2022年7月 中村祐司の教育日誌
22/07/04.Mon
行政学
教室にあるボックスを空けて、HDMIケーブルを探すがない! 事務室に確認しにいくと先週も含め入っていたのこと。わざわざ来てもらうと一瞬のうちに発見。何ともばつが悪い思いをした(手伝ってくれる研究生のせいにしてはいけない)。レジメは予算編成と会計検査院。教科書は震災対応における政官民関係。前者も後者(コラム)も次回で終えることになる。新聞雑感をめぐる対話。今週中に課題提出と期末試験についての確定版を事前に用意しおかなければ。
現代政治の理論と実際
HDMIケーブルに代わって、今度はスリープ状態にしていたはずのノートパソコンが立ち上がらずに焦る。大学のネットにつなぎっぱなしにしたままのスリープ設定はまずいのかもしれない。電源を強制的に切ってからやり直すと立ち上がりほっとした。1昨日来のauの通信障害でもそうだが、いざという時に電子機材が使えなくなるは、恐い。ウクライナ危機については最初に口頭で短く教員の問題意識を述べ、すぐに参院選選挙区の当選予測に入る。とくに受講生のSNS分析には教員も学ばせてもらった。
地方自治論
せっかく早めに陽東の研究室には入ったのに、着替えに手間取ったのと、さらに急な所要が入り、少し悔しい思いと混乱気味の気持ちを引きずったまま教室に入る。今度はプロジェクターが機能せず。仕方がないので確認キーを板書。参院選当選分析は2コマの受講生と重なる見方もあった一方で、さすが上級生と思わせる指摘(SNSが有権者に及ぶす影響力の考察など)もあった。今日は次の4コマにゼミ3年生と修士1年生・研究生の個別指導が入っていたが、既にこの時点で頭も体も働きが鈍くなり、あきらめ感を伴って体を引きずるように研究室に戻る。
コミュニティデザイン演習・卒論指導・修士課程・博士後期課程指導
個別指導がどうしても延びて、ほぼそのまま教室に入る。2名から力の入った報告。個別に伝えるべきことと、全員に伝えることが錯綜し、一瞬何を話せばいいのかわからなくなる。感触的にはプライベートに踏み込まなければ、とくに留学生の場合、1対1で伝えるよりも複数の間で情報共有した方がよいと思うようになった。終了前に時間を作って、その後は3年生の間での打ち合わせや、研究室に戻っての抜き刷りの手渡し(対象は修士2年生と学部4年生)を行う。つくづく昨日は苦労して配布する抜き刷りの仕分け(袋詰め)をしておいてよかった。また、研究室の机をそのまま水平にずらすことにより、ソファーに座る人の僅かなスペースをつくる方が賢明だということに、今さらながら気付いた。
22/07/06.Weds.
地域デザイン実務U
自分の担当としては地実Tの3名と本日の地実U3人目のゲストスピーカーをお招きしたことで、役割に一区切りが付いた。文は人なりというが、この授業ではまさに話しぶりや質問への応答など、内容だけでなく、ゲストスピーカーの方の振る舞い等からも、受講生は多くを学んだはずだ。次回以降の3回は同僚教員の担当となるが、気持ちよく引き継ぐことができ、ほっとした。
22/07/07.Thurs.
