ochitakahiro060123

 

パレスチナ問題の私的考察

 

農学部 農業経済学科 1年 053409z 越智崇亘

 

そもそもパレスチナ、イスラエルの対立の原因は何なのであろうか。私はその答えは自ずと歴史の中にこそあると考えた。そこで、歴史的な経緯に則してこの問題の原因を考えてみようと思う。まず、対立原因の一つとしてよく言われるのは聖地エルサレムの帰属の問題であるが、エルサレムはユダヤ教、キリスト教、そしてイスラム教の三つの一神教の聖地であると言う事はあまりにも有名である。エルサレムの旧市街の中にはキリスト教の聖墳墓教会、イスラム教の岩のモスク、ユダヤ教の泣き壁と見事なまでに3つの宗教の聖地が混在している。これは何故なのであろうか。ユダヤ教はヘブライ民族の開祖たるアブラハムから始まる民族宗教である。聖典はいわゆる旧約聖書で、メシヤと呼ばれる救世主の到来の予言がある。エルサレムは元々このユダヤ教の聖地であり、現在の泣き壁はユダヤ教のかつての神殿の跡であるという。そのユダヤ教の救世主であるとして登場したのがキリスト教の開祖であるイエス、キリストである。このキリストが最期を迎えた地がエルサレムであり、為にキリスト教にとってもエルサレムはまた、重要な聖地と言う事になる。最後に、イスラム教である。この宗教は実に、前述の二つの宗教を飲み込んでできていると言っても過言では無いように思われる。イスラム教ではキリストは預言者として扱われているし、アブラハムもまた、アラブ民族の開祖として登場してくる。この部分だけを見ても何となくイスラム教がエルサレムを自身の聖地の一つとすることは分かる。しかし、彼らがこの地を聖地と呼ぶ最たる理由は、イスラム教の開祖であるムハンマドがかの地に於いて昇天したということである。ユダヤ教の神殿の跡で昇天したのだ。結果、3つの宗教の聖地はこの狭いエルサレムの旧市街に混在する事となり、現在争いの最もさいたる理由の一つとなっているユダヤ教とイスラム教の聖地の被り合いが生じたのである。しかし、だからと言ってイスラム教とユダヤ教は常に争っていたというわけではない。むしろ、イスラム教の成立以来彼らは上手く共存していたと言える。それは、イスラム教が既存のユダヤ教、キリスト教を、その成立時から意識していた事による。彼らは先に神から啓示を受けた啓展の民と呼ばれていたし、ユダヤ人は被保護民族と見なされ、特別な人頭税が科されたものの、その信仰は許されていた。ここから言えることはユダヤ教徒とイスラム教徒の今日の不仲は単に宗教が原因ではないということである。確かに聖地はもろに被っていて争いの火種となりうるものではあるが、それでも両者は長らく上手くやっていたのである。なお、一般にパレスチナ人はイスラム教徒ばかりと思われがちであるが、彼等の内にも少数ながらもキリスト教徒が存在している。この両者の関係が微妙なものになり始めたのはヨーロッパ系のユダヤ人が大挙して入植しはじめてからである。彼らはパレスチナの地に自分たちの母国を建国しようとした。当然そこにユダヤの離散以来住みつづけていたアラブ人であるパレスチナ人はそのことには批判的であった。その当時パレスチナを管理していたイギリスはバルフォア宣言に代表される二枚舌外交でユダヤには将来のユダヤ人国家の建設を、パレスチナ人に生活が脅かされる事なく暮らしつづけられる。将来アラブの地には大アラブ国家ができると言う幻想を示していた。ユダヤ人が実際にパレスチナ人を脅かすようになったのは第二次世界大戦後である。ナチスドイツに迫害されたユダヤ人たちが祖先の土地であるパレスチナに帰ってきたのである。イギリスのパレスチナ総督府はこの移民を制限したが、結局制御しきれなくなり、アラブ人の暴動や、ユダヤ人のテロにより、彼らは問題を国連に付託してこの地を去った。つまり、今日の争いの原因はイスラム教の成立以後の宗教的な対立ではなく、主に前世紀の歴史にその原因があるのである。とは言え、全く宗教が関係無いわけではない。そもそも何故ユダヤ人たちがパレスチナにその母国の建設を推し進めたのかといえばそれは彼らの宗教に端を発している。実際、シオニストの第一回大会ではアルゼンチンなどもユダヤ人国家の建設候補地として挙げられたがそれは宗教的とも言える観点から拒否されている。それは旧約聖書の舞台であるパレスチナの地こそがユダヤ人にとっての唯一の故郷であると言う考え方からだ。そして、その考え方は二千年に及ぶユダヤ人の故国の無い状態を支えてきた。我々日本人の感覚で言えば、元々の故郷の地に帰るというのは何となく理解できる気がする。しかし、世界的に見てみるとこの考え方は珍しい。大体の民族はそれぞれベースとなる地域を有していてその土地やその周辺に住みつづけ、自分たちの国を形作ったりしている。しかし、その土地を民族単位で追い出されたり、移動したりすると、新天地に国家を樹立したり、現地の国家の枠組みの中に3ッ化したりする。自分たちの習俗をそのまま維持し続け、なおかつ一つところの地8謔ノこだわり続けられるのは驚異的な事といえる。しかし、国境というのは歴史の中で常に変化し続けている。例えば、つい数百4N前までは現在のトルコの領土は東ローマ帝国の領土だったし、何千年と遡るなら、現在の世界各国、その国に暮らす民族の領有する土地は尽く他の民族のものとなったりしてしまう。離散から約二千年、その間パレスチナに暮らしていたアラブ人のこの土地の領有権が否定され、ユダヤ人のかの地の領有権が支持されるというのはこうして考えてみると、おかしなことである。しかし、現実にはユダヤ人国家であるイスラエルは1948年に誕生している。以後、4回の中東戦争を経て、パレスチナ人はパレスチナ国家という独立した国家の樹立を目指す事になる。イスラエルの誕生は国連の各国の投票の結果、賛成多数で認められたが、この時の領土を遥かに上回る土地を現在では所有している。パレスチナ人の自治区、将来の独立国家に用意されている土地はパレスチナ全体のわずかに25パーセントでしかない。その土地も年々ユダヤ人の入植者によって削り取られている。ガザ地区はユダヤ人入植者が全面撤退したが、ヨルダン川の西岸、特にエルサレムの周辺地域はイスラエルの建設する壁によって切り離されつつある。両者の歴史を振り返って見ると大体ではあるが、この様になる。私はこの歴史的背景から対立は主に20世紀のヨーロッパ系のユダヤ人とパレスチナ人との関係ではなかろうかと考える。付け加えるなら、ヨーロッパのユダヤ人は中東のユダヤ人とは異なり、歴史的に幾多の迫害を加えられている。この事は、彼らが自分たちだけの国家形態に固執する事の主な原因の一つの要因であろう。

