201511月 中村祐司の教育日誌

 

 


 

 

15/11/02. Mon.

 

 

地方自治論

マイナンバー制度をテーマにグループ討議。学生にとってもメリット感よりも、どちらかといえば不安感の方が大きいようだ。導入前なので致し方ないかもしれない。奨学金関係の手続の簡素化につながればありがたい、個人情報が丸ごと抜き取られる不安があるといった意見が出された。地方自治論の授業といえども、生活に直結する制度導入なので、今回取り上げた意味はあったと思う。

 

 

現代政治の理論と実際

安保法制をテーマにグループ討議。学生の受け止め方も揺れているのが伝わってきた。アメリカや中国との関係についても言及された。デモに対する見方も分かれたようだが、それでいい。大切なのは自分の立ち位置を探る考察を続けることだと思う。賛成・反対の集会に身を置いたり、沖縄の基地の実際を見たり、学生なりに現場との接点を持ち続けてほしい。

 

 

卒業研究準備演習(行政学ゼミ)

ジョイント、まちづくり提案、大学・地域連携事業に向けた週1回の貴重な打ち合わせの場となっている。やるべき内容を修正しても、まだぎりぎり間に合う。自分たちができることを見極めた上で、自分たちがやりたいテーマをどんどん追求してほしい。同時にいずれの事業についても、手続などの実務も確実にこなしていきたい。

 

 

卒論指導

今が一番苦しい時期かもしれない。論文が簡単に書けないことは自分が誰よりも痛感しているつもりだ。今朝提出した紀要論文(指定廃棄物問題、新国立競技場建設問題)はまさに薄氷を踏むような思いだった。いつもぎりぎりである。卒論生を責めることはできない。執筆は誰も助けてくれないが、研究室は一つのチームだ。互いに励まし合うことはできるはずだ。今から3週間がいよいよ重要となってきた。

 

 

比較政策研究(大学院)

体力的にも気力的にもきつかったが、院生のやる気に助けられどうにか乗り切った。3名からの報告。全く異なるように思える分野でも、本質を見極めようとする試みでは共通しているし、各自の修論作成の何らかのヒントを得ることができるはずだ。貪欲に他分野の研究を吸収するつもりで臨みたい。

 

 


 

 

15/11/09. Thurs.

 

 

地方自治論

新国立競技場をめぐる未定稿をMoodleに先週掲載し、反転授業を行う。先週と同じグループで討論する。建設費、スタジアム機能、資金の集め方など、学生ならではの着眼点があった。反転授業は今回で一区切りとして、この1週間は課題は出さず中休み扱いとした。次回以降は書くという行為を軸に進めていくが、執筆要領やスケジュールを次回提示したい。

 

 

現代政治の理論と実際

18歳選挙権についてグループ討議。受講生の多くは1年生で、これからのことなのでなかなか意見交換は難しいかもしれないと予感したが、意に反して活発なやり取りが展開された。選挙権に限らず、政治に対するスタンス、政治参加の想定、身近な選挙に向けた仕掛けなどについて考えた。途中、グループのメンバーが他のグループに移って話し合いの内容を伝えさせたが、これも意外とうまくいった。教員側から新たなアプローチをいろいろと試してみる価値はあると思った。

 

 

卒業研究準備演習(行政学ゼミ)

昨日のジョイント打合せの関係で1名が欠席だったがしたが、それでもだいぶ寂しくなる。それだけチームワークの良さが続いているということか。まちづくり提案にしてもいよいよ中身(論文作成)に取り組んでいかなければ。11月は毎年なかなか大変な時期だが、それだけやりがいのある貴重な機会だともいえる。自分たちのできることを精一杯やればそれでいい。

 

 

卒論指導

研究室内締切まであと3週間。執筆の原動力となる危機感を皆が強く共有したいところだ。後に大幅に修正するにしても目次を道標に順番は気にせず、節単位で書けるところから埋めていけばいい。自らの途中実績が明確になってくればくるほど、完成に向けた気持ちも強くなってくるはずだ。完璧な内容になるはずはない。手持ちのストック(資料など)をもとに書けるところを書いていけばいい。

 

 


 

 

15/11/16. Mon.

