20154月 中村祐司の教育日誌

 

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15/04/09. Thurs.

 

スポーツ社会学(白鴎大学)

新学期のスタートは週2コマ教えている白鴎大学から。教室は何とか受講生は入りきれるぐらい。2020年東京五輪が来年度以降の中学教科書に盛り込まれること、2022年冬季五輪大会、26年の札幌市の立候補、その他にも野球の独立リーグのBCリーグにおける福島ホープスの奮闘開始など、事例を挙げながら受講生に考えさせる素材を提供した。今年度初の授業としてまずまずのスタートを切ることができた。

 

スポーツ行政論(白鴎大学)

スポーツ行政論でもたとえば組織マネジメントや組織戦略の視点から2020年東京五輪を対象とする。新種目の立候補に野球・ソフトだけではなく、スカッシュなども手を挙げる動きにある背景について書かれた新聞記事を紹介。また、大会組織委員会の国内最高位スポンサーとなった企業のねらいなども取り扱った。教室や受講生の反応に慣れるまでもう少しかかりそうだが、とにかく積極的に鮮度の高い情報を提供していきたい。

 

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15/04/13. Mon.

 

国際学英書講読

初回はこの授業のねらいや目標とするところ(社説を正確に読む)について説明した。少し予習の時間を取って最初の”Britain’s defense budget”を教員主導で読む。教員のスタンスは受講生に伝わったと思う。後は本人のやる気次第だ。1週間に1回の英語精読のサイクルが始まった。次回は同じペーパーの3本の社説を読む。

 

新入生セミナー

 今年度は4年に1回ぐらいで回っている担当年度となった。確かに大学の授業の一環なのでやることはやるが、一方で新入生がこれからのびのびと学べるように少しでも後押しできればと思う。初回は全体授業で、シラバスやキャリア活動の説明が主であった。担当教員は7名で一人当たり16-17人を受け持つ。クラスルームとしての役割も果たしていきたい。

 

行政学演習

初回としては例年よりも多く、資料室に入りきれないくらいであった。研究室の4年生も何人かが顔を出してくれ、ジョイントやまちづくり提案について率直に経験談を話してくれたこともよかった。博士後期の院生もこのゼミに参加。受講生の一言の自己紹介にやる気を感じ、ジョイントの共通テーマである「村」を大枠として、個人あるいはグループで、現場主義の考え方で積極的に勉強するよう強調した。次回以降のために他の教室を探さなければいけないが、上々のスタートを切ることができた。

 

行政学

教室の名称が変わったのと、例年の教室も再編されたので、どの教室は戸惑ったもののすぐに慣れるだろう。農学部、教育学部の学生も受講する関係で100名弱といったところか。教室には入りきれたものの、縦に長く手狭な印象だ。少なくともグループワーク形式は取れそうにない。他に良いところがあれば教室を変更するか、数回のグループワークの時にUUプラザ等を利用するのか迷うところだ。プロジェクターの提示はすんなりいった。テキスト『日本の公共経営』について「概観の概観」と称して、章全体を見渡した。今後、一方通行の講義から脱することができるか、思案が必要だ。

 

卒論・修論指導

昨年度とは様変わりして、卒論生と修士の院生1名で進めていく。卒論作成の実質的スタートとなる。出席者全員から報告。ペーパレスの効率性を発揮できそうだ。今後の報告スケジュールを決める。その後、卒論テーマや留学、履修関係での相談に対応。1日の疲れが一番出てしまう時間帯ではあるが、所要が入っていない時にはこの後の時間も有効に使っていけたらと思う。

 

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15/04/14. Tue.

 

余暇政策論

受講生も多めであったし、この時間帯の授業を嘆いていはいけない。火曜は2コマに委員会の会議が入ることも多く、前向きに捉えて授業に臨んでいきたい。やはり縦長の教室であるが、新しい分使い勝手が良いように感じた。プロジェクターも問題なし。最初に時間を割いてこの授業の位置づけを自分の研究領域と他の授業との関連の中で説明した。スポーツ関係の話から入り、研究室HP上での昨年度の優秀エッセイの紹介、先日の石川町視察で印象に残った庭園など余暇空間につながる事例の紹介、時間はなくなったが直近の自筆コラムの紹介を行った。次回からさっそくグループワークを取り入れたいが、ハード面の制約をどうクリアすればいいのだろうか。

 

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15/04/16. Thurs.

