行政学のキーワード(6)

 

Weber, Max

1864-1920年。ドイツの社会学者。経済史、法制史の研究においてもすぐれた研究を残した。彼の基本的な課題は、近代西洋合理主義の追究にあり、社会科学の方法論をはじめとして経済、政治、宗教、歴史、法律などの広い領域にわたって多くの業績をあげ、今世紀(*前世紀)の代表的な社会科学者と目されている。ベルリン、フライブルク、ハイデルベルクの各大学の教授を歴任したが、病をえて辞職し、その後は在野にあって『社会科学・社会政策雑誌』の編集にあたり、またドイツ社会学会の創設にも力をつくした。理念型を基盤とする社会科学の方法論を展開し、価値判断論争において価値自由を主張した。////

////彼は多くの政治的論文も発表しており、ドイツを国民的権力国家たらしめるために、職業的政治家の役割を重視し、また第一次世界大戦中には無制限潜水艦戦術を批判し、戦後は新生ドイツ国家の建設のプランの建議をするなど政治的発言をおこなった。1918年にウィーン大学教授として再び教壇にたって、宗教社会学と国家社会学を講じ、19年にはヴェルサイユ講和会議に出席し、帰国後ミュンヘン大学教授として社会学と経済史を講じた。彼の社会学研究において、宗教社会学とならんで双璧をなすのは支配社会学であり、そこで彼は、支配の種類型とその展開について広く分析を加え、官僚制および大衆民主政治にたいして透徹した洞察をしめした。」(秋元律郎。大学教育社編『現代政治学事典』ブレーン出版株式会社、1991年、p.74.