201610月 中村祐司の教育日誌

 

 


 

 

16/10/03. Mon.

 

 

地方自治論

何年やっても授業の始まりは緊張するものだ。先週新学部新学科で視察した三つの道の駅についてその時の作成メモを中心に説明した。ネット情報も大切だが、やはり実際に現場に足を運んで五感を総動員して把握することの大切さを伝えたかった。受講生数は初回にしてはやや少なめか。授業資料のMoodle掲載や教科書の使い方などについても次回にきちんと説明したい。

 

 

現代政治の理論と実際

今後1か月間は米大統領選をテーマに取り上げることにした。曜日や時間帯、学部ごとの毎年度のカリキュラム設定の影響だろうか。例年になく多くの受講生だった。授業資料の準備の段階で驚いたのは、Windows Edgeのネット画面からの切り貼り機能だ。これだとパワポの資料作成などが格段に効率的になることを知った。SNSなどついていけなくなりつつあるが、それでも電子機器の利用は「習うより慣れろ」のスタンスで向き合っていきたい。

 

 

卒業研究準備演習(行政学ゼミ)

前期終了時は今日をはるかかなたのように捉えていたが、あっという間に始まったという印象も持った。昨日は成績通知や今後の活動日程など伝えることがたくさんあり過ぎて慌てたのだが、実際に会って手渡しなどしているとスムーズに行き過ぎて、この点は杞憂に終わった。市政研究センターのスタッフがわざわざ来てくれて、まちづくり提案に向けた提出物やその提出期限の確認や2グループのテーマについて助言をもらった。ジョイントとともにいよいよ今日から本格的なスタートとなった。

 

 

卒論指導

内定式(学部生)や学会(院生)などで全員は揃わなかったが、こうして久しぶりに顔を合わせるとほっとする。大学院を目指す研究生2名も今日から参加。院入試、卒論、修論、博論と各々の目標達成に向けた研究室活動がスタートした。後期は前期よりも発表や論文作成など本番の授業が目白押しなので、教員こそが覚悟をもって臨んでいきたい。

 

 

比較政策研究(大学院)

研究室所属の院生以外の受講生が少ないのが意外であったが、この方が一人一人の研究テーマにじっくりと向き合えるかもしれない。自己紹介はそこそこにして発表のスケジュール調整を行った。11月下旬の新学部事業とのバッティングは致し方ないが、その分、内容の充実で補っていきたい。

 

 


 

 

16/10/17. Mon.

 

 

地方自治論

あいにくの雨だが、初回よりも相当多くの受講生が集まった。正式な履修登録まではわからないが、ちょうどラーニングコモンズのサイズにちょうどいい受講生数である。地区・学校区レベルでにおいて各々の地域活動組織がフラットな形で連携・協力する新しい動きについてイメージ図を中心に提示した(8月に石川町の研修会で使用した資料ファイルを一部援用)。時間は短めであったが、フランスで活躍する日本人料理科のエッセイから、受講生のこれまでの経験で印象に残った忘れられない光景や経験について話し合わせた。次回もこのグループで行く。Moodleの登録キーがうまく機能しているといいのだが。

 

 

現代政治の理論と実際

教室を移動しなくてすむのは教員からすれば大変ありがたい。受講生数も広さにぴったりでやりやすい。学部融合の基盤教育の授業でもあるので、グループ討議を当初は積極的に取り入れようと考えていた。しかし、米大統領選、資本主義と社会主義についての若い世代の捉え方の変容、グローバリズム終焉化と国家主義台頭の指摘などを説明しているうちに、つい熱くなり話を引っ張ってしまい、グループ討議の時間があまり取れなくなってしまった。それでも興味深い問題提起はできたと思う。地方自治論と同様、次回もこのグループで行く。

 

 

卒業研究準備演習(行政学ゼミ)

外は結構冷えているのだが、教室内は空調を使わず窓も空けないと結構蒸すような感じになる。資料室でも後半にカーテンを占め旧式のプロジェクターを使ったため、汗ばむほどになった。季節の変わり目は要注意である。確かにジョイントに向けたスタートなど例年以上に遅れ気味だが、やることは定まった。まさに学問に王道はなしで、まちづくり提案とともに正面から受け止めて誠実にやっていくしかない。そのことができるゼミ生だと思う。

 

 

卒論指導

報告書の註の表記についての質問に答えていたら時間が押してしまった。研究室の学外活動についての確認・調整や、プロジェクターを持ち込んでの活動助成についての説明も入れたので、終了までめいっぱいといった感じの内容となった。卒論や修論はいよいよここからが正念場だ。研究室は人から構成されるので当たり前だといえばそれまでだが、毎年度論文作成に向き合う雰囲気に個性があり、教員からすれば大変興味深い。11回を大切に11歩進んでいこう。

 

 

比較政策研究(大学院)

さすがに疲れは隠せなかったが、大学院授業としての良い意味での緊張感ははずせない。前回よりも1名増えて、なんとなく研究生所属の院生数とのバランスで進めやすくなったと受け止めた。学問領域も研究テーマも違うものの、とにかく質問を出しやすく、意見交換が活発化するような雰囲気にもっていきたい。蒸すような感じを避けて換気扇を回し、最初は窓も開けていると背中に向かって外から寒気が入ってきた。まだ薄着をしているからか早くも冬の気配だ。

 

 


 

 

16/10/24. Mon.

