2020年11月 中村祐司の教育日誌
20/11/02. Mon.
外国語文献講読
この授業の後期が始まった。というのはコロナ禍で、先月が対面授業に選定された必修科目などを優勢する特別期間となったからである。リモート・オンタイムで進める旨、受講生から了解を得る。少人数なのでモニター越しに直に向き合うようの雰囲気で進められそうだ。初回は”Rights, freedoms and COVID-19”を読む。切り抜いた紙面をスキャナにかけてPDFファイルにして、画面共有で進めた。手マークというのだろうか、訳す箇所についても皆で視覚的にも共有しつつ進められた。この種の授業はオンタイムと親和性があるかもしれない。
スポーツ・余暇政策
20数名の受講生でスタート。正直オンライン・ソフトの操作に慣れず緊張した。試行錯誤しつつ、また失敗しつつもツール使用と割り切って学んでいくしかない。受講生間の対話(チャットを含む)を重視した反転授業をやっていきたい。初回はコロナ禍が人々に及ぼす心身両面の萎縮現象を取り上げる。グループ分けで早速つまずき、受講生に助けてもらう。何はともあれ、相互のやり取りも含め、どうにか授業を成立させることができほっとした。コロナ禍で峰から陽東キャンパスへの移動が不要となったからこそ、この授業を履修できたとの受講生の言葉に力付けられた。
卒論・修論指導
4年生は何といっても卒論作成とジョイント運営準備で、院2年生は修論作成と入国をめぐって、院1年生は授業履修やジョイント発表・まちづくり提案で、研究生は来月の受験準備など、誰もが正念場を迎えている。実はこの卒論・修論に限っては、10月(5日、12日、19日、26日)から直接対面での指導が認められており、今回が5回目。自治体の最終試験と重なった2名は次回としたが、卒論中間発表会を公開で行う。何にしても損得抜きで目指すべき目標が目の前にあるというのは貴重だし、今やらずにいつ行うという思いもある。
政策形成と協働(新大学院授業)
大学院授業についても、実験など特別に認められた授業以外は、11月から開始。ただ、学部授業と異なり、回数は減らず。オンタイムで行う。初回は受講生から自己紹介と研究テーマ。今後の報告者の割り当てを行う。留学生が多く、言語の壁は多少あろうが、やはり大学院ということで研究色が濃くなるので、教員の発言にどうしても力が入った。この授業でも相互のコミュニケーションを柱に置きたい。
20/11/09. Thurs.
外国語文献講読
2回目は”Gas is the rich world’s new coal”を読む。受講生自ら手を挙げて訳すことを重視した。受講生による予習の有無がこの授業の質を左右する。その点で積極的な姿勢が目立ち、力付けられた。前回ショックだったのが、どうも今時の多くの大学生は電子辞書を持っていないのではということ。それが悪いというのではなく、スマホによるネット検索で用が足りるのだそうだ。翻訳機能の向上も含め、高齢に差し掛かった教員は浦島太郎になっていくのかもしれない。
スポーツ・余暇政策
スポーツ・余暇領域におけるアメリカの影響の大きさを、大統領選に絡めて話すことからスタート。モニターを通じたオンタイム授業の場合、教員からの一方的な話は20分が限界、カメラに視線合わせるやり方(視線一致型)、メリハリを付ける、画面が大きければ大きいほど良いこと、といったいくつかの鉄則があるらしい。グループ分けは1回目ランダム、2回目手動割り当てでやってみたら、うまく行った。「いじっていれば何とかなる」のスタンスでやって行こう。体で覚えていくしかない。
卒論・修論指導
最初に2名から卒論中間報告。学科の卒業要件となっており、簡素であってもこれをやっておかなければ。その後「模擬ジョイント合宿」を行う。とくに印象的だったのが、チャット機能の積極的活用。ネット環境によっては、口頭よりもこうした文字伝達の方が有用かもしれない。ジョイントのレジメとパワポのファイル締切が今月15日。まちづくり提案の各種締切もある。ネット機能を駆使して100名弱を動かすジョイント幹事の取り組みはダイナミックではあるものの、独特な緊張感があることも事実だ。
政策形成と協働(新大学院授業)
長年、5コマは16時10分開始というのが頭の中に浸透し切ってしまい、今回もミスを犯し16時から少し遅れてスタート。今回は次回以降の各報告へのつなぎとして、先日提出した担当教員の未定稿を素材にする。東京五輪開催の可否やその中身について、経済・市場重視、国家の威信、世論の支持の程度など、率直な意見を受講生から聞けたのが大きかった。もちろん真摯に向き合ったが、この時間帯、どうしても疲れが出てしまい、大きな声と大げさなジェスチャーで誤魔化したような感があったかもしれない。
20/11/16. Mon.
