20195月 中村祐司の教育日誌

 

 

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19/05/07. Tue.

行政学

連休明け、いきなり火曜振替授業のため行政学からスタート。心持ち少し受講生数が減ったかもしれない程度で、気持ちよくスタートできた。板書の関係でレジメからスタート(米大統領府と古典的組織論の融合)。テキストは2章の地方公務員制度。内閣人事局に触れるべきところ失念。次回のテーマは普天間飛行場移設問題とし、受講生間の意見交換の形式は今後考えることとした。

 

現代政治の理論と実際

直近の統一地方選で印象に残ったことを述べ、後半はグループ討議とする。現状の地方議会が学生にとって決して身近な存在ではないことが露わになったものの、どうすれば関心を持てるかについて、真剣に考える機会を持てたのがよかった。

 

コミュニティデザイン演習

どうしても峰キャンパスからぎりぎりで駆け込むような形となる。今回でもってこの時点でのゼミ論テーマの確定。ゼミ生の準備には温度差があったものの、いよいよ本日を契機に論文作成が本格的にスタートする。教室の使い方にもだいぶ慣れてきた。

 

地方自治論

上記3コマと同じ教室なので移動のロスがなく助かる。連休前よりも受講生は少し減少したが、教室のキャパにはぴったりといった感じだ。脚立式のホワイトボードの活用にも慣れてきた。これからの地方議会について、現状を打破するための思い切ったアイデア(ゲーム形式での議会運営など)を学生から聞くことができた。

 

卒論・修論指導

就活等のため少人数となったが、その分、報告後の時間を使って近況について共有することができた。提出書類など手続関係についても毎回注意しておきたい(後でやるべきことが判明)。直接会うのが1週間単位なので、とくに署名・押印が必要となる書類だと、提出の締切に間に合わない恐れが出てくるからだ。

 

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19/05/09. Thurs.

 

スポーツ社会学(白鴎大学)

先日の火曜に宇大で授業を行ったため、何となく間隔が短い感じで授業に入った。まずはeスポーツの補足から。とくにデジタルと生身のスポーツとの融合現象が既に進みつつある点を強調した。その後はアスナビ(トップアスリート就職支援ナビゲーター)、国際児童基金(ユニセフ)で活躍する元五輪水泳選手、セカンドキャリアにおいてビジネス世界で活躍する元選手とその特性、地域スポーツ活動を柱とするプロランナー、ボクシングの女性プロレフェリー、スポードボールやフレスコボールの魅力などを取り上げた。スポーツ世界には知らないことがたくさんある。

 

スポーツ行政論(白鴎大学)

今回の授業テーマは、全米大学体育協会(NCAA)をモデルに発足した大学スポーツ協会(ユニバス)の理念と課題。「学業充実」「安全安心」「事業マーケティング」をどう達成していくのか。中体連や高体連とおなじような横串の機能を果たせるのか、運動部学生と一般学生との認識の差を埋めることができるのか、その他にも大学単体での新設のスポーツ局を通じた運動部に対する適切な管理、学連と大学との調整など、新聞記事を通じていろいろな課題に思いをめぐらせた。

 

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19/05/10. Fri.

 

地域デザイン学序論

学部1年生対象のオムニバス授業。準備の段階で迷った末、動画中心で授業を構成(茨城町、宇部市、三田のガウディ、種、川俣ダム、八ッ場ダム、ネピドーなど)。伝えたかったのは、政策は結局のところ人によるというもの。グループ討議の時間が短くなってしまったが、担当教員に問題意識は所属学科に関係なく受講生に伝わったのでは。今回一番焦ったのか、準備を終えた段階でノートパソコンの液晶画面の故障で何も映らなくなってしまったこと。外部ディスプレイを使ってしのいだが、今後の授業等でどう対応すればいいのだろうか。

 

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19/05/13. Mon.

