20186月 中村祐司の教育日誌

 

 

---

 

18/06/04. Mon.

行政学

下野市でまちづくりに先駆的に取り組んでいる実践者を招き、前半は講話、後半は受講生との一問一答を行う。授業にアクセントを付ける意味だけでなく、エネルギッシュに地域社会で活躍する姿に受講生は重要な何かを感じたはずだ。一問一答ではいずれもが受講生による自主的な挙手であった。事前に調整する労はあったものの、思い切ってこうした授業を導入してよかったと思った。次回はテキスト第6章とコラム。レジメはMoodleに掲載した。

 

現代政治の理論と実際

グループ替えを行う。新学部の授業である地域の姿と課題Uの7月下旬の授業について、受講生の参加を聞くも残念ながらほとんどが他の授業とバッティングしているようであった。森友・加計学園問題を取り上げる。若い世代がどう受け止めるかを知りたかった。相当に詰めた議論を展開しているグループもあった。最後の方に、政治意識についてのゼミ論作成に向けた協力が得られる機会を作れてよかった。

 

地方自治論

3コマのゼミが就活ガイダンスのため休みとなり、時間と心の余裕が生じた。裏返せば連続での授業が年齢と相俟っていかにきついか痛感した。地域の姿と課題Uの7月下旬の授業についての受講生の反応は、予想外だった。他の授業における依頼との絡みもありそうなので、慌てずにじっくりやっていきたい。次回も下野市環境基本計画を対象とするが、グループで事業案を出してもらうこととした。

 

卒論・修論指導

教室の形状が少しだけ洞窟風なので何となく落ち着く。なかなか全員は揃わないものの、報告は四つ。その前にまちづくり提案や725日授業の件で相談し、いずれも了解を得る。院2年生の中間報告会も近づいてきた。今日は近くの小学校地のコミュニティセンターにおいて地域内交通について住民による検討委員会があり、学生・院生6名が傍聴するため、終了後は正門に集合し、自転車で出掛けた。10数年前に懇親会に向かうのに集団となって自転車で向かった記憶はあるものの、このような移動は珍しく、後ろを振り返った際にしばしその光景に見とれてしまった。終了は20時過ぎとなったものの、住民の方の率直な考え方に触れることのできた貴重な経験となった。

 

---

 

18/06/06. Wed.

地域の姿と課題U

学部設置準備の時期からいえば設置審書類など4年ほど前から準備を始めた授業が遂にスタートした。コミュニティの場合は選択必修扱いだが20名弱が集まった。なかなか感知力のある受講生たちである。初回はガイダンスで、今後のスケジュール、課題設定、Moodleへのアクセスの仕方などを説明する。予想外にあっさり終わったが、よく考えると次回からが本番だ。ゲストスピーカーと受講生との密度の濃いやり取りを期待したい。

 

---

 

18/06/07. Thurs.

 

スポーツ社会学(白鴎大学)

板書しながらの講義をこれまで頑張ってきたので、今回は多少の息抜き感を込めて動画を素材とした。しかし、準備段階で混乱。それでも何とか、13本の動画を揃えた。内容は浅田真央、ブルーノ・マーズ、ホイットニー・ヒューストン、高校野球栃木県大会、2018サッカーW杯ロシア大会、2019年ワールドラグビー、2020年東京五輪、2022年北京冬季五輪など。キーワードはスタジアムやメガ・スポーツイベントとした。動画を取り扱うことに、餅は餅屋に任せた方がよかったと後悔したものの、素材としてはいずれも貴重であり、活字勝負の教員も動画資料を避けて通れない時代になったのだろう。

 

スポーツ行政論(白鴎大学)

同じく動画を取り扱う。正直苦し紛れに用意したのが、自治体のPR動画で、内容は大分県・シンクロナイズドスイミング、鹿児島県志布志市・プール、埼玉県久喜市と神奈川県藤沢市・ダンス、下野市・格闘技、宇都宮市・自転車。後半はダウンヒル自転車、マウンテンバイクレース、水泳飛び込み、ヘディング卓球、eスポーツなど。受講生の反応が予想外になくて、労多くしての感もあったが、後で振り返れば印象に残る授業となるかもしれない。

 

---

 

18/06/11. Mon.

