20191月 中村祐司の教育日誌

 

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19/01/07. Mon.

外国語文献講読

新年初授業がスタートするも、あまりの寒さに空調が効かないまま終わった。しかし、めげてはいられない。“Reduce the burden on lay judges””Spending to ease tax hike impact”を読み切る。前者は市民裁判員制度が直面する実際の課題、後者は政権による消費税増税をめぐる対応・緩和措置の限界を指摘しており、知識獲得の点でも勉強になった。読み終えた後、受講生も理解を深めたことが分かり、嬉しかった。

 

スポーツ・余暇政策

新年のイチオシ余暇活動を受講生一人一人が紹介。普段の授業ではわからない個性が垣間見えて興味深かった。新聞情報からの紹介は、大阪万博、分野をまたぐ思考の大切さ、外国人材をめぐる議論、福井県鯖江市の町おこしモデルの変容、高校生など内向き目的で使われるSNSの特徴、大学2年生(英語表記でSOPHOMORE)の語源。動画は前回に引き続き「せやろがいおじさん」を取り上げ、賛否はともかく筋道の立った理屈に注目した。残すところあと2回。エッセイ作成に向けた授業展開が中心となる。

 

卒業研究準備演習

確かに後期ゼミの研究室活動は一区切り付いたが、それを対外的に紹介するpeer to peerも重要。21日に行う実践の準備に当てる。この時間内でA41枚のチラシを作成。明日には色の付いた用紙に印刷して掲示板に貼らせてもらおう。また、次回の4コマは卒論・修論発表会であり、それまでに7本の論文を読み込んでおかなければならない。活動が終盤に向かう中、まだまだやるべきことは多く、最後の頑張りを期待したい。

 

卒論・修論指導

次回の発表会に向けた段取り、各論文の研究室HP掲載作業、チラシ作成などに当てる。サーバーにデータを直接上げることはできないものの、リンク先を盛り込んだファイルを教員が受け取る形で、どうにか時間内に掲載が完了した。これで誰もが紙媒体を経由せずにフル論文を読むことができるようになった。研究室HP掲載が必要なデータについて、残すところは就職日誌のみとなった。2階(教室)と3階(研究室)を行ったり来たりとなったが、電子媒体を取り扱う作業であっても、やはり頼りは体を動かすことだと思った。

 

大学院比較政策研究

二つの報告(防災、歴史的町並み)。この授業では、期せずして文章の直しにも力点が置かれるようになっている。考察についてももう一押しが必要だ。一方で、受講生は確実に力を付けている。論文は眺めるだけなら一瞬だが、作り手からすれば、一文一文を苦しみながら積み上げていかなければいけない。生やさしいものではないし、生半可な気持ちではすぐに行き詰まってしまう。なお、遅ればせながら、日中電子辞書も持ち込むようにした。

 

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19/01/21. Mon.

 

外国語文献講読

だいぶ早めに教室に入って暖房のスイッチを入れておく(北向きのコンクリート教室の冬は非常に寒い)。この曜日この時間帯で授業が成立することに感謝。”Privatizing the water supply””Admit the error of eugenics law”を読む。スクリーンも活用。水道事業の将来や、差別的な取り扱いの撤廃と国家による償いのあり方など考えさせられた。いよいよ次回が最終回。気を抜かずに読み切って終わりたい。授業最後に余らせた時間で授業評価アンケートを実施。

 

スポーツ・余暇政策

2週間ぶりなので、前回提示した課題内容を確認してから授業に入る。一人3分で最初にエッセイについての中間報告を全員から。既に半分近くあるいはそれ以上文章化した受講生もいて頼もしかった。その後新聞切り抜き資料を提示(就活、20歳で考える国民年金、プラスチックごみ対策に向き合う個人の奮闘、過激なゆるキャラ、異端派漫才コンビの人気上昇の背景、パワハラを問いかける日弁連、デジタルアートの魅力、大学編集サイトの独自発信など)。動画もいくつか提示。授業アンケートを実施して終了。

