20224月 中村祐司の教育日誌

 

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22/04/11.Mon.

 

行政学

毎回対面授業というのは3年ぶり(20年度前期はほぼすべてがオンデマンド、21年度前期は隔週での対面)。教室のボックスを開ける鍵、HDMIケーブル、教務ポータルからの科目履修のやり方の変更など戸惑いつつも、どうにか初回授業を終えることができた。行政学レジメ、教科書、そして主に新聞切抜きによる現在行政学の3本柱の素材で臨んでいきたい。ちょうど連休の谷間にあたり、授業はコンスタントに週1回続いていく。半分は強がりだが、ペースを掴める良い機会と捉えたい。

 

現代政治の理論と実際

カリキュラムの関係なのだろう。受講生はほぼ教員の所属学科の学生。少し寂しい気もするが、これも逆手にとって、また人数的にもTeamsを使っていきたいと思った(操作に習熟しているわけではないが)。全員がノートパソコン持参で、早くも使いこなしている様子が頼もしい。当面(数回)はウクライナ危機の問題は避けて通れないだろう。

 

地方自治論

予定していた教室に受講生が入りきれないことを知ったのが先週金曜の夜。慌てて受講生への「ニュース」で知らせ、この日は午前中に峰キャンパスから事務に連絡し、事なきを得たが、昼を急いで食べて駆け込むように教室に入った。ところが今度はプロジェクターなど機材の設定の勝手が違い、事務の方の助けを再度借りた。授業は途中で思わず力が入ってしまったせいか、予期せず時間を少し超過してしまった。ここまでの三つの授業では、資料がある程度重複することもあるだろう。また、新聞雑感は研究室メンバーも含めて、どの授業でも共有していきたい。

 

コミュニティデザイン演習・卒論指導・修士課程・博士後期課程指導

今年度から3年生のゼミが前期から確定した形でやることとなった。これを活かして、ゼミ論指導はもちろんだが、学年のタテの相互影響力を睨んで、3コマ続きで卒論、修論、博論指導を行うこととした。社会人院生の都合や入国できない関係で全員は揃わなかったが、このスタート地点に立つことができたことを素直に喜びたい。共通軸は「活字復権」。学年や年齢、さらには母語に関わりなく、個々の研究論文の作成を最大の目標にして、その個の力の相互作用による混成から合成へに至る研究室を目指したい。

 

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22/04/14.Thurs.

 

スポーツ社会学(白鴎大学)

3年ぶりの毎週対面授業の初回。教室は昨年度と同じでやりやすい。初回は新聞切抜きのみを授業の資料とした。板書でT市のスタジアム使用をめぐる料金や税免除問題のキーワードを提示し、受講生に考えさせた。正解はわからないものの、サブグラウンドの使用料が高過ぎるとの意見では一致していた。次回からはWebクラスの資料も使う。スポーツ社会学ノートはその次ぐらいからか。

 

スポーツ行政論(白鴎大学)

やはり昨年度と同じ教室。受講生数は予想外に多く、机の配置も含め対話ができるかどうかは微妙。新聞切抜きから、結城紬めぐりの自転車マップ、塩谷町のウォーキングマップ、スポGOMI、ゴルフ場でのフットゴルフ、エモ鬼、防災機能充実の体育館、運動公園内のタンデム自転車コースを取り上げる。進め方はスポーツ社会学に倣っていきたい。

 

地域デザイン実務T

国外の留学生を除き全員対面のせいか、説明はスムーズに進む。ただ、音声収音の機材を使ったことで、留学生とのZoomの音声のやり取りができなくなってしまった。ゼミで毎回使うTeamsではできていたはずなのに。HDMIの大スクリーンの場合は、あくまでもノートパソコンの内臓のものを使えということだろうか。授業終了後に少しでもやり取りができてよかった。機材の使用は理屈より体で覚えていくしかないのだろう。

 

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22/04/18.Mon

 

