2016年12月 中村祐司の教育日誌
16/12/05. Mon.
地方自治論
ジョイント終了の翌日の一コマ目。体力的にもきつかったが、教員が授業を休んでしまっては本末転倒である。テキストは第4章。都道府県議会だけでなく市町村議会や中央政府や国会に対しても住民の監視の目は重要である点を指摘した。続いて、地域にある重荷(マイナス)をプラスの資源に変えていく事例を、以前用意した新聞報道から紹介し、さらに元アイドルで現在は俳優かつ介護福祉に従事する女性の生き方を最近の新聞記事から提示した。その後にグループ討議を行った。今回は模造紙とポストイットを使う。出身地の違いによる地域資源の捉え方が互いの興味関心を高めたようであった。次回はテキストの第5章。
現代政治の理論と実際
ジョイント合宿において自分が聞いた分科会と四つの共通テーマすべてについて、振り返りながらコメントを紹介した。その後、6つのグループに分かれて、自らが取り組みたいテーマ設定とその理由、さらにメンバーの間での役割分担について話し合うバーチャル機会を持った。予想外に反応が良く、報告では短時間での発案とは思えないような多面的な視点が複数のグループから紹介された。やはり受講生の反応を窺うのではなく、教員が準備をした上でそれをストレートに受講生に投げかければ、結局は教員自らに果実が跳ね返ってくると知った。
卒業研究準備演習(行政学ゼミ)
息つく間もなくとはまさにこのことで、この時間からまちづくり提案に向けた追い込みをスタートすることになった。ポスターを作成するのに必要なマッキーや色紙などを購入しなければならないし、来週のこの時間は模擬発表を実施するので、それまでにパワポファイルをほぼ完成させておくなど、やることはたくさんある。疲れがたまっているのは教員のみではないかと思わせるほど、ゼミ生の切り換えの早さに感心した。
卒論指導
研究室内締切という点で、今回の卒論指導が佳境を迎えた。2本についてはほぼ心配なし。修論もこの1週間で驚異的な追い込みを見せた。あと2本の卒論については今後1週間でどれだけ挽回できるかに掛かっている。それにしても12月は大学教員にとっても正念場の時期だ。この1週間で卒論・修論を読み込まなければいけない。大学メールの機能停止から2週間が経過した。早く復旧してほしいのは山々だが、溜まりに溜まったメールを開けるのが恐い気持ちもある。MoodleやHP更新など復旧した時期に合わせてその都度対応していくつもりだ。
16/12/12. Mon.
地方自治論
準備の都合もあり明日のとちぎ終章学特講と内容がかなり重複するのは承知で、県内の少子高齢化の現況を示した後に、画家など元気に活躍する高齢者に焦点を当てて、活力の原動力を探った。若い世代と高齢者世代との相互作用をめぐるグループ討議も行った。テキストも丁寧に読み進めて行きたい。次回は第6章を読み込んでくるよう指示した。
現代政治の理論と実際
福島第一原発の廃炉への気の遠くなるようなプロセスを取り上げた。新聞報道の切り抜きを紹介した後、賠償や国民負担(電気料への上乗せ)などの論点を提示した。次回、もう一回この問題を取り上げる。その際には反転授業を導入し、東電がネット上に掲載している「廃炉への軌跡」を素材とすることにした。受講生がどれだけ読み込んでくるかに掛かっている。教員も虚心坦懐に正面からこの重い課題に向き合うつもりだ。
卒業研究準備演習(行政学ゼミ)
まちづくり提案の模擬発表には至らなかったが、現段階で二つのグループが到達している点を確認し合った。ぎりぎりまでプレゼンの質を高める努力をしてほしいし、ポスター発表についてもこの2-3日間が正念場だ。ポスター作成に必要な両面テープの購入申請を慌てて行った。研究室の他のメンバーによる側面支援も心強いが、最後は発表者自身がどこまで踏み込めるかに掛かっている。
卒論指導
卒業記念写真の撮影、県・大学地域連携プロジェクト中間報告の発表者の調整、まちづくり提案当日のポスター会場への配置調整の後、本題の卒論・修論に対するアドバイスを提供した。博士前後期の院生も協力してくれた。書く側が何十倍も大変なのはわかるが、助言する側もこの1週間の間に時間を見つけて必死に読んだ。出来具合をめぐる状況は現段階でまさに明暗が分かれているものの、まだ今月が終わったわけではない。全員が実質ゴールに到達してほしい。
比較政策研究(大学院)
前回、シンポジウムの関係でできなかったので、久しぶりの授業となった。2名から報告。観光のあり方や男女平等の考え方と実際について意見を出し合った。修士1年生といえども、論文提出までの時間が豊富にあるわけではない。焦りは禁物というが、その焦りが原動力となることも事実である。経験からも論文作成は、ゆったり構え過ぎていると足下を掬われる恐さがある。
16/12/13.Tue.
