2021年7月 中村祐司の教育日誌

 

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21/07/01. Thurs.

 

スポーツ社会学(白鴎大学)

かなり強い雨の中、余裕を持って相当早く出発したが、渋滞気味の箇所に複数出くわし、ぎりぎりで教室に入る。3週間後に開幕予定の東京五輪はどうなってしまうのだろうか。チケットの取り扱いや感染再拡大の兆候への対応のあり方など、対話型で受講生同士に考えさせた。何だか先行きの暗い迷路に入り込んでしまったようにも感じた。しかし、次回もう一度だけ、開幕前に対面で考え抜く機会をあきらめたくないと思った。

 

スポーツ行政論(白鴎大学)

スポーツ社会学での受講生の反応から、あるべき論ではなく、今後3週間の東京五輪をめぐる動きの予想に焦点を絞った。1週間後のIOC会長の来日に世論はどのように反応するのだろうか。果たしてまん延防止の延長で済むのか、緊急事態宣言の再発令となった場合の効力はどの程度なのか。それでも観客を入れて五輪を開催するのか、開幕後の状況や対応の変化はあり得るのかなど、論点は多岐にわたった。学生に冷めた失望感を与え切ってしまった感のある東京五輪は、もはや不幸なイベントになってしまったのではとの思いが心をよぎった。

 

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21/07/05.Mon.

 

行政学

時間の余裕がない中、雨の中、自転車で峰キャンパスに向かう。座席票の印刷を忘れ事務で対応してもらった。2週間前に出した課題をもとに反転授業を進める。マイナンバー、地方議会、仕事をめぐる世代間での補完のあり方、新聞雑感の感想、レジメの補足説明など駆け足で行うが、「まみえる」「晒す」を重視し、受講生同士の対話の時間は意識して多く取った。1週間後ぐらいに課題提出についてCL(C-Learning)上に周知する予定。

 

現代政治の理論と実際

この授業でもとにかく対話型を重視。受講生には先輩にあたる3年生のゼミ論を素材に使う。前半4本、後半4本を対象に話し合う。地方創生についての教員作成の論文を取り扱う時間が減ったが、等身大での尽きない話し合いを目の前にして、それも仕方がないと納得した。結局、持論の足元地方創生の事例をグループ単位で提案してもらう。現政の課題提出についても、1週間後に掲示する予定。

 

コミュニティデザイン演習

本来であれば現政の授業を10分弱でも早めに切り上げれば少しは余裕ができるはずだが、2週間に1度の対面授業にどうしても力が入ってしまう。陽東に向けて気持ちを焦らせながら自転車を漕ぐ。しかし、事故を起こしては元も子もないので、信号は厳守。教員ボックスに寄り、機材を二カ所から取って教室に置いた時点で、汗びっしょり。洗面して着替えるのが精一杯で、ゼミに駆け込む。幸い、機材設定をほぼやってくれて助かる。最終回の座談会(院生3人)。社会人院生はわざわざ休みを取って来てくださっただけでなく、経験豊富な話や濃密な助言に感謝。最後の20分程度で、研究室HPにゼミ生が後足を残してほしい旨力説し、残りの数分で丸投げしたが、予想どおり、明るく笑顔でぱっぱと来週までにやるべきことを決めてくれた。

 

修士課程・博士後期課程指導

リモート参加の2名も含めると全員参加の研究指導となった。ここ数年では最も充実した4名の報告であった。今回のような中身はそれ自体が教員にも力を与えてくれる。研究室HPの「大学院生の部屋」についても確実に何かが回り出したようだ。ただ、最終盤でリモート参加の社会人院生が、リモート同士のやり取りの声の方が断然明瞭であるとの指摘があり、もしかしたら、多面的機能を有する機材(10数万円もする大きなマイクのようなAI物体形状)には集音機能が脆弱かもしれないとのかすかな「疑念」を持つに至った。機会を見てこの点確認しておかなければ。

 

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21/07/07.Wed.