 

行政学

前回ゲストスピーカーの丁寧な応答(子ほめ条例について)を最初に紹介し、テキスト第6章に入る。敢えてポイントを財政力指数や経常収支比率に置いた。コラム2本はさらっと言及する程度。レジメは最も難しい箇所である横割りの組織と縦割りの組織の調整。絞りに絞った形で説明。その後森友・加計学園問題の動画提示。中間試験を振り返って、期末試験に向け受講生を力付けるメッセージ。最後に共通資料として競技としてのMTB大会の凄さとダウンヒルの動画紹介。さらに成績問い合わせへの対応など、やり過ぎかと思われるほどいろいろ詰め込んだ授業となった。

 

現代政治の理論と実際

18歳選挙権を考える。若者は冷めた見方を示して終わりかと思いきや、各グループから「こうすれば・・・」といった改善策が出て、報告を興味深く聞いた。若い世代は政治に冷め切っているわけではないことを知った。短い時間ではあったが明日の米朝首脳会談の行方を予想する。次回はこれをテーマに事前の有識者の指摘との関連で、会談後の展開を考えることとする。

 

コミュニティデザイン演習

雨の中、昼食や峰キャンパスからの移動を早め早めと心掛けたものの、ぎりぎりになってしまう。ゼミ生3名とは直接指導の機会が持てなかったため、その時間を取る。まちづくり提案への参加についてはぎりぎりとなりそうだが、判断はゼミ生にまかせるつもりだ。ゼミ論原稿については15日(金)までに添付ファイルで送信提出とする。うまくいくかわからないが、印刷せずにファイル上で修正を指摘するつもりだ。今の時期は目の前のことを誠実にこなしていくしかない。

 

地方自治論

環境に関わる事業提案を課題とする。戸惑いつつも、ごみゼロを目指す事業など、資金や収入の循環も含めたユニークな内容が紹介された。授業共通資料の動画(MTB大会)を見ながら、プロジェクターの精度の高さに感心した。次回は現政と同じく、米朝首脳会談を対象とする。その後の韓国における地方選挙やその結果が南北関係に及ぶす影響、さらには北朝鮮の民意の行方など、地方自治の視点と無縁ではないからだ。

 

卒論・修論指導

就活最盛期なのだろう。そのためか4年生は3名の参加。修士2年の留学生について状況は異なるようだが。2名からの報告の他に、修論中間報告の中身の確認。まちづくり提案に向けての相談。修士1年生のTAの割り振りなどいろいろとやることがあった。事務手続きを嫌っていては大学教員を勤めることはできないと思った。今日あたりから本格的な梅雨入りか。7月のことは考えずに、とにかく今月を乗り切っていきたい。

 

---

 

18/06/13. Wed.

地域の姿と課題U

ゲストスピーカーは県庁職員。とくに後半の質疑応答が互いにシャープで濃密であった。これまで準備してきてよかったと思った。質疑応答をスクリーンに活字として打ち込む作業も苦にならなかった。ゲストスピーカーを招いた初回の授業において、良いスタートを切れたことを喜びたい。

 

---

 

18/06/14. Thurs.

 

スポーツ社会学(白鴎大学)

盛り上がりに欠くといわれるサッカーW杯ロシア大会の開幕(日本サッカーの視聴率低下やブラジルでの不人気など)、2026年W杯の3カ国共催、「冒険の共有」と「単独・無酸素」を掲げた登山家の遭難死の背景、16歳青年の自転車BMXフリースタイル・パークの挑戦、スポーツクライミング選手の意気込み、2020年東京五輪ボランティアの活動内容や条件の確定などを取り上げた。まさにスポーツを取り巻く環境は激変している。

 

スポーツ行政論(白鴎大学)

公営競技などの市場規模(中央競馬やスポーツ振興くじなど)、くじの対象をプロ野球に広げる構想の先送り、廃校をJリーグクラブ練習拠点として再利用したJ2水戸の事例、サッカー等スポーツ界におけるデータ活用、栃木ブレックスのSNS活用、舞台医学、サッカーゲーム界大手2社(コナミとEA)の市場獲得競争などを対象とした。いずれも組織改革や市場戦力など立ち止まることが許されない状況にあると感じた。

 

地域の姿と課題T

1年生150名を対象とし、次回以降6回にわたってゲストスピーカーを招く授業がいよいよスタートした。初回はガイダンス。今後の授業概要や課題の内容・提出方法、Moodelへのアクセスの仕方などを説明した。授業概要についてペーパー配布を今回はしなかったため、各グループでのこの点についての話し合いの時間は取らなかった。次回はマイクの音量が最後尾まで十分に届くことの事前確認など、抜かりのないようにしたい。

 

---

 

18/06/18. Mon.

