2013年5月 中村祐司の教育日誌

 

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13/05/01. Wed.

 

国際学英書講読

水曜日だが月曜振替授業。”Korean Peninsula”, “Falkland referendum”, “Iraq War”, “Pope from the people”.を読む。受講生の自主性を尊重するスタイルを今回も維持した。順番に当てるよりもこのやり方の方がいい。4本目は非常に読み応えがあった。世界のキリスト教も国際地域によってその勢いに差が出ていることを知った。受講生のやる気次第だが、次回と次々回の分も配布した。

 

余暇政策論

新聞報道から、受講生ぐらいの年齢から始まる「第一の人生」のスタートについて取り上げた。好みや価値観、ライフスタイルをめぐる世代間の差はいかんともしがたいだろうが、とにかく教える側がこれは面白い思った話題や表現を臆さずにどんどん提示していきたい。次回までに目下関心のある話題について考えてくるように伝えた。授業前に印刷の両面印刷ができず苦慮。新しい機器が入ったのに湿気で紙がどうしても詰まってしまう。ディズニー関連ものなど連休前を意識して多めに資料を配付した。

 

行政学演習

“地域”について意見交換。ゼミ生にも授業で使った資料を配付することにした。ゼミ固有の資料も用意した。メンバーがほぼ10名程度と固まってきた。最適の人数だ。地域まちづくり関連のイベントや情報など積極的に伝えていきたい。メーリングリストを作成することになり、資料や情報提示の際など有効に使っていきたい。

 

行政学

大教室では一方的な講義になりがちである。両面印刷できないので資料もがさばって重さも相当になる。このままでは資料作成に向き合う積極性が削がれてしまいそうだ。今回は政治・行政の融合論、古典的組織論から意思決定論まで。人間行動システムの重要性を示す小規模自治体の震災対応と、原子力規制めぐる意思決定のあり方を迫った新聞報道を「現在行政学」の素材として提供した。

 

卒論・院生指導

博士後期院生の学会発表に向けた報告だったが、オリジナルな点で課題があり、明日個別指導することにする。教員から民間委託についての話題提供。昨日ぎりぎりで書き上げた原稿を未定稿であることをことわった上で使う。4年生も就活や試験対応で苦しい時期だろうが、今日のように何とか1週間に1度は顔を合わせていきたい。

 

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13/05/09. Thurs.

 

スポーツ・体育社会学(白鴎大学)

連休明けは2020年東京五輪招致の活動内容を取り扱う。16年大会招致活動との資金面やその調達方法をめぐる違い、二つのゾーンの考え方、PRをめぐる国内向けと国外向けの二重基準など。スポーツが国を変えるダイナミズムを有する点をとくに強調した。

 

スポーツ行政論(白鴎大学)

部活動の外部委託、スポーツイベントでの徹底したエコ活動、自治体による国際スポーツ大会の誘致と観光資源など。スポーツに関連した社会や世界はどんどの広がりつつあるのではないか。ある意味ではスポーツ事業というのは単に選手の現役・引退という次元とは別に滞留とは無縁の世界かもしれないと思った。

 

行政学演習

 月曜振替授業の日。いよいよ連休明けから本格化するゼミ活動の今後のスケジュールを示す。個々の論文作成を軸に、他者との活発な意見交換や研究室外・キャンパス外での地域活動との関わりも触れていきたい旨も強調する。メーリングリストも完成。教員からもどんどん情報を提供していくつもりだ。

 

行政学

中間試験とUUプラザでのグループワーク実施の日程を提示する。授業では制度論の大枠(政府間関係)に入る。抽象的な内容にできるだけ具体例を盛り込むように心掛けた。どうしても一方的な話で終わってしまう。せめて次回には受講生に直接質問する機会を持たなければ。いずれスクリーンの利用も取り入れたい。

 

卒論指導

報告は3人から。卒業論文の題目届けも今月中だ。修士2年生は来月が中間発表会である。その他関連の手続などのんびり構えていると、直前になって慌てることになるので、早め早めの準備が大切だ。書類作成に後ろ向きになってしまうと、忘れたりして結局は自分が損するので、アグレッシブに片付けていかなければ。

 

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13/05/13. Mon.

