2013年6月 中村祐司の教育日誌

 

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13/06/03. Mon.

 

国際学英書講読

UUプラザを用いてグループごとに訳を取り組ませる。一定時間経過後、分からない点を聞いてから、そのカ所を重点的に訳す。通しで訳せないため意外と時間がかかる。4本目が最も読み応えがあったのだが、時間切れで一文一文進めず、黒板を使って、要旨を押さえる。米国の国務省、国防省、大統領、当事者(囚人)の考えがそれぞれ異なり、外的環境にも影響を受けるという興味深い内容だった。

 

余暇政策論

教育プログラム支援事業の一環として、外国籍市民との多文化共生をテーマに鹿沼市職員を招き、UUプラザを使い、話題提供、グループ討議をしてもらった。その環境を作るのに腐心せざるを得なかったが、どらえもんを200字以内で優しく説明する課題に各々のグループで特色があり、非常に充実した内容であった。まさにコラボ(協働)授業となった。

 

行政学演習

同じくゼミ活動をめぐる工夫の一つとしてうつのみや市政研究センターの2名のスタッフがUUプラザで出前講座に来てくれた。分かりやすい説明とプレゼン、その後の質疑応答も盛り上がった。このような快適な環境で行うと資料室でのゼミ活動は手狭過ぎると認めざるを得ず、教室の変更を検討しなければいけないと思った。

 

行政学

この時間が受講生の人数上、果たしてUUプラザにおさまり切れるのかと一番心配だった。しかし、まさに案ずるより産むが易しで、事前にゼミ生の手伝いで机・椅子を配置しておくこともでき、スムーズに授業に入ることができた。各グループとも熱心な議論があり、バーチャル省庁ごとの発案も良かった。やってみて政策課題を一つに絞るのは無理があると感じたが、結果的に各グループによる複数の政策提案がそれを補ってくれた形となった。

 

卒論・院生指導

朝一番に、もっともらしく黒板受けに置かれていた油性インキのペンを使ってしまい消すのにえらく苦労したり、せっかく購入したマグネットが黒板の磁場がなく全く使えなかったり、小さなトラブルはあったがやはりチャレンジして良かったと思った。まずはやってみることでいろいろ実務面でも学ぶことができた。この時間に臨む前はほぼ力尽きた感じだったが、どういうわけか卒論生と院生の顔を見ていると安心したのか元気が湧いてきた。UUプラザ使用は慣れてくればエネルギーの使いかももっと効率的になるだろう。前期にあともう1回やってみるつもりだ。

 

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13/06/06. Thurs.

 

スポーツ・体育社会学(白鴎大学)

復活2020年五輪競技について、3競技に絞られた意思決定過程を理事の投票行動を丁寧に見ることで探った。やはりなぜ当該競技に票を入れたのかが見えてこない。これでは確かに落選の5競技が振り回されただけだし、残った3競技の存続運動をめぐるこれからの消耗や疲弊も相当なものになるだろう。

 

スポーツ行政論(白鴎大学)

ネーミングライツの契約獲得をめぐり、明暗が分かれた形の栃木県と群馬県における事情を把握した。また、Jリーグの東南アジア進出の背景や運営課題を探った。スポーツ世界に限ったことではないだろうが、組織が存続していくためには、立ち止まることは許されず、常に先を見越して仕掛けていかなければいけないのだろう。

 

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13/06/10. Mon.

 

国際学英書講読

先週の経験からやはり顔を見合わせながら進む方がよいと判断し、20数名による円卓方式で、”Malaysia’s election”, ”Crimes in Brazil”, “Japan’s nationalism”, “China and cyberwarを読む。4本目はサイバー攻撃をめぐる米中の双方向性を鋭く指摘するものだった。2週間先を見据えた予習をどれだけの受講生が実践しているか分からないが、交換留学生の頑張りも加わり、今回のような前向きな雰囲気は教員を力づけてくれる。

 

余暇政策論

果たして教室の方は大丈夫だろうかと不安を抱えたまま、6グループが3教室に分かれたグループ討議を実施した。やってみて先週のUUプラザでの授業と同じく心配は杞憂だとわかった。これまで一方的に教員がしゃべり続けてきた時にはなかったところの、受講生自らが語る活き活きとした表情を見ることができた。次回もこの方式で行こう。

 