では、現在、このパレスチナ問題の解決策として考えられている、または目指すべき形とされているパレスチナ人の国家の創設ということはどういうことなのであろうか。そもそも、1948年時の国境線のラインではパレスチナ人、当時のパレスチナ在住のアラブ人の領有域はパレスチナ全土の半分程であった。しかし、現在のパレスチナ国家の領土として想定されているのは実に現在パレスチナの占領地と呼ばれている地域だけである。これは即ち、昨年イスラエルが入植地を撤退させたガザ地区とヨルダン河の西岸のみという事になる。しかも最大地域であるヨルダン河の西岸域は今もユダヤ人の入植地が広がっているし、(最近ではイスラエル政府の非公認の無許可入植地なるものが増えてきている。)将来の首都と想定しているエルサレムはイスラエルが勝手に自国の首都と宣言し、事実上占領している。また、イスラエルは岩のモスクを破壊して、あたらしいユダヤ教の神殿を建設する計画すら有している。これに加えてイスラエル側は次々と自爆テロ対策と称して壁を建設、この壁でもって事実上の国境線を拡大しようとしている。ここだけ見ても明らかなのはイスラエル側には真摯に国家として生存可能な形でのパレスチナ国家の建設と、その国家との共存を考える姿勢が見られないという事である。実際、もし、パレスチナ国家が現在のパレスチナ人自治区に建設せれるとしても、その国家の領域はイスラエル側が建設した壁の外側という事になってしまうであろう。この場合、パレスチナ国家は首都となるはずであったエルサレムとその旧市街を永遠に失ってしまうことになる。これではとてもではないがパレスチナ国家の国民的理解は得られないであろうし、また、深刻な問題として産業の欠如、資源の不足に慢性的に悩まされる事となることだろう。実際、パレスチナにはたいした産業は無い。せいぜいがオリーブの栽培くらいのものである。しかし、そのオリーブの栽培に必要な水資源の確保すらもこのまま独立してしまうと危ういものになってしまう。現在でもパレスチナの失業率は非常に高水準にある。この上、独立などという事になってしまえば、もうイスラエルへので稼ぎすら出来なくなってしまいかねない。イスラエルは現在パレスチナ人の労働者を排除している。無許可でのイスラエル国内での就業も段段と困難に成ってきている。これが独立となるとイスラエル政府はせっかく厄介払いしたパレスチナ人を労働者として国内に入国させたりしないであろうし、パレスチナ国家にイスラエル資本の工場が建てられるという事もほとんど期待できない。何故ならイスラエル政府にとって見れば、パレスチナ人の国家が経済的に発展するのを好まないであるし、ユダヤ人の資本家も反ユダヤの感情のあるパレスチナ国家での投資のリターンとリスクを比べて投資しないであろう。いや、政府が許可しないだろうし、例えしたとしてもイスラエルの国民感情がそれを許さないであろう。さて、この様にして考えてみると、パレスチナ国家は例え成立したとしても国家としは成り立たないように思われる。では、イスラエル側はどうか。パレスチナが独立した場合この国は全く損失を被ることなく過ごすことができるのであろうか。パレスチナを分離して独立させる事によってイスラエル側が得る事のできる最大のメリットはなんと言ってもパレスチナ人の抵抗運動からの開放である。パレスチナの一般人によるインティファーダ、ハマスなどの過激派組織による自爆攻撃、これらから開放される事はイスラエルの治安の安定化や経済成長のマイナス要因からの開放を意味する。