041025gensei 講義メモ

 

―アメリカ大統領選挙の仕組み―

 

「在日米国大使館 - 米国の大統領選挙2004

http://tokyo.usembassy.gov/j/p/tpj-elec2004preface.html

から、以下抜粋→

 

合衆国憲法は1789

下院435議席と、上院100議席の3分の1が改選

(*下院(代議院)は各州より人口比例で選出。任期は2年、定数は435名。上院(元老院)は各州より2名ずつ選出。任期6年、定数100名。また、連邦議会の被選挙権は上院30歳、下院25歳、選挙権は満18歳以上。以上、東京学習出版社の『資料政・経2004』より)

 

     「大統領選挙人は各州が上下両院議員数と同数、コロンビア特別区が3名、計538名。州単位で実施され、各党の大統領候補者と支持する一群の選挙人候補者の名前がセットで印刷されている用紙に、一般有権者が○印をつけて投票する。この一般投票で1票でも多く獲得した候補が、その州すべての選挙人を独占する「ウイナー・テーク・オール」方式を採用。州ごとに獲得した選挙人の数が、過半数(270名以上)を超えたところで、事実上の当選者(大統領)が決まる。」(同)

     戦後の歴代大統領は、トルーマン(D)、アイゼンハワー(R)、ケネディ(D)、ニクソン(R)、カーター(D)、レーガン(R)、ブッシュ(R)、クリントン(D)、ブッシュ(R

 

全米各地で、州知事、市長、および州議会議員が改選。

 

「米国の政治制度では、公職の多くが選挙で選ばれるほか、教育に対する資金援助や、公園、高速道路などの州・地方政府の公共サービスに対する資金援助に関する数々の決断が、一般市民の投票で決定される。また、こうした住民投票やイニシアティブ(住民発案)によって政策決定が行われ[

る例が、ますます増えている。」

 

「米国の選挙は、地方ごとに決まった予算内で行う行政活動であり、その目的は、有権者の選択を正確かつタイムリーに測定することである。したがって、選挙管理人(通常は郡または市の書記が務める)の仕事は困難なものである。選挙管理人は、年間を通じて選挙人登録を受け付け、特定の選挙で誰が選挙権を持つかを決定する作業を、責任を持って行う。また、各選挙の投票用紙を作成し、認定候補が全員記載され、住民投票の対象となる課題が正しい表現で記載されていることを確認しなければならない。そして、投票用紙の作成に当たっては、できる限り簡潔・明快なものにしなければならない。」「現在、投票用紙や投票機器に関する全国的な基準はない。通常、選挙管理人は、多言語の投票用紙を用意しなければならず、時には異なる書式の用紙を用意しなければならない場合もある。管轄区域によっては、候補者および政党の記載の順序を無作為に割り当てなければならない。最終的には、各地の選挙管理人が、使用する投票機器を選択する。投票用紙はそれに合わせたものでなければならない。」

 

「民主党の場合、最も強力な支持層はアフリカ系米国人となっています。アフリカ系米国人は、9対1の割合で民主党候補に投票しています。ラテンアメリカ系米国人も民主党を支持する傾向がありますが、その比率は2対1またはそれ以下です。労働組合員の世帯は、民主党支持の割合が不釣合いに高くなっています。低所得層の労働階級の人々も民主党候補に投票する傾向がありますが、この階層の一部は社会的保守派であり、その多くは時として共和党候補を支持しています。共和党支持の労働階級および中流階級の白人男性にとっては、主として社会的・文化的な要因が共和党支持の理由となっています。」

離婚している人たちおよび母子家庭または父子家庭は民主党支持の傾向が強く、伝統的な夫婦は共和党支持の傾向があります。信仰している宗教、また宗教上の教えを実践しているかどうか、教会などへ行っているかどうかという要因と、共和党支持の間には、強力な関連性があります。礼拝に出席する頻度が高い人ほど共和党を支持し共和党候補に投票する傾向が強く、世俗主義の人は民主党支持の傾向があります。」

高所得層は、共和党指向が強く、特に、中小企業経営者から大企業幹部まで、商業に従事する人たちにその傾向が強く見られます。しかし、一方で、教育水準の高い、大学院の学位を得た、新たに養成された専門職者は、民主党候補に投票する傾向が強まっています。」

「各党の支持基盤には、地理的な相違も見られます。私たちは、これを「赤い州と青い州」と呼んでいますが、これは前回の大統領選挙でテレビ局が使った米国の地図の色分けに由来します。「青い州」とは、民主党が勝った州で、米国の東海岸と西海岸、および北部諸州に集中しています。共和党が勝利した「赤い州」が多いのは、南部諸州、農業州、ロッキー山脈諸州、および中西部の一部です。」

「各州内でも地域的な違いがあります。民主党の支持基盤は、都市部および都心に近い郊外に多く、共和党は、郊外および農村部で強く支持されています。」

「民主党は、成長するハイテク産業地域で支持層を広げており、共和党は、農村部の人口減少地域で支持される傾向があります。共和党は、南部各地の郊外地域で強力な支持を得ており、その中には、ジョージア州アトランタ市郊外のように急に成長している地域もあります。」

要約すると、共和党は、宗教的・文化的保守派、ビジネスマンとビジネスウーマン、米国南部、山岳部諸州、中西部、郊外、そして農村部に支持されている政党と言えます。民主党の支持層は、少数民族、世俗主義者と社会的リベラル派、労働組合員、大都市の住民と低所得層、および東海岸と西海岸の諸州などです。もちろん、こうした分類は一般的な傾向に基づくものであり、どのグループにも、政治的な多様性が見られます。」

 

「概して現職大統領は再選される傾向」

「民主党に政権を取り戻す可能性が生じるためには、「対テロ戦争の成果が不明確であり、イラクの状況が混乱しているため、自分の経済状態と物理的な安全性に不安を感じる」と考える有権者の票が多数必要となります。」

「大統領選挙におけるインターネットは、マスコミの一形態、あるいはテレビによる宣伝に代わるもの、と見なされるべきではありません。インターネットは、選挙運動において、ボランティアの募集と組織、資金集め、草の根活動の連携、支持者への情報伝達といった、選挙運動組織活動の一形態として、重要な要素となっています。ハワード・ディーンは、2000年選挙でのジョン・マケインの成功を踏まえて、インターネットで相当額の資金を集めています。ディーンをはじめとする民主党候補者は、インターネットを組織構築の手段として利用しています。」

「ブッシュ陣営もインターネットの重要性を認識しており、インターネットを積極的に利用して、資金集めや地域の組織構築を行っているほか、共和党活動家の士気を高め、資源を効率的に配分するためのコミュニケーションの手段としています。」

 

(*読み切れず。この後は、「選挙資金の現状」