20225月 中村祐司の教育日誌

 


 

22/05/02.Mon.

 

行政学

早めに教室に入って珍しく準備に余裕が生じた。レジメは制度学、管理学、政策学の捉え方と分権・分離の政府間関係の理解。ところが次の教科書で連休の影響もあるのか、部数が不足していて購入できていない受講生がかなり多いことに気付く。それでも進まざるを得ないと判断。コラムは2本目の自転車をめぐる経験談についての対話が盛り上がったようだった。レジメの解答提示などようやくペースがつかめてきた。次回は法務行政がテーマ。

 

現代政治の理論と実際

ウクライナ危機をめぐる新聞切抜きの区切りがなかなか付かない。それほど大変なことが世界で起こっているということだ。受講生も必死に考えている。突然の地震などはともかく、安全が脅かされないキャンパスで学べるありがたさを痛感した。投げやりな思考だけは止めようと誓った。受講生全員がノートパソコンを持参。その向き合い方に触発されて、自分でもまだわかっていないTeams会議を立ち上げると、さすが何名かは早速画面の共有機能に入ってきた。リモートとリアルが融合するのがこれからの授業スタイルとなるのでは。次回は行政学授業と同じテーマ(進め方は多少異なってくる)。

 

地方自治論

2コマ目の終了時間は予定より遅れ気味だったが、昼食はおにぎりを急いで口に入れた分時間が短縮でき、陽東キャンパスには余裕で到着。新聞5紙とカバンの中の不要なものを研究室に置くことができた。教室と同じ階の他教室が複数使って、リアル・ブレイクアウトを実践。グループ分けで混乱するも受講生に助けられて、少人数で通常より長めに時間を設定してじっくり対話を行った。どの教室も新緑が目に入る居心地の良い空間であった。テーマは地方創生。新聞雑感についても初めて取り上げる。戻ってからの報告もなかなかよかった。若い世代の良いところは、すぐに互いに打ち解ける柔軟性にある。

 

コミュニティデザイン演習・卒論指導・修士課程・博士後期課程指導

4コマに社会人院生の相談が入ったが、留学生院生の力も借りて、科目履修についての道筋を付けることができた。そのまま5コマに入る。ゼミといえども連休に影響されずに、こうして1週間に一度確実に行っていくことで、着実なペース感を掴めるのが大きい。リモートでの参加の留学生3人とのやり取りがほとんどなかったのと、棒読み報告があったのが課題だ。報告1巡目は研究(勉強)内容の紹介・顔見せなので焦らないでいきたい。

 


 

22/05/09.Mon.

 

行政学

宇都宮地方法務局の方、お二人による出張授業。人権をめぐる課題がこれほど多様化・山積する事実に驚く。法務行政の一要素だとしても、受講生にはその重要性がストレートに伝わったに違いない。事前の資料の整理や機器の設定などもどうにか乗り切れた。頭の中でどうこうよりも体で覚えていく感じだ。

 

現代政治の理論と実際

どちらが良い悪いではなく、講師によって授業の雰囲気ががらりと変わるのものだと、この点でも驚く。もちろん教室の形状や受講生の学年・学部(学科)・雰囲気によっても変わってくる。簡単なグループワークで、全部で九つの応答・やり取りがあったが、三つの問があり、一つの問いに三つのグループが回答することで、すべてのグループからの発言が行われた。偶然とはいえ、こうした設定をしてくれたことに感謝。

 

地方自治論

体に良くないのはわかっていたものの、2コマ終了が超過してしまい、焦りながら弁当を早食い。雨が上がっていたのと、三つの信号で待たなかったのは幸運だった。いったん研究室に立ち寄ってから、教室に飛び込む。東南角の両側の窓からの新緑が綺麗。本日3回目の人権教育となるが、内容はその都度発見があったし、講師方の進め方も大いに勉強になった。自分が担当する授業を異なるポジションから見ることができたのも収穫だった。受講生にとってもアクセントができてよかった。

 

コミュニティデザイン演習・卒論指導・修士課程・博士後期課程指導

やや肌寒ささえ感じる中、第2ステージの報告(4名)に入る。研究の輪郭がかなりはっきりしてきた。絞り込みと説き広げの微妙なバランスが大切だ。同時に現場との接点を盛り込んでくれれば。とくに全員が揃う可能性があるこの5コマの時間帯の中身の充実を図っていきたい。その合間の対話も貴重な機会となる。

 


 

22/05/12.Thurs.

