20184月 中村祐司の教育日誌

 

 

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18/04/12. Thurs.

 

スポーツ社会学(白鴎大学)

今年度の白鴎大での担当授業がスタートした。何年やっても最初は緊張する。情報源は例年どおり新聞の切り抜きで、初回は2019年ラグビーW杯日本大会を取り上げた。放映権料や協賛金は国際統轄団体のワールドラグビーに、チケット収入は大会組織委員会に入る仕組みについて説明した。質問は、最近監督が更迭されたサッカー日本代表の戦術変更と、前回大会で大健闘したラグビー日本代表の戦術変更の違いについて。後半の話題はマイナースポーツの潜在力に注目し、スポールブール、SUP(サップ)、競泳・ライフセービング・フィンスイミングを取り上げた。

 

スポーツ行政論(白鴎大学)

2020年東京五輪の影響力という視点から就活2020年問題、AI(人工知能)の活用、顔認証、サイバー攻撃対策、ネットゲームの人気上昇と弊害、チケット転売対策を取り上げた。質問はネット依存やチケット転売を防ぐ方法について。まずは連休までを一区切りと捉え、授業展開のペースに慣れるようにしたい。

 

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18/04/16. Mon.

行政学

新年度の授業がスタートした。昨今の省庁への不信を加速するような数々の不祥事に触れた後で、授業内容を説明しながら進める。テキスト「政策を見抜く10のポイント」は次回から(第1章とコラム)。レジメについては福祉国家の起点や要件などを説明。Moodleへのアクセスの仕方も提示し、最後に授業共通動画(ブルーノ・マーズ)を紹介して終える。ペーパレスを貫きたい。

 

現代政治の理論と実際

新学部設置との関連でこの基盤科目を赴任以来、初めて前期に担当することになった。受講生はほぼ1年生。ロヒンギャ難民問題を取り上げる。次回以降はグループ討議もどんどん取り入れていきたい。新入生相手なので、まずは徐々にこの授業への受講生の関心を高められればと思っている。

 

コミュニティデザイン演習

やはり初回は慣れず、相当な負荷を感じた。2コマが終わって旧研究室にいったん戻り、手早くカバンに必要なものを入れて陽東キャンパスへ。演習を行う資料室の鍵を開けて、速攻で弁当に手を付けて歯を急いで磨いて、資料室に飛び込んだ。プロジェクターの設定等にはすぐに慣れるだろう。スクリーンを使って、この演習のスタイルと自己紹介、今後のスケジュール説明。院生と4年生の何人かが顔を出してくれる。初めての使用であったが、新しい建物はやはりいいと素直に感じた。

 

地方自治論

この授業も前期にやるのは初体験。1階の教室を使う。スクリーン表示はすんなりといく。やはり何もかもあたらしいので画質が良いし、二画面同時提示も初体験であった。受講生一人一人を見る余裕はなかったものの、良い雰囲気でできそうだ。地域社会に対する自分の思いや中心市街地の衰退(2本の動画を使用)、立地適正化計画、議会制度改革など、地方自治が抱える課題は多様であることを強調した。

 

卒論・修論指導

これ以前の4コマをこなすのに緊張していたせいか、顔なじみに接するとほっとしたのか、ここに来て疲れがどっと出た。就活による2名の欠席はあったものの、1月末以来の久しぶりの再会。今後の展開にとって全員が課題をやってきたことが大きい。卒論生・院生にとってもこの新しい施設を有効に活用してほしい。峰キャンパスの利用と相俟って、研究の充実度は増すはずだ。

 

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18/04/19. Thurs.

 

スポーツ社会学(白鴎大学)

2回目授業では、サッカーW杯日本代表監督更迭問題、課題山積のロシア大会、W杯市場、ロシア政府系天然ガス会社のガスプロムの対欧州影響力、リオ五輪後の社会の荒廃、コロンビア・サッカー連盟の子供向け教材「キソの教え」、都市型スポーツ(ウインドサーフィン、スケートボード、自転車BMX)の魅力を取り上げた。質問をめぐるやり取りは授業の良いアクセントになる。

 

スポーツ行政論(白鴎大学)

東京五輪をめぐる諸課題として、ロシアのドーピング問題、女子ホッケー南北合同チームなど政治のスポーツへの介入などを取り上げた。酷暑五輪、テロ対策、交通問題、テロ対策、ボランティア運営などあと2年の準備期間でやるべきことは多いと改めて感じた。SDGs(持続可能な開発目標)についても説明。木材、農産物、畜産物、水産物、紙・パーム油など、生態系の保存や適切な労働環境などと絡んでいることや、世界自然保護基金(WWF)やグリーン購入ネットワークの存在を指摘した。

 

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18/04/23. Mon.