 

スポーツ・体育社会学(白鴎大学)

スポーツ専門カメラマンが残した五輪レガシー、Jリーグと企業とのコラボによる東南アジア諸国への浸透戦略、カンボジアでのヤマハによる子供たちを対象としたサッカー教室の開催と企業の社会貢献の価値、同国でのJAICAを通じた審判員の貢献、ブラジルへの野球を通じた貢献の潜在性を取り扱った。次回はおそらく教室変更。

 

スポーツ行政論(白鴎大学)

東京五輪の競技会場の見直し(自転車、馬術、バスケなど)、横浜マラソンの距離不足の背景と計測の難しさ、プロ野球観戦中の事故をめぐる臨場感と安全性をめぐる判決を対象とする。板書だけで90分は苦しいので、3月中旬に訪問した岩沼市の玉西浦地区と千年希望の丘で撮影した写真を提示し、運動やスポーツのできる緑のスペースの大切さを強調した。次回、教室変更の可能性あり。

 

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15/04/20. Mon.

 

国際学英書講読

旧イメージラボTで、20数名が簡易机付き椅子を円状に取り囲む形で、"Lee Kuan Yew's legacy", "Japanese apology essential", "Obama slowing U.S. exit from Afghanistan"を読み進める。英語がネイティブな受講生もいて、この授業の強力な助っ人になってくれそうだ。受講生の意欲も高そうだ。グループ単位で訳すようにするが、もう一回ぐらいこのスタイルで行ってもいいかもしれない。この授業の手応えが感じられるのは、授業が全部終わった時あるいはそれから後のことなので気長に地道にやっていこう。

 

新入生セミナー

 クラス分け後のセミナーが実質的に今回からスタート。国会図書館の利用、二冊のテキストの使い方、推薦入学者の読書レポートの感想の提示とMoodle掲載、岩沼市訪問で得た現場で考えることの大切さについて述べた後、グループ討議(出身地の紹介)を行う。何かの縁で受講生16人が出会ったわけだから、互いのコミュニケーションに重点を置いてやっていこう。

 

行政学演習

 宇大に赴任以来、初めて旧イメージラボをゼミに使うことになった。四つのグループに分かれ、村について各自が調べてきたことを出し合った。グループ討議ではそれなりに教室スペースが必要だと改めて痛感した。次回は最初に各グループで話し合ったことを紹介し、できらば四つぐらいのカテゴリーを抽出したい。それをもとにグループを組み直して討議を行う予定だ。今は方向性を探る試行錯誤の時期。先へ先へと急ぎ過ぎず、焦らないでやっていこう。

 

行政学

この授業も教室変更。入るには入ったが先週の教室では狭過ぎ、そのままでは受講生も息苦しかったに違いない。広めの教室で、これならば何回かのグループ討議も可能だ。従来の行政学、新しい行政学、問題提示と進んだ。たとえ受講生数は多くても、教員の一方的な話のみではなく、何らかのやり取りを工夫していきたい。

 

卒論指導

今回は誰かが報告するのではなく、前回の全員の報告を対象にアドバイスし合うフリートーキング。出席者8名の意見交換が深みのある形でうまく噛み合った。教員にとっても卒論指導における新しい発見であった。これまで、3年前期ゼミでの研究レポート、その後のまちづくり提案やジョイントを経験したからこその、高レベルの相互コミュニケーションであった。

 

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15/04/21. Tue.

 

余暇政策論

この授業も教室変更。これからの大学授業では人数との関係でグループ討議のできない教室は使われなくなるかもしれない。ノートパソコンのスクリーン投影がうまく行かず、口頭で説明した後で「緑のスペース」をキーワードにグループ討議に入る。これが人数的にもぴったりで合った。この間、いろいろといじってスクリーン投影も可能となった。やはり授業におけるハード環境は大切なのだ。ラーニングコモンズに移らずに、ここで工夫してやっていくのも一つのやり方なのかもしれない。

 

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15/04/23. Thurs.

