201711月 中村祐司の教育日誌

 

 


 

 

17/11/06. Mon.

 

 

地方自治論

4回目の授業。とくに働き方改革に焦点を絞った。IT企業サイボウズの動画を素材にプレミアムフライデー、女性活躍、育メンについて考えた。テキスト第2章の公務労働も引き合いに出した。地方創生との絡みで防潮堤に対する疑問を歌ったケンタックーの動画は、録画し直したはずなのに音が割れて残念だった。現政やゼミと共通の新聞切り抜きは最後まで歌と踊りを追求した木村唯さんを紹介。次回はテキスト第3章に絡めて広域自治体(都道府県)とは何かを取り上げる。PR動画についても用意できれば。もはや授業においてデジタル媒体が無視できなくなっている。

 

 

現代政治の理論と実際

米大統領来日も意識した授業となった。前々回台風の影響で周回遅れとなったものの、衆院選公約の関連する課題をこなしてきた3人の受講生から報告。その後日米の北朝鮮対応や国際貿易(FTATPP)のあり方について話し合った。働き方改革についても地方自治論と同じ素材を使う。次回は「スマホの次に来るもの」をテーマに設定し、受講生(できれば情報工学の学生主導で)の間で知恵を絞ってもらうこととした。

 

 

卒業研究準備演習(行政学ゼミ)

まちづくり提案論文の作成が大詰めの時期となった。2グループからの報告。何事でも新しいもの(論文)を生み出すのは簡単にはいかない。個人の力に加えてチームプレイの発揮も求められる。インタビュにしても現地調査にしてもアンケートにしても、まずは動き出すことが大切だ。例年このあたりからが研究室活動の山場だ。必ずやってくれると信じたい。

 

 

卒論・修論指導

2名から報告(急遽最後に研究生から報告)。卒論や修論となると個人プレーだけに、締切との関係でその特有のプレッシャーが掛かってくるのは避けられない。それでも皆で励まし合って完成させるしかない。学生生活の集大成の意味合いもある。途中、内容どうこうではなく論文作成への奮闘という意味で、直近で作成した未定稿の論文(2020年東京五輪関連)を研究室メンバー限定で送信する。問題意識は意外とシンプルなものであることをわかってほしかった。

 

 


 

 

17/11/13. Mon.

 

 

地方自治論

広域自治体に焦点を当てる。これまでに受けてきた具体的な公共サービスについて、グループで話し合う。県道などハード面も含めて日常生活の中で、意外と身近な存在だと気づいたはずだ。地域名産物をめぐる大阪とのやり取りを通じて青森県の魅力をPRする動画も紹介。その後、山形県のビジュアル系ドラマー兼演歌歌手の動画も提示する。次回はTPPを域内自治の視点から取り扱う。テキストは第4章とコラム5

 

 

現代政治の理論と実際

「スマホの次に来るもの」をテーマにグループ討議。情報工学の受講生が主導してくれた。何が浸透するかは誰にもわからないだろうが、各グループの報告を聞いて、空間デジタル機能とでもいおうか、機能性の点で共通するイメージを持つことができた。次回はTPPを国家間関係や市場戦略の面から取り扱う。昨日、かなりの量の新聞切り抜きを事前にMoodleに掲載しておいた。受講生が事前にどれだけ読み込んでくるかが、反転授業の質に直結する。

 

 

卒業研究準備演習(行政学ゼミ)

ジョイントとまちづくり提案の日程について、いずれも金曜日が重なってしまっており、事前に作成しておいた、ゼミ生の授業欠席詫び状を配布した。ジョイント合宿へのアクセスについても車1台と電車ということで決着。二グループから進捗状況の報告を受けた後、各グループで論文構成や調査資料の打合せ。この間を使って、資料室の空調機を確認したり、研究生の相談を受けたりする。昨日のNHKラジオで聞いた久保棋士の言葉「凡事徹底」「前後裁断」を紹介。まさに今の研究室活動にふさわしい言葉だ。

 

 

卒論・修論指導

残りの2週間、締切というプレッシャーに踏ん張れるかどうかの真価が問われる。後退ではなく、少しでも前進し続ける力が問われるのだ、と半ば締切が職業病となって20数年の自分に言い聞かせながら卒論指導に臨む。3名の報告内容については各々の明暗が分かれたような気がした。苦戦している卒論生には、量は下限でいいので、質の挽回をぜひ図ってほしい。

 

 

 

比較政策研究(大学院)

この時間帯はどうしても疲れが来て、頑張りどころ。3名から報告があり、質疑応答と意見交換。専門分野外だからこそ、思わぬ発想が得られるかもしれない念じつつ向き合う。全員参加は気持ちのいいものだ。とくに留学生の場合、修論作成への着手が早過ぎることはない。

 

 


 

 

17/11/21. Tue.