 

行政学

テキスト第7章(地方選挙)から入る。ポイントは当時の「トリプル選挙」など。「現金給付は国、サービス給付は地方」という言葉の意味についても説明した。レジメではラインとスタッフの再定義、面従腹背、費用指向の規準など。共通資料は動画「宇都宮のことはそれほど」を取り上げた。今はテキストとレジメに沿って着実に進めていくのが大切な時期だ。

 

現代政治の理論と実際

追加資料としてMoodleに掲載した米朝首脳会談直後の各新聞の見方を紹介した後で、グループ討議。考え続けていかなければという思いを強くする。アメリカといえどもいずれは若い世代からのリーダーが出てくるはずだ。次回は2020年東京五輪を取り上げる。グループ替えも行う予定。

 

コミュニティデザイン演習

2コマの授業終了後のラジオで今朝、大阪北部で大地震があったことを知る。重い気持ちを引きずったまま、峰キャンパスから陽東キャンパスまで通学自転車で移動。急いでも3コマのゼミには少し遅れてしまう。提出のあったゼミ論原稿の手直しについて説明。全員が匿名掲載を希望したのも昨今のIT環境からすれば致し方ないのかもしれない。22日(金)を完成原稿の提出日に設定する。受け取り次第、教員側が研究室HP掲載を行うことになる。

 

地方自治論

現政と同じテーマでグループ討議。各グループの特徴も結局は構成する人次第といったところか。次回は現政と同じく2020年東京五輪をテーマとする。受講生がどのような受け止め方をするのか、楽しみだ。共通資料の動画は、機材の性能が良いため、それがそのまま迫力ある映像に直結していた。

 

卒論・修論指導

この時間帯になるともう顔を出すだけで精一杯という感じになるが、それではいけないし、調整することも複数ある。院生の後期TAに関する書類作成をうっかりしていた。明日の修論中間報告会の最終確認、報告は3件、まちづくり提案留学生チームの申請書のチェック。終了後は口も聞けないほど疲れるが、達成感があるからこそ、長年にわたって続けられることも事実である。

 

---

 

18/06/20. Wed.

 

地域の姿と課題U

2人目のゲストスピーカーは地元新聞記者。未婚社会をテーマに講話と質疑応答。とくに後者では、最初は硬めだった受講生からの質問内容が、徐々に自分たちの課題として捉えた内容に変化していったと感じた。直接人と会い、現場に行きそこから記事を書く。同じ活字でも迫力が違ってくることを受講生は感じた取ったのではないか。対象とするのが地域エリアだからこそのダイナミズムを感じた。

 

---

 

 

18/06/21. Thurs.

 

スポーツ社会学(白鴎大学)

1昨日のサッカーW杯日本対コロンビア戦の感想を述べた後、アディダスなどによるユニホーム提供、キットスタッフ(用具担当)、アイスランド戦の視聴率、モスクワ大イベント会場、ロシア代表選手の背景、トルコ大統領との関連でドイツ2選手に対する批判、差別行為に対する監視チーム、サッカーの語源と協会(Association)、サランスクの民泊費の高さ、ロシア在住外個人の滞在登録手続きの不便さ、酒瓶規制、モスクワにおける外国語表示の少なさ、2026年大会共催(米国、カナダ、メキシコ)の背景を取り上げる。1昨日の勝利のおかげで授業も元気をもらえた。

 

スポーツ行政論(白鴎大学)

アフリカへの中古車販売会社(ビィ・フォアード)の成功とJ3への選手入団、バレーボールのVリーグチーム「VC長野トライデンツ」の奮闘、eスポーツの急速な盛り上がりとその背景。とくにeスポーツについては、その効用が教育にも生かされるという主張には驚いた。ネット世界の代名詞のような存在がいずれは本物のスポーツ世界をひっくり返すかもしれないと思った。

 

地域の姿と課題T

スクリーンを敢えて使わず、ゲストスピーカーである基礎自治体首長と受講生が向き合っての講話。後半の質疑応答では各グループとゲストスピーカーとの対話形式で一巡する。机上の空論とは対極の実践者の発言の数々により、教室には濃密な空気が流れたことは間違いない。まさに準備した甲斐があったと感じた。

 

---

 

18/06/22. Fri.

