2014年5月 中村祐司の教育日誌
14/05/01. Thurs.
スポーツ社会学(白鴎大学)
新聞切り抜きから、石巻日和倶楽部、日本製紙石巻硬式野球部、鳴瀬未来中の運動会、NPO法人スクラム釜石、円谷ランナーズスポーツ少年団、大槌花道プロジェクト、東京五輪をターゲットにしたサイバー攻撃・通信障害対応、サッカーW杯の代表チームのユニホームと繊維素材・メーカー名などを取り上げた。ネット情報はナイキ、アディダス、プーマのHPから紹介した。提示情報量を抑え気味に、話題項目数を多めに提供したつもりだ。来週は大学独自の連休のため一息つけそうだ。
スポーツ行政論(白鴎大学)
複合競技場(アオーレ長岡、ノエビアスタジアム神戸、等々力陸上競技場)、バスケのTGI・Dライズの山形移転、J2のザスパクサツ群馬、J3における経営規模・スタジアム要件・選手契約要件、早大と東洋大の学生スポーツをめぐるスタンスの違いなどを取り扱った。ネット情報はゼビオアリーナ仙台とアオーレ長岡。前者については動画も見せる。
14/05/02. Fri.
国際学英書講読
月曜振替授業日。3グループに分けて、”Evolving U.S.-Sino relations”, “Disrupted by drones”, “Iranian radical’s visa request is an insult to U.S.”の3本を読む。確かに文意が分かりづらい箇所もあったが、受講生間で詰めていこうとする姿は頼もしかった。この授業の質は本気で予習してくる受講生の多寡にかかっているとあらためて感じた。次回(再来週)は4本読み切ってくることにした。
余暇政策論
先週に引き続き、SNSをめぐるグループ討議。天声人語の「愚者のランプ」か「賢者の利器」のキーワードなどをめぐり、予想外の活発な議論が展開された。最後は時間が足りなくなったものの、8グループから報告。問題意識の対象が、受講生とはずれるかもしれないが、教員自身が持つ問題意識を臆せずにどんどんぶつけていくことが大切だと確認できた。
行政学演習
これまでの疲れが出たのが、体調が悪化しマスクをしながらゼミに臨む。8人から報告があり、まずは関心のある都市についての歴史と魅力について一巡した。ゼミ生の報告を聞きながら、一つのテーマをめぐって各自掘り下げると同時に、他者(他都市)のテーマについて、自分の担当都市でも採用できないか考えるやり方がいいのではないかと思った。そうすれば、ゼミ生間で縦横無尽の相互コミュニケーションが展開されるはずだ。自分の思いを説明するのに熱くなったせいか、まだ、10分あると終了時間を間違えてしまった。次回までに各自テーマを絞ってくることにした。
行政学
時間ぎりぎりで駆け込んだが、T.A.が不在で少し慌てた。ところがマイクなどが入っているボックスの鍵が用意してあり助かった。従来の行政学は政治と行政の融合論、協働の規範、そして古典的組織論について説明する。新しい行政(学)は、テキストは第2章のNPMのところを対象とする。質問事項(規制の強化あるいは緩和と絡めながらの市場部門からの提供サービスの事例)は、前回よりはわかりやすかったかもしれない。次回は3章の民間委託が対象。
卒論・修論指導
就活のため欠席者が複数。この時間終了後に作業ができるとは思えない体調だったため、その場で欠席の場合は他者の報告内容にコメントを出す旨のメールを送信した。また、卒論題目についても次回までに考えてくるよう送信した。3名から報告。指導についてはかなりの年数を経験したものの、年々、学部生や院生に論文を作成させることの指導の難しさを痛感するようになった。やはり書くという作業は大変な知的エネルギーを要するものなのだ。体調を崩してしまい、終了後は書類整理など何もできず。
14/05/14. Mon.
