202112月 中村祐司の教育日誌

 

---

 

21/12/06. Mon.

 

外国語文献講読

一昨日、昨日とジョイント合宿(Zoom)で濃密な2日間を過ごし、今日は1コマから授業。それでも遅刻・欠席しない受講生から逆に元気をもらった。“Asia’s virtual influencers offer glimpse of ‘metaverse’ future”を読む。そう遠くない将来にAIと生身の人間の区別が付きにくくなるのでは。読み進めていて期待と不安が混じった気持ちになった。受講生の日本語訳の力は確実に上がっている。加えて留学生(研究生)の英語の発音はネイティブスピーカーと錯覚するほどだった。

 

スポーツ・余暇政策

授業資料に新聞を用いるスタンスは変わらないものの、記事を読んでのコメントから、自ら新しい事業や活動を発案してもらうように変わりつつある。2回のブレイクアウトルームでは、1回目が自ら書いた案の紹介。2回目が他者に対する質問としたが、後者では、教員からの説明が明確さを欠き、いくつかのグループでは、あくまでのグループ内の受講生が書いたものに対する質問を行ったとのことであった。ただ、結果的にはそれもよかった。全体では、配膳などAI装置をめぐり、人間の倫理や価値の根源を問う指摘もあり、思わず考えさせられた。

 

卒業研究準備演習

ジョイントが終わり一息付くまもなく、今度はまちづくり提案の詰めの準備に入る(ポスター作成やプレゼン)。しかし、少しはリラックスしようと咄嗟に2年生ゼミ見学への対応を学生・院生にまかせたが、これが非常によかったようだ。やはり研究室情報というのは教員からだけではだめで、学生からの発信が大切で、それもできれば対面で行うのが一番いいようだ。

 

卒論・修論・博論指導

冒頭の20数分ほどだったが、2年生ゼミ見学があり、このコマが多世代からなる本丸ゼミ(研究指導)であることと、曼荼羅的な雰囲気を感じてもらえたのではないか。ゼミでは休む間もなく今度は、大詰めの卒論・修論への対応となる。まずは各自が自力でやったことを10分程度で短めに報告してもらい、その後、口頭で大まかな今後の研究室活動について共有した。論文指導については、修論審査の厳しさと、今日から他の院生の助け(助言)を借りることについて説明した。いよいよ今日から異なる局面での重要な指導時期に突入したことになる。

 

---

 

21/12/13. Mon.

 

外国語文献講読

“Putin reins in Russia’s internet”を読む。今回はNew York Timesの記事。最後の数パラグラフ以外は意外にも読みやすい文章であった。ネットと国家の関係に政治性が絡むとやっかいになると感じた。受講生は皆ひたむきに頑張っていて、教員の方が力付けられる。今年度は曜日の変更もないので、週1回のペースもつかみやすく、好循環の授業サイクルに入ってきている。

 

スポーツ・余暇政策

相当早めに教室に行って準備するも開始ぎりぎりとなる。おそらく教員から各受講生持参のノートパソコンのマイクの設定についての説明不足で、ハウリングに苦しんだ。いまだに自分がよく分かっていない面はあるものの、次回までには図解入りの説明文をつくるつもりだ。社会貢献事業を立ち上げると仮定した場合の各自の案の紹介と質疑応答。留学生(研究生)も国外から参加。対面できるのはいつのなるのだろうか。

 

卒業研究準備演習

学部2年生のZoom面談と、まとまった原稿を提出した関係で、最初の20分は準備に充て、13時から二つのチームがまちづくり提案の模擬発表を行った。Aチームは残り3日間でできることに前向きで、Bチームは発表当日が楽しみになるほどの出来映え。欲をいえば“知性”に加えて“野性”の部分を強く打ち出せれば、勝機は十分にあると思う。

 

卒論・修論・博論指導

前半の報告は研究室のメンバーにまかせ、A0版のポスター印刷の件で研究室と事務室とを行ったり来たりしたものの、目処を付けることができてほっとした。後半は今後やるべきことの口頭での確認。まちづくり提案、卒論、修論などが中心。来週には来年1月に3回ある研究室の活動内容や、論文発表会など日程についても提示しなければ。卒論と修論についてはとにかくあと1カ月でできることに集中するしかない。

 

政策ガバナンス特論(大学院博士後期授業)

対面かつZoom使用の連絡が徹底しなかったのか、受講生全員の対面はかなわなかったが、やるべきこと(各自の研究進捗報告)はできたのでは。改めて報告のスタイルや形式(パワポ使用など)についても各自の個性が出るものだと感心した。次回までの課題については授業中に方針を変え、博士論文の一部となる文章を作成してくることと、学生便覧をよく読み込んでくることの二点とした。

 

---

 

21/12/20. Mon.

 

外国語文献講読

スポーツ余暇政策の課題集約が間に合わず、受講生同士で自主学習的に訳に取り組む。ところが慌て気味に教員がZoomに戻ると何と“Omicron variant may push back U.N. nature talks”を既に読み終えていた。欲をいえば、わかりにく箇所は立ち止まって理解を共有してほしかったが、こうして自分たちで学び合う姿もいいものだ。次回は1月中旬となるが、その紙面掲載について確認して終えた。

 

スポーツ・余暇政策

オンタイムでの授業(テーマは、二つの組み合わせ活動事業と、コロナ禍で不要なものと気付かされたこと、の二つ)。今回はまず課題の前半について、目を通す時間を確保した上で、各ルームでの対話。その後二つ目の課題についても同様に進める。受講生の指摘にあったように、対面授業ついて、AI、メタバース、アバター、バーチャル空間の加速度的展開によって、近い将来、相当な程度リモートでも補えるようになってしまうのだろう。次回1月授業に向けた課題提出は敢えてなしとした。ネットに依存しない思考こそが大切だ。

 

卒業研究準備演習

残るは、まちづくり提案とジョイント合宿の研究室HP掲載作業だ。嬉しいことに、明後日に集まって取り掛かるという。何事にもいてもこうした積極性が、事態を打開することにつながる。今年度残りのコマについても、まずは3コマに顔を合わせることを自主的に決めてくれた。日に日にすべてのメンバーが頼もしく見える。

 

卒論・修論・博論指導

卒論(1人)、修論(3人)から報告。約1週間後が待ったなしの最終チェック。提出まであと3週間「しか」でなく、3週間「は」あると思い込めるかどうかが、あきらめない鍵だ。今回は教員側も、来年1-2月の研究室活動をメンバー一人一人に合わせて作成するという切羽詰まった状況をぎりぎりで凌いだ。修士入試、卒論発表会、リフレクション、修論発表会など、4コマ以外にも相当な行事があり、それらを整理・把握するだけで精一杯だったが、まさに「窮鼠猫を噛む」で、実務(書類作成)面でも追い込まれると、思わぬ発想と力を発揮できるものだと思った。

 

---

 

研究室トップへ