 

 

地方自治論

この1週間はこれまでのアクティブラーニング、反転授業の中休みとして取り扱い、今日から授業後半に向けて書くという行為に焦点を絞ることとした。年度内の大まかな進め方を示した後、年内の各授業の予定内容を提示した。地方自治の領域において間接的にせよ活動現場との接点を持つという条件を課したが、それ以外は受講生個人の取り組み如何に掛かっている。

 

 

現代政治の理論と実際

地方自治論の授業と同様、先日のパリの同時多発テロについて、グループで話し合う時間を少し持つ。今後の授業の進め方の大枠は地方自治論と同じだが、政治(社会)をめぐる活動現場との接点を持つ条件は課さなかった。一番迷ったのは分量であったが、これまでの受講生とのやり取りから地方自治論と同じ2枚で行けると判断した。

 

卒業研究準備演習(行政学ゼミ)

原稿の提出、プレゼン資料の作成、ゼミ生間のスケジュール調整など、山積する課題を時間との戦いの中でこなしていかなければならない。しかし、考えてみれば3年生の今の時期こそ、こうした機会に正面から向き合って全力を尽くすのは素晴らしいことだ。すべてがとても貴重な研究実践となっている。

 

 

卒論指導

卒論作成もとくに研究室内締切との関係で大詰めの時期となった。自分のスタイルを押し付けてはいけないと思いつつも、まさにこれからの向き合い方で決まると励ましたい。全員がなかなか揃わないのが残念だが、卒論作成という一つのゴールに向けて頑張っている一体感を大切にしたい。

 

 

比較政策研究(大学院)

3人から報告。テーマが多岐に及ぶだけでなく、普段無意識のうちに身を置いている学問領域から遠く、正直戸惑いはある。しかし、それが国際学研究の良さでもあり醍醐味でもある。たとえ掘り下げた議論はできなくても、限られた時間の中で集中するこの機会は重要だと思う。

 

 

 


 

 

15/11/30. Mon.

 

 

地方自治論

ゼミ生によるpeer to peer 授業の実践。受講生は付箋紙にコメントを書いてくれた。プレゼンやパワポを修正する上でありがたい機会となったのは間違いない。だいぶ時間が押したが、後半は前回のグループで論文の中身の構想について話し合う。来月の日光活学舎の参加に受講生何人かが手を挙げてくれ大変嬉しかった。あまりにも各グループの雰囲気が良いので、急遽次回もこのグループで行くことにした。次回は第1次草稿の提出となる。

 

 

現代政治の理論と実際

テーマが異なることもあり、peer to peer 授業の実践は断念。しかし、その分時間を取って、論文のテーマについてじっくり話し合う。地方自治論と同じく、先週切り取ったテーマ一覧を模造紙に貼り、余白のところに各自の構想を作成させる。その後、2名が他のグループに行って説明。その後相互に1名が他のグループに行って説明した。ここでも来月の日光活学舎の参加者希望者が若干いて大変ありがたい。やはりこのような情報は積極的に提供しておくべきだと思った。同じく次回は第1次草稿の提出。

 

 

卒業研究準備演習(行政学ゼミ)

全員ではなかったものの、4年生が参加してくれ、ジョイント共通テーマと分科会の模擬発表。それにしてもゼミ生の短時間での修正力向上には驚いた。格段に進歩していた。ぜひこの調子で本番に臨んでほしい。厳しいながらも先輩からの指摘は非常に有意義であったはずだ。ここに来てジョイント幹事校の準備もしっかりしていることがわかった。集合時間や持って行くもの等についても確認した。もちろんこれからの詰めが大切だが、何だかとてもすっきりした気分になった。

 

 

卒論指導

研究室内卒論提出日。出来栄えには温度差があるように見受けられたものの、事前提出も含め全員から受け取る。註や参考文献の記載について迷走しつつも皆で確認する。教員にとってもひとまずほっとする。しかし、読み込みはジョイント前の明日以降3日間の中でやらなければいけない。卒論生には敢えて23日間、論文から離れるよう助言した。研究室内本提出まで3週間ある。この間の詰めあるいは挽回が最終的な出来栄えを大きく左右する。

 

 

比較政策研究(大学院)

残念ながら1名欠席で、2名から報告。確かに他分野の研究についての助言は難しい。しかし、専門を深める上での勝負所は、専門以外にどれだけアンテナを張れるかにかかっていると思う。その意味で、他領域に触れることのできる機会を貴重だと捉えたい。受講生も全員ではないものの、だいぶ積極的に発言するようになってきたのは良い傾向だ。

 

 


 

 

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