しかし、こうして得られるであろうとされているものは全て両者の納得のいく合意の下でのパレスチナの独立が成った場合の事である。現状のままでの独立は返ってパレスチナ人、アラブ人の反ユダヤ感情を煽り、より一層のテロにイスラエルは将来悩まされる事になるであろう。更に深刻な事態と成りかねないのはパレスチナの切り離し後、国際世論がこれをどう評価するかである。イスラエルは航空機やIT分野を得意としたハイテク国家である。経済力もかなりある。然るにこの国にもまた大した資源はない。その為、貿易は大変にこの国の経済にとって重要である。パレスチナ国家が成立すると国際世論は中東問題の重要な分野での解決がなされたとして大変にイスラエルに好意的になるであろう。しかし、前述のようにパレスチナ国家は国家としての体をなせるとは思われない。水資源の不足、食料問題、高い失業率、ますます高まっていくユダヤ人への憎悪。パレスチナ人の反ユダヤ感情を利用してアルカイダをはじめとするテロ組織がここをその温床とするかもしれない。また、就業先を求めてパレスチナ人が大挙してヨーロッパなどになだれ込んでいくかもしれない。こうなってくると再び国際世論はイスラエルに対して否定的になり、アラブ国家との関係はますます冷え込み、事によるとヨーロッパが経済制裁を仕掛けてくるかもしれない。そうなれば、イスラエルは経済的に大打撃を受ける。また、中東の反ユダヤの感情の悪化は外国資本のこの国への進出を妨げる。これはあくまでも可能性に過ぎないが、起こる可能性は十分にある。また、当面の問題として、建設業、農業の分野での労働力の不足が考えられる。現在でもパレスチナ人の締め出しによってこれらの分野での労働力は不足しているし、パレスチナ人の労働力の代替として外国人の労働者を受け入れているが、そうした外国人労働者にもヨーロッパの移民問題が示しているような対立が生まれる可能性は大いにありうる。いや、既にユダヤ人同士の間ですらユダヤ教徒と非ユダヤ教徒の間で対立が起きているのだから、将来の対立は必然である。かといって、パレスチナ人を排除すれば、その不足した労働力を入れざるを得ない。また、特に私は農業分野の進展によっては将来に大変なマイナスになると考えている。イスラエルの国土は日本の四国ほどでしかない。そこに600万人ほどの人々が暮らしている。そして、国土は殆どが沙漠的地域であり、ユダヤ人は世界中に暮らしている。このまま帰還が続けば、確実にイスラエルは食料不足に陥る。輸入に頼ろうにもパレスチナの状況が切り離しの独立の結果悪くなれば、周りは反ユダヤ的国家ばかりとなるのは確実だし、ヨーロッパもパレスチナの状況の悪化次第でもろに被害を被り、反ユダヤ的に成るかもしれない。頼りのアメリカは中西部農業地帯で水資源の不足が始まっているし、中国やインドの人口増加や購買力の増大で手一杯となりかねない。これは極端な話ではあるが、迂闊に人口増加をし過ぎると人口を養うだけの食料の生産が間に合わなくなってしまうのだ。結局、ユダヤ人に有利な形でパレスチナを切り離す事ができたとしてもイスラエルにもマイナスの効果は大いに及んでくる。当面の問題としては、労働力の不足、将来的には国際的な今以上の孤立ということも考えられる。更に、イスラエル国外のユダヤ人にたいしても被害が及ぶかもしれない。近代国家は世界との関係性の中で生きていくしかない。特に、食料を自給できないのであれば他国との関係は死活問題となる。この様にして、考えを巡らしていった時、現在国際的に求められているパレスチナ国家の樹立という形でのパレスチナ問題の解決は本質的な解決に繋がるのかどうか、非常に疑問である。

