2019年11月 中村祐司の教育日誌
19/11/06. Mon.
外国語文献講読
“Addressing dementia prevention”と”Keep the price of new drugs sane”を読む。いずれも読み応えのある内容であった。前者は認知症兆候段階からの治療の必要性と社会的支援の点で、後者は高額薬の公的保険負担の必要性と財源問題、さらには政府と製薬会社との摩擦・調整といった点で興味深かった。次回プリントの原本が見つからず動揺。受講生に詫びてMoodle掲載のものを使うこととした。
スポーツ・余暇政策
ふるさとワーキングホリデイの紹介で総務省と実施事業の方がゲストスピーカーとして授業に参加。当初の予定では説明だけだったが、急遽このままでは貴重な機会がもったいないと思い、了解を得て二つのグループに分かれての対話を行った。若い者同士ですんなりと率直な話し合いが展開された。本日予定のものは次回に取り扱うこととする。教員も刺激を受けた内容となり、非常にありがたかった。
卒業研究準備演習
まちづくり提案が本格化し、ジョイントも実質的な始動に入った。ゼミ生2グループの検討の時間を使って、研究生2名の研究計画を見なければならず慌て気味に対応。本日二回目の誤算に直面。何と紙が詰まったわけではないのにプリンター機能が停止。しかし字数の関係で結果的には紙を使えなかったのが幸いした。スクリーンに映写しながらどうにか終える。2グループからも簡単な報告を受け、皆で取組内容を共有する。
卒論・修論指導
この時間まで研究生の研究計画作成がずれ込む。10日のかぬま多文化共生講座参加者について集合時間と集合場所など最終確認。2名から報告。卒論、修論もとくに研究室内締切まで4週間を切り、大詰めの段階に来た。昨日の院1年生の中間報告後の指導などこの時間に行う。今後の論文完成までのスケジュールを皆で確認する。
政策形成と協働(新大学院授業)
受講生から報告。報告を受けた後の話し合いが尽きない。大学院の授業というのはこのくらいの活気がなければいけないのだと、妙に納得した。教員からの話題提供二つについては次回行うこととする。この時間帯の中でも寒気が忍び寄ってくるのがわかった。夏は非常に長く感じたが秋から冬へはあっという間だ。
19/11/11. Thurs.
外国語文献講読
先週の水曜が月曜授業だったので、中4日での授業となる。”Push
for higher minimum wages”と”Keep up aid for kids in
poverty”を読む。前者では最低賃金の引き上げが及ぼす両面の影響が、後者では子どもの貧困をめぐる悪循環の連鎖が明らかにされた。時間内で2本というペースが軌道に乗ってきた。
スポーツ・余暇政策
早め早めの新聞記事紹介を心掛けた。話題提供は、eスポーツと地域活性、ごみ退治レンジャー、スポGOMI、階段垂直マラソン、難病を克服しつつある世界的ピアニスト、銀河英雄伝説と民主政治、本業・兼業・起業・社会的貢献のスーパー若手ウーマンなど。ここまではよかったが、グループ分けを三グループとすべきところ、四グループと勘違いし混乱してしまう。事前にやっておくべきことの手抜かりに反省。それでもグループ討議で各人に本業以外の関心事を問いかけた意味はあったと思う。
卒業研究準備演習
各グループによる提言論文作成に向けた追い込みが本格化してきた。次回は1週間後だが、その後は2週間空いてしまうので、締切と指導とのバランスが大切となる。現段階での進捗を共有する時間も設けた。その後また各グループで来週までにやっておくべきことを確認させた。試行錯誤は付き物だが、確実に前に進んでいることも実感できた。
卒論・修論指導
2名から報告。この点は厳守していきたい。大学院試験、卒論、修論と三重奏のような研究室活動の様相となってきた。大学院試験はもう少し後だが、研究室内締切までのこの3週間が正念場ということか。フルスクリーン活用で、物理的にがさばらないなど「レスペーパー」の効果も出ている。誰もが目の前にやるべき目標があるというのは、とても幸せなことかもしれない。
政策形成と協働(新大学院授業)
東京五輪について作成した直近の未定稿を素材に、コメントを持ち寄って討議。教員にとってこれまで気づかない視点を知ることができ、非常に有意義であった。同時に今後も何とか書き続けていく勇気とエネルギーをもらったと感じた。院生のアンテナの張り方に優劣はないものの、これまでの旧大学院の授業とはまた別の次元を味わうことができたのが嬉しかった。また、年齢が上がるがゆえに、雑務も含めて事前の思い込みを極力なくそうと思った。
19/11/15. Fri.
まちづくり特講(スポーツと余暇のまちづくり)
オムニバス授業で自分の担当は1回。だからこそ敢えて内容を詰め込んだ。事前質問用紙のいくつかに回答してから、eスポーツ、スポーツGOMI、垂直階段マラソンの新聞記事と動画を紹介。その後、今回のテーマで東京五輪の大会経費問題と新規競技施設の後利用問題について説明した。一回りサイズの大きい出席カードに「ここが疑問 東京五輪」という話題で自由記載させ、時間が迫るなか受講生数人が報告する。終了後、受講生の記載を読んで、若い世代が感じている疑問(就活への影響など)の一端を把握することができた。オムニバス授業の一応の責任は果たせたのでは。
19/11/18. Mon.
外国語文献講読
“Regional revitalization goes slow”と”Close passive smoke loopholes”を読む。前者は構文の捉え方に戸惑う箇所がいくつかあったものの、結局は何とか皆で納得できる文法解釈に落ち着いた。後者は施設外の全面禁煙がもたらす課題や世界中の受動喫煙被害など新たな知識を得ることができた。次回は2週間後、油断せずに1回2本を確実に読んでいきたい。本日、新聞に記載された、読解力の大切さをとく論者の見解に大いに力付けられたので朝コピーして受講生に配布した。
スポーツ・余暇政策
今日は自分の未定稿を素材に、東京五輪新規競技施設の後利用について、有効活用のあり方を各グループで探った。時間を多めに取り、まずは個人の考え方、その後グループとしての提案を練ってもらった。カヌー競技場など水面の魅力を光によってフルに活用する案など、なるほどと思わせる案がいくつかあった。次回も今回と同じスタイルで大会経費について皆で知恵を絞りたい。
卒業研究準備演習
前半はまちづくり提案とジョイントに向けた準備(とくに論文作成)。時間が押してしまったが、残りの30分間で報告。両グループとも論文の骨格だけでなく内容もかなり埋まっていて、非常に頼もしく感じた。前期に各自がしっかりゼミ論を書き切ったことがここに来て生きている。次回が2週間後なので、その前に提出締切が来てしまう。締切を27日午前中に設定した。
卒論・修論指導
研究室内締切前の最後の卒論・修論指導であったが、体調を崩した院生がいて残念ながら全員は揃わず。それでも、必ず書き上げるとの意識を共有できたのがよかった。実質的には院生1年生からの報告のみであったが、空いた時間を使って、急遽研究生2名の面接対応の支援を行う。
政策形成と協働(新大学院授業)
何も見ないという条件での研究関連書き下ろし1枚をもとに、各受講生から報告と問題意識の提示。起業をめぐる背景など実に興味深い指摘が次々に出てきた。優劣とは全く関係ないが、以前属した研究科ではこのような経験は長年得られなかったため、非常に新鮮に感じた。次回は2週間後となる。後期前半の8コマ授業のため最終回となる(全員から修士論文目次案の提出と報告を予定)。