 

 

地方自治論

火曜日だが月曜日振替授業。学祭が終わった直後で受講生はやや気合いが抜けた感じ。テキストとコラムについては冒頭で触れる。国家を超越した地域性を意識しつつTPPについての反転授業を行う。事前に提示しておいた新聞切り抜きの分量が多過ぎたかもしれない。それでもたとえば二国間貿易と多国間貿易をめぐり、光るというか鋭い指摘がいくつかあった。次回も反転授業で、日光市を対象にママさん世代による起業と子育てとの両立など、あたらしい地域づくりの動きを考える。テキストは第5章とコラム6

 

 

現代政治の理論と実際

課題の広がりがあるテーマなので、この授業でもTPPを取り上げる。1年生ながら事前に読み込んで、ポイントを指摘した受講生が若干名いた。教員にとっては大変力付けられた。学部の所要で陽東キャンパスに行かなければならず、15分ほど早めに切り上げ、研究室の学生によるアンケート実施に当てる。受講生の協力に感謝。次回はまさに国家機能不全の末期段階にあるジンバブエを取り上げる反転授業。

 

 

卒業研究準備演習(行政学ゼミ)

陽東キャンパスから慌て気味に戻り、遅れて飛び込む形となった。目の前のことを一つ一つこなしていくしかない。論文は一気には書けないので、時間がない今こそ、丁寧に積み上げていってほしい。現段階でテーマの変更が難しいことはわかるので、論文は論文として割り切って、完成に至ってほしい。そうすればその内容をそぎ落とした形でのプレゼンにつながっていくはずだ。

 

 

卒論・修論指導

卒論・修論も研究室内締切において待ったなしの状況だ。迷ったが完成版はファイルだけでなく紙でも受け取ることで、変更しなかった。赤を入れるとなるとどうしても紙が便利だからだ。ゼミもそうだが、ここに来て全員参加というのが心強い。それにしてもここ数日で一気に冬が来たという感じだ。寒くなると心不足感は否めないが、研究室メンバーのやっていることには共通の価値があることも確かだ。

 

 


 

 

17/11/24. Fri.

 

まちづくり特講(地域デザイン科学部専門科目)

持ち回りの授業で、2年生100名超を相手にスポーツと余暇のまちづくりをテーマに授業を行う。震災復興のまちづくりに焦点を絞り、動画や地図を使って自分の思いを伝えた後で、後半は実践を意識した課題の提示とグループ討議を行う。1コマ目にもかかわらずほとんどの受講生は熱心で、そのことに力付けられた。サポートに徹してくれた同僚教員と他学部学生に感謝。一人で15回を担当する授業とは異なって、教員としては一発勝負に臨む雰囲気を感じたが、問題意識は伝えられたのでは。

 

 


 

 

17/11/27. Mon.

 

 

地方自治論

冒頭、海外での就活を経験した受講生から話題提供してもらう。授業に入り、事前掲載の資料を読んできた受講生から感想を聞く。その後日光活学舎授業で用意した資料をもとに、少子高齢化と自治体機能の存続について動画も含めて説明した。共通資料ではJKビジネスの闇、中国のアイドル市場や震災復興を支援する英国のベテランミュージシャンの活躍ぶりなどを紹介した。新聞の切り抜きにしても社会性のある動画にしても、受講生の直の反応を感じられるのは教師冥利だ。次回テキストは第6章とコラム78

 

 

現代政治の理論と実際

ジンバブエ政変を取り上げ、グループ討議を行う。教員も新聞報道をもとに俄勉強したが、一国の問題に止まらずに他国が錯綜する態様や政治の機能不全がもたらす社会的弊害の恐さを垣間見るような思いがした。報告ではなかなか鋭い指摘があり感心した。最も印象に残った解説記事を二つ紹介して締め括った。共通資料では地方自治論では紹介しきれなかった動画をフルで提示した。次回のテーマはロヒンギャ難民問題。

 

 

卒業研究準備演習(行政学ゼミ)

まちづくり提案の論文締切が目前で、かつジョイントのレジメ締切もその翌日。まさに尻に火が付いた状態とはこのことだと思った。しかし、だからこそ普段では出せない力を発揮できるありがたい機会と捉え直すこともできる。グループ間の意思疎通を図る余裕はなかったものの、両グループとも迷いながらも前に進んでいる(論文作成途上)ことは確かだ。互いのスケジュール調整も他者と関わる上での重要な実務経験だと思う。

 

 

卒論・修論指導

卒論・修論も研究室内提出締切日が遂にやってきた。中身についてはこれから1週間かけて読むので、形式面でのチェックを一人一人に行う。インフルエンザの一人を除いて、全員が提出。その点は良かったが、ぱっと見た感じでは中身は人によって相当な濃淡がありそうだ。何はともあれいったんは一区切りが突いた。やり切った人は次回までの1週間はぜひのんびりしてほしい。来週以降、約3週間かけて加筆・修正段階に入る。

 

 

比較政策研究(大学院)

さすがに辛い時間帯となったが、それは教員側の都合。何とか授業を成り立たせなければと覚悟して臨む。3人からの報告。褒め言葉を勘違いされるかもしれないが、文章がうますぎるというのか滑らか過ぎて、どうも報告者自らの力筆感が伝わって来ないのが課題だ。論文作成には参考文献の内容を突き離すスタンスが不可欠なのだろう。

 

 


 

 

研究室トップへ