行政学演習

日々気温も上昇傾向にあり、さすがに資料室では人数的に限界だ別教室を借りた。概ね好評でここ(演習室)を使っていくことにした。先週あまりにもばたばたしていたせいか、今日の文章化報告についての割当に曖昧なところがあり、報告者は1名。次回から出直すことにした。受講生にあまりプレッシャーを与え過ぎてもと思う反面、緊張と良い意味での競争がゼミ活動の中身充実に直結することも事実であろう。この1カ月弱はまずは論文、そして後期演習へ拘束しない形でのジョイント活動とまちづくり提案活動についても始動の時期に入った。

 

行政学

大教室での授業。公務員制度と官僚制について。質疑応答も念頭にあったが、先週のグループ討議の後だけに何となく取って付けたようなやり取りとなるような気がして、結局踏み切れず。一方的なしゃべりとなってしまったが、官僚制組織やその類似組織の浸透・広がりなど受講生にも興味深い内容であったはずだと思いたい。

 

卒論・院生指導

2名が欠席しただけなのに、何となく寂しい雰囲気で指導を始める。4月以来、卒論生や院生と研究室ならではの身近な関係が意識せずにできていたのだろう。3名から報告。報告内容は関連の話から、教員もいろいろなことが学べることに感謝したい。この時間を大切にしていきたい。その後19時頃まで院生の中間報告に向けたレジメの文章修正を行った。疲れもありきつかったが、引用ではなく自分で文章を書く姿勢は間違っていない。

 

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13/06/13. Thurs.

 

スポーツ社会学(白鴎大学)

2020年五輪の招致関連で、IOCからのA〜Eランクごとの分配金について補足説明した後で、スポーツと暴力の問題、スポーツ指導におけるポジティブ行為の秘訣などについて、受講生が自ら考えるよう促した。イスタンブールにおけるデモ沈静化の見通しが見えず、マドリードについてもドーピング対応で課題ありと見なされている。柔道問題はあるにしてもこのまま何もなければ東京で当確ではないだろうか。

 

スポーツ行政論(白鴎大学)

J2の岡山と松本を最初に取り上げる。J1の浦和が抱える課題と鹿島の成功継続の背景を探った。bjリーグ(バスケ)、独立リーグ(野球)、スポーツチャンバラ、相撲部屋からのインターネットによる情報発信とファンとの相乗効果などについても紹介した。次回は受講生に直接問いかけてみたい。

 

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13/06/17. Mon.

 

国際学英書講読

“Pakistan’s election”, “United front against North”, “Syria on the brink”, “Spying on the AP”を読む。順調に進んでいったことに気を良くして、2020年五輪招致をめぐる話を挟んでしまい、その影響で、4本目の訳が時間的にぎりぎりとなってしまった。受講生の何割かは予習とこの授業の良いペースをつかんできていることが実感された。なお、1本目の”drone”は無人飛行体に訂正(授業終了後の受講生の指摘で発覚)。

 

余暇政策論

先週は課題文の配布が1グループ1枚であった点を修正し、授業の痕跡を残すためにもと思い、受講生全員分を配布。配布資料も討議内容に関わるもの1本に絞った。前回以上にグループ討議が盛り上がった。報告では黒板を用いた。工夫の余地はいろいろあると思った。改善点を明らかにして今月はもう1回グループ討議をやるつもりだ。

 

行政学演習

先週から教室変更したものの、やはり人数的にはぎりぎり。後期は工事に入るし、快適度では資料室を上回っており、この演習室を使っていこう。論文作成に向け今回から本格化する。現段階では註の付け方など、必要事項が記載されていればあまり神経質になる必要はない。論文掲載にふさわし情報源を取得できるかどうか、それを自分の言葉でまとめることができるかどうかが肝心。ジョイントの具体的動きはまだだが、まちづくり提案の締切が迫ってきた。ゼミの雰囲気は良いのだが、どうしても大変な難題を背負わされるという防御心が働くのか、手がなかなか挙がらない。あきらめずに来週さらに促したい。

 

行政学

黒板があまりにも大きく、加えて左肩とはいうものの50肩の影響もあるのか、板書行為そのものが苦しく、配布プリントに空欄を設けたことを内心後悔しながらも、めげずに板書する。質問内容はストリートレベルの行政職員に類似する経験的事例としたが、ピンと来た受講生は半数ぐらいか。地味かもしれないが行政学のキーワード理解は大切であり、次回はもっと要領よくポイントを押さえた内容にしたい。

 

卒論・院生指導

明日が修論中間報告会であり、その最終チェック。実際にプレゼンをして助言する。何とかジョイントとまちづくり提案は継続したい思いは教員も卒論生も修士2年生も同じ。来週卒論生がゼ3コマのゼミのラスト15分に顔を出してくれることとなった。卒論指導の開始時間が遅れたが何とか時間内に終える。修士1年生については、1名がゼミとは別個の内容を、3名が多少重複した内容ということで調整する。実際、課題や締切に直面すると、この種の調整作業がどうしても生じてくる。

 

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13/06/18. Thurs.