外国語文献講読
新ノートパソコンに外付けしたカメラが機能しなくて、再起動したところ立ち上がらなくなってしまい、非常に焦る。急遽旧ノートでつなぎ10分遅れで授業スタート。”Virus fatigue spreads in Europe”と”Prioritizing a coronavirus vaccine”を読む。出だしは教員だったが果敢な受講生2名が読み進める。今回、2本読むかどうか実は迷ったのだが、踏み込んでよかった。熱意に応えてくれる受講生の姿勢が実に頼もしい。
スポーツ・余暇政策
宇キ宮を学ぶをテーマに。思い切って1ルーム3-4人構成で7グループをランダムで作成。2回目の手動での振り分けも順調に進み、ほっと一息付いていたところ、いきなりネット接続が切れる。1コマ以上に焦った。デジタル機器は何が起こるかわからない。不測の事態に対応できる予備の準備は不可欠だと痛感した。デスクトップでも一時LANがつながらなかったので、それが原因から、ノートパソコンのキーの不調(購入したばかりなのに、押し込むと戻らない箇所があるのを発見!)のせいかもしれない。幸いルーム機能は維持していたようで、後半もほとんど影響なく進められた。
卒論・修論指導
実質的にジョイント準備が中心。その隙間を縫うような形でこちらも大詰めの卒論作成や、まちづくり提案、そのための調査の仕方、大学院受験、進路、宇大のジョイントレジメやパワポファイルなどに、同時進行で進む。ここに来て研究室の一体となった総合力のようなものが出てきた。ズーム参加の院生も含め、誰もが前向きなのが救いである。
政策形成と協働(新大学院授業)
最初、次回30日のURLからZoomに入ってしまい、またまた焦る。今日はこちらの操作・設定ミスによる脱線が目立ってしまった。でもそのおかげで理屈ではなく体で覚えていく感覚はある。3名からの報告後、意見交換。言葉は悪いが、これで3コマに授業が入っていたら、もたないと思った。来週は小休止と前向きに捉え、とにかく一つ一つ目の前の授業に向き合っていきたい。
20/11/30. Mon.
外国語文献講読
前回ようやくリズムを掴みかけたところでの2週間ぶりの授業。”A need for proper vaccine policies”と”Spare a thought for the young”を読む。前者ではワクチン接種政策の重要性を、後者ではコロナ禍が若者世代に及ぶ影響の大きさに指摘しており、大学で教える者として身につまされるような2本の論説であった。この授業の柱はとにかく地道に丁寧に読み解いていくことだ。
スポーツ・余暇政策
国際学部の受講生に未定稿を提示するのが直前になってしまったが、予定どおり東京五輪は今後どうなるのかをテーマに、1グループ4人程度の話し合いの機会を持ち、報告させた。グループによって、開催、無観客開催、再延期、中止などと見解が分かれたのが興味深かった。各々の理由付けについて、いずれも筋が通っていて感心した。ただ、ズーム(ビデオオン)において2コマ連続で行うとかなり疲れることも知った。
卒論・修論指導
模擬ジョイントゼミの実施。流れをゼミメンバーで共有できたことが大きかった。コロナ禍で長い間参加できなかった院生1名も戻り、研究室活動は確実に前進している。ジョイント、まちづくり提案、卒論・修論、大学院試験など、まだまだ前には重層的な課題があるが、一つ一つ丁寧に果敢に乗り越えていこう。
政策形成と協働(新大学院授業)
さすがにここまで来ると、画面に映る自分の顔が疲れているのがはっきりわかり、正直ビデオを停止したくなってしまった。しかし、院生は率直で気にせずビデオオンにしてくれる。そのスタンスに元気をもらって、3人からの報告。その後やり取りを行った。音声のみでもコミュニケーションは成立するのだろうが、顔を見合わせてやり取りすることで、プラスアルファの活力を与えてくれるのは間違いない。今回は研究室でホストを務めたため、マスクなしの心地良さがこんなに大きいのかと驚いた。