あくまでもパレスチナとイスラエルが分離されるべきであるとする。この時、パレスチナ国家は現状のままの推移で独立すれば、国家としては生存不可能であろうということ、また、極端にイスラエル側に有利な条件でのパレスチナ、イスラエルの分離は結果的にイスラエル自体にとってもマイナスと成るであろうことは既に前述した。では、仮にエルサレムの帰属問題が何らかの合意に達したとして、両者の合意の下でパレスチナ国家が成立したとしよう。それにしても、その狭い国土と人口の多さからしてパレスチナ国家の運営は困難を極める事であろう。エルサレムの帰属がパレスチナ側のものになれば、(そもそもイスラエル側は最大限に譲歩したとしてもエルサレムの帰属は絶対に手放さないであろうが)観光が栄えるであろうが、イスラエルへの出稼ぎが認められなければ失業問題の根本的な対策とはならないだろう、たとえ観光業と農業だけで経済を賄うことができたとしても(国外のパレスチナ難民がパレスチナに帰還したり、それがなくてもこのまま人口が増大して行けば、不可能であろうが)エルサレムにはユダヤ人が多く巡礼に訪れる事になるであろう。また、両国共同管理地域のような形ならこの地域ではパレスチナ人はユダヤ人の資本の参加で働く事もあり得ることとなるが、結局パレスチナ側は独立後もイスラエルとの関係性を絶つことができない。また、エルサレムの帰属がイスラエルのものになるなら(この場合、パレスチナ側が合意を拒否するだろうが)いよいよパレスチナ国家の運営は困難なものとなる。結局のところ両者は不可分に結びついていると考えるのが最も無難である。そこで考えられるのはユダヤ人とパレスチナ人の双方による一つの国家という可能性である。言うまでもない事ではあるが、前世紀からの両者の憎しみの連鎖から言ってこの考え方はあまり実現可能性の少ない考え方である。パレスチナ人にしてみれば、土地を奪ったユダヤ人との共通国家なぞ嫌であろうし、またユダヤ人からしてみれば、二度と迫害や差別を受けないように自分たちが多数派の国家、ユダヤ人だけの(より精確にはヘブライによる)国家を渇望していたわけだから両者共に受け入れたくないであろう。しかし、パレスチナという非常に限られた領土の中で二つの民族が生存していこうとするなら両者が手を携えることこそが最も合理的な考え方ではなかろうか。もし、両者が分離独立ではなく二つの民族の共存する一つの国家の道を選ぶなら、両者が得る事のできる利益は大きいものとなる。パレスチナ人の側にしてみれば、現実的には既に不可能となっているイスラエルの成立以前の生活圏への帰還の代償として、市民権の獲得(それ以前に基本的人権の保障)雇用の場の確保等が得られるものと考えうる。対して、イスラエルの側からしてみると、国際的に国家の存在を脅かされる理由が無くなる事によりユダヤ人国家の生存権を確固たる物とする事ができる。また、労働力の不足に脅かされる事もなくなるし、中東情勢の最大の不安材料である同地の問題の解決による外国資本の投資が活発化することも予想される。勿論、この場合、まず、イスラエル側はパレスチナ人から土地を強制的に奪い取る事を即時中止し、これまで奪った土地の保証を行なわなければならない。しかし、土地の返還は可能な限り行われるべきであるが、多くの土地は既にユダヤ人が生活しているので、事実上、土地の返還は困難な地域が多くなることであろう。この時パレスチナ側には金銭での保証を受け入れる事が求められる。(これは即ち、パレスチナ人がイスラエル成立以前の生活域に戻る事が永遠にできなくなる事を意味する。)また、双方に今までの暴力の連鎖の即時中止とその反省も求められる。(許しあう過程として、アパルトヘイト後の南アフリカの真実和解委員会のような政治的プロセスが必要になってくるだろう。)ついでに言えば、イスラエル側は新しいユダヤ教の神殿を神殿の丘に建てることを永久に諦めなければならなくなる。対価として得られるものは大きい、しかし失うものもまた大きい。けれども、双方ともに分離、独立の結果としてもたらされる事になるであろう結果よりはより良い結果を得られるといえるのではないであろうか。付け加えるなら政治的制度は現在のパレスチナ自治区を中心としたパレスチナ人の自治州と現在のイスラエルの領域を中心としたユダヤ人の自治州からなる連邦制度がもっとも好ましい形ではなかろうか。