 

国際学英書講読

今日から前期は振替なしに本筋の月曜日に授業を進めていくので、そのうちリズムも出てくるだろう。”U.K.’s economic outlook”, “Sino-Russian relations”, “Syria’s rebel leaders”, “Cyprus bailout”を読む。ちゃんと予習してきているのに、どうやら自らは手を挙げにくい受講生もいるようだ。1本目と4本目の社説が逆のことを言っていて興味深かった。2本目はやや美辞麗句に走ってしまったかも。社説は専門用語についても文中で簡潔な説明があることが多く、とにかく文章を丸ごと性格に把握する気持ちでやっていきたい。

 

余暇政策論

だんだんと教える側も落ち着いてきて、改めて受講生を見渡すとやはりグループ討議など対面式ではスペース上無理だと感じた。来月3日のUUプラザ利用以外にも、この階で分散形式も考えなければいけないかも。今回はクールジャパンの代表格である日本のアニメや絵師の活躍、漫画の違法コピーと業界の対策、革新的な養豚業、忍者文献から得る生活の知恵などを取り扱った。体操選手のむだ毛処理を扱った傑作記事も最後に思い切って紹介。問題発言には気をつけたつもりだが、受講生はどう受けとめただろうか。

 

行政学演習

今日からゼミ活動の運営をゼミ生自身で進めていく。司会や報告者の良い面・個性が出ていて良かった。教員によるコメントの時間が取れなかったのは残念だったが、次回が楽しみな展開となったし、やはりまずは個々のゼミ生が自らやりたいテーマを選ばせて良かったと思った。大学外での地域活動についても、焦らずにまずは情報提供程度であってもゼミ生に伝えていきたい。

 

行政学

日本の地方分権の経緯を取り扱う。説明がどうしても抽象的にならざるを得なかった。一方的なしゃべりではいけないとマイクを受講生に差し出す形で応答を求めたが、“分権的な事例”では受講生は答えようがなかったであろう。もっと質問内容を工夫しなければ。余暇政策論とは異なり、この大教室では広さに相当余裕があるので、いずれここでのグループ討議を検討してもいいと思った。

 

卒論・院生指導

ここまでくるともう勢いで突っ走るしかないという思いで資料室に入る。卒論・修論題目の届出や情報提供など実務面での重要事項も結構ある。秘書でもいない限り、大学教員に求められるまめさは半端ではないとあらためて感じた。教員側が授業に向けて用意・作成した資料配付についても、スキャナをかけて配信の体制がほぼ整ったので楽になるかと思ったが、その作業も結構大変だと悟る。何でも前向きに捉えて今年度は何とか研究室活動の幅を広げていきたい。

 

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13/05/16. Thurs.

 

スポーツ社会学(白鴎大学)

2020年五輪の招致関連で、野球とソフトボールの統一競技化やレスリングのルール変更を通じた復活運動に注目する。新聞報道を丁寧に追うと、今年97日の開催都市決定と同時に、IOC会長の改選、復活競技の決定もあることが見えてきた。後半はJリーグ開催20年に関して取り上げた。奇しくも今日が21年目のスタートの日であった。鮮度の高い生きた情報をもとに今後も授業を進めたいきたい。

 

スポーツ行政論(白鴎大学)

Jリーグの岡山と湘南による横広がりの地域密着の実践に注目した。岡山では子どもに夢を与えることを主眼にそれがチームのプレイスタイルにも貫徹される点、湘南ではクラブの震災応急・復旧支援の機能的拠点となった点に感銘を受けた。その他にもサッカースタジアムの芝生管理や野球スタジアムの整備をめぐる担い手の気迫と技術力の高さにも言及した。残念ながら受講者数は減り気味傾向。

 

 

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13/05/20. Mon.

 

国際学英書講読

“Israel’s 65th anniversary”, “Adam Scott’s victory”, “Gay hockey players”, “Bombs at the marathon”を読む。とにかく予習をしてくれば、訳でできようができまいが気にすることはない。最初のイスラエルの社説は相変わらず隠喩的な表現に戸惑うものの歴史軸での考察に深いものを感じたし、234本目はいずれもスポーツ世界を対象としたもので、たとえば最後のボスマラソンテロについては、爆発時の切迫した状況が目に浮かんでくるような迫力ある記述であった。昨日・一昨日と学会で名古屋に滞在し強行的なスケジュールをこなしたつけか、再来週の英文を自宅に置き忘れてしまい印刷できなかった。せっかくペースをつかみかけた受講生にすまなかった。

 

余暇政策論

印刷機の両面プリントは詰まってしまうためできず。結果、片面4枚と重くなる。プリント枚数も多過ぎ。とくに慌てている時は、このあたりのことがなかなか難しい。スマフォアプリのライン、地方でもこどもたちよるバンド結成、あきらめない勇気を報じた人物紹介など。また、雇用をめぐる報道も2枚。授業でのグループ討議の関係でラインを使いこなすという受講生の話を聞いて、自分も無関係ではいられないと思った。

 

行政学演習

昼休みに立て続けに人と会い、弁当を途切れ途切れで食べざるを得なかった。慌てて資料室に入り、ゼミ生による報告の内容に耳を傾ける。椅子の数も含めていっぱいいっぱいという感じだが、司会者は報告者が個性を発揮し良い雰囲気だ。やはり通常はここを使うのが良いのだろう。この時間以外にも、今年度はキャンパス内外での地域関連の実践活動にも研究室所属の院生・学生を積極的に関わってもら方向で行くので、関連の情報は積極的に提示していきたい。