 

行政学

沖縄辺野古問題を共通テーマとする。固定席の100数十名となるとグループ討議は難しく、Moodle掲載済みの新聞資料と追加資料を説明した後で、大きめの出席カードに各自の考えを記載させた後、一つの机を中心に主として3人での意見交換の時間を持った。その後、マイクを持って回る。最後に対談の動画を提示し、教員の意見(広域自治体の議員個々の意思を問う)を述べた。考え続けることの大切さを述べて終了。ノートパソコン操作を大きなスクリーンを見上げながら行った。どうにか使えてよかった。

 

現代政治の理論と実際

四つのグループでの同一テーマをめぐる意見交換。1年生にはやや荷が重かったか。しかし、たとえば「普天間飛行場の移設は反対だが、辺野古への建設は反対」といった考えをどう住民投票に反映させればよかったのか」など鋭い見方もあった。多くのわからないことや、これから知らなければならないことを痛感する貴重な機会となったのでは。

 

コミュニティデザイン演習

早めに昼食を済ませ素早く移動したつもりだが、それでも教室に入るのがぎりぎりとなる。今日から文章作成を積み上げていくこととなる。情報源の提示や、その情報源をまとめたり、引用したりすることが読み手に明確にわかるようにすること、自分なりの問題意識を大切にして論を進めていくことを確認した。目下の教員のカード作成状況についても紹介した。厳しくでも伸び伸びと論文作成に向き合ってほしい。

 

地方自治論

現政と同じく四つのグループでの同一テーマをめぐる意見交換。最初は戸惑いが見られたものの、いずれのグループでもかなり深まった議論が展開されたように見受けられた。報告もなかなかのもので、学年が上がるにつれての思考の進化を感じた。今回のように各授業をいわば横串にするようなやり方も、時には必要だと思った。

 

卒論・修論指導

題目届けやアンケート回答など、書類上の提出が気になったものの、まずは二人からの報告を大切にした。その後、教員側の手続き上の誤解があったものの、欠席者への院生によるフォローも含めて、良い方向に進めることができた。教員からすれば、院生同士がまとまって対応してくれれば、非常にありがたい。

 

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19/05/16. Thurs.

 

スポーツ社会学(白鴎大学)

eスポーツの補足と称して説明するうちに、「役割分担」や「俯瞰」といったキーワードも出てきて、なかなか終わらなくなってしまった。プロ野球チームにおけるバットのグリップエンドとIT利用、衣類一体型や装着型のセンサーの使用、頭脳スポーツとしてのマージャン、パラグライダーの魅力、競輪場の新たな活用方策を取り上げた。スポーツ種目の価値は大会賞金の大小や知名度だけでは計れないと思った。

 

スポーツ行政論(白鴎大学)

ユニバスの補足をした後で、東京五輪チケット販売の課題(不正転売防止など)に注目した。その後、開拓的なスポーツとしてブレークダンス、馬術、吹き矢、シャフルボード、宇都宮環状線を1周するミヤランを紹介した。本人が心底から楽しめるものであれば、身体運動の多寡にかかわらず、スポーツ活動として包含してよいのではと思った。

 

地域社会総論

学部1年生対象のオムニバス授業。先週の序論とのつながりを意識しつつ、来月中旬から始まる共通科目を関連するテーマを取り上げる(首長の仕事、指定廃棄物問題)。政策や実務についてもこれに関わる人の向きあい方によることを強調した。グループワークはMoodle掲載資料へのアクセスの仕方。これが共通科目で生きることになる。この週は学外も重なり疲れが出たせいか、進め方がやや早まってしまったのが反省点。

 

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19/05/20. Mon.

 

行政学

レジメは中央・地方関係(分権・分離、集権・融合)。ポイントも提示。テキストは第3章(田中長野県政の先駆性)。コラムは二つ(自転車、地方創生)。動画も二つ提示(消費者と店員との関係、水道事業の民営化)。改めて時間ジャストに授業を開始することの大切さを知った。ポイント提示1回切りも含め、たとえ憎まれ役となってもこのスタイルを貫いていきたい。

 

現代政治の理論と実際

米朝首脳再会談を対象に、国家間の交渉のあり方とは何かも含めて、四つのグループで討議。ネット上の情報に振り回されることなく、受講生が個々の言葉で話し合っていたのが印象的だった。出席も安定しており、教員にとってはこれが非常にありがたい。このような授業環境を維持していきたい。

 

コミュニティデザイン演習

早め早めにと心掛けているものの、時間の余裕がないまま教室に入る。今朝、メールチェックするのをうっかりしてしまった。各報告は問題意識や現場経験の文章化など感心するものが多かった。この調子で着実に進めてほしい。それに比べて教員の方は気が付けば原稿締切まであと10日余り。ゼミ生の頑張りに並走していきたいと思った。動画も提示。

 

地方自治論

自分が関わった協働のまちづくりをめぐる冊子を素材に、グループで協働のまちづくり事業を提案させる。冊子の事例を生かした提案が多かったのと、議会食堂を多様な交流の場(プラットフォーム)にしようなどといった他の施設への広がりを感じる提案もあった。ここでも動画を提示。

 

卒論・修論指導

就活絡み2名が欠席したが、やることはやらねばという一念で指導に入る。2名から報告。そのうち一つにはテーマ設定の大切さというか、設定がずれた場合の恐さを感じざるを得なかった。次週の出直しを期待したい。教員からすると、二つの大学院と研究生をめぐる書類の手続きが混在しがちで、心して向き合わねばと思った。

 

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19/05/23. Thurs.