 

スポーツ社会学(白鴎大学)

50号線が混んでいて時間に余裕があったので旧4号に出ようと33号線に入ってしまい、迷う。少し遅れてのスタートを受講生に詫びる。月刊自治研究の論文「オリバラに翻弄される翻弄される地方自治」を用いて、対話を行う。その後、板書事項として三重国体中止、関連でのバイオプラスチック、ゆるスポーツ、高齢者や障害者のeスポ効果、プロ野球でeスポ導入、健康マージャン、アバター・スポーツを取り上げる。授業後半の板書は広く浅くのスタンスでいく。

 

スポーツ行政論(白鴎大学)

講師控室に寄らなかったので、皮肉にも今度は少し早過ぎで教室に入る。東京五輪関連の自分の新聞掲載記事(無観客開催、開催の賛否、施設の後利用)を使う。対話後の受講生の応答には制限した上での有観客もありだったのでは。施設の後利用は敷居の低さと収益とのバランスが大切というものがあった。板書は、自転車関連(ヒルクライム、シクロクロス、プロ自転車チームの大幅収益減、Eバイク、サイクルツーリズム)、地元市の新競技(クロスミントン)大会、90歳猛者のボクシング・ペインティングの情熱と迫力。この授業でも同じく後半は、対象スポーツ活動の幅を広げ、他セクターとの交錯に注目したい。

 

地域デザイン実務T

Zoomへのアクセスは順調に行ったものの、ぎりぎりまで伸ばしたカメラ用配線の不調か時々ビデオオフになってしまい焦る。差し直したりしてどうにか乗り切った。確かに講話の内容は受講生にとって実感としては受け止めにくかったかもしれない。しかし、講師の経験にもとづく真摯なメッセージに受講生も真剣に応じ、後半の濃密な一問一答につながった。本日のやり取りは教員も含め受講生の心の中にずしりと残ったはずだ。

 


 

22/05/16.Mon

 

行政学

4月初めのような寒い日。仕方なく薄手の羽織るものを着たまま授業。レジメ(集権・融合)、教科書(第4章、コラム5)、新聞雑感(これも続けていきたい)と進む。そろそろ前期の中間期に入るころか。シラバスに記載した中間テストなどのやり方を次回には説明しなければ。これだけペーパレスになってくると印刷の心理的なハードルがどうしても高くなってしまう。

 

現代政治の理論と実際

今さら感はあったものの、新聞切抜きから得たウクライナの歴史や情報分析の専門家の指摘は貴重だと思った。長期戦濃厚だが、学ぶ側も何とか粘り強くやっていかなければ。新聞雑感も含め、予習重視かつ反転型の授業がここに来てようやく浸透してきたようだ。特に1年生の場合、入学時のフレッシュ感をいかに維持していけるかが大切だ。

 

地方自治論

強雨ではなかったが、雨の中濡れながら移動。上着が雨を染み込んでしまうのが痛かったが、ノートパソコンの守りを最優先にいったん研究室に入って余分なものを置いて教室に入る。メタセコイアと桜の木の新緑が南と東側の窓から飛び込んでくる。受講生にとってはそれほどでもないようだったが、これは非常に貴重でぜいたくな癒し景観だ。地方創生の提案をめぐる対話(45人のグループ分けがうまくいった。次回もこれで)。一首浮かんだ「新緑に溶け込む学生五月かな 地方自治論陽東キャンパス」・・・・・・・・まったく受けなかった。

 

コミュニティデザイン演習・卒論指導・修士課程・博士後期課程指導

3年生から報告。学年間かつ世代間の交錯ゼミといった雰囲気が徐々に出てきている。相互コミュニケーションの点でも少しずつ密度が高くなってくるはずだ。教室人数のため、次回からはスクリーンは使用しないこととした。研究室運営では、このように臨機応変さとぶれない軸とのバランスを取っていきたい。

 


 

22/05/19.Thurs.

 

スポーツ社会学(白鴎大学)

時間に余裕をもって教室に入る。そのおかげでピンマイクがあることに気付き、早速活用。前半は202011月における東京五輪をめぐる政策状況の説明と対話。後半は、新聞切抜き情報からの板書(WEリーグの苦戦、群馬県女子ラグビーの先駆者、ローラーフィギュア選手の東京五輪スケボー競技への貢献)。授業の進め方の感触をつかめたのが大きい。

 

スポーツ行政論(白鴎大学)

キャンパスや建物のスペースに余裕があるのは羨ましい限りだし、ここでも窓からの景色に癒される。前半は20212月時点での東京五輪をめぐる政策状況分析ツールの説明と、とくにスポンサー企業側が直面した難局をめぐっての対話。授業の経過とともに温度がどんどん上昇してくるのがわかった(予想では最高気温27-8度とのこと)。風はからっとして気持ちいい。後半は、運動部活動の地域移行・地域展開や吹奏楽部特有の課題について板書した。とくに教職を目指す受講生にとっては将来の自分の仕事の場に直結する重要な課題だ。

 


 

22/05/23.Mon

 

行政学

雨の影響もあり、準備の時間的余裕はなかったが、何とか間に合わせる。レジメは官房系統組織間のネットワーク。板書も使って説明。教科書は平成の大合併。コラム、新聞雑感に触れた後、来週提出のレポートと再来週の試験について丁寧気味に伝える。形式面も含めて理解の共有が大切だ。

 