 

行政学

昨年に引き続きやってみて分かったが、ゼミの後の大教室での授業には気持ちの切り換えが大切だ。日本における議院内閣制による意思決定を政治と行政との関連で論じる。あまりにも中央政府レベルの空中的な内容ではいけないと、資料では震災復興分野において公共を支える地域密着の実践例を紹介した。また、大学授業をめぐる識者の見解も提示した。

 

卒論・院生指導

3人から報告。卒論のテーマを確定する時期にきた。修論についても来月は中間発表があるし、博士課程院生の学会発表もある。この時点では学部3年のゼミ生は目の前の報告に集中した方がいいという考えも芽生え、地域関連の活動については卒論生と院1年生に協力してもらうこととした。とにかく完璧は無理だし、失敗もあろうが、まずは行動に踏み出していく。

 

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13/05/23. Thurs.

 

スポーツ社会学(白鴎大学)

2020年五輪の競技で復活をねらうレスリングのルール改正や女性役員の登用、その他の競技についても復活のための取り組みに注目した。後半はロンドン五輪の最高位スポンサー(化学会社)の抱える課題について、五輪の光と影の事例に言及した。

 

スポーツ行政論(白鴎大学)

県内のプロスポーツのうち3チームにつ注目し、栃木ブレックスについては収支決算から窺える課題。栃木SCについてはライセンス制度とスタジアムの課題、宇都宮ブリッツエンについては移動や実戦に臨む舞台裏などの新聞報道を取り上げた。その他にも転換期にある県内女子ホッケーやFIへのホンダ参入の話題なども取り上げた。

 

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13/05/27. Mon.

 

国際学英書講読

“Muslim community”, “Mavi Marmara”, “Unnecessary nationalism”, “Immigration reform”を読む。一コマで社説4本を読み切るスタイルなので、あまりにもゆっくりと訳すわけにもいかない。かといって、受講生が内容を理解できなければ元も子もない。理解度の深い受講生が引っ張ってくれるような展開が理想だ。

 

余暇政策論

湿気の関係でやむを得ずいずれも片面印刷4セットと雇用関係1セット。授業で用いるいずれの素材も受講生が前向きに勉強や進路に向き合う元気の一助となればいいという思いで配布している。街中で人々が踊るフラッシュモブについては、半分近くが知っていたのには驚いた。また、これからの「IT覇者」をめぐる熾烈な競争を取り扱った記事は迫力十分だった。

 

行政学演習

今回で報告が一巡。いずれのゼミ生も良い意味でこだわりがあるというか意欲的でなかなかいい雰囲気でここまできている。この調子でジョイントやまちづくり提案にも取り組むゼミ生が少しでも多くなればいい。資料室がいっぱいいっぱい、しかもこれから暑くなるのが気がかりだが、ここだと教室にはない親近感が持てるのがメリットだ。

 

行政学

中間試験の実施。初めての試みで思考・構想力に重点を置いた問題を作成した。キーワードは「官民の人材、資金、情報のフル活用」。受講生は楽勝とはいかなかったはずだ。次回はグループワークを実施するため、今日の時点でグループ分けを確認させ、各自が属する中央省庁における最重要政策課題を来週までに考えさせるようにした。

 

卒論・院生指導

3人から報告。その前に細かい実務上の連絡事項がいろいろあり苦慮する。しかしこれも「研究室の幅広げ活動」として決断したこと、ぶつぶつ言いつつもまずはやってみようと覚悟をあらたにする。書類作成もできる時にその場でやるように心掛けないと後でますます苦しくなる。本日の教育活動における関係資料や書類の散乱をうまく納める術があればいいのだが。

 

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13/05/30. Thurs.

 

スポーツ社会学(白鴎大学)

ロシアのサンクトペテルブルクで開催のIOC理事会において、2020年五輪の復帰競技が3つ(レスリング、野球・ソフトボール、スカッシュ)に絞られたのを受けて、落選した他の5競技がこれまで行ってきた復帰運動や各競技の奥深さに注目した。それにしてもIOCに入る莫大な放映権料(4年間で4,000億円弱)には驚いた。某国の視聴者に合わせて競技開始時間や見栄え重視のルール変更についてもさもありなんと思った。

 

スポーツ行政論(白鴎大学)

県内の地域スポーツ活動の事例も挙げつつ、クラブが横広がりのつながりを作りつつあることを具体的に示した。トップチームの存続がかなわなかったとしても裾野の活動を存続させる事例も紹介した。民間のスポーツクラブが複数種目を子どもたちに教え、送迎の工夫もし、塾機能も果たす動きまで出てきている。確かにスポーツの家庭教師は興味深かったが、本来のこどもたちの外遊びは今後どうなっていくのか不安だ。

 

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