 

スポーツ社会学(白鴎大学)

eスポーツの関心が小学生やシニアの世代に広がりつつあることに触れた後、過去の五輪大会(ロサンゼルス、ソウル、バルセロナ、アトランタ、冬季長野)における特質を挙げた。その後、サーフィン大会の新境地や人工造波施設の魅力、さらに都市型スポーツの任期上昇についても対象とした。いずれも今後の実践と観戦の市場規模拡大がどうなるのか、注目したいと思った。

 

スポーツ行政論(白鴎大学)

まず、東京五輪チケットをめぐるネットダフ屋対策に言及。巨額なファイトマネーなどボクシングマネーの拡大、スポーツ専門の動画配信サービス「DAZN(ダゾーン)」の市場戦略、暗闘ボクシングやエアボクシングの人気上昇、ソフトボール専用球場宇津木スタジアムの開業、横浜スタジアムの多様な活用、マイナースポーツの速報アプリの可能性、フェンシング競技のエンタテインメント化の背景、野球巡り旅の醍醐味などを紹介した。規模や人気の大小にかからず、スポーツ社会にはまだまだ開拓の余地があると感じた。

 

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19/05/27. Mon.

 

行政学

レジメは中央省庁の官房系統組織について。国土交通省の組織図を示しつつ説明。テキストは第4章の知事の公金支出に対する監査のところ。コラムは時間が押してしまいさらっとやる。2週間後の中間試験についても。動画はソウルミュージュシャンのグループ結成27年継続の気骨。追加現在資料として18歳起業家の心意気。この時期で連続する暑さの影響か6月疲れか、受講者数がやや少なめに感じた。

 

現代政治の理論と実際

自分がこれまで関わった自治基本条例づくりの話しから始めて、どのようにすれば地域住民に浸透するのか、グループで知恵を絞ってもらう。簡易黒板などだいぶ使い方にも慣れてきた。共通の動画も提示。映りは良いとはいえないが、スクリーンがないので仕方がない。18歳起業家の話題は同じ年齢の受講生ということもあり、刺激となったはずだ。

 

コミュニティデザイン演習

相当急いだつもりだが、時間が迫りぎりぎりで教室に入る。今朝、メールチェックしたので、スムーズに報告に入る。提出はもちろん、編集もワードのそれを使い、ファイル上で行うこととする。次回は第2グループ4名の報告。締切まで2週間となった。プレッシャーをぜひ力に入れてほしい。とはいえ、教員はそれより1週間早い原稿締切に追われていて、自らに言い聞かせる言葉となった。

 

地方自治論

現政と同じ資料を用いて、自治基本条例浸透のアイデアを各グループに問うた。時間は短めだったが、たとえば子どもを対象に面白体操と結び付けたユニークな報告もあった。二つの共通資料を丁寧気味に説明。動画も提示。プロジェクターというのはモノによってこうも違うのかと実感した。

 

卒論・修論指導

就活のための欠席はあっても、出席のメンバーによる報告を途切らせるわけにはいかない。2名から報告。必要な書類提出など慎重に確認したつもりだったが、終了後に研究室に戻って、卒業写真アルバム、修論題目届け、まちづくり提案の件などうっかりしていたことに気付く。次回は忘れずに情報提供しなければ。

 

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19/05/30. Thurs.

 

スポーツ社会学(白鴎大学)

スポーツ団体ガバナンスコードの策定とJOC会長退任問題を対象とした原稿締切に追われる中、前者について自分の考えも受講生にぶつける形で授業を進めた。やはり論文作成となると事例紹介のさらに先を行くので迫力の違いが出たのであろうか。受講生の集中力が最後まで切れないように感じた。

 

スポーツ行政論(白鴎大学)

上記研究テーマの後者に焦点を絞って話しをする。IOCJSCなど国内外のスポーツ政策関連組織が出てきて、いろいろな影響力の行使があるので、受講生は混乱したのかと思いきや、授業終了後、「IOCというのは、こうでこうだから・・・」といった理解を深めようとする受講生同士の真剣な会話に接し、非常に嬉しくなった。

 

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