20226月 中村祐司の教育日誌

 


 

22/06/02.Thurs.

 

スポーツ社会学(白鴎大学)

前半は、政府の東京五輪有観客拘泥をめぐる受講生の考えを聞く。後半(板書事項)は、部活動の地域移行について。父兄の一部が「陰の部員」と呼ばれていることや、人手や報酬の問題など、乗り越えなければならない課題の山積を知る。板書そのものはラフになったが情報の出し惜しみをしなかった分、この意義のある難題が受講生に届いたかもしれない。

 

スポーツ行政論(白鴎大学)

前半は、コロナ禍が深刻になる中での東京五輪の対応。後半(板書事項)の一つ目は、元サッカー選手によるセカンドキャリアによる就農とは異なる、農業への熱い従事。二つ目は、J3(ガイナーレ鳥取)による補助金に頼らない市民開放の自前スタジアムの魅力。共通の価値はスポーツを通じた地域の人々の間での末広がりの交流だ。来週ぐらいまでは爽やかな風を味わえるだろうか。

 


 

22/06/06.Mon

 

行政学

C-Learningを用いた中間試験の実施。おそらく受講生よりも教員の方が緊張したと思う(30年近い教員歴で初の電子媒体を用いた試験)。結果は驚くほどスムーズに行った。その勢いで官僚制組織の作動様式の肝の部分(組織分掌の編成・専決権の割付構造、情報伝達の経路数・方向性・太さ)を説明。40年以上も前の予備校時代に漢語の授業で習ったみかん「と」今川焼「と」がつい口から出てしまった。後半は新聞雑感をめぐる対話。価値観をめぐり母との関係を悩む若者について考えさせられたとの声が多かった。

 

現代政治の理論と実際

デジタルメディアからウクライナ問題の識者による分析を対象とする。経済制裁、戦争の行方、世界各地への影響など、危機的な複数の課題を錯綜していることを共有できた。ことウクライナ危機に関しては、「1年生だから・・・」とか「4年生なら・・・」といった教員からの捉え方はまったく意味がないことに気付かされた。珍しく今週は、所属学科の1年生とは地実Tや序論でも対面予定だ。

 

地方自治論

前回に引き続き、移動をめぐる自分の気持ちの面での課題が明らかになった。それは、急がなければいけないとは頭では分かっているものの、それとは反比例して動きが緩慢になってしまうことだ。このあたりが年齢の壁なのかもしれない。雨の中、ぎりぎりで教室に入る。緩やかなグループが崩れてしまい、やり直しに手間取ったものの、結果的にはその手間が意見の深みにつながったようだ。先が読めない中で、ウクライナ危機をめぐる世界の迷走とその長期化を正面から受け止めなければならない。

 

コミュニティデザイン演習・卒論指導・修士課程・博士後期課程指導

4コマに新年度に入って初めて対面がかなった社会人院生が来室。強く思ったのは、職種にかぎらず、各々の仕事の現場での責務の重さや価値、それだからこそのやりがいなど、学部生・院生にはすぐに理解できなくても、折々に社会人院生から伝えてもらいたいということ。発表者の報告後に、先日情報を得たまちづくり提案について説明し、参加者と経験者だけで打ち合わせの時間を作る。他の院生とは別室で研究活動の確認。その後戻ると、全く予想していなかった三つのグループで参加したいとの、教員冥利に尽きる意欲的な反応。研究室活動は教員にとっても学びの場だ。

 


 

22/06/09.Thurs.