 

 

地方自治論

地方創生事業に至る基本的な認識(消滅可能性自治体)を確認した後、栃木県と茨城県の人口ビジョン・総合戦略の共通性と違いを提示した。テキストはコラム3の最初の部分に触れた。その後「東京と地方」をテーマにグループ討議を行った。受講生にとってもたとえば卒業後どこで暮らすかなど、多くのサブテーマが含まれている課題である。授業初回から地方自治をめぐる今の問題を意識して説明してきたので、次回はテキスト19頁を事前に読んでおき、分権型社会のあり方について考えてみたい。次回はグループのメンバーを変える予定。

 

 

現代政治の理論と実際

HDMIではスピーカーを気にせずに済むと決めてかかっていたが、故障なのか音が全く出なくて焦る。急遽、ラーニングコモンズスタッフから小型会議用スピーカーを調達してもらう。なかなかの優れもので事なきを得た。新聞の特集記事(米大統領選をめぐる政策チェック8項目)をパワポで提示して政策上の論点を共有した後、米大統領候補者二人の第3回討論会の抜粋を動画で提示した。やはりこれは音声が伴わなければ授業の素材としての魅力が半減してしまうところだった。「それでもなぜトランプ」なのかをテーマにグループ討議。次回はグループのメンバーを変える予定。

 

 

卒業研究準備演習(行政学ゼミ)

ジョイントもまちづくり提案もこれからの1カ月が大切となる。宇大のジョイント共通テーマ一つ、分科会テーマ二つがほぼ固まる。大学地域連携事業の調査旅費についてもまずは実務手続に皆でチャレンジしてみよう。引いてばかりで動き出さなければ何も始まらない。実務に向き合う意欲を維持し続けよう。4年生が一人参加してくれた。経験者の助言はとても貴重だと思う。また、このくらいの人数であれば行政学資料室も非常に使いやすいと感じた。

 

 

卒論指導

4名から報告。日もどんどん短くなるこれらかの季節は論文作成者にとって正念場となる。研究生にとっては何よりも院の合格へ。4年生と修士2年生にとっては卒論研究室内締切の厳守、それを見て修士1年生は来年度の修論提出に向けて踏み出す、といった具合に各々の目標は異なるが。その意味で研究室もたとえれば単座の飛行機の集まりであるが、各々の励まし合いは口先だけでなく実の部分が込もっているのである。

 

 


 

 

16/10/31. Mon.

 

 

地方自治論

 制度論をめぐり受講生の関心を引きつけるのはなかなか難しいが、地方分権改革の流れは避けて通れない。テキストに書いた以降の第二次分権改革の今日までの経緯を内閣府のネット情報等からまとめ、提示した。グループ討議では、地方創生をめぐり「点」ではなく、「面」の発想から考えられる事業を挙げてもらった。

 

 

現代政治の理論と実際

これまで米大統領選の細かい仕組みについてはペンディングにしたままだったので、気になっていたところ、よくわかる情報がネットから得られたので紹介した。世論調査で両候補の支持率が詰まってきている点などを指摘した後で、中東情勢に絡めたコラムが興味深かったので、このコラムから論点を提示した。また、グローバル化を進めるべしとの論調も紹介した。グループ討議では米国が世界に介入しないことによるネガティブな影響力について話し合った。

 

 

卒業研究準備演習(行政学ゼミ)

県と大学の地域連携事業を進める実務面での手続きについて確認した。とにかくやってみよう、行動を起こしてみようという思いを共有した。まちづくり提案、ジョイント共通テーマ・分科会と行動に集中する時期だ。そこから必ず知見をめぐる突破口が見えてくるはずだ。ラーニングコモンズが使えず、当初はしぶしぶ資料室を使う感じであったが、ゼミの所属感が強まるように思われる点など、ここはここでなかなか良い面もあるし使い勝手も悪くない。

 

 

卒論指導

今年度の卒論と修論の作成にとって明日からはいよいよ佳境の11月に入る。陽も日に日に短くなっていくので何とも心細いのは事実だが、明るくかつ快活な卒論指導の雰囲気を保つことも大切である。週1回の卒論指導がもう明日かといった感じで、研究室活動のスケジュールが回りだした。

 

 

比較政策研究(大学院)

2名の院生から報告。専門領域が異なるとさすがに苦しいが、学際がこの研究科の強みでもある。個々の研究に何らかのつながりがあるという前提に立って、互いのやり取りを続けていきたい。今後、教教分離が本格化しそうだ。自分の場合は雑務も含めて新学部設置準備時期から貴重な経験をさせてもらっているので、まったく恐れるに足りずだ。

 

 


 

 

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