1.選考方法について

 

まず初めに、私は最初からシステム開発関連の企業に絞って就職活動をしたため、ここに書いてある具体的な選考内容等は、情報系の企業のこととして考えてもらいたい。

一般的にSEの素養として求められるものは「論理的思考能力」と「コミュニケーション能力」だと言われている。このことは逆に言えば、その二つがあれば文系でも採用されるチャンスはあるという事にもなる。ただし、この「SE」という職種の定義は企業によって様々な解釈があるので、その会社がどのような仕事内容をする人をSEと言って募集しているのかを見定める必要がある。具体的な選考内容について言うと、まず適性検査で論理的思考能力が問われ、次に面接によってコミュニケーション能力が問われるようだ。

 

(1)適性検査

いわゆる一般的なSPIとは異なり、暗算や暗号解読、図形やパズルのようなものを解かせる問題が多い。こういった問題は一般に売られている参考書等には載っていないため、まさしく適性を問われることになるとも言えるが、数をこなす事によってある程度正答率を上げることはできる。

 

(2)面接(通常23回)

 主な質問内容

・自分の長所、短所について。

・あなたは周りの友人からどのような人だと言われていますか?

・社会人と学生の違いは何だと思いますか?

・なぜ今の大学、学部を選んだのですか?

・なぜこの業界を? なぜ我が社を? なぜSE

SEになるために今やっている事は?

・情報工学も学んでいないのにSEとしてやっていけるという根拠は?

・具体的にどのようなシステムをつくりたいですか?

10年後、我が社にどのような利益をもたらしてくれますか?

 

面接の対策としては、会社の基準に自分を合わせる方法と、自分の基準に合う会社を見つける方法があると言える。前者は、その会社が求める人材像を分析し、それに沿った発言を考える。これは自分の適性等はともかく、とにかくその「会社(例えばソニーなど)」に入りたいといったときに使う方法。一方後者は、面接でありのままの自分を見せてしまい、そういう人材を欲しいと言ってくれる会社を探すというもの。これらはどちらが良い悪いといったことではなく、自分自身の考え方によって変わってくるものだ。なお、当然ながら面接にはある程度の柔軟さが必要なので、杓子定規に考えずに、基本的なスタンスとして考えておいて欲しい。

 

 

 

 

2.就職活動全般について

 

就職活動中はまわりの情報に振り回されないこと。就職活動中は一人で行動することが多く、まわりの状況が分かりにくいため不安になりやすい。特にまわりで内定が出始める時期になると、自分が遅れているような気がしてくる。しかし、そこは自分は自分、他人は他人と割り切ったほうが良い。受けている業界、会社が違うのだから、内定の時期が違うのは当たり前。焦ってむやみに説明会の予定を入れるより、休みを取って気分転換を計ったりする方が良いこともある。

活動中はとにかく精神的に余裕を持って、自分のやりたいことを見極めることに時間を費やすべきだろう。多くの業界を見て回るのもいいが、やりたい事がはっきりしている人は最初から対象を絞って活動するのも一つの手ではないだろうか。最初からある程度業界が絞られていれば、自己PRや志望動機も一貫したものにしやすい。また、同じ業種の企業を受け続けることによって、自分の仕事に対する考えを深めていくこともできる。私の場合は何度も面接を受けることによって、自分のやりたい事がより明確になっていった。当たり前だが、企業で聞かれる事は自分自身のことである。自分のことというのは、自分がその会社に入ってどんな仕事をやりたいかはもちろん、なぜそう考えるようになったのか、また、その実現のために今まで努力してきた事は何かなど、自分自身の過去、現在、未来が問われると言ってもいいだろう。もう一度自分を見つめなおし、明確なビジョンを持つことができれば、必ず自分に合う企業に出会えるはずだ。