国際学英書講読
プリントは4枚目。”Scotland’s nuclear position”, “Rwanda’s turnaround”, “Park’s proposal spurned”を予めランダムで3グループ分けしたグループ毎に読む。非常に嬉しいことに、出席した受講生のほとんどんが積極的に予習してきていて、最終的には3グループとも読み切ることができた。4本目の”U.N. vote on status for Palestinian Authority misjudged”はやや難しく、時間切れの中、理解の手助けとなる背景の説明を行う。専門選択科目の強みを生かして、やる気のある受講生の力をどんどん伸ばせたらと思う。
余暇政策論
ディズニーリゾートをテーマに8グループでの討議。ただ教員の問題意識の提示に最初の30分ほどを使った。縦型の黒板が各テーブル毎に使えるのが大きい。プロジェクターの調子も良く、ここまでのところ、紙の配布はしていない。せっかくグループ毎の板書があったので、最後の15分ぐらいを使って各グループ毎のキーワードの一つに注目して、教員の質問に答える形で発言させた。次回、もう一度このテーマで行きたい。10代、20代、30代、40代以上向けの事業のPRのポイントは何かということと、具体的に事業を1グループ一つから三つまでの間で提案させたい。
行政学演習
選定した都市についてのテーマを設定して書いていくスタンスは固まったので、今回はその本格始動のゼミと位置づけた。一通り全員が報告した後、今後の進め方について三つぐらいのグループ分けをすることで皆が合意した。やり方自体をゼミ生で話し合って進めていくことが大切だ。電子媒体を活用した“ペーパレス・ゼミ”もここに来て軌道に乗ってきた。
行政学
大教室での教員と受講生との双方向の授業はなかなか難しい。従来の行政学は分権・分離、集権・融合などやや説明しにくいところを取り扱った。新しい行政学では自分が執筆した民間委託の章なのでやりやすいかと思ったが、逆に発言量が多くなり過ぎてしまったかもしれない。最後に民間委託の事例を各自に考えさせ、出席カードの裏に三つの事例を書かせて終了。
卒論・修論指導
就活等でなかなか全員は揃わないが、後日コメント提出となるゆえ、人的つながりは維持できていると思う。3人から報告。卒論生も来週ぐらいには題目を固める時期か。修論生の場合は今回、最終的に題目を決定した。取りまとめて教員が提出と思い込んでいたが、後で院生各自が提出すると分かり、気持ちが少し(だいぶ)軽くなった。この時間帯になるとどうしても疲れが凝縮してしまうが、教員が覇気を失ってはいけないのでとにかく集中するよう心掛けたい。
14/05/15. Thurs.
スポーツ社会学(白鴎大学)
サッカーのW杯ブラジル大会まであと1カ月弱となった警察官のストライキ、反政府デモ、スタジアムや交通インフラ整備の遅れ、2022年リオ五輪への影響と国家威信、日本における国立競技場問題などを取り上げた。ネット情報は外務省による海外安全情報のホームページ。期待と不安における後者に関わる課題を抽出した形となった。
スポーツ行政論(白鴎大学)
五輪をにらんだ中高生を対象とする国のエリートアカデミー、福岡県や東京都の取り組み、種目によってのピーク年齢の違い、大学スポーツの変容、アメリカのNCAAにおける学生選手のアマチュアリズム問題などについて説明した。ネット情報はNCAAのホームページを紹介。動画など内容が豊富であるからこそ、バスケやアメフトなど華やかであるがゆえの重い課題(スポーツ奨学金のあり方や無報酬問題)を探っていかなければいけないと思った。
14/05/19. Mon.
国際学英書講読
今回は2グループで行う。”Chemical reprise in Damascus”, “U.S. shifts role in Pacific”, “Boston Marathon returnd to streets one year after tragedy”を1時間以内で読み切ることを目指した。この授業には精鋭が残ったといっていいのだろう。10分ほど超過したものの2グループとも見事に読み終えた。残りの”Attack on U.S. Jews worrying”は7-8分しか残っていなかったが、自分が気合いで一気に訳す。選択科目の強みを生かした、やる気のある受講生が集まった理想に近い授業展開になっている。
余暇政策論
フランス(パリ)のディズニーリゾートに関する短い動画を2本とHPを紹介した後で、ランダムに分けた8グループの対して、小学生以下、20歳代、40歳以上の各々の世代を対象にしたアトラクションないしはショーといった事業プランについて討議させた。題材がポジティブ志向の題材だけにほとんどの受講生が時折笑顔を見せる雰囲気が印象的だった。報告は各グループ2分以内。グループごとに縦長のホワイトボードを使えるのもありがたい。
行政学演習
助走期を経て、いよいよ本格指導といったところか。教員が考える今後の活動スケジュールなどを示し、3グループに分かれて自由討議。資料室も含め、1グループで1室使えるのがベストだろう。来月からは執筆段階に入る。それまでに各自の問題意識の掘り下げと、グループにおける緩やかな一体性、グループ間での共通認識に至るはずだ。
行政学
今回は意識してやや映像資料を多めに盛り込んだ(現在のシーガイアのPR、三陸鉄道の復旧、WTCをめぐる報道、臨海副都心地区訪問時の写真)。従来の行政学でも国土交通省の組織図を提示した。さらに総務省による調査報告にあった第3セクターの業務内容別分類表も示して、出席カードの裏にこれまでサービスを受けたと思われる三セクについて書かせた。再来週は新しい行政学を対象にテキスト第5章までを対象に40分間の考察記述テストを行う(教科書のみ持込可)。また、受講生からの要望に応え、パワポの授業資料を授業前までに掲載するようにしたい。
卒論・修論指導
なかなか卒論生全員が揃わないものの、予定通り3人から報告。今は卒論作成に向けた模索期の段階である。ジョイント・まちづくり提案についてもそろそろ準備に入る時期で、3年生への説明など4年生のバックアップが心強い。院生も修論のことが頭から離れない時期に入った。教員も一人ひとりの重みに向き合っていく気概を持たなければ。
14/05/22. Thurs.