 

行政学

テキスト「政策を見抜く10のポイント」は第1章とコラムに入る。1昨年と昨年の授業では、刊行できた安心感からか、このテキストをどう使っていくかについての自分のスタンスが緩かったと反省し、事前にじっくり読み込んだ上で臨んだ。ポイントは機関委任事務の廃止だ。授業を進めながらデジタル情報に振り回されそうになる昨今、紙の書籍と向き合うことの落ち着きも実感した。コラムについても時間を割いた。レジメのポイントは分離の規範が生まれた背景。次回テキストは第2章とコラム。共通資料の提示も継続していきたい。Moodleへのアクセスが便利になったのは、授業を進める上で非常に大きい。

 

現代政治の理論と実際

ロヒンギャ難民問題について五つのグループで話し合う。高校時代のアクティブ・ラーニング経験者も何人かいて、移動黒板の使い方など初めてにしてはスムーズに行われたようだ。共通に認識しておくべきことと、具体的な解決策について知恵を絞った。次回以降、グループ討議主流で行くつもりだ。今回のグループで次回も継続する。テーマは先日の日米首脳会談の内容と対象とし、そこから北朝鮮をめぐる日韓米の関係などについて考えたい。

 

地方自治論

3コマの演習が就職ガイダンスと重なり、今回はなしとなった。そのため2コマ終了後に峰キャンパスに少し滞在できたので、院生の研究指導計画を修正し自著させ印刷して、副指導教員に押印をもらい、支援課に提出した。まさに綱渡りだった。陽東キャンパスに研究室が移ったとはいっても、やはり提出の締切は今後ともできるだけ守っていきたい。新しい建物、新しい機器は素人にとっても使い心地が良い。授業では1昨年の防災シンポジウムや鹿沼市の多文化共生など、教員が経験した話題を取り上げた。次回は日光宇都宮道路を対象に、グループ討議を中心に進める。

 

卒論・修論指導

報告は院生2名と4年生1名から。この時期、どうしても就活の合間を縫ってとなるが、全員が揃うのはやはりいいものだ。メーリングリストやMoodleの利用についても時間を割き、確認した。3年生の前期演習については後期にメンバーが確定するとはいっても、研究室活動そのものなので、院生や4年生との情報共有がMoodle上で必要となる。次回は連休の恩恵は受けず、月曜振替授業として連休谷間の火曜日に実施。「わかりました。そう決まっているのだからやりましょう」というのが、教員と学生の共通の受け止め方だ。

 

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18/04/26. Thurs.

 

スポーツ社会学(白鴎大学)

3回目の授業では、ハリル監督解任劇の疑問を提示した記事、2020年東京五輪ボランティア(大会ボランティアと都市ボランティアの活動内容と中高生枠等の課題)、注目スポーツとして「空のF1」と呼ばれるレッドブル・エアレース、キンボールスポーツ、バトントワリングの男子世界チャンピオン、都市型スポーツ・FISEの抱える天候と警備をめぐる課題、競技者生活の目標と人生の目標の両方を持つデュアルキャリアを取り上げた。連休明けも新聞報道を情報源に新しい素材を活用していきたい。

 

スポーツ行政論(白鴎大学)

2020年東京五輪に合わせた「海の日」「体育の日」「山の日」の祝日移動、部活動の練習時間をめぐるスポーツ庁のガイドライン(指針)、文化系部活が抱える課題、eスポーツ(エレクトロニック・スポーツ)の盛り上がり、スポーツ振興くじ(toto)の仕組み(とくに特定金額として売り上げの10%が新国立競技場整備費など東京五輪に使われることと、収益の4分の1が国庫納付金となる点に注目)について話題提供した。連休明けも興味深い情報の提供に努め、断片的情報間の相互関連(totoと東京五輪など)を指摘していきたい。

 

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