 

地域デザイン学序論A

地デザ1年生を対象としたオムニバス授業。初めて150人収容のAL1-3を使う。やはり相当な人数で迫力を感じた。昨年度のファイルをベースにまずは茨城町のPR動画を提示する。そして、急激な人口減少に直面する日光市の現状とそれに抗う地方創生総合戦略やまちづくり実践を紹介した。その後半崎美子さんの曲である「種」の歌詞に注目し、震災復興をめぐる言葉や活字の力の大切さを強調した。ポイントは資料・文献との格闘、現場との関わりを持つこと、地域に向き合う気概を持ってほしいこと、の三つだ。

 

---

 

18/06/25. Mon.

 

行政学

最高気温33度の真夏日。テキストは第8章(マイナンバー)。キーワードは捕捉と給付。コラム(玉浦西地区)では3年間に訪問した写真も提示。本日0時のサッカーW杯日本対セネガル戦との関連でハーフタイムと称して話題提供するも不発。レジメは敢えてポイント2つ(政策の評価基準と政策案の現実性)。授業共通資料・動画は足利学校。国宝の古文書を見て情報には重みと存在感があると感じた。

 

現代政治の理論と実際

テーマは2年後に迫った2020年東京五輪。グループ討議では、受講生の率直な受け止め方を引き出そうと努めた。次回はもう少し各論に踏み込んでもいいかもしれない。同時に五輪がもたらすさまざまな課題と課題間のつながりについても論じてほしい。コモンズ2のスピーカーの調子はいま一つか。というのかそもそもスピーカー機能がないのかも。毎回音のひずみが気になる。

 

コミュニティデザイン演習

毎回のことだが、開始ぎりぎりに飛び込む。全員からゼミ論の提出があったので、今回は研究室HP掲載のトップページ作成をゼミ生にまかせる。残念ながら陽東キャンパスでは研究室HPを編集できる環境はないものの、各ゼミ論のハーパーリンクの設定など、ほぼ完成に近いWebファイルの作成は可能であり、あきらめるのは早いと気がついた。いよいよゼミもチームプレーの段階に入った。

 

地方自治論

2020年東京五輪をめぐるグループ討議。グループによっては、国家主義といった鋭いキーワードも登場した。受講生には事前に教員作成の未定稿を読み込んでほしかったが、少し無理があったかもしれない。現政と同じく五輪施設訪問の写真を提示。共通資料動画を見て、つくづく新館は音声も画質も優れているのがわかった。しかし大切なのはやはり学ぶ意欲とその継続なのだろう。

 

卒論・修論指導

院生・学生主導がこの時間帯の特徴だが、それでも教員には集中力が求められる。進行にもそれなりに気を使う。とにかく伸び伸びやってくれれば。先日の大学院修論中間報告の振り返り。司会や質疑応答のやり方など、修論生は最終報告会に、修士1年生は来年の中間報告会に活かしてほしい。7月の3年生ゼミ活動について大まかなところを学部4年生と院生に伝える。

 

---

 

18/06/28. Thurs.

 

スポーツ社会学(白鴎大学)

急遽今夜23時試合開始のサッカーW杯ロシア大会日本対ボーランドや先日の対セネガル戦の話題を取り上げる。新聞切り抜きから、日本代表チームの成長をいろいろな角度から捉えた記事のキーワードを紹介した。「ボールを動かしつつ、空いたスペースへ人が動き、そこへボールを入れる」「恐れず、ひるまず、体をぶつけた」「自らの方が優れる俊敏さや身のこなし」「日本流デュエル」「これまでの堆積が化石ではなく土壌となって生きた」といった記載が印象に残った。

 

スポーツ行政論(白鴎大学)

迷ったが思い切って日本の決勝トーナメント進出の条件を対象として、時間を掛けて表を板書しつつ説明した。1次リーグ勝敗表(H組)についても板書し、本日の日本対ポーランドの試合観戦を受講生が深く味わえることを狙った。順位決定の4番目の条件である「警告や退場による『フェアプレーポイント』の差については、受講生に理解を助けてもらった。最後にVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)導入の功罪について言及した。

 

地域の姿と課題T

県内において震災・原発対応が凝縮されている県内の課題(指定廃棄物)をテーマに、二人のゲストスピーカーから話題提供があり、その後各グループでの質問作成、質疑応答を行った。最後のゲストスピーカーから受講生150人に対する質問に対して自発的に手が上がり、引き締まった形で終了できて嬉しかった。

 

---

 

研究室トップへ