行政学

1週間に1回の対面授業が3年前は当たり前だったのに、コロナ禍によるブランクが大きいのか、どうしても日程がきつく感じてしまう。慣れるしかないのだろう。レジメ、教科書、コラムと順調に進む。3週間後の動画提示も試す。次回以降、受講生は行政学ノートの作成を始める。新聞雑感への言及を忘れる。頭の中で、本日の授業対象資料と来週のものとがどうしても錯綜してしまう。これも慣れるしかないだろう。

 

現代政治の理論と実際

前回より受講生が相当増えた感じだ。ただこの人数でも対話は十分にできそうだ(一つの机に4人座れるようになったのが大きい)。この授業名でウクライナ危機は避けて通れない。専門家、知識人、有識者の解説や分析の新聞切抜きにしたのは正解だった。論点はあまりにも多いが、自分の頭で考えるための素材は十分過ぎるほどある。

 

地方自治論

現政の授業で理由を話して、10数分早めに終わって、急いで昼食を済ませ、陽東に向かう。研究室に寄って授業で使わないものを置いて教室へ。開始5分前には入ったが、機材の設定がまだわからない。いろいろやって結局5分遅れぐらいで授業がスタート。これはもう物理的にどうしようもない。工学部の伝統というのだろうか。教室や機材の使用が文系学部とは違う。スピーカーが据え付けられていて、機材環境の完成度は高いように感じた。授業の素材は中学生向け副読本の宇都宮学。「〇〇のまち」のアイデアを出してもらった。この授業でも次回以降の地方自治ノートの作成を説明した。椅子の配置を工夫すれば、この教室でもグループワークらしきものはできそうだ。

 

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22/04/21.Thurs.

 

スポーツ社会学(白鴎大学)

2回目も導入授業の位置づけ。事前に掲載して資料ファイル(以前自分が作成した原稿)をもとに、東京五輪におけるアスリートと子どもたちとのつながりこそが最も大切なレガシーではないかと問いかけ、話し合ってもらった。新聞切抜きからの板書事項はeスポーツ(群馬県での大会開催、宇都宮大と県法人との連携協定、JR水戸駅前の商業ビル、高齢者eスポーツの効用)。eスポーツについては今後も折に触れて取り上げていきたい。次回授業から受講生は「スポーツ社会学ノート」に記載していくことになる。

 

スポーツ行政論(白鴎大学)

残念だったのは事前掲載の資料(以前自分が作成した原稿)がほぼ読まれていないという事実。そこで進め方を切り替えて、まずは内容を丁寧気味に説明することにした。その後のやり取りもどうも不発気味。慌てないで辛抱強く取り組んでいこう。板書事項はタスポニー(Taspony.名前の由来が興味深い)、スポーツ鬼ごっこ、プレイアトレ土浦。社会学と同じく、次回授業から受講生は「スポーツ行政論ノート」に記載する。

 

地域デザイン実務T

何と嬉しい珍事が。ゲストスピーカーと1545分頃、教室に入ろうすると多くの受講生が着席している様子が窺えた。前の授業が続いていると思い込み、フロアでネットアクセスなどしたが、この授業の受講生であることがわかった。新入生ならでは授業に臨む誠実さに直面できた。前半はゲストスピーカーの講話、後半は一問一答のやり取り。対面こその熱い雰囲気が醸し出された。動画ファイルも含めて、事前の準備の労が報われたと感じた。

 

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22/04/25.Mon

 

行政学

レジメはギューリックと古典的組織論、テキストは第2章とコラム、そして対話も行う。現在行政学(国家公務員志望者の減少傾向)も提示。最後に唐突感はあったが、モルドバ国境内のロシア系自称共和国の存在を指摘して終了。この時間帯は、受講生が授業開始前に来て、1週間のスケジュールを整理・把握するのに格好の教室だと思う。テキストの部数が足らずに入手困難な受講生がいることがわかる。軌道に乗るまではもう少し時間が必要かもしれない。