 

地域の姿と課題U

事前に収録した3本の動画がZoomの共有でうまく流れるか気が気でなかったが、共有→詳細→ビデオで事なきを得た。ライブでないハンディは相当大きいのではと思っていたのが、予想外にもライブ以上に受講生とゲストスピーカー動画との間で濃密なやり取りができ、教員側が感銘を受けてしまった。地域Uの自分の担当回が無事終了し、肩の荷が降りた。地域Tも含めてゲストスピーカー6回分のやり方がいずれも異なったのは、今にして思えば貴重な経験だった。

 

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21/07/12.Mon

 

コミュニティデザイン演習

前期ゼミの研究室HPの「記念画面」を作成する課題を見事にこなしたのに驚いた。ワード画面でデザイン力を発揮したhtml文書が出来上がった。今や教員側のネット世界の向き合い方そのものが老朽化しているのかもしれない。残った時間でhtml文書の編集やフォルダが付随するなどの性質について話をしたが、これは午前中に研究室でのノートパソコンのデスクトップ化で苦労した作業の反動でからあった。一方で、今回のゼミは、研究室HPの構築を若い世代に託す契機となるかもしれないと思った。

 

地方自治論

そのまま余裕のない状態で1階の教室に入る。日光の中心観光地バリアフリーマップを授業の素材とする。その前に熱海市の土石流や東京五輪無観客、本日開始の東京の緊急事態宣言などに言及したため、うっかり出席確認キーの提示が遅れてしまい、後にCL上で遅刻を出席に修正しなければならなくなった。それにしてもこれだけ長くなってしまったコロナ禍において、受講生もおそらくかつて経験しなかった種々の葛藤を抱えているだろうが、こうして教室にやってくること自体、価値があると思った。最後まで対面型授業を展開したい。

 

修士課程・博士後期課程指導

1階からそのまま上がって教室に入るも、この時点で着替えないと汗まみれに耐えられなくなるので、いったん研究室に戻る。新しい集音マイク機材を使ったが、かなりいいようだ。声のとおり具合の方が、AI機能で発言者を映し出す装置よりも何倍も重要だ。3人からの報告。教員からすれば、今回のように報告者自身が知的吸収を楽しみつつ、論文作成に前回転する実感が伝わってくれば、それで満足だ。夏休み前には院生全員が各自のトップページを研究室HPに挿入してほしいので、明るくプレッシャーを掛けていきたい。

 

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21/07/15.Thurs.

 

スポーツ社会学(白鴎大学)

対面授業としては最終回。定期試験についての説明で慎重になり過ぎてしまった。東京五輪まであと1週間ちょっととなった(なってしまった)。対話型の授業がここに来てようやく定着・浸透してきた面もある。大会にどう向き合うか。大切なのは敢えて批判的の視点から見据えることではないだろうか。これまで受講生が毎回の授業で作成してきたノートの凝縮・濃縮版を試験に向けて作成してほしい。

 

スポーツ行政論(白鴎大学)

定期試験について簡素な説明を心掛けた。大会期間中に受講生はどんな思いで競技を観戦するのか、あるいは観戦しないのか問い掛けた。注目する競技・種目を挙げた受講生が多かった中で、「運営」に注目するとの声もあり、それは教員にとってもドンピシャな視点だと思わず頷いてしまった。スポーツ社会学もスポーツ行政論も4月以降、初めて対面と遠隔を組み合わせ、また授業の素材もほぼ教員が作成した原稿を提供した。最も印象に残ったのは、非常にシンプルな授業スタイルを貫けたということだった。ただ、それも東京五輪をめぐる諸課題が現在進行形で突きつけられた特異な状況であったから、可能であったのかもしれない。

 

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21/07/16.Fri.

コミュニティデザイン特別演習

 学科2年生を対象とした有志参加に近い授業。学年担任が担当することになっており、自分たちでまちづくり提案を行い、公募事業などに申し込んだりするもの。今回は現時点での中間報告のようなもので、いずれのグループも意欲的に取り組んでいた。運営はもう一人の担任におんぶに抱っこの状態で申し訳ないが、顔を出してよかったと思った。他に2名の同僚教員の参加にも感謝。

 

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21/07/19.Mon.

