2022年1月 中村祐司の教育日誌
22/01/17. Mon.
外国語文献講読
年は改まったが、授業としては1カ月近く間隔が空いた。”Divisions over impact of immigration law revisions”を読む。いずれの受講生も確実に力を付けている。外国人労働者のいいとこ取り(労働力目当て)政策の矛盾がずばりと記載されていた。日本語の新聞では目にしたことがない題材で、視野の持ち方はまだまだ未熟だと自省した。この調子で地道に愚直に残りの2回に臨んでいこう。
スポーツ・余暇政策
1カ月ぶりのせいで、前回授業の感覚をなかなか取り戻せなくて、準備に苦しんだが、手間を回避しなかったのがよかった。終わってみれば、マイクのハウリング問題も解決。対面・リモートの同時ハイブリッド授業におけるやり取りの醍醐味も垣間見ることができた。エッセイの進捗具合をめぐる対話が中心。エッセイ作成の際、ネット情報にアクセスしないというルールは間違っていないと思う。書き上げた際の充実感も増すはずだ。新聞の切り抜き掲載は最後まで続けるつもりだ。
卒業研究準備演習
この時間帯をなくさなくてよかった。というのは、新年度も睨んだ今後の研究室運営において、主導するのが今の学部3年生と院(修士)1年生であることに、昨日になって気付いたからである。1カ月前に提示した活動予定に赤を入れたり、テキストボックスに加筆したりして、自分なりに整理した内容を説明した。新ゼミ生との顔合わせの機会も設定したい。学年を超えたやり取りが研究室活動の充実度を倍加させるのは間違いない。
卒論・修論・博論指導
この1カ月間、取り組んだ研究内容について、研究生を除き報告。その後は、卒論や修論の発表会、学部4年生のリフレクションなど、大詰めの学科やプログラムの行事についての理解を共有した。早いものなのか、ようやくなのかわからないが、残すところはあと2回。考えてみれば、メンバー各自のペースとこの時間の集団的ペースの歩調を合わせる醍醐味と難しさを同時に経験している。とても貴重なことだと思う。
政策ガバナンス特論(大学院博士後期授業)
オミクロン株感染拡大の影響で、念のためも含め2名の欠席。ここ数日の急拡大のあまりのスピードに驚愕してしまう。この1カ月前に出した課題(研究内容の文章化)について、4名から報告。もちろん、学部生や院生とのやり取りや研究室運営の協力などにおいて、博士後期の院生は大切な存在だ。一方で、最後は本人次第であり、研究論文作成の厳しさの度合いは並大抵ではない。原稿作成は書けば書くほど楽になるものではない。。今後は教員も含め、互いの切磋琢磨の本気度に掛かっている。
22/01/24. Mon.
外国語文献講読
“China bets on a common prosperity”を読む。内容の評価はともかく、とくに留学生の受講生にとっては、自分ごととして強く受け止めたようで、訳がいずれも力強かった。母語でなくて英語力の卓越したアジア系の執筆者が、各文章は筋道がすっきりしていて読みやすいし、英語に向き合う勇気というか力強さをもらえたように感じた。次回がいよいよラストだ。
スポーツ・余暇政策
Zoomでのオンタイム授業。C-Learning上に掲載したURLにアクセスできないとの指摘があり、慌てた。パソコンの場合はともかく、スマホやタブレットの場合、URLを指定範囲してコピーし、ブラウザにペーストするやり方は誰もが知っていると思い込んでいた。しかし、各ルームでの対話はかなり深まり、そのことが全体のやり取りから感じられたのが大きな収穫だった。強制はできないものの、教員からするとやはり受講生がビデオオンにすると、距離感が一気に縮まる。次回ラストの授業(対面)ではさらにリラックスできれば。
卒業研究準備演習
ジョイントやまちづくり提案の研究室HPへの掲載が終わった後も自主的に集まる形となっていて、とてもありがたい。研究室活動はある種の生き物で、変容への対応をめぐる共通理解と足並みの揃えがしょっちゅう必要になるからだ。その意味で、今回は前半を使って、次回今年度最後のゼミの進め方など有用なやり取りができた。
卒論・修論・博論指導
体調悪化のメンバーが複数出て、コロナ関係ではないものの、心配と緊張感が漂う中で、国外の研究生3名からの報告、模擬卒論発表、模擬大学院修論発表と続けた。確信したのは、留学生に対してパワポの記載を読み上げるなという指摘は、ほぼ無意味だということ。母国語でない言語で、アドリブ的に即興で記載以外のことを織り交ぜながら説明するのは、よほどの卓越した言語能力がないと不可能なのだ。20年ほど前のオーストラリアでの自分の経験と照らし合わせて、何か悟ったような気持ちになってしまった。次回は出席者全員から、2月と3月の「抱負」を述べてもらう。
22/01/31. Mon.
外国語文献講読
今年度対象とした最後の英字新聞記事は、”As famine stalks Afghanistan, West urged to help”と”Taliban look to Pakistan to recruit government workers”。分量の関係もあってリレー形式で読み進める。市井の人々の生活維持の苦境と破綻国家の政治・行政の歴史的要因など、読み進めていくにつれて憤りの気持ちが湧いてきた。考え続けることを放棄すまい、と心に誓った。
スポーツ・余暇政策
最終回は対面で実施。オミクロン株急拡大の中、寒さは我慢して窓を広めに空け、受講生間の距離を保ちつつ、座席記載も行う。国外からの研究生なども同時に受講。ハイブリッド授業といえば聞こえはいいが、準備する方は大変だ。それでもようやく機材設定のコツがここにきてわかるようになった。提出エッセイをめぐる受講生間の時には夢中なやり取りを見て、対話に最後までこだわってきてよかったと思った。追加掲載も含め、新聞切り抜き労を惜しまずにやってきて、これについてもよかったとも思った。新聞切り抜きとその提示はゼミ生を対象に今後も続けていこう。残るは優秀エッセイの掲載と成績の付与だ。
卒業研究準備演習
昨日、研究室HPをなにげに見たら、「新・学部生と院生の部屋」にゼミ3年生の掲載がないことと、院1年生作成の写真か画像欄に「×」が付いてしまっていて見られないことに気付いた。そこで嫌々ではなく、HPづくりにリラックスして取り組んでもらおうと月1-2回程度の集まりを提案したら、すんなりと受け入れられた。気分転換も兼ねて、ただし感染対策には注意しながら、取り組んでほしい。次のコマの新ゼミ生を迎える段取りも整えた。
卒論・修論・博論指導
4月からの新ゼミ生を迎え、最初の30分程度で顔合わせと自己紹介、4月初回ゼミまでの課題や時間帯、Teamsを使った情報取得の仕方について説明した。その後間隔を空けずに、学部4年生と修士1年生の今後のスケジュール確認、模擬リフレクション、やり残していた研究の方向性をめぐる報告(院生1名から)を行った。本来であればこの場でゼミ打ち上げの日程調整を行うはずなのに、と残念な気持ちになったが、まだ2カ月ある。個々に活動の充実度を上げてほしいし、そのことで一人一人が互いに緩やかに包摂されるはずだ。最終回を意識したわけではなかったが、ここまで何とかたどり着くことができて、全身から力が抜けた。