 

スポーツ社会学(白鴎大学)

とくに若い世代ではコロナ禍収束とはほど遠い状況のようだ。対面授業を継続するためにも油断は禁物だ。前半は東京五輪とコロナ対策との相関と有観客固執の是非について。自分としては辛抱強く受講生の応答を待つと複数の鋭い発言(五輪コロナ対策が本来のコロナ対策に及ばした悪循環など)があり力が湧いた。後半の板書は部活動の地域移行について。まさかスポーツ賭博とつながってくるとは・・・・。教育に一家言ある受講生にとって聞き捨てならない案ではないだろうか。N新聞のスタンスは果たしてどうなのだろうか。

 

スポーツ行政論(白鴎大学)

スポーツ立国戦略、基本法、第1期・第2期基本計画と地方創生(第1期・第2期総合戦略)との絡みについて、受講生間の対話を取り入れる。その後の教員とのやり取りには、記載した政府の責任を問う意見など気づかされる点があり、後半の板書の時間がなくなる。授業は生き物なのでこういう展開があってもいいのでは。ただし、この部分のノート記載は不要な旨、教員側が把握しておかなければ。思川から流れ来る風がこれほど心地よいとは。

 

地域デザイン実務T

 最終回は振り返り。最初はガイダンス、その後は6回連続のゲストスピーカーを迎えた講話と質疑応答。受講生の手応えを感じ、これまでの疲れが一気に吹き飛んだし、早くも来年度に向けての活力をもらえた。カメラが映らなかったりなど、進行上のトラブルはいくつかあったものの、誠意を持った準備をすれば、この授業の持つ独特の価値は伝わるのだと確信できた。

 


 

22/06/13.Mon

 

行政学

旧研究室の備品(書籍)の整理のため、1昨日と昨日に続き早朝に峰キャンパスに向かう。教室が早い時間帯から使えることを発見。学生は月曜1コマ開始前のこの貴重な空間を有効に活用してはどうか。追試(1名)を実施。レジメは面従腹背と取り締まりをめぐる直接・間接便益の考え方。教科書は地方選挙と紙媒体(コラム)。後者と雑感のマスクをはずす機会について対話を実施。教員と受講生とのやり取りも。説明の一方通行だけは避けたい。

 

現代政治の理論と実際

ウクライナ危機をめぐる新聞上の識者による分析が尽きない。必然的にこのテーマが継続することになる。インフレなど生活上の実感はじわじわといった感じだが、当該地域だけでなく世界規模で大変な事が起こりつるあるのがわかる。新聞雑感ではコロナ禍改善後のマスクとの向き合い方について対話。たかがマスク、されどマスクでいろいろと考えさせられる。

 

地方自治論

急がなければという気持ちよりも、体の動きの鈍さへのあきらめの方が上回ってしまっている。それでもすべて青信号に恵まれ、時間前に教室に入るも、機材の設定がすんなりとはいかず少し焦る。自治体の総合計画を素材に緩やかに配置した8つのグループ毎に対話と提案。新聞雑感を対象とする時間はなくなってしまったが、総合計画が日常の行政サービスとつながっていることを前提に話が進んだのが収穫。

 

コミュニティデザイン演習・卒論指導・修士課程・博士後期課程指導

 原稿作成に向けた最終ステージに入った。メンバーの発言に積極性が出てきたのが大きい。聞きっぱなしのメンバーはもう僅かだ。まちづくり提案のグループ分けも決まった。オンライン参加も継続して凌いで凌いで国をまたいだ研究室活動がどうにか維持されている。他者の知的エネルギーを自分の力に変えることのできる環境(曼荼羅パワー)が整いつつある。

 


 

22/06/15.Weds.

 

地域デザイン実務U

 初回はガイダンス。8回の授業の流れ(ゲストスピーカーは間の6回)と課題について説明。教員側は地実Tに続き、息付く暇もないが、受講生からすればこのスタイルでの授業は1年生前期以来だし、自ら選択した科目だ。毎回毎回を大切に進めていこうと改めて気を引き締めた。この教室を使うのは3年ぶりか。事務局の方が教室の仕切りやスクリーン設定をしてくれるのが大助かりだ。

 


 

22/06/16.Thurs.

 

スポーツ社会学(白鴎大学)

 前半は東京五輪の書籍につながった最終原稿をもとに大会期間中のコロナ禍・無観客対応について、後半の板書事項は部活動の地域移行(展開)を取り上げる。これまでの部活動を長年にわたって支えてきた人物の言葉は重いと思った。確かに授業のテストなどでは数値化できない「非認知能力」の養成を担ったのは部活動なのだろう。

 

スポーツ行政論(白鴎大学)

東京五輪の国立競技場建設と大会経費をめぐる問題を指摘した後に対話に入ったが、残念ながら受講生には戸惑いの思いが強かったようだ。後半の板書事項(Jリーグチームの地域密着事例としてスタジアムの多機能利用)については強い関心を呼んだ。おそらく前半と後半の授業の差は、観念的な要素の有無にあった。

 


 

22/06/20.Mon.