 

卒業研究準備演習

オープン授業扱いとし、予定では後期ゼミの振り返り。ただ残念ながら聴講者がいなかったので、今後の研究室活動のスケジュールを確認するための時間も取った。4年生の一部参加に感謝。残りの時間は次の時間の卒論発表の準備に充てる。院生を含むゼミ生には各論文を今からでも読み込んでほしいと思った。空いた時間を使って、昨年の修論最終報告会で保存しておいた2名分のレジメファイルを、来月の報告者に送信した。

 

卒論・修論指導

卒論・修論発表会。最初から最後まで聴講者がいたことも大きかった。7人の報告と質疑・応答を見守る。達成感と寂しさが入り交じったような不思議な気持ちになった。これで研究室活動として大きな一区切りとなった。終了後、次回3コマの就活報告会と4コマの自治基本条例推進会議について確認し、とくに前者についてチラシの作成は4年生に委ねた。

 

大学院比較政策研究

全員から目次構成についての報告。章と節には問題意識が伝わるキーワードを盛り込んでほしい旨強調した。国際学研究科としての授業も、「比較政策研究」という名前での授業も今回で最後となった。何とか20年間以上毎年続けたことを喜びたい。実質的には4月新大学院の授業として別科目名で引き継がれることになる。今後とも、とにかく誠意を持って臨んでいこう。

 

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19/01/28. Mon.

 

外国語文献講読

最終回の授業まで何とかたどり着いた。”China’s 40 extraordinary years” ”Support for foreign laborers”を読む。赤線を入れた映写スクリーンも使いながら、読み進めた。二つのテーマとも今後、社会や生活に影響を及ぶす重要な課題だと感じた。陽東キャンパスでの初の「外国語文献講読」をやり終えて、嬉しいような寂しいような不思議な気持ちになった。

 

スポーツ・余暇政策

この授業も最終回まで来た。課題のエッセイはほぼ全員が提出。三つのグループに分かれて各々の原稿を読み合う。その後もう一度別のグループで読み合う。予想外なことに、その後も受講生自ら、まだ読んでいない受講生のエッセイを読みたいと、自然発生的に三度目のグループが生じた。これは良い光景だった。新聞切り抜きの話題提供は最後まで行う(就活関係、若者による海外での企業、感情を最も表現しやすい楽器サクソフォンの新星、連続物に果敢に挑戦する若手講談師、少年院出院者アイドルの読書量、紙の新聞の価値、自治体移住・定住PR、服「廃棄」の背景)。最後の二つについては動画も提示。今日の展開から優秀エッセイの選出は不必要ではという思いも持った。

 

卒業研究準備演習

4年生による座談会「私の就活経験」を開催。若干名ではあったものの、研究室以外からも学生と教員が参加してくれ、開かれた研究室活動の面で大きな一歩となった。就活をめぐる卒論生の話しはいずれも興味深く、示唆するところ大であった。今回は教員が学生で学生が教員の役割を果たしてくれたかのようであった。これでもって今年度の研究室活動が遂に一区切りとなった。ここまで何とか途切らせることなく、終えることができた。素直に喜びたいが、学生との別れはやはり寂しい。

 

卒論・修論指導

この時間を活用して「ローカルコモンズ拠点事業」を実施した。市貝町自治基本条例が成立し、関係者と研究室メンバーとが一緒になって、意見交換会を開催した。その後の懇親会の準備(ビールサーバをわざわざお昼の時間に設置してくれた)、資料の用意やわざわざ大学まで足を運んでくれたことなど、とくに関係者の方々(担当職員や検討委員会のメンバー)には感謝したい。懇親会は17時からとなったが、同時に期せずして今年度の研究室の打ち上げともなった。同時にこれからの新たなスタートともなった。とても心地よい懇親会であった。同時に4年生との別れの寂しさが再び募ってきた。

 

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