少年犯罪と少年法

          ―これからの少年法を考える―

                             国際学部国際文化学科

                             000538A 関山 典子

  この何年間、16歳前後の少年による犯罪が多発している。彼らは少年法を盾にしている。彼らは人を傷つけたり、殺したりしても、われわれの前に姿を表すことなく、何年かの軽い刑罰を受けたあと、何もなかったような顔して、社会にもとってくる。それもこれも、少年法の存在によって守られているからである。さらに最近は、少年法を利用して、犯罪をするケイスもみられるようになった。

そして、今日、少年法を改正してほしいと言う声もたくさん出てきました。私もその中のひとりである。そして今回、この機会を利用して、少年犯罪と少年法について、詳しく調べたいと思います。

少年法とは:

少年(二十歳に満たない者)の健全な育成を期し、非行のある少年に対して性格の矯正及び環境の調整に関する保護処分を行うためにある。

少年法第三条で十四歳に満たないで刑罰法令に触れる行為をした少年は家庭裁判所の審判するとあり。さらに第二十条では家庭裁判所は、死刑、懲役又は禁錮にあたる罪の事件について、調査の結果、その罪質及び情状に照らして刑事処分を相当と認めるときは、決定をもって、これを管轄地方裁判所に対応する検察庁の検察官に送致しなければならない。但し、送致のとき十六歳に満たない少年の事件については、これを検察官に送致することはできないと少年を特別に扱っている。

少年法第3節第五十一条(死刑と無期刑の緩和)では罪を犯すとき十八歳に満たない者に対しては、死刑をもって処断すべきときは、無期刑を科し、無期刑をもって処断すべきときは、十年以上十五年以下において、懲役又は禁錮を科する。第52条(不定期刑)少年に対して長期三年以上の有期の懲役又は禁錮をもって処断すべきときは、その刑の範囲内において、長期と短期を定めてこれを言い渡す。但し、短期が五年を越える刑をもって処断すべきときは、短期を五年に短縮する。また、前項の規定によって言い渡すべき刑については、短期は五年、長期は十年を越えることはできないとある。第六十条では少年のとき犯した罪により刑に処せられてその執行を受け終り、又は執行の免除を受けた者は、人の資格に関する法令の適用については、将来に向かって刑の言渡を受けなかったものとみなすと刑を軽くしてある。

少年法と少年犯罪を調べていくうちに「少年に殺された子供たち」と言うホームページから下の痛々しい文章を入手することができた。この事件の「犯人」はまさに現在の少年法の存在によって守られ、法から逃れたのである。

 宮田稔之くんの場合:

稔之君が平成6年6月30日午前3時41分にクモ膜下出血などで死亡した事件を、両親は「集団リンチ殺人事件」と表現する。さらにこの事件には、通り魔殺人あるいは無差別殺人の要素もある。16歳と17歳の8人の加害少年グループは、稔之君とはまったくつき合いがなく、グループの一人が稔之君の弟透君の顔を知っている程度の関係でしかなかった。リンチの発端は、少年グループの「ケンカでもしてえな。おまえら最近ムカツクやつはいないか?」「そういえば宮田Tがムカツク」というヨタ話。稔君は、弟に対する度重なる脅迫と呼び出しに立ち向かうべく、弟に同行したのだ。リンチの内容は凄惨で、フラフラで抵抗できなくなった稔之君が「土下座しろ」と言われても謝らないと、口からゴボゴボ出た血がノドに入って息ができなくなるまでリンチを行った。その後彼等は息も絶え絶えの宮田君をしり目にコンクリートに付いた血を洗い落としたり、布をみつけてきて、ふき取ったりして、隠蔽工作がすんでから救急車を呼んでいるのです。その間、稔之くんは脳しんとうとして約1時間放置された。その上宮田君兄弟とAの2対1のケンカだったと当初言っていたのです。

武孝和くんの場合:

  高校の文化祭だった平成8年11月3日、教室の後片づけを終えたところに複数の他校の生徒が押しかけ、「〇〇知らんか?」と何人かに聞いた。孝和君が「えっ?」と聞き返すと、16歳のAが、返事が悪いと怒りだし、襟首をつかんでなぐろうとした。とりあえずその場はおさまったが、6人が校門の近くで孝和君たちを待ち伏せていた。孝和君は友達の自転車に2人乗りで逃げだしたが、約1キロ行ったところでつかまり、空手経験者であるAから、顔面に2発のパンチと頭に回し蹴り1発をくらった。孝和君が左後頭部内出血で亡くなったのは11月15日午後11時43分。プロレスラーのような体格のAに、孝和君は教室でも校門でも現場でもひたすら謝り、まったく無抵抗だったにもかかわらず、この事件を伝える新聞の第一報には、<文化祭でけんか>という見出しが載った。

上の二つの事件のように人の命を何とも思わない悪質な事件でも、ただ「犯人」が1617の少年であるために、逆送されなかったのです。少年らは、遺族たちの気持ちも知らずに、少年法という蜜のような甘い法律の中で、のびのびと生活している。これらの事件の後ろ盾として少年法があった、被害者遺族から「少年法とは加害者を守る悪法だ」とか、「日本には少年法という法律があるので、容疑者についての情報は、たとえ被害者側にもいっさい教えられないんです」と今の少年法に疑問を胸に抱いている。そこで、今の少年法の問題点についてまとめました。

T 今の少年法の問題点

  1. 凶悪な犯罪が軽微な犯罪と一律に扱われてよいのか。
  2. 一、被害当事者にさえ事実が知らされず、裁判機能も持たない審判でよいのか。

  3. 対象年齢の見直しをする必要はないのか。

一、保護者責任は問われなくてよいのか。

II 被害者遺族による少年法改正要望とその理由:「知る権利」に関連して

一、調査(成人の刑事裁判における捜査)及び審判(同裁判)段階で知り得た事実等については、これを隠さず、被害当事者側が知りたいと意思表示をした場合は、すみやかに対応する。

一、審判段階において、被害当事者側が加害者側に意見陳述をしたいと意思表示をした場合は、この申し出を受け入れる。

ここ数年で起こった少年による犯罪事件:

  しかしこれらの少年が犯罪を引き起こした原因としては少年法の未熟だけではなく、現在日本の家庭環境にも関係があると思う。

近年、日本の少子化により、子ども一人ひとりに対する親の期待が大きくなり、子どもへの負担も大きくなっている。それらの期待に答えきれず、犯罪や自殺をする子どもが増えているのだと思う。だから、親世帯の考えから、変えていかなければ、少年法を改善しても、少年犯罪は減らないと思う。