 

行政学

猛暑とまではいかないが、じっとりとした高温多湿の日。レジメは政策学に入る(評価基準と実現可能性)。教科書は第8章のマイナンバーとコラム10(緑のスペースとは)。後半は対話形式で実施。マイナンバー導入についは前政権の圧に近い影響は学生も体感したようだ。コラムについては稲穂の黄色を「緑のスペース」にたとえた受講生がいて感心した。空調を工夫したつもりが、窓際と冷気の吹き出し口の影響は制御できないと悟った。

 

現代政治の理論と実際

ウクライナ危機をめぐる識者の分析は、長引けば長引くほど鋭くなっていくようだ。教員も受講生もこの重大問題に向き合う長期的な胆力を試されているかのようだ。後半は次回以降のテーマである参院選における候補者のネット発信の進め方を説明。受講生からは、SNSならお手の物といった雰囲気を感じた。楽しく参院選を見抜く視点も大切だ。

 

地方自治論

2コマが時間いっぱいで終了。這うようにと大袈裟だろうか。急ぎの昼食と急ぎの移動(ただし、信号には忠実に)。教室に入って、そのまま東京五輪をめぐる課題について何も見ずにしゃべる。受講生の真摯な受け止めに、心の中の整理と区切りが付いた。後半は次回以降、ワークショップ形式を取り入れる参院選学習の進め方を説明。グループの数と割り振りを間違い焦るが、咄嗟に分属という形で解決。南側と東側の「緑」はまだまだ瑞々しくて、この贅沢な「スペース」で授業を行う喜びを感じた。

 

コミュニティデザイン演習・卒論指導・修士課程・博士後期課程指導

最初にまちづくり提案について、先週三つのグループが決まったため、本日の4コマの話し合いについて報告してもらう。その後5名から報告。昨日試験を終えたばかりの4年生の報告には頭が下がる思いがした。13カ月もの間入国できないでいる留学生院生の前向きな報告にも力をもらえた。各年代が揃う多層の歯車がいよいよ回り始めた。

 


 

22/06/22.Weds.

 

地域デザイン実務U

 ゲストスピーカーを迎えた1回目。講話に続き、質疑応答のあたりから受講生の顔が見る見る変わってきた。とくに地方公務員を目指す受講生の心に刺さった数々の指摘があったからだと思う。先週初回のガイダンスでは、受講生の反応がなかったようにも思え、少し心配していたが杞憂であった。このスタイルの授業では内容以外にも、受講生とゲストスピーカーとのやり取りの有機的な展開、事前の連絡調整、運営準備など担当教員も多々学ぶことのできる場となっている。

 


 

22/06/23.Thurs.

 

スポーツ社会学(白鴎大学)

 前半は自分の最終原稿を素材に、コロナ禍・無観客東京五輪の総括を受講生に問い掛けた。後半は、公立中学部活の地域移行と必要な財源をめぐるスポーツ賭博の是非について考える。地域スポーツの核として中学校の存在は欠かせないという主張には説得力があった。その一方で成長産業としてのスポーツビジネスに目を付けた経産省の仕掛けについても一方的に悪者扱いはできなかもと思った。

 

スポーツ行政論(白鴎大学)

前半は東京五輪をめぐるコロナ対策調整会議の機能不全と開催をコロナ対策よりも優先した意思決定、さらには有観客か無観客かの二択を打ち出し、開催を死守した姿勢そのものについて考えた。後半は、全米女子サッカーでの優勝に貢献した地元出身の留学生の学び、栃木プロレスの社会貢献、屋内温水プールの室温を活用したバナナの育成と活用、人口減少と高校存続に対応する女子硬式野球部(監督1人、部員2人)の奮闘を板書した。

 


 

22/06/27.Mon.