スポーツ社会学(白鴎大学)
スポーツクラブと地域社会と題して、Jリーグのファジアーノ岡山、FC東京、社会人リーグの南葛SC、生命保険会社(明治安田生命保険)によるチーム支援、バレーボールVリーグのつくばユナイテッドSun Gaia、そして地域密着を柱とするドイツの強豪サッカークラブであるバイエルン・ミュンヘン(ネット情報も)を取り上げた。スポーツクラブが地域を拠点とする限り、そこに住む人々や関係組織との連携・協力が不可欠であると改めて確信した。
スポーツ行政論(白鴎大学)
選手強化費をめぐってと題して、五輪選手強化費を国(文科省)の独立行政法人が直接競技団体に配分しようとする動きを対象とする。そうなるとJOCが果たして来た役割が大変容(栄誉ある旅行代理店化)することになる。モデルとするUKスポーツについても触れ、国策によるスポーツ強化のあり方について考えた。ネット情報はUKスポーツ。全部見たわけではないが、動画の迫力がいまひとつだったのが残念。
14/05/26. Mon.
国際学英書講読
3グループで行う。”Economic sanctions on Russia”, “Kerry’s Mideast mission”, “Norway picks salmon exports over peace prize”を読んだ後、教員が”NBA’s life ban on Sterling”を訳す。驚いたのは中国からの交換留学生が、難なく英語の社説を中国語で理解する力を持っているということだった。次回はまずは中国語で訳しそれを日本語に変えるというやり方を試してみようかと思った。日本人の受講生も負けてはいない。訳を主導的に引っ張っていく受講生もいた。次回もこの調子で行きたい。
余暇政策論
社会的起業をテーマに掲げる。話題提供として、高校生による起業、Jリーグ岡山の黒字をめぐる考え方、ダークツーリズムを挙げる。その後、目的、事業内容、組織体制、名称などについて8グループで討議。授業で受講生同士が直接話し合う環境をつくることの大切さを確認した。また、グループ毎に話し合いの内容が異なっていたことも興味深かった。次回も同じグループで、最後に1グループ3分を確保して、提案させたい。
行政学演習
まず最初に現段階でのグループ分けとその後のグループ組み直し予定を皆で確認する。来月に入ると否が応でも書くことを意識せざるを得なくなるので、今回、のびのびと都市について語り合えたのは大きい。個とグループとの関わりについても前者があって後者があるという共通認識を持てたと思う。次回あたりに執筆要領を提示したい。
行政学
リモコンが見当たらず数分焦ったが、無事教壇の机の中から見つかり事なきを得た。テキストに出てきたPFI事業の事例をネット情報を使って紹介。出欠カードの裏にはPPP的なるものを書かせた。来週は“新しい行政”の第5章までの範囲で40分の筆記試験を行う。問題を作成しなければ。授業後の質問で第3セクター一覧はネットで見ることができると応えてしまったが、7,000もありそれは無理だろうと後で気づいた。
卒論・修論指導
修論生の中間発表(来月中旬)の日程についてうっかりしており、また、その作成指導についても虚を突かれた感じで少し慌てた。留学生はとくに自分の文章を一文一文積み上げ、結果として分量は下限で構わない(否、むしろその方がいい)と改めて思い直した。卒論生の題目も揃った。終了後、紀要論文提出予定の博士後期院生の論文チェックは、残念ながら疲れで頭がぼーっとして続けられず、半ページで挫折。
14/05/29. Thurs.
スポーツ社会学(白鴎大学)
ブラジル・サンパウロ州における水不足問題、サッカーW杯反対のブラジルでのデモ頻発の懸念、日本人観戦客の間での現地情報共有のためのFB(フェイスブック)の設定、IOCの放送権料の高騰傾向、TOPスポンサー、ブラジルバーガーなどW杯商戦などを取り上げた。ネット情報は組織PRの側面に注目して、某大学のスポーツ場面を含む写真スライド音楽の動画を提示した。
スポーツ行政論(白鴎大学)
スポーツボランティアの類型、NPO法人日本スポーツボランティアネットワーク(HP)、ドイツを除く欧州プロサッカークラブの財源難と外資の参入、世界のサッカー界が標的となる八百長リスク、東京五輪応援ナンバーを取り上げた。とくに八百長リスクをめぐっては、サッカー賭博の対象となる「インプレー・ベッティング」の細かさには驚いた。