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加藤大輔「竹島問題が日韓関係へ及ぼす影響について」

 

この前韓国人の友達に、「竹島は韓国の領土なのになんで日本人は自分たちのものと言っているんだ?」と聞かれた。しかし僕は竹島というものも、またそれが韓国との間の領土問題となっていることも知らなかったので何も言えなかった。そこでこのレポートの機会を使って調べてみようと思ったのである。

 

竹島(韓国名・独島)は隠岐島の北西約157kmに位置し、面積は日比谷公園ほどしかない。写真を見るとただのごつごつした岩の塊で、木は一本も生えていない。飲料水もないらしい。周辺海域は対馬暖流とリマン寒流の接点になっており、魚介藻類の種類、数量ともに極めて豊富だ。そのために日韓両国はこの不毛な無人島の領有権をめぐり、1945年以来対立を続けているのである。竹島問題を理解するにはまず鬱陵島を理解しなければならない。なぜかというと、経済水域などなかった時代には竹島ははっきり言ってどうでもいい島だったので、鬱陵島とセットで考えられていたからである。鬱陵島は竹島から92kmほど韓国よりのところにあり、大きさは70kuもある。512年以降韓国の支配下にあったが、15世紀半ばに李氏朝鮮はこの島への渡航を禁じた。税金を逃れて渡ってくるものが後を絶たなかったこと、倭寇の襲来があったことなどが理由である。李氏朝鮮の無人島政策が続く間、ある日本人が鬱陵島に漂流し江戸幕府に報告したことから、この島は竹島と呼ばれるようになった。(注:ややこしいが、昔は鬱陵島の方を竹島と呼び、現在の竹島のことは松島と呼んでいた)その後しばらく日本の支配が続くが、元禄時代に韓国からクレームがきたので、協議の結果日本は両島の領有権を放棄した。しかし1905年、明治政府は軍事上の理由から竹島(=独島)を島根県に編入したのである。日本はこの時点で国際法的にも日本の領土になったと主張しているが、1905年といえばちょうど日露戦争の最中であり、この編入が一連の侵略行為のひとつであると言われても仕方ないと思うのだが…。その後日本が戦争に負けると、GHQは竹島(=独島)を沖縄や小笠原諸島と同じように日本の行政権からはずした。これを口実に李承晩(イ・スンマン)韓国初代大統領は海洋主権の宣言ライン、いわゆる「李承晩ライン」を設けて竹島周辺の水産資源を手に入れた。これに対し日本は、GHQの決定は暫定的なものであると反論し、竹島の返還を求めているという状態である。ちなみに日本は国際司法裁判所で決着をつけようとしたが、韓国側はそれを拒否している。韓国側の主張としては、ロビー活動などで力を持つ日本が有利だから、ということだ。

 

以上が竹島問題の概要である。とは言っても抜けていることはかなりあるし、どんなことが問題となっているのかが説明できていない。しかし、領有権や経済水域の問題は国際法の知識がない僕にとってはとても難しく、よく理解できなかったので勘弁していただきたい。またサイトによってかなり意見の偏りがありどの情報が正しいのかということまで確認できないので、ここでは竹島がどちらの領土かという話をするのではなくて、日韓で竹島問題がどのように扱われているのかについて考えたい。

 

まず調べていて感じたのは、韓国と日本では温度が全然違うということだ。韓国では竹島問題を政治的なものと捉えていて、国民みんなが知っているというし、学校で竹島の模型を作るところもあるらしい。つい最近竹島の記念切手が発売されて、三時間で売り切れてしまったことからも関心の高さが伺えるだろう(なぜこの時期に切手を?という疑問が出てくるが、ノムヒョン政権の支持率回復という説がある。韓国人の友達曰く、「前から計画はあった。発売直前になって日本が急に文句を言ってきた」)。一方日本では経済問題として捉えられることが多く、政治家や一部のインテリがアツイ(否定的な意味を持つものではない)だけでおそらく竹島がどこにあるかさえ知らない人も多いのではないだろうか(実際僕もその一人だった)。ある韓国人によると、もし日本人が竹島に関心を持ち始めたら大変なことになるということだが、なるほど熱い韓国と冷めた日本で釣り合いが取れているのかもしれない。しかし日本の外務省が竹島は日本領であるというしっかりした確証を持っているのなら、国民に対してもっとちゃんとした説明を行わなければならない。例えば教育に取り入れるなど。そうでなければあきらめるべきだ。このままでは日本の一部の人のために、韓国との関係を悪化させてしまうことになる。

 

次にもし竹島問題に決着をつけた場合どうなるかということを考えたい。考えられるのは国際司法裁判所で決まるか、日本があきらめるかだろう。前者で韓国の領土となった場合、両国ともたいして変わることはない。ま、日本がさらになめられるようになるくらいだ。しかし前者で日本の領土となった時は、これは日本にとってはラッキーである。だが利益は得るかもしれないが、韓国国民の反感を買うことは間違いないであろう。いくら法律といえども、体に染み付いた感情はそう簡単には消せないはずである。最後の選択としてあきらめるという方法があるが、これは両国がうまくやっていける。その上日本は外交手段の切り札としてこの方法をとることができるのではないだろうか。韓国は死守するしかないけど、日本はだめもとで動けるから非常に有利だと思う。以上素人の予想でした。

 

最後に、はっきり言って竹島がどっちの領土であろうと僕には関係ない。愛国心がないのかもしれない。でも変な民族意識のせいで対立するよりは、仲良くやってきたいでしょ。もちろん民族意識全開なのは韓国のほうだけれど、僕たちはそれを受け入れる余裕を持ちたい。ワールドカップが成功して日韓の関係は改善したように見えたが、この竹島の問題が解決しない限り真の友好関係は結べないであろう。まずは知るというステップからはじめたいと思う。