2023年12月 中村祐司の教育日誌
23/12/04. Mon.
外国語文献講読
“Azerbaijan may have won the war, but now a bigger test begins”と ”What should be done with art that is seen as racist?”を読む。前者はロシア・ウクライナ戦争、イスラエルのガザ地区侵攻の今だからこそ読む価値があったし、後者では芸術をめぐる根源的な問いが突き付けられた。あと若干名でいいので自主・積極的な参加があれば。
スポーツ・余暇政策
教科書は第4章をもう一度振り返り余暇領域に踏み込んだコラボ事業の提案。後半は若年層の転入の理由とどこで働きたいのか、の二本立てで対話を行った。前回の反省から次回の説明に少し時間を割いた。
担当1回のオムニバス授業が回ってきた。スポーツを含むセクター間コラボの重点を置く。グループ討議と各グループの受講生によるアイデアの板書という形を取った。最後時間が押してしまったが、最初の席替えも含め、それなりの痕跡は残せたのでは。
3名欠席(体調不良)、2名遅刻に直面して急遽方針を変え、参加者全員での修論チェックの時間とした。教員として高揚したりがっくりしたり、感情の上下の起伏が激しいゼミとなった。これからは自分の文章と文献からのまとめや引用との峻別がないと、論文として認められなくなると思う。この点の認識を最終的に全員で共有できたことが大きい。
23/12/11. Mon.
外国語文献講読
大学のネット接続がすんなり行く幸先の良いスタート。“Hamas mines the depths of inhumanity; Israel must not”と”Gaza’s 75 years of woe: A brief history of major events in the coastal strip”を読む。今回はとにかく二本読み終えることを目標にかつ全員に当てる形で進めた。期せずしてこれがチームワークの発揮につながった。10月中旬の社説内容が、かえって現状の悲惨さ・深刻さを浮かび上がらせた。
スポーツ・余暇政策
教科書は第5章の前半。地域スポーツと余暇を掛け合わせたイベントを提案させた。もう一つのグループ対話はPark-PFIを取り上げた。当たり前のように存在している県営都市公園の運営をめぐる課題を受講生は把握できたのではないか。当日資料は若者のフリーランスとしての生き方について。どのグループも静まり返ったのは、就活と重なって心に響いたからだろうか。
現代政治の理論と実際
授業成立最少人数という宇大赴任以来初の経験。しかし、このことが相互の頻繁な会話のやり取りと対話の深まりにつながった。市政参加は行政だけでなく議会も有益な対象となり得る。卒業後何をやりたいかについても互いにかなり突っ込んだ対話ができた。ミニマム構成の授業(ある種の個人的授業)も悪くないなと思った。
ゼミ論・卒論・修論・博論指導
教員にとっても卒論生・修論生にとっても、論文提出(研究室内締切)日という大きな節目となる日。残念ながら体調不良で複数の欠席。しかし提出は全員からあった。来週はゼミの時間を使って、一対一での指導を予定し面談スケジュールを提示した。早めに精読に入りたいがその時間がなかなか取れない。
23/12/18. Mon.
外国語文献講読
“Possible Israel-Hezbollah war hinges on ground invasion”と“Japan’s gender gap has never been wider. Can Kishida close it?” を読む。前者はイスラエルとヒズボラの対立においてレバノン、シリア、イランといった国が後者に絡んでいる事実を記載したもの。後者は専門分野にまで分け入ってジェンダーギャップを数値で裏付ける内容だった。力強い訳に転化した受講生が2名増えたのが嬉しかった。
スポーツ・余暇政策
前半の課題は、現在の大船渡市赤崎グラウンドと余暇活動提案をつなげたもの。後半の課題はネットに触れずに、経験と記憶にもとづくエッセイの作成。昨日思い付いて、エッセイすべてを共有するようにした。慣れない小型ノートパソコンでの作業に追われ中身は読めなかったが、ぱっと見て優秀エッセイ二つを紹介した。課題にしっかり向き合う受講生を信じなければと反省した。
現代政治の理論と実際
昼休みにオンライン会議が入り、慌ただしく教室に入る。テーマは選挙における候補者の政策。車座談義の対話が知的刺激をもたらし、心地良さすら感じた。思考的対話が成り立つのは多くて3-4人かもしれないと思った。
ゼミ論・卒論・修論・博論指導
丸2日近くかけて読んだ卒論4本と修論3本について、個々に面談し修正内容を確認した。正直留学生の文章修正はきつかったが、今やっておかなければ間に合わなくなる。卒論とは時間の掛け方が異なり、卒論生に対してすまないという気持ちに襲われたのも事実だ。1週間遅れたが、まちづくり提案の研究室HP掲載作業もスタート。
23/12/25. Mon.
外国語文献講読
“China aims to remake the world with development aid”と”Putin’s defeat must be the goal of every democracy”を読む。共に緊張感を孕む内容。前者の一帯一路にしても、後者の対ロシア戦略にしても、地域の摩擦が世界のそれにつながっている。先手先手の考えで、来年3回の英文をすべて受講生に公開した。
スポーツ・余暇政策
本日の出席の「重み」を受講生に知ってもらいたかった。前半は教科書の内容とつなぐ形で、南三陸町で現在、地域スポーツの拠点づくりに励む若者の奮闘について受講生に考えさせた。後半は日光市のバリアフリーマップを提示し、その工夫が凝らされた内容の把握を行った。当日資料は多めの新聞切抜きを提示。最後に「重み」(先手先手のやり方)の中身を説明し、次回以降3回の授業資料を公開した。
現代政治の理論と実際
まさに鼎談といった形での意見交換の授業となった。受講生がやってきた課題を自ら報告した後、車椅子アクセスをめぐる国情の違いや、介助者から見た場合の情報把握の大切さや現場で直面する移動をめぐる具体的な障壁などについて、対話を深めることができた。各々の研究活動についても言及した。同じく次回以降の授業資料を公開した。
ゼミ論・卒論・修論・博論指導
泣いても笑ってもいよいよ大詰め。卒論と修論の教員からの最終チェックの提示、研究生・修士1年生からの報告、残り3回の研究室活動と各々の発表会などの日程確認を行い、残された僅かな時間でまちづくり提案の研究室HP掲載作業。最後のHP掲載作業は教員が退出するわけにもいかず、結局、担当者3名が凄い追い込みと技能の伝達・吸収を見せて、17時頃に完成させた。まさに今後の研究室活動の継承につながる、意義深い「クリスマスプレゼント」をもらった。