 

スポーツ社会学(白鴎大学)

教室の変更でやりやすくなったものの、プロジェクターの投影ができず授業開始が遅れてしまった。おそらく解像度をめぐりプロジェクターとノートパソコンの相性が合わないのが理由であろうと後にわかる。2019年ワールドカップラグビーの開催費用をめぐる調達の課題、サイバーセキュリティ対策、スポーツボランティア、神宮外苑再開発における野球の優位性とラグビー界の危機感、小学生1年生が将来就きたい職業などについて話題提供した。連休明けの授業からはネット情報も積極的に紹介していこう。

 

スポーツ行政論(白鴎大学)

スポーツ社会学とは別の教室へ変更。相当な大教室で、暗幕は自動ではなかったがスクリーンが大きく、テレビモニターとの同時投影も可能。さっそくスポーツアコードやアラウンド・ザ・リングスなどのHPを紹介する。バスケ統合(新リーグ説立)の課題を取り扱う。最後に野球くじ導入の動きについても言及した。この授業でもスクリーンの大きさを生かしたネット情報を提供していきたい。

 

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15/04/27. Mon.

 

国際学英書講読

3回目の授業で対象のプリントはNo.2の“Joko’s mission in Japan”, “Yemen body count rises”, “Seoul’s security alliance”, “IRS needs stronger measures to fight fraud”を読む。とくに2本目の社説は非常に読み応えがあり、敢えて最初に教員主導で訳す。その後に他の3本をグループで取り組む。最後まで行かなかったようだが、この段階ではそれでもいい。中3日で次となるが、教員にも繰り返しの予習が求められる。

 

新入生セミナー

 最初に二つのテキストに触れる。今日の一コマ目の英文社説の内容にも触れ、直近のコラムと小石川植物園の写真を提示した後、次回の大学キャンパス内での地域資源探しのグループ毎の打合せに入る。できるだけ、学生同士で直接意見交換する多くの機会を設けるようにしたい。

 

行政学演習

 教室の変更はできないので、周辺の空いている教室もうまく使って、グループ単位での話し合いの環境を少しでもよくしたい。村について前回検討したことの報告後に、後半は四つか五つのカテゴリーの設定に向けてグループで話し合う。ゼミの場合、はあくまでも学生が主体になって進めていくようにもっていきたい。次回は、全員で五つぐらいのカテゴリーをある程度固め、最終決定ではないものの、1グループ四人に分かれ、連休明けまでに各自(可能であれば複数で)でやっておくべきことを決められればいい。

 

行政学

どうしても異なる教室を行ったり来たりするので、鍵の受け取りと返却に振り回されてしまうような感じである。従来の行政学と新しい行政学の後で、次回のグループワークについて説明した。各省の属する精鋭スタッフと仮定し、各グループが考える重要課題を挙げ、その課題解決案を出してもらうというものである。連休前のこの時期を利用してとにかくやってみよう。

 

卒論指導

前回、全員の現段階での卒論テーマをめぐって意見交換の広がりと深みが見られたので、今回も報告者3人のテーマをめぐり幅広く話し合った。面と向かって率直に考えを出し合う機会となり、時間の経過が早く感じられた。各テーマの内側に入るのではなく、説き広げる形のこのスタイルでやっていこう。卒論生の表情からも充実感が読み取れた。

 

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15/04/28. Tue.

 

余暇政策論

鍵を持っていけばちゃんと教室が使えるのだから恵まれてはいるのだが、どうしてもそこまでの距離と高さ(階段)に疲れてしまう。今日は思い切って、グループ討議の時間を多く取って、「こじらせ男子」をテーマに互いに率直に語ってもらうことを授業の目的とした。こういう機会は受講生にとっては珍しかったのではないか。たとえば、いずれのグループも社会や制度との関連で考えた様子が窺えた。

 

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