 

現代政治の理論と実際

ウクライナ危機をめぐる新聞切抜きを授業資料として使うが、どうしても分量が多くなる。それでもほとんどの受講生が一生懸命目を通してきているのが伝わってきて、力付けられる。授業後半の対話に耳を傾けてみても、自分なりの言葉で何とか伝えようとする受講生が多く、論点も多岐にわたった。人数の点からもそんなには使わないかもしれないと迷ったが、Office365でこの授業専用のTeamsを立ち上げたのは正解かもしれないと思った。

 

地方自治論

研究室に立ち寄ると間に合わないと判断し、そのまま教室に飛び込む。10数分余裕があったものの、今度はHDMIケーブルをどこに差せばよいのかわからなくなってしまった。相当時間がたってから、何と事前に差さっていたVGAケーブルの下に隠れて見えなかったことが判明。気を取り直して設定を進めるも、今度はプロジェクターのリモコンが三つもある中からどれかがわからなくなる。落ち着いて眺めるとCannonPanasonicCannon(ブルーレイディスク用)の見分けがついた。過疎対策について話し合う。来週はリアル・ブレイクアウトを行う予定。

 

コミュニティデザイン演習・卒論指導・修士課程・博士後期課程指導

 4コマに急用が入りそれが延びたため、冒頭からしばらくの時間帯、自分たちで進めてもらった。1巡目は各自の研究内容の「顔見せ」のようなもので、5月中旬頃の2巡目から本格化する。それでも互いのやり取りはとても重要で、回を進めるごとに相互コミュニケーションの中身が濃くなっていけばいい。また、この前後の時間帯も含めて、たとえば公務員試験をめぐる別室での情報共有など柔軟かつ有効に使っていきたい。

 

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22/04/28.Thurs.

 

スポーツ社会学(白鴎大学)

 「明日は授業か」という感じで1週間があっという間だ。前半は東京五輪の総括内容の透明性を課題とする。視点の違いはあるだろうが、教員側の熱意が受講生に伝わったのが収穫。後半は新聞切抜きの紹介(JAなすのと那須ブラーゼンとの包括連携協定、社会人サッカーチーム「ヴェルフェ矢板」の選手による見守り活動、「ピックルボール」の国内初専用コート、J3富山と天正寺サポートセンターの入所高齢者との交流、フットサルチーム「YSCC横浜」の選手の仕事・競技の二刀流を取り上げた。次回(連休のため2週間後)の授業スタイルもこれでいきたい。

 

スポーツ行政論(白鴎大学)

前半は、東京五輪の大会経費について。後半は、新聞切抜きから、「プロギング」(クリーンアップ運動)の二事例、宇都宮市障害福祉連合会と市内プロスポーツ3チーム(バスケ、自転車、サッカー)のコラボによるトートバッグ販売、「スラックライン」優勝の宇都宮市の13歳少女を紹介した。小さな記事にも草の根スポーツ協働・協業のヒントがあることを再確認した。

 

地域デザイン実務T

今回は先週のように早めに教室に入ることはできず。教室の外で必死にネット接続やカメラ設定を行う。今回はゲストスピーカーによるライブ・Zoom講話なので、接続がうまくいくか心配だったが、音声もばっちりだった。ただ、受講生が予め前の席に座ってくれれば助かったが。ミニ講義と受講生へのアドバイスの後、質疑応答へ。今日のようなやり方だと、とくにゲストスピーカーにとって受講生との臨場感は大切なので、延長カメラケーブルを必死に構える。しかし、素人のカメラワークの悲しさか、途中でばててしまった。それでも白熱したまま最後までいった。欠席者はゼロだったのでは。連休前、ここまで頑張った1年生にはぜひ一息付いてもらいたいし、真摯に臨んでくれたゲストスピーカーには感謝感謝だ。

 

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