20164月 中村祐司の教育日誌

 

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16/04/11. Mon.

 

国際学英書講読

最初の15分ほど受講生に英文社説の予習を行わせてから、授業を開始した。The Japan Times on SundayNo.1のプリントを配布し、”Reform in Iran unlikely””3/11, a lesson for us all”の途中まで教員が訳す。次回はこの続きと、配布したNo.2のプリントの1本目まで。この半年英文社説を読めなかった。その意味でこの授業は自分にとっても重要である。

 

行政学

2年か3年ぶりだろうか。やはり大教室の行政学は2コマ目がやりやすい。基盤教育絡みの対応で、スタートが10数分程度遅れてしまったが、Webレイアウト画面を表示して基礎行政学の導入部分から始めた。誤算はノートパソコンの画面がスクリーン画面では少し欠けてしまうことだ。原因はわからない。次回から使用する教科書を提示した後、最後の30分で、以前の打ち合わせどおり、市の選挙管理委員会の職員の方による18歳選挙権について説明の機会を持った。大学キャンパスで期日前投票ができればいい。嬉しかったのは授業終了後、関心を持った受講生が10名ほどいたことだ。今回のようなアプローチは今後も必要だと思う。

 

余暇政策論

何と初回は農学部の教室を使用した。空きがなかったのだが、次回からはラーニングコモンズが使えることになった。この棟を使わせてもらうのは宇大赴任以来初めてだったが、隅々までリフォームが行き届いていて以前のイメージとは全く変わった。導入として自己紹介のコツ、そして最も生きやすい街を取り上げた新聞記事を紹介し、次回は2020年東京五輪のエンブレムについてグループ討議を行うことにした。重複して説明を受けた受講生もいたが、18歳選挙権に関わって具体的に行動を起こすことに関心を持つ受講生が数人いた。やはりアプローチして良かったと思った。

 

行政学演習

勇んで教室に駆け込んだのだが、漠然と予想していた数の3分の1ぐらいで、正直力が抜けてしまった。それでも一人一人としっかり向き合えるし、ソフトでありながらやる気が混在する雰囲気も悪くなく、スムーズなスタートを切れた。3年生の前期ゼミでは、個々による論文作成を重視し、大きなテーマ(「地域の中の外国」)のもと、のびのびと調べて書いてほしい旨を伝えた。次回までに関心のあるテーマをいくつか挙げて、それについての情報にはどのようなものがあるかを個々が提示することとした。

 

卒論・修論指導

新しい年度のスタートは資料室から。しかし、これも余暇政策と同様、次回からは別の教室を確保できた。初回は顔合わせ。こうして一同に集まってみると、研究室メンバーとしてはこれぐらいがぎりぎりの人数ではないかとも思われる。卒論、修論、博論であろうと、とにかく論文を書くという一点で皆がつながっている。次回以降の報告スケジュールと、その後の院生だけの集まりにおいて履修授業科目の打ち合わせを行った。これだけ1日に詰め込む授業は今年度が最後になるような気がする。

 

 

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16/04/14. Thurs.

 

スポーツ社会学(白鴎大学)

「ポイント:スポーツ社会学が対象とする事例は多様である」と板書し、Case1としてバドミントン賭博問題、Case2として顔マラソンを取り上げた。とにかく直近の動態に注目していきたい。動画の紹介など電子系の媒体をどの程度利用するかについては、急がずに対応していきたい。

 

スポーツ行政論(白鴎大学)

「ポイント:スポーツ行政論が対象とする事例は多様である」と板書した上で、訪日外国人向けの地図記号、自動運転バス、東京五輪施設整備をめぐる国、組織委、都の負担変容などについて、Case番号を付けて紹介した。板書はやたらと書きなぐるのではなく、本当に大切なキーワードを量は少なくてもできるだけ丁寧に書いていきたい。また、受講生に考えさせるような授業展開を心掛けていきたい。

 

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16/04/18. Mon.

 

国際学英書講読

教員主導で”3/11, a lesson for us all”の途中から読む。熊本地震についていえるようで複雑な気持ちを持った。その後、”Michigan voters eye attention”, “Rajin-Khasan rail project is worth pursuing”と教員による訳で進んだ。グループでの訳の取り組みへの移行を考慮してプリントNo.21本目”N. Korea’s bellicose threats”に進む。前回と受講者数が減ったので3グループに分けた。グループ間での進捗の差が見受けられたものの何とかいけそうである。次回は2本目からでこのプリントを終わらせる予定。今回読み切れたグループのメンバーに次回は散ってもらい、グループを主導させよう。

 

行政学

新しくなったMoodleになじめず(というか使えず)、研究室HPを使ってレジメを提供することとした。Moodleには戻らずに前期はこのやり方で行く。その旨の説明を間にはさんでから、テキスト1本目に入る(分権改革)。板書のタイトルは「踏み込みポイント01」。コラムに触れる時間がなくなってしまったが、受講生には少しずつ教員の授業スタイルが見えてきたのではないか。

 