とちぎ終章学特講
地域デザイン科学部の1年生を対象にしたオムニバスの授業(4コマが社会基盤、5コマがコミュニティと建築)。学科の性格もあろうが、受講生が50人弱と100人を超える程度では、教室の雰囲気が全く異なってくることを実感した。教員からすれば後者の方がどうしても受講生との距離が離れるというのか顔が見えなくなる。県内の少子高齢化や大学生の東京圏集中などのデータを提示したものの、本題は元気に活躍している高齢者の事例を伝えることである。ポイントは社会とのつながり)紹介を通じて、世代に関係なく若い世代にもやる気を起こしてほしいというもので、ねらいがどれだけ受講生に伝わったか分からないが、私語なく真剣に耳を傾けていた手応えは感じた。準備はそれなりに大変であったが、教員として大切なことは、このような特別授業の機会を億劫がるのではなく、自分の教育活動の幅を広げられるありがたい機会と捉え回避しないことであろう。
16/12/19. Mon.
地方自治論
テキストは第6章。コラム(大学事情など)に触れた後、県北の三つの基礎自治体の協働のまちづくり推進計画・行財政改革やPR動画の工夫に言及した。実際の動画についても紹介した。グループ討議の課題はグループメンバーの故郷をつなぐ形でのPR物語の作成とした。意外にも非常な盛り上がりを見せた。前日の日曜を使っての自転車操業的な授業準備が続くが、こうした受講生の反応を目の当たりにすると、、教育に向き合う活力がもらえる。
現代政治の理論と実際
原発をめぐる廃炉や賠償、今後の電力供給や供給体制のあり方など、ここ1週間の新聞報道を紹介した後で、東電HPから直接、原発事故後の経緯をまとめた動画を紹介しようとしたところ画面が断続的にしか動かず失敗。気を取り直してデジタルハリウッド大学HPから放射性廃棄物について学ぶ学生の動画を紹介した。グループ討議では、現地調査とその内容について問うた。各グループの真摯な対応と考察に、この課題をめぐる若い世代の真剣な危機感と問題意識を感じ取った。
卒業研究準備演習(行政学ゼミ)
ジョイントとまちづくり提案が終わり、残るメインは研究室HPへの記録掲載だ。せっかちな自分としてはできるだけゆったり感を出すよう心掛けながら、ホワイトボードを使って、今後の作業内容を教員主導で整理した。各自が感想や写真などのデータを入れる締切をこの年末とした。しかし、今週は市貝町の自治基本条例策定部会や県庁における大学と県の連携事業の中間報告もあり、ハードなスケジュールが続く。教員も学生もこれから1週間、今年の締めくくりに向けてもうひと頑張りといったところだ。
卒論指導
論文の進捗について明暗が分かれたままの状態が続く。論文作成者との向き合い方にも個々にずれが生じてしまい、正直指導教員として苦しい。何とか次回までに全員実質完成に持って行きたい。修論については他の院生2名の協力を得て、次のコマにもずれこむ形で助言を与えた。ぎりぎりで今週の土曜日(クリスマスイブ!)までに受け取り、日曜(クリスマス!)に読むことになる。その分来週月曜の忘年会を楽しもう。
16/12/26. Mon.
地方自治論
今年の最終回。最初に地域社会の変動に関する出来事をグループ毎に挙げた。その後テキストの第8章。後半は自治体のPR動画を複数本紹介。地域資源の良質な面のも提示しているとは承知しつつも、作り手がこれだけ力を入れて気持ちを入れて作成するものだと感心した。受講生にもその熱意・やる気は伝わったのではないだろうか。次回は年が明けた10日(火)となる。テキストは第9章を取り扱う。
現代政治の理論と実際
前回うまく提示できなかった福島第一原発廃炉に向けた東電作成の動画を最初に紹介。AFPニュースの今年の国際的重大出来事の動画も流し、その後パワポ資料を提示した。後半は地方自治論と同じくグループワークを実施。今年の政治、経済、社会の出来事をグループ構成メンバーの数だけ挙げさせた。キーワード設定を急遽求めたが、なかなかなるほどと思わせるものが出揃った。最後に「社会を良くする」ための法務省の啓発動画で締めくくる。受講生には、とにかくあきらめないで目の前のことに誠実に取り組む大切さを強調した。
卒業研究準備演習(行政学ゼミ)
確実に保存したはずのジョイントとまちづくりの写真がなぜかUSB内に見つからず焦るも結局だめで、開始が相当遅れてしまう。気を取り直して今後の研究室活動について整理したものを配布して内容を皆で詰めていった。まだまだやることが結構ある。HP掲載の本格的作業の開始は新年10日とした。それまでゆっくりする権利がジョイントとまちづくりを頑張ったゼミ生・院生にはある。写真については、結局夜になって異なるフォルダに入っていたことが発覚(検索機能に助けられた)し、データを資料室パソコンに入れることができ一区切り付けた。
卒論指導
同じく今年度残りの研究室活動(1月は4回ある)について皆で認識しつつ詰めていく。卒論2本、修論1本にぎりぎりまで対応。ゼミ生と同じく、卒論生も論文だけでなく就職日記の研究室HP掲載など結構思い仕事がまだある。しかし、チームワークで乗り切ってくれるであろうと確信した。
比較政策研究(大学院)
大学院の授業も今年の最終回。2名の院生から報告。やり取りを通じて気づくこともあり、このようなスタイルを継続していきたい。自分の経験を棚に上げるものの、修士1年生は実質的にこの時期から修論作成を本格的にスタートしてもいいのではないか。残された時間は結構あるようで意外に少ないし、時間がいくらあるからといって書ける類のものでもない。