 

行政学

猛暑の自転車はきつい。時間的にもあまり余裕のない状態で峰キャンパスへ。ラストの対面授業。課題提出について早めに周知しておいてよかった。対話型を重視し続けた。教科書、レジメ、特別テーマ(東京五輪)、新聞雑感と資料についても一本調子にならずによかったのではないか。受講生提出の課題に正面から向き合いたい。

 

現代政治の理論と実際

この授業も対面授業はラスト。珍しく受講生が全員地デザのせいか、通常よりもアットホーム感が増したかもしれない。反転授業がようやく板に付いてきた頃に終盤を迎えた感もあった。ここでも対話型を重視してきた。課題については行政学に準じた。どうにか無事終えることができて、ひとまずほっとした。

 

コミュニティデザイン演習

35度はあっただろうか。陽東から峰の距離でも、地面からの照り返しも強くて余裕を持てなかった。前回よりも数分余裕を持てたものの、機材を運んだり、着替えたり、ペットボトルに水を入れたりするので精一杯。ゼミは週1回のペースで続けてきた。次回が後期に向けての打合せとなるので、実質今回が総括的なゼミとなった。ゼミ生が今後希望する研究テーマについて話す。予想に反して熱いやり取りが続き、教員が前日用意した研究室パソコン環境を紹介する時間がなくなってしまったが、歓迎すべき展開であった。

 

修士課程・博士後期課程指導

3名からの報告。研究指導も前期は今回も含めて2回を残すのみとなった。いずれも前に進んだといえる報告内容で総じて今後の研究に安心感を持てたのが大きい。研究生のTeam参加環境も前回から集音マイクを置いたことでようやく安定してきた。悩みの種は研究室HP掲載作業について、教員も含めてどう習得するかだ。Edgeでの操作に戸惑っている。もう一つは借りたノートパソコンのアカウント解消問題。今回も終了後、2面の院生が頑張ってくれたが解決せず。教員も原稿を抱えており、東京五輪(パラ含まず)が終了する来月8日までは対応は難しいかも。

 

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21/07/26.Mon

 

コミュニティデザイン演習

前期ラストとなった。完結型なのでこれでメンバーとはお別れになる。非常に明るく活気があり、それでいてやることはやる頼もしいゼミだった。後期ゼミの履修者が前期ゼミのスタンスを受け継いでくれるはずだ。活字復権、研究室HP復権という研究室運営の二本柱もはっきりした。週1のペースで対面できたのも大きかった。そして還暦を迎える年になって教員として学生と向き合う自分のスタンスもようやく確固としたものとなったと思われる。

 

地方自治論

前期末提出の課題の「地方自治ノート」を全員が書き上げたという前提で、リラックスした余裕を持った形での対話型授業を行い、これまでを振り返った。4月以来、本来6人可能なのに一テーブル当たり3人の着席制限や授業途中での着雪ができなかったのは確かに痛かった。それでもぎりぎりすり寄る形で緩やかな1グループ6人での対話を行えたし、後半には自然発生かつ自発的な受講生間での対話空間が形成された。残るは提出されたノートファイルの評価のみだ。

 

修士課程・博士後期課程指導

投稿原稿の締切が迫る焦りに駆られてはいたものの、研究指導も今回で前期は一区切りだし、夏休みの課題や10月以降の大枠の研究室活動を提示できる前期最後の機会でもある。昨日どうにかカラー紙(赤とピンクの間の色)に作成し印刷したものを配布した(もちろんTeamsにもファイル掲載)。新メンバーの紹介も行い、この時間終了まで付き合ってくれた。正直、オンタイムの毎回の環境設定も楽ではなかったが、どうにかここまでたどりつけたことを喜びたい。研究室HP掲載についてはマニュアル作成の時間がとても持てない。終了後に残った有志メンバーに、せめて気持ちだけでも伝えたいと吠えまくった。

 

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21/08/04.Wed.

 

地域の姿と課題U

受講生は昨日中に課題の提出を済ませており(というかそのように日程を設定した)、最終回は達成感とリラックス感を持って対話を中心としたZoom授業となった。振り返り、ゲストスピーカーの講話に気付かされたこと、今後の地域との関わり方や仕事について、少人数で複数回自由に話し合ってもらった。同僚教員の操作で各ルームに40秒程度飛ばせてもらった。前期他の授業も含め、課題の採点、成績記載などこれからだが、もう一頑張りして、お盆前には終わらせたい。

 

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