スポーツ社会学(白鴎大学)
ノートの書き方を再確認し、定期試験に向けた準備内容についても説明。授業の前半では、東京五輪研究を開始した9年前の当時のポジティブ感覚が蘇ってきた。板書事項は再び中学部活の地域移行。果たして「新たな地域スポーツ体制を創造する好機」となるのか、まさに分岐点に位置するのだろう。
スポーツ行政論(白鴎大学)
同じく冒頭でノートと試験について大枠を説明。スポーツ社会学でもそうだったが、この授業中にも、東京五輪でできなかったことをとちぎ国体で実現することは可能では、と本気で思い始めた。「だめだ、だめだ」よりも「できる、できる」と向き合うことで、教育でも研究でも何かを得ることができるし、前に進める。板書事項は、茨城の三つの基礎自治体(守谷市、境町、阿見町)の果敢ともいえるスポーツによる街づくり事例を紹介した。最後の僅かな時間で、都心の高層ビルの勤める複数企業社員間での綱引き大会の醍醐味について述べた。
22/07/11.Mon
行政学
これだけ授業開始前に余裕を持てたのは4月以降初めてでは。気のせいかゆったりとした気持ちで始めることができた。元首相銃撃事件に触れた後、最後のレジメ(官房3課による行政資源の集中管理と行政統制)、教科書最後のコラム(「書くという行為」)で一区切り付けた後、課題提出と期末試験について丁寧に説明。新聞雑感をめぐる対話も盛り込む。再来週ではなく、この段階でここまで提示できてよかった。
現代政治の理論と実際
同じく亡くなった元首相の矜持に触れた後で、昨日投開票の参院選の選挙区候補者について当落の予想と結果を示し、その受け止め方を受講生から一言ずつもらう。3回に及んだが受講生による候補者SNS発信調べとそれにもとづく当落予想は、貴重な機会となったはずだ。最近教員が執筆した政党の政策と個人の政策に焦点を当てた論考も紹介課題提出についても、少し丁寧気味に説明の時間を取った。
地方自治論
急に気温が上がったようで、早く早くと思っても体が言うことを聞かない。出席は後回しにして、参院選選挙区当落予想の準備に充て、元首相に言及した後で、結果についての感想・コメントをもらう。候補者像の捉え方や幅広の視点からの位置づけなど、1年生との見方の違いも随所にあり興味深かった。駆け足で自分の原稿(政党の政策と個人の政策)を紹介し、残りの僅かな時間で課題提出についても何とか説明できてよかった。次回前半はゼミ生によるpeer to peer授業を行う。
コミュニティデザイン演習・卒論指導・修士課程・博士後期課程指導
今回を予備日に設定しておいてつくづくよかった。まちづくり提案に向けた準備の方向性や各々の研究作業の中身について共有を図った。前期最終回となる次回は再来週となるため、緩やかであってもこのようなやり取りや確認ができてよかった。ゼミも4月の初回以降、週単位で活動をずっとやってきたので、ここで一息付けるのは大きい。
22/07/14.Thurs.
スポーツ社会学(白鴎大学)
前半は東京五輪が新たな公共圏を形成する期待を込めた原稿の前半を対象にする。後半は、Jリーグのガイナーレ鳥取やカターレ富山による「シャレン」(地域社会連携)の実践を紹介する。バレーボールVリーグのリガーレ仙台にも注目した。監督の「自分を育ててくれた宮城県に、キャリアの全てをもって恩返ししたい」との言葉が心に残った。
スポーツ行政論(白鴎大学)
前半は東京五輪が日中韓スポーツガバナンスに及ぶす影響を対象とした原稿の前半。後半は、宇都宮で開催されたバスケットの「3×3」の経済波及効果、近代五輪五種へ「SASUKE」が採用される可能性、ラケット競技「パデル」の魅力と授業への導入、ピックルボールを使った新たなまちづくりを紹介した。とくに最後の「フレピック通信」はチャレンジ精神溢れる地域情報誌のパイオニアだ。
22/07/21.Thurs.
スポーツ社会学(白鴎大学)
レポート(スポーツ社会学ノート)の提出環境について確認した後、前半の東京五輪関係ではコロナ禍以前に想定された課題の整理を、後半の板書事項では部活の地域移行をめぐるさまざまな現場の声を取り上げた。「最大で最後のチャンス」には財源や人材など難題が立ちはだかっている。また、とくに地方政治(地方議会)と関わりについて気付かされた。
スポーツ行政論(白鴎大学)
同じくレポートについて確信した後で、前半は日中韓の良きスポーツガバナンスがアジアのスポーツガバナンスに及ぼす新たな可能性について、後半の板書事項では「サイクルシーズ」が子どもたちに与える多元的な教育価値について注目した。教育の対象年代こそ異なるものの、日ごろ大学生と接する者として、示唆に富む実践とスタンスに圧倒される思いがした。
22/07/25.Mon.
