国際学部国際社会学科

000125  佐藤奈穂美

インターネットと政府情報

21世紀の食糧問題
 

 

 


○世界の飢餓問題

 世界の人口は1999719日の1224分頃に60億人を超えました。(現在の人口はアメリカ商務省統計局の世界人口時計参照。)一方、世界の栄養不足人口は8億人以上と言われています1996111317日に「すべての人々に食料を」(food for all)というスローガンのもと、FAO本部のローマで、開かれた史上初の世界食料サミットでは「2015年までに栄養不足人口を半減させる」という具体的な目標を掲げ、その目標実現のための4つの「行動計画」を採択しました。

 

○現在の状況

世界

●世界では84100万人が飢えや栄養不良の状態にある。

●世界では毎日19000の子どもが栄養不良および関連疾患のために死亡している。

●世界銀行によると、13億人が1日の生活費1ドル以下という絶対的貧困状態にある。

インド

インドの穀物生産量はすばらしい勢いで伸びたが、その増加分は人口増加で相殺され、子どもの約2/3が栄養不良状態にある

インドのほとんどの地域で、地下水位が毎年13m低下している。

アメリカ

●米国では、20歳以上の人口の55%にあたる9700万人の成人が太りすぎである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


上の図を見ると分かるように、開発途上国と言われている国々に栄養不足者が集中しています。特にアフリカの場合は年々深刻化しているといわれています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

上の図を見て分かるように、飢餓や栄養不足で悩んでいる人々の数はまだまだ増加傾向にあります。

 

 19961113日〜17日までローマで世界食料サミットがおこなわれました。

「すべての人々に食料を」(food for all)をスローガンに史上初めて、180カ国の政府首脳が一堂に会して、大きな方向について合意し、具体的な戦略目標を含む「世界食糧安全保障に関するローマ宣言」および「行動計画」を出した。                                                      

2015年までに世界の栄養不足人口8億を半減すること」を具体的な戦略目標にかかげた。

  行動計画としては…

 1)貧困の解消と食料入手機会の向上策

 2)持続的な生産資源の管理のもとでの食料増産への取り組み

 3)途上国への支援

 4)食料安保達成のための貿易の役割

《問題点》

 世界全体で見た場合の食料需給の問題に対して、FAO等の国際機関が「2010年ごろまでは世界の需要を満たすに十分なペースで食料生産は増え続けるであろう」という「楽観的」な需給予測を行ったため、食料サミットでは、議論の焦点が「2015年までに世界の栄養不足人口8億を半減する」という分配の問題に移ったこと。 

                                 

●日本政府がおこなっていること

日本では、開発途上国の食糧問題は基本的には開発途上国自らの食糧自給達成努力により解決されることが重要との観点から、途上国の増産努力を支援するための食糧増産援助として、昭和52年度以来、肥料、農薬、農業機械等農業資機材を途上国が購入するための資金を供与してきている。

 


・下の表は食糧増産援助地域別配分をあらわしたものです。

アフリカにしめる割合が多いのに、どうして栄養不足者が減らないのでしょうか?

 

             国際飢餓対策機構の活動より                 

1分間に28人(うち21人が子ども)

 

1日に4万人

 

1年間では1,500万人が飢えのために生命を失っています

                                 

                            

全人口6,500万人の内、45%が貧困層だといわれるフィリピンで、貧困から脱出するためのひとつの鍵は「教育」である。

 フィリピンではごく一部の上層部の人々が高い教育の機会に恵まれるだけで、貧困層の人々が子どもたちを学校へ通わせることは難しい貧困は非識字者を増やし、就職を困難にし、貧困の悪循環を助長する。

 国際飢餓対策機構/フィリピンは1991年から、高校までの勉強を終え、大学進学、もしくは職業訓練校への進学を希望する子どもに奨学金制度を用意している。この奨学金の一部には、里子やその家族が参加するチャリティーコンサートやキャンドルサービスの収益金があてられている。

「教育」は貧困と闘う人々にとっての希望である。しかしその希望を支えるのは、ただ「与えられる」のではなく、自ら「与える」ことを通して、仲間の夢の実現に協力する子どもたちの心である。

フィリピンの里子と家族(ブリハン地区)

 


世界の人口が年々増加していく中で深刻になっていく食糧問題。食糧問題の起きる背景には先進国に住む私たちの贅沢もあります。農民の人が作った作物は豊かな私たちにほとんどいってしまい、貧しい人々にはまわってこないそうです。

これからの21世紀は無駄な食料輸入を減らし、すこしでも貧しい人々にいくようにするべきだと思いました。

 

 


http://www3.alpha-net.ne.jp/users/kitoh/KITOH4.HTM

http://www.fhi.net/jifh/

http://www.asahi-net.or.jp/~vl6a-ymmt/hunger.htm

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/nenji/n8_3_9.html

 

 

上のホームページは食糧問題や貧困問題に関心のある人にとっては、いい資料になります。政府機関のまとめたものや諸外国でまとめたものもあり、世界で比較することができます。                                       (佐藤奈穂美)