ここでパレスチナ、イスラエル双方の現状を考えてみる。まず、パレスチナ側はアラファト議長の死後の選挙の結果アッバス議長による新政権が樹立しており、この政権はパレスチナの全土返還などの非現実的政策ではなく現在の自治区とイスラエル側が不当に第三次中東戦争以後占領している地域を中心としたパレスチナ国家の建設を提言しており、イスラエルとの和平を積極的に推し進めようとしているといえる。パレスチナ人の間では反イスラエル武力闘争をうたう一方、学校の運営なども行なう過激派のハマスへの支持も根強い。私の考えるところ、パレスチナ側は何かを提案しても大体が仲介者であるはずのアメリカなどから後押しを受ける事ができず、結局イスラエル側の提案に対して受身の対応をせざるを得ない状況におかれている。為に、ハマスのような過激派が支持を集める事ができるのであろう。また実際のところ中東和平を実現させたいのなら、イスラエル側が相手にも容認できるような提案をしていくべきではなかろうか。では、そのイスラエル側はというと先日倒れたシャロン首相が推し進めたガザ地区からのユダヤ人入植地の撤退を巡ってユダヤ教の教えに従って大イスラエル(パレスチナ全土を旧約聖書で神がユダヤ人に対して与える事を約束したということを根拠にイスラエルの領土とするべきという考え方によって建設されるイスラエル国家)を建設すべきだという者とイスラエルは近代国家であって、(実際、中東では珍しい民主主義国家であるといえる)そんな非現実的ことに固執せずにパレスチナを切り離して安定的な国にすべきという者の二派で、国論が割れている。ユダヤ人がシオニズムの大会で特に宗教的理由から自らの祖国の建設をパレスチナの地にこだわった経緯を考えると私はイスラエルが宗教的前提を考慮しなくなるならパレスチナに国家を築いた事自体を自ら否定するようなものなのではなかろうかと思うのだが、結局イスラエルはガザ地区からは全面的に撤退を行なった。では、何故イスラエルはガザ地区から撤退を行なったのであろうか。しかも大イスラエル主義者で有名なシャロン政権の下で。これにはユダヤ人とパレスチナ人の出生率の差にその最大の原因の一端があるといえる。ユダヤ人の出生率に対してパレスチナ人の出生率が高い状態にあるのである。このままでいくと将来ユダヤ人国家であるはずのイスラエルは人口構成においてパレスチナ人が優位に立ってしまうという自体が生じかねない。だから大イスラエル主義者であるシャロン首相はガザを諦めたのだ。この政策はまだ白人国家であった頃の南アフリカのアパルトヘイト政策に類似するものではなかろうか。いや、壁の建設を推し進めて物理的な制約を増やしている分こっちの方がより悪質であるといえるかもしれない。壁の建設はヨルダン河の西岸地区のパレスチナ人の土地を奪い取ることにも大いに活かされている。ガザからイスラエルが兵を引き上げたとき世界はこの政策をシャロン首相の英断であると褒め称えた。しかし、イスラエル国内に出稼ぎにでることで家計を支えていた人も多く、経済的にもイスラエルに依存しているこの地域の引き離しは本当に良いことといえるのであろうか。逆に非道なことなのではなかろうか。私はパレスチナ問題を解決するにはイスラエルこそがもっと積極的に動かなければならないと考えている。そして、現状のような強硬な政策ではなくもっと柔軟な政策をイスラエル側が提案することを願ってやまないのであります

