湾岸戦争における情報操作

 一番有名な話しが、水鳥に関するもの。ペルシャ湾に大量の原油が流出したとき、アメリカはイラクが流したと、油まみれの水鳥の映像とともに発表したが、実はアメリカがイラクの石油精製施設に撃ち込んだミサイルが原因だったということが、後になってわかった。

また、イラクがイスラエルにスカッドミサイルを打ち込んだとき、アメリカはイスラエルにパトリオットミサイルを配備した。そしてイラクからのスカッドミサイルを高い確率で迎撃していると発表していた。だが、しばらくしてわかってことなのだが、そのときパトリオットミサイルはスカッドミサイルを一発たりとも撃ち落していませんでした。パトリオットミサイルというのは、そもそも対航空機用のミサイルであって、ミサイル迎撃用の兵器として開発されたものではありません。にもかかわらず、アメリカの情報操作によって、あのとき誰もがパトリオットミサイルが弾道ミサイル防衛兵器だと思ってしまったのだ。

ある1人の少女の証言が、アメリカが湾岸戦争の開始に踏み切る間際にTVで放映された。 その少女は「クウェートに侵入したイラク兵達が、保育器に入った未熟児を投げ出して殺すのをこの目で見ました。たくさんの赤ん坊たちがそんな目にあったのです」と、身を震わせながら、涙ながらにその状況をテレビで訴えた。そのTVの放送のあとアメリカ議会は5票差の投票で湾岸戦争開始が採択されたそうだ。(うち6人以上が後に、そのTVに影響されて、開戦に投票したと証言。)まさにこれが油にまみれた水鳥の映像同様、アメリカの参戦か否かの投票に大きく影響したわけである。そんな中、その少女がクワェート駐のアメリカ大使の娘であり、しかも、ヒル&ノートンという広告代理店がその少女を起用し、TVに出演させ、そのような証言をさせたことがわかったのだった。つまり、その広告代理店はクウェート側のスポンサーから、アメリカ世論をクウェート側に同情的にし、イラクに敵対的リードすることを依頼され、そのような「やらせ」を行ったというわけである。 そこで多額のお金が動いてることは、言うまでもない。しかし、それだけでなく、そのヤラセの放送にあたって、その広告代理店はホワイトハウスの許可をとっていたのだ。ホワイトハウスが許可をだした。要するに、アメリカは戦争をすることを肯定化するために、世論を動かすように企業に指示し、国民に不信感を与えずに、湾岸戦争をしようとしていたわけだ。つまり政治でさえ、マスコミを使って人間個人をコントロールしてしまっている。


民主主義で国民主権の時代なのにその国民1人1人の内面というか精神的な部分までメディアに作られてしまっている
。 しかもそのメディアは、政府によって管理され、統合されている。結局我々は、政府の思うままに踊らされているということになるのだ。こんな状態で、民主主義といえるのだろうか?   先日ブッシュ大統領が、マスコミに対してあまりビンラディンの映像を流さないよう要請した。理由はその映像の中に暗号のようなものが含まれているかもしれないからということだったが、これだって信じうるものではない。

http://www.mydome.or.jp/dawn/dawn/medhia.htm