余暇政策論

昼休みに院生に直接伝えなければならないことが生じて図書館内を探索、加えてカバンの中に入れたはずの印鑑が見つからず事務と研究室を2往復(実際はカバンの中の異なるポケットに入っていた)。まだ春先だというのに早くも汗をかきながら、昼食もそこそこに授業に向かう。ところがあろうことか今度はスクリーンへの照射ができない事態に。時間ばかりが経過するので記憶の範囲で熊本地震から自分が受けた衝撃を説明した。その後短い時間ではあったがグループ討議。次回は新学部発足記念式典のため休講とせざる得なくて焦りがあったかもしれない。混乱したまま授業を終えてしまった。次回、余暇の枠内を前提としつつ説明をつないでいきたい。

 

行政学演習

 捨てる神あれば拾う神ありか。まだ確定ではないものの、前回からゼミ生は減らず、数名が増え結果として自分から見て最適なゼミ人数となった。書くという行為にこだわりたいので、早め早めに実践に入っていきたい。一人一人から簡単な報告。次回に向けて教員から熊本地震関連で文章化したもの1枚を提示。大上段に立った序論どうこうではなく、まずは本文のパーツとなるまとまった文章を積み上げていくことが大切だ。

 

卒論・修論指導

この人数ではやはり資料室では狭いと実感。コモンズが使えてつくづくよかったと感じた。机と椅子(ともに軽いから助かる)を動かして皆でテーブルを囲むようにする。実質的には今日がスタートだ。学部生2名から報告。予想外に活発な意見が飛び交った。今回のように、次回以降留学生も含めて皆が少なくとも1回は発言するよう促していきたい。物事の始まりにおいては何事もそうかもしれないが、それにしても今日は授業の合間においても雑務対応、学生相談、学外からの連絡などいろいろなことに直面した1日だった。

 

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16/04/21. Thurs.

 

スポーツ社会学(白鴎大学)

授業のねらい(ポイント)は「スポーツのボーダーレス化と国際大会」。リオ五輪初の難民選手団、キューバ・スポーツ復興の兆しとその政治・経済的背景、アフリカ出身選手の中東における帰化、ペルー・女子バレー人気の背景と尽力した日本人指導者などを取り上げた。今回は予定通りの授業内容であったが、教員が事前にもっと新聞報道を読み込んでおかなければいけない。ポイント立ては今後も継続していこう。

 

スポーツ行政論(白鴎大学)

ポイントは「現場に立脚したスポーツ震災復興を」。熊本地震から1週間。予定を変更して東日本大震災から5年以上を経過した被災現地を取材した新聞報道をピックアップして、どうしても板書しておきたいキーワードを書いた。Jヴィレッジ、福島の子どもたちの体力向上と肥満解消の学校現場の努力、サッカー、バスケ、野球などプロチームの奮闘、ふたば未来学園高校への期待などを取り上げた。もう少しやりたかったところだが、冒頭でこの1週間に自分が感じたことと、復興五輪には熊本地震からの復旧・復興も含まれると強調したことで時間が押したことに気づかなかった。

 

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16/04/25. Mon.

 

国際学英書講読

3回目の授業で対象のプリントはNo.22本目の社説“Summer of discontent”からだったが、内容が難しく予習の段階で苦戦した。最初に難しい3段落分を訳してからグループでの訳に入るが、いずれのグループもこの社説に時間を取られてしまったようだ。” Criticism of China is insulting” は読み切れず、 “Putin’s Syrian pullback a step in right direction”には至らなかったようだ。次回どこまで読むか一瞬迷ったものの、進捗ペースを優先し、3枚目のプリントを全部読むこととした。

 

行政学

 スクリーンにノートパソコンの画面が映写できずスタートが遅れた。ワイヤレスマイクも電池が切れてしまっていた。仕方なく板書を増やして対応した。初っぱなからトラブルに見舞われたが、それでも少しずつ起動に乗ってきた。授業の1週間前には次のレジメを掲載するのを継続していこう。テキストはポイントの2。行間を説明したつもりだ。コラムにも触れることができた。授業終了後、TAの協力を得ていじっているうちに、まずはノートパソコン設定の「複写」を確認し、プロジェクターリモコンは「RGB2」にする。画面が欠けていた場合にリモコンからのメニューで調整する。こうしたところフルスクリーンで全部映し出せた。字の大きさはおそらく250%ぐらいが適切だ。

 

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16/04/28. Thurs.

 

スポーツ社会学(白鴎大学)

3回目の授業のねらい(ポイント)は「たかが意匠、されど意匠」。新エンブレムの決定とそこから展開する可能性について説明した。寡黙と多弁、粋、日本らしさ、多様性と調和、藍一色の幾何学形態、モダンな抽象デザインの志向など、決定したエンブレム(A案)をめぐる解説や人々の反応をまとめた。他の3案についても記憶にとどめておきたいと思った。

 

スポーツ行政論(白鴎大学)

ポイントは「スポーツを通じた震災復興の継続を」。実質的に内容は前回の続きで、サッカーの小笠原選手や野球の上原投手の実践貢献、女川小におけるNPOのスポーツ支援、富岡高の今後、石巻市の追波川河川運動公園、市立大船渡中の「広場」、釜石市の中学生の英会話チャレンジ、うつくしまスポーツキッズや復興米崎卓球会館(陸前高田市)が直面する課題などを紹介した。用意した事例全部を紹介し切れなかったものの、具体的な復興活動を事実として把握しておくことが改めて大切だと感じた。

 

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