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―第43回衆院選を振り返って―

 

110日午前235分現在の衆院党派別当選者数>

党派名

 合計

小選挙区

比例代表

解散時勢力

自民

  237

   168

    69

     247

民主

  177

   105

    72

     137

公明

   34

     9

    25

      31

共産

    9

     0

     9

      20

社民

    6

     1

     5

      18

保守新

    4

     4

     -

       9

無所会

    1

     1

     -

       5

自由連

    1

     1

     -

       1

諸派

    0

     0

     -

       2

無所属

   11

    11

     -

       5

合計

  480

   300

   180

  475(欠員5)

 

以下、031110日付の下野新聞より→

「自民党は解散時の247議席を減らし過半数(241議席)を割り込んだが、前回2000年衆院選の233議席を上回り、237議席となった。公明、保守新を加えた与党三党で275議席となり、国会運営を安定して進められる絶対安定多数(269議席)も確保した」

「自民党に対峙する過去最大の野党となり、本格的な二大政党時代に入る」

「民主党は批判を取り込むだけでなく具体的な政権獲得の道筋を示す必要がある。選挙後の特別国会や来年の通常国会、参院選に向けて真価が問われる」

「民主党が大きく議席を伸ばす一方、共産、社民両党が敗北し、自民、民主両党による「二大政党制」が実現」

 

*安定多数と絶対安定多数:「衆院の全常任委員会で委員長を出した上で、与党側が過半数か野党と同数を確保できる議席数が「安定多数」。さらに全常任委員会で与党側が委員長を出しても過半数を確保できる場合は「絶対安定多数」という。今回の安定多数は252議席、絶対安定多数は269議席となる」

 

*衆院栃木選挙区の投票率は前回比1.19ポイント減の59.82%

1区で自民元職の船田元氏が再選を目指す民主前職の水島広子氏に約2万票の差をつけ、雪辱を果たした。同じく注目の選挙区だった2区、4区でも自民前職の森山真弓氏と佐藤勉氏がそれぞれ勝利。3区の渡辺喜美氏、5区の茂木敏充氏も圧倒的な力を見せ、自民が再び全区を独占した」

 

5党の計79人が20議席を争う比例代表北関東ブロック(栃木、茨城、群馬、埼玉)は10日未明、全20議席が確定した。自由党との合併効果で得票数が最も多かった民主党が、前回の両党合計を一つ上回る8議席に達した。自民党も、前回を一つ上回る8議席を獲得した。公明党は前回と同じ3議席を確保。共産党は一つ減らし一議席となった。社民党は唯一の議席を失った。▽本県関係では、4区で落選した民主党名簿一位の山岡賢次氏と、1区で落選した同一位の水島広子氏が復活当選を果たした。////▽自民党は、比例単独に初めて回った名簿三位の西川公也氏が早々と当選を飾った。比例単独で同四位の蓮実進氏と同五位の植竹繁雄氏も、危なげなく当選を決めた」

 

「県内有権者は政権交代より、政権発足から2年半、構造改革を進める小泉純一郎首相に期待をかけたといえる。小泉人気は根強かった」「無党派層が多い『都市部で強い』といわれる民主。1区で、水島広子氏の議席を失ったのは痛手だ。『風』に頼らなくても勝てる二大政党にふさわしい組織づくりが必要といえる」

「自民独占になったとはいえ、低迷する地方経済や雇用問題を中心に県民の不安や不満は強い。負託を受けた自民の責任は重い」

水島広子「栃木1区の代表でないかもしれませんが、1区の皆さんのおかげで当選できました。国政に皆さんの声を伝えることができます」

 

「『王国』が復活を遂げた。////県内五つの小選挙区は、自民が前回失った1区を含む全選挙区で議席を独占、県内政界に再び堅固な牙城を築き上げた。////初の『政権選択』『マニフェスト』で注目された21世紀最初の衆院選は、与党・自民が底力をまざまざと見せつけた」

 

「圧倒的な現職陣営を向こうに回し、24,513票を獲得、党内の惜敗率で首位になった社民新人の松永昌樹さんだが、肝心の党自体が比例代表の議席ゼロと惨敗。新人公募候補の大健闘は水泡に帰した。▽「第三の選択肢」を訴え非渡辺・非共産層の吸収に成功したが、拉致や秘書給与問題で迷走した党への逆風は大きく、松永さんは『二大政党ブームが起きてしまった』と肩を落とした」

 

「衆院選小選挙区の県内投票率は、59.82%(男60.15%、女59.50%)。前回の61.01%を1.19%下回った。///▽衆院選の県内投票率は1996年が56.18%と過去最低を記録したが、2000年には61.01%と大きく回復。今回は下野新聞社の世論調査で、選挙への関心度が79.8%と前回より1.2%上回るなど、有権者の関心は高かった。▽投票率が伸びなかった背景には、マニフェスト選挙が県内の有権者に浸透しなかったことなどがあるようだ。県内では大半の候補者がマニフェストよりも個々の政策に重点を置き、「人物重視」という従来型選挙から抜けきれなかった。▽投票率の最高は栗山村の73.96%、最低は矢板市の52.85%だった。▽宇都宮大学国際学部の中村祐司教授(行政学)は『自民か民主かの政権選択やマニフェストの提示といった、従来の選挙にはない新鮮味に敏感に反応した有権者が存在した。一方で、相変わらず投票所に足を運ばない無関心層が、依然として根強いということが明らかになった』と分析している」

 

「旧自由党との合併を弾みに『乾坤一擲(けんこんいってき)』の戦いを挑んだ管直人民主党代表が、『政権交代』という刃を小泉純一郎首相(自民党総裁)ののど元まで突きつけた形だ」

 

「有権者は地域の疲弊は、もはや限界と感じ、候補者が宇都宮市へのこだわりを熱く示したか、クールに示したかにも重点を置いた」