現代政治の理論と実際

教材は教員執筆の東京五輪と地方自治。予想外といっては失礼だが、受講生が真摯に受け止めて活発な意見交換があり嬉しくなった。新聞雑感も取り入れる。来週締切のレポートについても形式面も含めて理解が浸透したようだ。誰も取り残さない実践ができるのはこの授業ではないかとさえ思った。ただ、終了時間が予定よりも後ろにずれ、さらに疲労も重なり、陽東での3コマ授業に向けて気が重くなり、連動して体の動きまで鈍くなってしまった。

 

地方自治論

信号の運?にも恵まれ、陽東の研究室経由でもどうにか間に合うかとも思ったが、ネット接続に予想外に戸惑う。全くの素人考えだが、キャンパスが異なることでシステム側の警戒感が増すのかもしれない。教材は現政と同じもの。東京五輪については受講生なりに思いをめぐらせているのが伝わってきた。地方にとって復興五輪はまだ終わっていない。新聞雑感の説明に熱くなってしまい、対話の時間が短くなってしまう。来週締切のレポート提出についての説明が終わると授業時間が終了した。

 

コミュニティデザイン演習・卒論指導・修士課程・博士後期課程指導

 4コマに急用が入りそれが延びたため、冒頭からしばらくの時間帯、自分たちで進めてもらった。1巡目は各自の研究内容の「顔見せ」のようなもので、5月中旬頃の2巡目から本格化する。それでも互いのやり取りはとても重要で、回を進めるごとに相互コミュニケーションの中身が濃くなっていけばいい。また、この前後の時間帯も含めて、たとえば公務員試験をめぐる別室での情報共有など柔軟かつ有効に使っていきたい。

 


 

22/05/26.Thurs.

 

スポーツ社会学(白鴎大学)

 前半は202012-211月の東京五輪開催準備をめぐる混乱について。後半は板書で地域体操クラブ(群馬県高崎市)の理念と実践、小学生スポーツ全国大会の廃止・見直し。たとえば最後の課題はスポーツ教育の本質的な問題とも絡み、教員・受講生ともに突き付けられた重い課題だ。

 

スポーツ行政論(白鴎大学)

前半は、20213月の組織委会長辞任や国外観戦客断念といった混迷状況について、後半の板書は、宇都宮バスケ(3X3)の社会貢献、フィンランド発祥のスポーツ「モルック」の小山市開催、若者の間で人気が高まるゴルフ、ミヤラン実施(自宅・ホテル発着)に見られるのコロナ禍対応の工夫、スポGOMI大会(壬生)、を取り上げた。ここに来て授業のペースがようやく掴めてきた。

 


 

22/05/30.Mon.

 

行政学

模擬とはいっても、教員歴で初めての電子媒体を使ったテスト。拍子抜けと思われるほどすんなりと終わる。注意点は受講生が一度送信したらやり直しがきかないということ。着席はできる限り机の両側に、そしてノートパソコン(あるいはスマホ)以外は一切カバンの中に入れること、の三点だ。参院選若者Webアンケートを10分弱で実施。レジメは閉鎖型任用制と開放型任用制。教科書は第6章(基礎自治体の変革)。時間が押してきたので二つのコラムも含めて対話。受講生と教員とのやり取りも盛り込んだ。

 

現代政治の理論と実際

行政学と同じくレポート(ノート)締切は今日の午前8時。提出によって受講生にとって前期前半の一区切りとなった。上記アンケートを最初に実施。ウクライナ危機の新聞報道(主として識者の分析)が絶えない。その中で受講生の間で最も話題となったのが、停戦=平和ではないという認識。それでは停戦は無意味なのか、をめぐって真剣なやり取りが展開された。授業も長期戦の様相だ。

 

地方自治論

少しショックだったのは2コマの授業がほぼ時間いっぱいで終わり、これはきついという認識はあったものの、陽東に急ぐ体力的気力が湧かなかったこと。のろのろとまではいえないものの、早めのもたもたといった緩慢な動作で自転車を漕いだ。授業開始2-3分前に教室に入るが、電源ケーブルと指示棒を研究室から持ってくるのを忘れたことに気付く。そのまま授業に入り、アンケート実施後、この授業では初めてウクライナ問題を取り上げる。AからHまでのグループで対話。報告が終わると終了間際。時間の長短はあってもすべての授業に対話を取り入れることの大切さを再確認した。

 

コミュニティデザイン演習・卒論指導・修士課程・博士後期課程指導

4コマは研究室で座ったまま新聞5紙に目を通す(というか読み流す)。それでも切抜きはいくつかあり。教育日誌の冒頭を作成し始めると、もうゼミの時間。4名の報告後に全員に向かって論文の中身や構成について、これだけは譲れない点を力説した。その上で、一人ひとりの分量について指示を出す。相手の私的領域への踏み込み過ぎには留意しつつ、研究室メンバーとのやり取りにはこうしたやり方(1体多や多対多のコミュニケーション)もありではと思った。

 


 

 

研究室トップへ