 

スポーツ社会学(白鴎大学)

福島県におけるJFL福島ユナイテッドの奮闘と課題、岩手県釜石市(釜石シーウェイブズ)によるラグビーワールドカップ開催試合招致の動き、コンフェデレーションカップに対するブラジルでのデモ、ブラジルにおけるサッカー女子選手の置かれた厳しい境遇、パラリンピック、SOなどを取り扱った。一見華やかにみえるスポーツ世界だが、見方を変えれば課題が山積している点を見落とすわけにはいかない。

 

スポーツ行政論(白鴎大学)

Jヴィレッジ復興の取り組み、岐阜県に見られる市民マラソン大会の理想型、宇都宮ブリッツエンの苦しい台所事情などを対象とする。どの領域でも漠然と構えているだけでは組織活動の継続は難しい。スポーツ組織をめぐっては世代を問わず勝敗や人気面などを通じ評価の白黒がはっきり付く点に特徴があるのかもしれない。

 

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13/06/24. Mon.

 

国際学英書講読

“Australia’s foreign policy”, “U.K.’s EU vote”, “Philippine shooting”, “Of wigs and spies”を読む。4本とも皮肉やひねりが効いていて、確かに一読では分かりにくいセンテンスは多かったものの、各社説の個性が良く出ていた。とくに4本目のワシントン・ポストの諜報活動をめぐる対プーチン批判には、ペンの力の凄味のようなものを感じた。

 

余暇政策論

イメージラボT・U・Vを使うグループ討議の最終回。3回目であり受講生もやり方に相当慣れてきたようだ。6グループの分けて、「でもやるんだよ!」を起点に事業提案させる。エクセルのランダム機能が便利で、これと前回欠席者を補充に充て、グループの男女間、学年間バランスもうまくおさまったようだ。発表はややあっさりしたものであったが、教員も受講生も手応えを感じたのではないだろうか。次回は小論文をめぐる提出の枠組み(スケジュールなど)を提示しなければ。

 

行政学演習

いよいよ論文提出まであと2週間となった。論文作成は、研究室としてのイベントや学内外に向けたプレゼンとは異なり、地味な努力が要求されるところの、しかし前期ゼミのメイン活動である。現場性を取り入れた形で全員が力を発揮してほしい。まちづくり提案については、今後変更があるかもしれないが、研究室から2本出すことでまとまった。何よりも自ら手を挙げてくれたのが大きい。

 

行政学

来週が震災関連での教員からの問題提起、再来週がそれを受けた形でのUUプラザでのグループワークとなり、その次が休みなので、逆算すると講義形式の授業回数もそんなにはない。そこで今回は取締活動、違反者類型、政策対応レベル、行政需要・行政ニーズなどもりだくさんではあったが、事例を交えての説明に努めた。一定割合の受講生は真剣に耳を傾けている雰囲気が伝わってきた。

 

卒論・院生指導

さすがに疲労感はあったが、卒業記念写真の撮影や卒論生・院生への今後のスケジュール確認などを行ってから、報告に入る。各々の抱える研究計画を把握した上での、個々の事情に対応した研究室活動の調整は確かにやっかいだが、同時に教員としてはやりがいもある。目の前にある課題を一つ一つ丁寧にクリアしていきたいし、クリアできるはずだ。

 

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13/06/27. Thurs.

 

スポーツ社会学(白鴎大学)

2020年五輪招致をめぐりIOCの評価報告書の内容を対象とする。否定的な言い方は3都市ともなかったようだが、褒め言葉から見るとやはり東京が優位ではないだろうか。来月上旬のプレゼンでの注目は、イスタンブールがデモ対応の点でどのような説明をするかであろう。

 

スポーツ行政論(白鴎大学)

普段見過ごされがちなユニークなスポーツを取り上げる。とくにトレインランでのTJAR(トランスジャパンアルプスレース)の過酷さには目を見張った。スタートが富山湾の河口で3000b級の山を走って、ゴールが静岡県の駿河湾とは驚きだ。しかも約415`を8日以内で走破とは。トップランナーの「限界に挑戦しながら新しい発見をしたい」という秀逸な言葉に感銘を受けた。

 

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