行政学
講義としては前期最終回。東京五輪の諸課題(国立競技場建設など)と参院選栃木選挙区の立候補者の政策について、各々の対話形式で進める。レジメ行政学の全体の見取り図を提示した後、新聞雑感についても対話を行い終了。一区切り感はあったものの、コロナ感染の再拡大もあり、来週の期末試験までは気が抜けないのも事実だ。
現代政治の理論と実際
ウクライナ危機をめぐり、西側諸国に厳しいスタンスと取り続ける論者の主張に反論する機会を作った。受講生からは、よって立つ論拠や情報源に疑問の目を向ける複数の指摘が挙がった。この授業ではカリキュラム編成の関係かコミュ学科の学生がほとんどで、それが授業展開の広がりに寄与したことは間違いなく、教員側も学ぶことができたことが、とくに嬉しかった。
地方自治論
相当余裕を持ったつもりではあったが、機材設定などで少し遅れてのスタート。Peer to peer授業の実践(前期ゼミ論4本をもとに、執筆したゼミ生と受講生グループとのやり取り)。反転授業の面でもうまくかみ合った展開になった。後期の授業でもこうした機会を持ちたい。新聞雑感について対話して終了。現政と同じく、かなりのやり切った感と安堵感が同時に心に迫ってきた。
コミュニティデザイン演習・卒論指導・修士課程・博士後期課程指導
先日、余剰のファイルなど大変な思いで19人分仕分けしておいてよかった。全部ではないが、喜んで受け取ってくれた(と思う)。前期最後のゼミ・研究指導。次回となると正式には10月上旬だ。夏休みの研究課題について全員から報告。コロナ禍はしつこく続いているが、10月からはリモートを使わない環境もようやく見えてきた。メンバー全員にやる気があるし、前期最後に大きな区切りを何とか付けることができた。
22/07/28.Thurs.
スポーツ社会学(白鴎大学)
どうにか講義最終回までたどり着いた。前半はスポーツ庁の設置をめぐる議論や課題など。後半は部活の地域移行をめぐるお金の問題(中高生、保護者、民間事業者のコスト負担をめぐる意識の違い)を対象とする。地域移行が不可欠な時代的趨勢だとすれば、それを担うのはとくに教育学部(スポーツ・健康専攻)のまさにこの受講生ではないかと八波を掛けた。これが授業最後のメッセージとの思いを込めた。
スポーツ行政論(白鴎大学)
前半は回りまわって順番がめぐってきたような形となったが、新国立競技場建設問題。良くも悪くも首相官邸主導の契機となっただけに、先祖返りのようなドンピシャのタイミングとなったかもしれない。板書事項では、最初に義足のスポーツマンによる障害者スポーツの草の根振興の奮闘を紹介。残された僅かな時間で、頭出しで終わったものの、情報取得のきっかけとの思いを込めて、コバルトーレ女川、那須ブラーゼン、浦和レッズ、アルビレックス新潟、湘南ベルマーレ、みんなの鳩サブレ―スタジアム、大田原ソフトボールパーク2022を紹介した。
(*その後、8月に入って、1日(月)の行政学試験、3日(水)の地実Uの振り返り、4日(木)のスポ社とスポ行の試験もどうにか無事終えた。8月初旬現在で試験採点や成績付けがまだ残っている。早めに取り組んだ方が尾を引かないのはわかっているが、自治体の委員会なども目白押しで、伸びきったゴム状態の中であまり無理してもいけないと自分に言い聞かせた)。