041017gensei 講義メモ

 

2004年アメリカ大統領選挙―

 

<両者の哲学の違い>

「大統領はケリー氏に『増税路線の大きな政府をめざす民主党の代表的リベラル』というレッテルを張ろうとした」「ケリー氏は、ブッシュ氏に対し『過去72年間で在任中に雇用を減らした初の大統領』『どの医療保険にも入っていない無保険者の急増』など個々の分野の失点を突いた」「国際社会の説得いかんに、行動の正当性や国家の信頼の根拠を求めるケリー氏。一方、自国の防衛のためには国連や『フランスのような国』に行動を縛られてはならないと主張し、欧州との伝統的な関係よりは対テロ戦の旗印に結集する有志連合に新しい同盟の効用を見いだすブッシュ氏」「一連の討論会は先月末、ブッシュ氏優勢の状況下で始まった。後がなかったケリー氏は、歯切れのいい政権批判を繰り出し、世論調査やメディアの分析では各回とも好印象を残した。支持率は拮抗状態にもつれ込み、ケリー陣営には弾みがついた。が、勝敗の帰趨が決したわけではない。時には互いの嫌悪感もあらわにした舌戦を経て、最終盤を迎えた大統領選は大事件や大失言がない限り、前回同様、歴史的な接戦が演じられそうだ」(西村陽一「戦略・哲学の違い鮮明」041015日付朝日新聞朝刊)

 

<政策の違い>

 

    ケリー氏

      ブッシュ氏

税財政

・新規の歳出については財源を明らかにし、財政規律を回復

・年収20万j以上の富裕層に対するブッシュ減税を廃止

・5年間で財政赤字を半減

・経済成長を促す政策で税収増を図る

雇用

・アウトソーシングしている米国企業への優遇税制を廃止

・法人税を5%引き下げ

・米国内で雇用を増やす企業への優遇税制導入

・労働者が新しい技術を得られるように職業訓練を拡充

・大型減税で労働者にも恩恵

社会保障

・すべての子供を公的医療保険の対象にし、高齢者向けの公的保険も拡充

・社員に医療保険を提供する中小企業に優遇税制を導入

・個人で医療保険に加入するための貯蓄に対して優遇税制を導入

・医療過誤訴訟の改革により、医療保険料の高騰を抑制

041015日付朝日新聞朝刊)

「黒字だった財政は赤字に転落、就業者数は大恐慌期のフーバー大統領以来の減少を記録、医療保険の加入者も減少するなど社会保障でも後退が目立つ」(同)

 

<以下、インターネット上の産経新聞から>

キューバ自由協議会

全米キューバ系米国人財団(CANF)

前回2000年大統領選挙では、

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http://www.sankei.co.jp/databox/usa_election2004/series_1_01.html

「選挙人総数は、各州選出の上下両院議員の合計数に、議員がいない首都ワシントン(コロンビア特別区)の3人を加えた538人。2004年選挙では最大はカリフォルニア州の55人。投票の結果、その州で1位となった候補支持の選挙人団が「勝者独占」の原則に従い、割り当てられたすべての選挙人を総取りできる。過半数の270人を確保すれば勝ちとなる」(同)

 

「米議会では混乱の反省から、2002年に米国投票援助法を可決。新型の投票機械に代えるための資金援助を盛り込み、「パンチカード方式」も徐々になくなりつつある」「今回、欧州安保協力機構(OSCE)は米国に監視団を派遣し、公正な選挙だったか報告を行う」

http://www.sankei.co.jp/databox/usa_election2004/series_1_02.html

 

「テキサス州(34)でケリー候補が勝つ見込みはないし、ニューヨーク州(31)やケリー候補の地元のマサチューセッツ州(12)でブッシュ候補が勝つ可能性もほぼない」

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http://www.sankei.co.jp/databox/usa_election2004/series_1_04.html

 

【ボストン=】米国の民主党全国大会第三日の28日は副大統領候補のジョン・エドワーズ上院議員が演説し、大統領選にのぞむ民主党側の政策の概略を明らかにした。エドワーズ氏はいまの米国社会が貧富などの差で分裂したとして、その差を新政策で埋めるというリベラル志向の国内政策を示す一方、対外安全保障については軍備を増強し、対テロ戦争を断固、進める方針を強調し、イラクで戦う米軍将兵を称賛して、非リベラル的な「強いアメリカ」の実現を宣言した。

「エドワーズ候補はまずケリー氏について米軍最高指揮官たる大統領に求められる「決断」と「強固」の資質が十二分にあり、「国内的に強く、世界では尊敬される米国」の実現には最適の指導者だと強調した。同候補は米国の現状について「アメリカン・ドリームを果たし、悩みなしに生きる人たちと、生活に苦しむ人たちの2つのアメリカがある」として、健康保険、公立学校、経済、雇用などでも富者と貧者、強者と弱者の分裂が起きたと訴えた。同候補はその原因としてブッシュ政権を名指しはしないまま「旧態の否定的な政治」を挙げ、それを追放し「希望の政治」を築くと述べた」(古森義久「軍備増強 対テロ戦強化 安保では非リベラル前面に ―副大統領候補 エドワーズ氏演説―」)http://www.sankei.co.jp/databox/usa_election2004/data_06.html

以上の産経新聞のWebのトップページは、http://www.sankei.co.jp/databox/usa_election2004/ (現段階でまだ読み切れず)