 

行政学

信じられない猛暑。まだ6月なのに。加えて教室のHDMIケーブルがなくなっている不運。切り替えコネクタを事務でもらい、事なきを得た。レジメは政策学に入り、行政授業と法令案作成の意思決定過程。次回の予算など、どうしても押さえておきたいところだ。教科書は第8章の議会基本条例とコラム12(北関東観光の魅力)。事前に行政学ノートを作成して来ている受講生に共通するのが応答の力強さだ。次回は席替えから入ろうか。

 

現代政治の理論と実際

変換ケーブルなどを事務室に返して行ってから、授業開始。室内気温が上昇しやすい教室なため電力ひっ迫状況がいわれる中、体調とのバランスを考えて気持ち分、設定室温を下げる。ウクライナ危機をめぐる切抜きは継続するものの、説明の時間はほとんど持てず、参院選選挙区をテーマに候補者のSNS発信に注目するワーク形式の強い授業が今日から数回の予定でスタート。Teamsの共有機能も受講生はすんなりと受け入れ、このあたりの柔軟な対応に世代間格差を感じざるを得なかった。

 

地方自治論

峰キャンパスから陽東に向かう10数分の自転車移動だけで、汗が噴き出た。一番まいったのがコンクリート道路からの暑さの照り返しとお尻に伝わる黒いサドルの熱さ。焦って研究室で着替えて教室に入るもどうしても遅刻。加えて今日は「ケーブル厄日」なのか、HDMIのケーブルが不調なのか、映ったり映らなかったり。同じく衆院選をテーマとするが、この授業でもTeamsを作成しようと色気を出したのがいけなかった。慣れないノートパソkンの作業に四苦八苦しながら終わったと思ったその瞬間、ネット接続が切れて作業分の半分以上が消えてしまう。それでも僅かに残った時間で、共有機能を使った報告ができたのが救いだった。

 

コミュニティデザイン演習・卒論指導・修士課程・博士後期課程指導

4コマにゼミ生に参院選取材が入り、朝から切れ目のないまま教室へ。各報告もいよいよ最終局面に入ってきた。今日のような活発で形式を超越した意見が出るのは、教員が一番望むところだ。ネット接続については、接続のための最初のトップページから入ることが肝だと痛感。そうしないと見かけの接続がしばらく続いた後で、接続が切れてしまう。ここに来て4コマの有効な活用策の具体像が見えてきた。

 


 

22/06/29.Weds.

 

地域デザイン実務U

 今週はHDMIケーブルの「厄日」が2日間(授業数では3回)となった。遠慮がちに短いケーブルが差さっていて、そこはかとない違和感はあったのだが、恐れが的中し、長めのケーブルが壊れていた。ゲストスピーカーのZoomアクセスは最後の音声の途切れを除けば順調で、質疑応答も受講生の咄嗟の発案に助けられ、スクリーン上に11の雰囲気が良く出たものとなった。講話でも質疑応答でも、受講生はゲストスピーカーの引き出しの多さと内容の濃密さに衝撃に近い前向きの刺激を受けたはずだ。

 


 

22/06/30.Thurs.

 

スポーツ社会学(白鴎大学)

 前半は自分のポジティブスタンスの東京五輪原稿を素材に、招致活動や開催決定との絡みでのスポーツ庁の設置などを対象にした。後半の板書事項は、リーグワン(ラグビー)、Vリーグ男子(バレーボール)、WEリーグ(女子サッカー)が抱える課題(収益面など)と価値(社会貢献など)について考えた。次回あたりで、課題提出と期末試験についての概要を説明する予定。

 

スポーツ行政論(白鴎大学)

前半は東京五輪をめぐる国際レベルからコミュニティレベルに及ぶインパクト機能について、後半は基礎自治体における「水球のまち」の果敢な取り組みと「アジア圏の水球の聖地」を目指す「国際化に特化した地域づくり」の実践に注目した。同じく次回あたりで、課題提出と期末試験についての概要を説明する予定。

 


 

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