最後に、前世紀からのユダヤとアラブの民族的な対立は世界の人々にこの両民族は元々仲の悪い民族であり、共存の可能性を探る事は非常に難しいことであるかのような印象を与えてしまっているのではないでしょうか。しかし、ヨーロッパ系のユダヤ人がパレスチナに入ってくるまでは中東地域のユダヤ人とアラブ人たちは上手い具合に共存していました。ですから、私は前世紀からの対立は深刻なものであるといってもイスラエル側が譲歩への大きな一歩を踏み出せば(ガザのような実質的な切捨て策ではない)中東の和平は進展するのでは、再び両民族が共存できることも可能になるのではないでしょうか。歴史的名経緯を大きく見ていけばその可能性はゼロではないと思われるのです。

 

 

参考:インターネット  www.myrtos.co.jp/topics/isr_db/trade.html - 2005114 - 5k   ww1.m78.com/topix-2/israel.html - 10k -  blog.shaul.ciao.jp/?eid=236109 - 2006112 - 13k -

ascii24.com/news/i/topi/article/1998/09/16/612621-000.html?geta - 2006112 - 41k -

www2.ocn.ne.jp/~hanagumi/what3sub.htm - 3k -   www.myrtos.co.jp/topics/isr_db/industry.html - 5k - キャッシュ -

www5a.biglobe.ne.jp/~polive/report/visit2000.html - 4k - キャッシュ - www.jcif.or.jp/pdf/mideast200205.pdf - 15k - htmlで見る -  sosora.hp.infoseek.co.jp/html/pa_occupied poor_0602.htm - 20k -  www.tkfd.or.jp/news/meast/1_20030703_1.shtml - 19k   www.palestine-forum.org/water/print.html - 24k - www.altertrade.co.jp/02/poo/poo_02.html - 37k - www.geocities.jp/aonamix/index_israeliarab.html - 2006118 - 5k -  tanakanews.com/980821jerusalem.htm - 10k -  www.mofa.go.jp/mofaj/area/plo/data.html - 34k -  www011.upp.so-net.ne.jp/ayahp/polisystem.html - 107k - hotwired.goo.ne.jp/news/print/20011005106.html - 200611 - 10k -   www.onweb.to/palestine/siryo/halper27mar05.html - 13k -   homepage2.nifty.com/cns/middleeast/israel.htm - 20k -

www.mofa.go.jp/mofaj/area/plo/data.html - 34k - キャッシュ -   www.eastedge.com/palestine/economy.html - 11k - キャッシュ -    news19.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1130127520 - 2006116 - 5k - キャッシュ -  

www.asagaku.com/donto/2005/2/0227.html - 6k - キャッシュ -    www.okinawatimes.co.jp/edi/20050111.html - 20051126 - 4k - キャッシュ -    ima-ikiteiruhushigi.cocolog-nifty.com/palestine/2005/05/nhk_9e33.html - 20051117 - 31k - キャッシュ -