタイム労働法の改正等を予定」とある。時期についての詳細は無かったが、再チャレンジ推進に不可欠な、法改正の予定はあるようである。これに伴い、平成19年度の関係予算案は、1720億円に上っている(精査中)。

 

次に、“多様な機会のある社会”にするための達成すべき目標(2006年12月26日再チャレンジ支援総合プラン)を見ていく。

@成功者の増加

1、2010年までに、フリーターをピーク時(2003年)の8割に減少させる

2、2015年に女性の労働力人口を2005年比で160万人増にする。

3、2010年度までの5年間でハローワークにおいて約22万人の障害者の就職を実現する。

4、2015年に60歳以上の労働力人口を2005年比で160万人増にする。

 (Aの再チャレンジ支援のための制度・施設の向上 省略)

この他にも、再チャレンジ支援総合プラン(行動計画)として、平成18年から20年にかけて、支援すべき対象者別に行動計画表も細かく掲載されていた。

 

「フェアな競争こそが、経済を押し広げ、日本の力を強くしていく。勝つときも負けるときもあるが、勝ち組、負け組みを固定させてはいけない。再チャレンジできる社会をつくることが大切だ」2006年3月23日、安倍晋三前官房長官は、この言葉とともに“再チャレンジ推進会議”を設置する考えをあきらかにした。会議は平成18年3月30日を第一回とし、安倍晋三内閣の成立をまたいで、平成18年12月25日の第七回まで開催されている。行動計画表は細かく作られているし、法律改正という動きも良い流れのように見える。しかし、この会議の名前である、“再チャレンジ”という言葉、あまりにも、軽くないだろうか。就職難だとか、経済的困窮で困っている、という重い問題にもかかわらず、“チャレンジ”というenglishからは、軽い感じしか伝わってこない。重い問題だから、計画や達成できそうにない目標を掲げたって、改善されるとも考えにくい。

 

「格差は頑張った人が報われた結果生じるもので、格差がある社会は否定されるべきではない」と、格差社会を肯定的に論じていた人の一人に安倍晋三、竹中平蔵といった、現在政界を担っている人物が含まれていることも事実である。今回調べてみて、格差が是正される日は遠くに、そして、さらなる格差拡大への道が近くに来てしまっている、と感じた。支援を受ける側の人間にならないと、その辛さを理解できることは無いだろうし、助け出す支援も成立することはないだろう。もし自分だったら、自分がその立場だったら、という考えを持てば、格差のある社会を肯定するような発言はしないだろう。自分だって、いつ支援される側の立場になるか分からないのだから。きれいごとを並べるだけでなく、格差を小さくするよう対策を執っていってほしい。

 

 

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A0%BC%E5%B7%AE%E7%A4%BE%E4%BC%9A

(フリー百科事典ウィキペディア格差社会)

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/saityarenzi/siryou.html

 (首相官邸ホームページ)

 

 




063443H吉田あかね

格差社会 中間発表メモ

格差社会とは、国民の間の格差(特に経済格差−所得格差・消費格差・資産格差)が顕在化した社会のことを言う。 

バブル期以降格差社会に突入。

2006年流行語大賞トップテン選出

http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B3%CA%BA%B9%BC%D2%B2%F1

 

広がる収入の格差グラフ

http://www5.cao.go.jp/seikatsu/whitepaper/h15/honbun/html/15223040.html

 

 

近年の日本では、若者のフリーター化、企業の雇用姿勢の変化、つまり正社員の減少、派遣・契約社員、パート労働者など非正社員の増加、賃金制度の変化、つまり年功序列賃金制から成果主義へ、などの理由によって、所得格差が広がっているといわれる。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%8E%E5%85%A5

 

 

国民の高齢化が進んだことが大きな要因である。高齢者には年金生活者もいる一方、現役社長もいる。高齢者の増加は、生活実態でも格差を拡大させている可能性がある

http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/dr/20060606md01.htm

 

再チャレンジ推進会議。「再チャレンジ推進会議」は勝ち組・負け組をなくせるのか。

http://r25.jp/index.php/m/WB/a/WB001120/id/200606151102            「フェアな競争こそが、経済を押し上げ、日本の力を強くしていく。勝つときも負けるときもあるが、勝ち組、負け組を固定化させてはいけない。再チャレンジできる社会を作ることが大切だ」

http://news19.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1143162884/

 

社会保障制度などのセーフティーネットを拡充することが重要。また、機会の不平等もなくさなければいけない、所得税の累進課税や相続税の強化は一つの方法である。

http://job.yomiuri.co.jp/news/jo_ne_06030212.cfm