021118 gensei 現代政治の理論と実際 大塚政洋 作成メモ
講談社現代新書 「北朝鮮データブック」(重村智計 著)より
序章 なぜ北朝鮮は「解りにくい」か
韓国人と北朝鮮人との違い、両国の意見の「正当性」と朝鮮戦争と金大中事件における日本の反応・評価。ソウル五輪・大韓機爆破事件からの世論の変化。儒教社会主義と韓国と北朝鮮の支配層の違い。
第一章 金日成から金正日へ
金日成将軍の登場と北朝鮮の建国、平壌での闘争。朝鮮戦争の開戦と激しい権力闘争。その後の中ソ論争と自主路線。金正日への後継指名とその間の韓国の経済発展。金日成の死去から三年間の空白。
第二章 政治 儒教社会主義国家とは何か
政府は党の下部機関であり、党は主体思想の指導を受ける。主体思想の解釈権限は金正日総書記が持つ。指導層である党員になるためには、出身成分が重要。核心層、動揺層、敵対層の三種類に分け、革新層以外からの党員は不可。
かつては国家主席ポストがあったが、1997年に金日成を永久主席とするために廃止された。
主体思想とは自力更正論の亜種、その解釈は指導者のみが行う。
第三章 経済 主体思想の失敗
北朝鮮のGDPは220億ドル(福井・和歌山件の県民総生産)あるいは440億ドル(栃木・福島県程度)韓国は5200億ドル。予算の詳細は公開されていないために不明。数度の長期計画も下方修正を余儀なくされている。
第四章 なぜ食糧難に陥ったのか
主体農法の重視による土地の劣化。トウモロコシと米のみの生産。「敵対層」「動揺層」を主とする農民層の生産意欲の低下と官僚の虚偽報告。
必要とされる米の1/3程度の収穫高しかなく、それ以外は対外援助を期待。
そのための外交交渉。
第五章 外交と南北関係
当初の要求は最大限に盛り込み、交渉決裂寸前まで相手を追い込む、一括妥協を求め、相手国の実力者に直接コンタクトを求め、奇襲作戦を敢行、原則論を長時間述べ相手を自分のペースに引き込んで、最終的に「四捨五入」的に要求を飲ませる。
第六章 軍事 弱体化する朝鮮人民軍
武器は旧化しており、石油の備蓄量も少ないため、長期間の戦闘は困難。
朝鮮戦争のように、中ソの支援も期待できず、アメリカとの戦闘も予想される。
第七章 社会と暮らし 北朝鮮国民の日常
一般生活には様々な制限があり、物資も配給制である。
終章 金正日体制の今後
権力の継承に伴う、奸臣の排斥が課題。
日本のおこなうべき対応は、きわめて繊細且つ複雑。